参りましたの使い方・例文は?参ると伺うの意味の違いや尊敬語についても
「参りました」という敬語の正しい使い方をご紹介します。同じ意味の敬語「伺う」とは大きな違いがあるということをご存知でしょうか。取引先の会社に行って失礼な敬語表現をしてしまったなんてことのないように、この記事を参考にして参りましたの使い方をマスターしてくださいね。
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参りましたの意味とは?
参りましたの意味①「行ってきた」「来た」の謙譲表現
特にビジネスの世界で使うことの多い「参りました」という表現ですが、その意味は「行ってきた」「来た」の謙譲表現です。謙譲表現とは目上の相手に対して自分がへりくだることで相手に尊敬の意味を込める表現方法です。中学や高校の国語の時間に習った覚えがあるという人も多いのではないでしょうか。
謙譲語なので目上の人の行動に対して「参りました」を使うことはありません。あくまでも自分が「行く」という行動に対して「参りました」を使うのが鉄則です。尊敬の意味を込めて使った言葉がかえって失礼に値する結果につながってしまうので、謙譲語の使い方にいは注意が必要です。
参りましたの意味②勝負事などに負ける
「参りました」という言葉は勝負事などに負けた時に使うこともあります。将棋などで負けた時に「参りました」と頭を下げている姿を見たことがある人もいるのではないでしょうか。「参る」は「行く」の謙譲語ではあるのですが、それが勝負に負ける意味で使われるのは不思議ですね。
相手の術中にはまり負けてしまうことは、相手の手の中に入ってしまう意味にとらえ「参る」という言葉を使ったのではないかと言われています。同じ意味で「降参する」という言葉がありますが、その時に使われる「参」が「参りました」と同じ意味であると考えられます。この意味で使われる場合は謙譲語ではなく丁寧語です。
参りましたの意味③困ってしまった
「参りました」という言葉は困ってしまったという時に使うこともできます。例えば「夏の猛暑には参りました」という表現は夏の猛暑に困ってしまったという意味です。
この場合猛暑に困ってしまったということを丁寧に表現していて、困っていることを相手に協調して伝えることができます。尊敬語ではありませんが、相手に対して困っていることを丁寧に伝えたいという時におすすめの表現方法です。
参ると伺うの違いは?
参ると伺うの違い①「参る」は自分の「行く」や「来る」という動作を表す
「参る」は自分の「行く」や「来る」という動作を表す時に使います。つまり、「参る」は自分がどこかに行く・行ってきたという行動自体を目上の人に伝えたい時に使う謙譲語で、相手に何かを尋ねたりするという意味は含まれていないのです。あくまでも「参る」は自分の動作が主体になります。
「兄の家に行った」という文章を謙譲表現する時には「兄の家に参りました」となります。目上の相手に対して、兄の家に行ったということを伝えるので伺うという言葉は適切ではありません。さらに、兄は自分にとっては目上の関係ですが身内ですので、他の人には謙譲表現で伝えます。そのため「参りました」が適切な表現です。
参ると伺うの違い②「伺う」は行ってみたら相手がその先にいる
「伺う」は行ってみたら相手が先にいて、その人の立場を持ち上げるために使う謙譲語です。「参る」の場合は自分が「行く」という動作をへりくだるために使いますが、「伺う」の場合は相手をたてるのです。ここが大きな違いです。「行く」の謙譲語ではありますが、意味としては「訪ねる(たずねる)」の方が的確です。
取引先の相手の会社に行って謙譲表現をする時には「御社にお伺いします」となります。「伺います」でもいいのですが「お伺いします」と丁寧に表現をした方が言葉の雰囲気が柔らかくなるのでより印象が良くなります。ちなみに御社は会社の敬称です。貴社でも良いのですが同音異義語が多いため話し言葉としては不向きです。
「伺う」という言葉について下の記事ではさらに詳しく説明をしています。「参りました」と「伺う」の違いを比較し、「伺う」の意味を再確認するのにおすすめです。
参りましたの使い方・例文は?
