20代の臨床検査技師の年収は安い?新卒の手取りや将来性も紹介!
臨床検査技師は国家資格を伴う医療職で、女性の割合が高い仕事でもあります。ここでは臨床検査技師の国家試験の難易度や新卒から20代までの平均年収、将来性などについて説明します。病院に限らず活躍の場は様々で、勤務先によって年収にも幅があるので参考にしてみてください。
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目次
臨床検査技師とは?
診察に必要な検査を行う専門職が臨床検査技師
臨床検査技師とは医師が指示をした、様々な検査を行う専門職のことです。臨床検査技師が調べた検査データは、病気の診断や治療方針を決める時に使われます。仕事には熟練した技が求められる一方、検査機器の高度化が進んでいることもあり、20代でもスペシャリストとして活躍する臨床検査技師は多いです。
臨床検査技師が行う検査は様々
臨床検査技師が行う検査は「生理学的検査」と「検体検査」に大別できます。生理学的検査では、心電図や脳波、超音波による映像診断など、人間の身体の生理的な反応や機能を測定しデータ化します。
一方の検体検査では、血液や尿、便などを患者さんから採取し、細菌の有無や成分について調べます。勤務先にもよりますが、臨床検査技師が行う検査内容は20代でも50代でも変わりません。臨床検査技師の詳しい仕事内容については、以下の記事を参照してください。
20代で臨床検査技師になる方法とは?難易度は?
20代で臨床検査技師になる方法①受験資格を得られる学校に進学する
20代で臨床検査技師になる方法の1つ目は、受験資格を得ることができる学校に進学することです。臨床検査技師は国家資格なのですが、受験資格を得るためには養成課程がある大学・短期大学・専門学校で3年以上学ぶごとが義務付けられています。所定の学校で学ばなければ、受験資格を得ることはできません。
20代で臨床検査技師になる方法②国家試験に合格する
20代で臨床検査技師になる方法の2つ目は、国家試験に合格することです。臨床検査技師の国家試験は年1回、毎年2月に行われます。試験科目は「医用工学概論」や「公衆衛生学」「臨床検査医学総論」「臨床検査総論」「病理組織細胞学」「臨床生理学」「臨床化学」「臨床血液学」「臨床微生物学」「臨床免疫学」です。
臨床検査技師の国家試験合格率は、養成機関によって異なります。20代で確実に臨床検査技師の国家試験に合格したいなら、過去数年の合格率を調べ、それが高い養成機関を選ぶことをおすすめします。
20代で臨床検査技師になる方法③就職先を見つける
20代で臨床検査技師になる方法の3つ目は、就職先を見つけることです。大学・短期大学・専門学校の養成機関から新卒で就職する場合は、国家試験に合格することを条件に就職活動を行い、内定をもらうことができます。しかし既卒の20代の場合は、卒業した養成機関によって就職のフォローに差があります。
現在では臨床検査技師も含めて、医療系の採用に強い転職エージェントが増えていますので、プロのサポートを受けるという選択肢もあります。既卒の20代で国家試験に不合格だった人は、就職活動の方法も検討が必要です。
臨床検査技師の難易度①合格率は75.2%
臨床検査技師の難易度の1つ目は、全体の合格率です。2019年2月20日に行われた、第65回臨床検査技師試験の合格率は75.2%でした。医療系の国家資格は他にもありますが、臨床検査技師の難易度は偏差値51程度なので普通です。
臨床検査技師の難易度②2019年の新卒者は86.5%が合格
臨床検査技師の難易度の2つ目は、20代が多い新卒者の合格率です。2019年2月20日に行われた、第65回臨床検査技師試験の新卒合格率は86.5%でした。
臨床検査技師の難易度③既卒は新卒より高くなる
臨床検査技師の難易度の3つ目は、既卒者の合格率です。2019年2月20日に行われた、第65回臨床検査技師試験の既卒合格率は19.4%でした。つまり、新卒より既卒の方が難易度が高いということです。確実に国家試験に合格したいなら、養成機関在学中にしっかり勉強した方がよいでしょう。
20代の臨床検査技師の勤務先と初年度の年収は?
20代の臨床検査技師の勤務先と初年度の年収①病院
20代の臨床検査技師の勤務先の1つ目は、病院です。病院に正社員として採用された場合は、年齢や経験に関わらず、基本給のほかに職種手当や住宅手当、家族手当、残業手当などが支給されることが多いです。新卒者の平均年収は250万円となっています。
しかし入院施設のある規模の大きな病院の場合は、当直や夜勤、オンコールがあるのが一般的です。また、公立病院であれば給料は公務員並みですが、私立の病院やクリニックの場合はそれより年収が安い傾向があります。病院への応募については、以下の記事を参考にしてみてください。
20代の臨床検査技師の勤務先と初年度の年収②臨床検査センター
20代の臨床検査技師の勤務先の2つ目は、臨床検査センターです。専門施設で病院などから依頼された検体検査を行います。その際、病院では行わない「病理検査」や「細胞診検査」「微生物検査」などを担当することが多いです。年齢に関わらず、専門的な検査に携われるのは魅力です。
臨床検査センターは、専門学校出身の新卒者が多くなる傾向にあるようです。新卒者の平均年収は250万円と病院と変わりませんが、経験年数が増えると給料の差が開いていきます。
20代の臨床検査技師の勤務先と初年度の年収③健診センター
20代の臨床検査技師の勤務先の3つ目は、健診センターです。健康診査のために訪れた患者さんの「検体検査」や「生理学的検査」を担当します。勤務先によって残業手当は支給されますが、当直や夜勤、オンコールはないのが一般的です。
新卒者の平均年収は250万円となっています。しかし、年齢を問わず基本給は病院より高いものの、キャリアアップするにつれて、年収が安いと感じる人が増える傾向があるようです。
20代の臨床検査技師の勤務先と初年度の年収④公務員
20代の臨床検査技師の勤務先の4つ目は、公務員です。公立病院の病院だけでなく、保健所で働くという選択肢もあります。その場合、年収は公務員並みなので、年齢を問わず民間に勤める臨床検査技師より高収入が期待できます。
国家公務員か地方公務員かで初任給が変わりますが、22~26歳の臨床検査技師の平均年収は430万円となっています。公務員は賞与が確実に支給されるため、新卒の平均月収は22万円前後と、民間就職と比較すると安いと感じる金額となっています。
ただし、臨床検査技師の公務員試験に合格しなければならず、難易度はとても高いです。試験内容は筆記試験と適性テスト、面接となりますが、募集人員も少ないので難しいといえるでしょう。
新卒の臨床検査技師の手取り額は?