参りましたの使い方・例文①「○○からやって参りました△△と申します。」
参りましたの使い方・例文の1つ目は「○○からやって参りました△△と申します。」です。入社試験などの面接で第一声は自分がどこから来た者なのかを伝えることから始まりますね。その時「○○から来た△△です。」という表現を正しく謙譲表現にするには「○○からやって参りました△△と申します。」が正解です。
大学生であれば「○○大学からやって参りました△△と申します。」といった具合です。ちなみに名前を言う時には「△△です。」ではなく「△△と申します。」というのもマナーです。合わせて自然に使えるよう日頃から意識をしておきましょう。
参りましたの使い方・例文②「○○から歩いてまいりました。」
参りましたの使い方・例文の2つ目は「○○から歩いてまいりました。」です。「参りました」をひらがな表記にして補助動詞にして使うことで、他の動詞を謙譲語として使うことができます。
この例文の場合は、「歩く」という動詞に「まいりました」をプラスすることで歩くを謙譲語にすることができたのです。動詞ならどんな動詞でも「まいりました」はプラスできますので、とても便利な表現方法ですね。
参りましたの使い方・例文③「気をつけて参ります」
参りましたの使い方・例文の3つ目は「気をつけて参ります」です。ビジネスの世界では時に謝らなければいけない場面に遭遇することもあります。自分のミスや理不尽な理由によることまで様々ではありますが、そこでつながりを絶つわけにはいかない場合、この例文がとても役に立ちます。
この例文で使われている「参ります」は「~していきます」の謙譲語です。つまり今後気をつけていくということを目上の相手に伝えるために謙譲語の「参ります」を「気をつける」にプラスし、相手に対しての敬意を表しているのです。使わないに越したことはない表現ですが、社会人として押さえておきたい例文です。
【誤用】参りましたの使い方・例文④「○○に参りましたか?」
参りましたの使い方・例文の4つ目は「○○に参りましたか?」です。上司や取引先の相手など目上の人に対して「食事に参りましたか?」と尋ねたことはありませんか。一見すると敬語を使い相手に対して失礼のない表現をしたかのように見えますが、実はこの表現は大きな間違いで、失礼に値します。
「参りました」はあくまでも自分がへりくだる謙譲語なので、相手の行為に対して使ってはいけないのです。「食事に参られましたか?」は「相手」が食事に行ってきたかを聞いているわけですから、これでは相手をへりくだした表現になっています。この場合は「参りましたか」ではなく「行かれましたか」を使うのが正解です。
【誤用】参りましたの使い方・例文⑤「○○さんが参られました」
参りましたの使い方・例文の5つ目は「○○さんが参られました」です。目上の○○さんにが来たことを「参られました」と表現しているのを耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、これも間違いです。
謙譲語の「参りました」に尊敬を表す助動詞「られる」をつけて尊敬語として使っているのが「参られました」ですが、そもそも謙譲語は自分がへりくだる表現なので、尊敬を表す助動詞「られる」をつけても尊敬語にはなりません。この場合は「いらっしゃいました」や「おいでになりました」が正しい表現です。
参りましたの尊敬語は?
参りましたの尊敬語①「おいでになりました」
「参りました」の尊敬語の1つ目は「おいでになりました」です。「おいでになりました」は「行く」や「来る」の尊敬語なので、「参りました」の尊敬語として使うことができます。上司など目上の人の「行く」や「来る」に対して使いましょう。「社長がおいでになりました」といった具合です。
「おいでになりました」という言葉をもっと幅広く活用したいという人はこちらの記事も参考にしてみてください。詳しい意味や英語表現など詳しく説明していますよ。
参りましたの尊敬語②「お越しになりました」
「参りました」の尊敬語の2つ目は「お越しになりました」です。「お越しになる」は「来る」の尊敬語なので「参りました」の尊敬語として使えます。注意したいのは「お越しになられる」という使い方です。これは「お越しになる」という尊敬語と尊敬の助動詞「られる」が合わさって二重敬語になっているので間違っています。
「お越しになる」という言葉について下の記事ではさらに詳しく説明しています。「お越しになる」との違いを比較し、意味を再確認するのにおすすめです。
参りましたの尊敬語③「いらっしゃいました」
「参りました」の尊敬語の3つ目は「いらっしゃいました」です。「いらっしゃる」は「来る」や「居る」の尊敬語ですので、「参りました」の尊敬語として使うことができます。「いらっしゃいました」を「いらっしゃられました」と尊敬の助動詞を合わせて使ってしまう人がいますが、これは二重敬語なので間違った表現です。
参りましたの尊敬語④お見えになりました
「参りました」の尊敬語の4つ目は「お見えになりました」です。「お見えになる」は「来る」の尊敬語ですので、「参りました」」の尊敬語として使うことができます。「お見えになりました」はこれまでご紹介した「参りました」の尊敬語の中でも特に敬意を表すべき地位の高い相手に対して使う言葉です。
参りましたの尊敬語⑤行かれました
「参りました」の尊敬語の5つ目は「行かれました」です。「行かれる」は「行く」という動詞に尊敬の意味を表す助動詞「れる」がプラスされた言葉で、「行く」を尊敬表現に変えています。ただし、他の4つの尊敬表現と比べると尊敬レベルが低いのでビジネスの場ではあまり使われることはありません。
参りましたの類語は?
参りましたの類語①参上しました
参りましたの類語の1つ目は「参上しました」です。「参上する」は「参上」という名詞に「する」という動詞をプラスした表現です。取引先の会社を訪ねる時には「御社に参上いたします」と表現すると、「参りました」を使うのと同じ意味で正しい謙譲表現になります。
参りましたの類語②拝謁(はいえつ)しました
参りましたの類語の2つ目は「拝謁(はいえつ)しました」です。「拝謁する」は会いに行くという意味の謙譲語で、その相手はとても身分の高い人のことを意味しています。例えば外国の国王に会ったという場合は「外国の国王に拝謁しました」と表現するのが最適です。
参りましたの類語③お目にかかりました
参りましたの類語の3つ目は「お目にかかりました」です。「お目にかかる」は「会う」の謙譲語なので、「参りました」と同じ意味で使うことができます。「お目にかかれて光栄です」という表現は「自分が相手に会うことができて光栄です」という意味で、自分がへりくだることで相手に敬意を表しています。
「参りました」を正しく使いましょう!
いかがでしたか。ビジネスの世界では特に多く使われる言葉「参りました」は、自分がへりくだることで相手に敬意を表す謙譲語です。相手の行為に対して使ってしまうとかえって失礼に当たる結果になってしまうので注意が必要です。正しく「参りました」という言葉を使えば相手にいい印象を与えられる社会人になれますよ。
目上の人とのやり取りは言葉の選び方によって印象ががらりと変わります。今回ご紹介した「参りました」の他にもビジネスの世界では押さえておきたいマナーがたくさんあります。こちらの記事ではビジネスメールの書き方について詳しく説明しています。毎日会社に行って頭を悩ませているという人はぜひ参考にしてくださいね。
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