新卒の臨床検査技師の手取り額は約242~320万円
新卒の臨床検査技師の平均年収は、300~400万円といわれています。20代の新卒者の平均年収が346万円、2018年の日本の平均年収が432万円であることを考えると、年齢の割に高給といえそうです。
しかし平均年収から社会保険料や税金が徴収されるため、実際に受け取る手取り額は少なくなります。年収300万円で242万円、年収400万円で320万円というのが、手取り額の目安となります。
しかし、医師や歯科医師、薬剤師、臨床放射線技師、看護師などと比べると、臨床検査技師の平均年収は安いようです。年齢と比例して昇給することを考えれば、新卒の平均年収にこだわりすぎない方がよいかもしれません。
新卒の臨床検査技師の平均年収は勤務先によって異なる
臨床検査技師の平均年収は、勤務先によって異なります。これは新卒でも同じです。平均年収をみると、病院や健診センターは250~500万円、臨床検査センターは250~429万円となっています。
しかし、治験コーディネーター(CRC)や臨床開発モニター(CRA)、アプリケーションスペシャリストなどの職に就けば、年収はもっと上げられます。そのためには実務経験も必要なので、どの年齢でどんなキャリアパスを実現するのか、考えておくことをおすすめします。
20代の臨床検査技師の平均年収は?
20代の臨床検査技師の平均年収①男性
20代の臨床検査技師の平均年収の1つ目は、男性です。20~24歳の男性臨床検査技師の平均年収は330.8万円、25~29歳だと407.5万円となっています。20代という年齢でみると、一般的な新卒社員の方が年収が安いことがわかります。
20代の臨床検査技師の平均年収②女性
20代の臨床検査技師の平均年収の2つ目は、女性です。20~24歳の女性臨床検査技師の平均年収は318.3万円、25~29歳だと394.1万円となっています。男性の臨床検査技師と比べると、女性の方が年収が安いことがわかります。
この傾向は30代以降にさらに強くなり、女性の臨床検査技師は男性より年収が安いまま、働き続ける人が多いと予想されます。ただしこの背景には、臨床検査技師は機械化に伴い、再就職時に正社員雇用されにくいことも関係しています。女性の臨床検査技師の仕事については、以下の記事を参考にしてみてください。
臨床検査技師の将来性は?
臨床検査技師の将来性①今後少なくなることが予想される
臨床検査技師の将来性の1つ目は、今後活躍の場が少なくなると予想されることです。検査機器が高度化することに加え、AIの導入によってデータ分析の作業が軽減されることが予想されるからです。そのため、正社員雇用される臨床検査技師の数は、今後減少する可能性が高いと考えられます。
臨床検査技師の将来性②生き残るにはスキルの習得が不可欠
臨床検査技師の将来性の2つ目は、20代のが将来にわたって活躍したいと考えているなら、スキルの習得が不可欠ということです。臨床検査技師は採血や鼻腔ぬぐい、口腔内の粘膜採取などの仕事も担います。こうした作業を積極的に行い、採取から検査までの精度をあげるのも一つの方法です。
また近年は、病棟で臨床検査技師が行う検査について、患者さんに直接説明する機会も増えています。コミュニケーションスキルを上げることで、よりチーム医療に貢献できるようになります。さらに専門的な検査に精通するなど、スキルを磨くのもおすすめです。
臨床検査技師の将来性③管理職を目指すという選択肢も
臨床検査技師の将来性の3つ目は、管理職を目指すことです。特に勤務先の規模が大きい場合は、若い社員の教育やマネジメントなどを行う管理職になることで、手当がつくこともあります。20代のうちから管理職を目指して、マネジメントやコーチングのスキルを磨いておくのも方法の一つでしょう。
また、安い給料で働き続けなくて済むように様々な部門に対応できるスキルを磨くため、勉強会や研修に積極的に参加するのもおすすめです。時代の変化と共に臨床検査技師が活躍できる場も広がる可能性があるので、自分を取り巻く環境に注視する習慣をつけましょう。管理職の仕事については以下の記事を参考にしてください。
20代のうちに臨床検査技師としてのキャリアパスを考えておこう!
今回は臨床検査技師の国家試験の難易度や新卒から20代までの平均年収、将来性などについてお話ししました。20代の臨床検査技師は一般的な新卒社員より平均年収は高いです。ですが生涯賃金を考えると、年収アップに備えておく必要があります。20代のうちに自分なりにキャリアパスを考えておくことをおすすめします。
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