税理士の年収はどれくらい?年齢・職場別や高収入になる方法も紹介!
独立開業もできる税理士は人気の職業の一つで、高収入だというイメージを持つ人も多いことでしょう。そこで、税理士の年齢別あるいは職場別の平均年収を紹介します。合わせて税理士のなり方や、高収入を得る方法についても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
税理士とは?
税理士とは税務や会計業務のスペシャリスト
税理士は税金の申告や納付をしなければならない、企業や個人事業主、不動産の所有者に代わって税務や会計を担う、税の専門家です。依頼主の節税の相談にのったり、納税しないことで不利益を被ることがないようサポートを行います。企業に限らず経営者や不動産を取得した会社員などが、依頼主になることもあります。
仕事内容は「税務」と「会計」に大別されます。税務では税金の申告に関する相談を受けるほか、申告書類の作成と申告・申請、異議申し立ての代行を行います。会計では財務諸表の作成や、企業の業績並びに資産状況の記録を行います。
税理士になるためには国家資格が必要
税理士になるためには、国家資格を取得しなければなりません。税理士の国家試験では「簿記論」や「財務諸表論」「所得税法」「法人税法」「相続税法」など、全部で11ある科目のうち5科目で60%以上の得点をとらなければなりません。一度得点をとってしまえば、その科目を再び受験する必要はありません。
しかし、税理士の国家試験を受けるためには、受験資格を持っていなけれなばなりません。受験資格を得るには、大学や短大の法学部や経済学部に進学し、税法や会計を学ぶのが一般的です。また、税理士事務所に3年以上勤務することでも、受験資格を得られます。
さらに日商簿記1級や会計士補など、指定された資格を取得している人も、受験資格を得ることができます。税理士を目指すためには、まず受験資格を満たす必要があるのです。税理士と公認会計士の年収については、以下の記事を参考にしてみてください。
税理士国家試験の合格率は高くない
平成30年度の税理士国家試験合格率は、15.3%でした。合格者は4716人と過去最低で、ここには官報合格者672人、一部科目合格者4044人が含まれています。
以下の表では、平成30年度の科目別合格者と前年度比較をまとめてみました。科目によって、受験者数にバラつきがあるのが目立ちます。また、平成29年度の結果と比較すると、合格率が下がっていることがわかります。
平成30年度税理士国家試験・科目別状況
科目 | 受験者数(延べ) | 合格者数(実数) | 平成30年度合格率 | 平成29年度合格率 |
簿記論 | 11941人 | 1770人 | 14.8% | 14.2% |
財務諸表論 | 8817人 | 1179人 | 13.4% | 29.6% |
所得税法 | 1704人 | 209人 | 12.3% | 13.0% |
法人税法 | 4681人 | 542人 | 11.6% | 12.1% |
相続税法 | 3089人 | 363人 | 11.8% | 12.1% |
消費税法 | 7859人 | 833人 | 10.6% | 13.3% |
酒税法 | 546人 | 70人 | 12.8% | 12.2% |
国税徴収法 | 1703人 | 182人 | 10.7% | 11.6% |
住民税 | 460人 | 62人 | 13.5% | 14.3% |
事業税 | 418人 | 46人 | 11.0% | 11.9% |
固定資産税 | 845人 | 126人 | 14.9% | 13.3% |
合計(延べ) | 42063人 | 5382人 | 12.8% | 17.0% |
税理士の就業形態とは?
税理士の就業形態①所属税理士
税理士の就業形態の1つ目は、所属税理士になることです。所属税理士とは、税理士事務所あるいは税理士法人に勤務する人を指します。いずれ経営者になることを目指して就業する人もいますが、他職種より年収が高いので、一生会社員として税理士を務める人も少なくないようです。
税理士の就業形態②社員税理士
税理士の就業形態の2つ目は、社員税理士です。社員税理士とは、一般企業に就職し、その資格を生かして仕事をする会社員を指します。企業経営に関わる会計や税務に関する仕事を専門に行います。資格手当などが支給され、年収が高いケースもあるようです。
税理士の就業形態③開業税理士
税理士の就業形態の3つ目は、開業税理士です。開業税理士とは独立して、経営者として業務にあたる人を指します。個人事業主や税理法人の経営者になれば、会社員として勤務するよりずっと高い報酬を得られる可能性が高まります。
税理士の職場とは?
税理士の職場①会計事務所
税理士の職場の1つ目は、会計事務所です。会計事務所とは、代表者が公認会計士である事務所です。税理士事務所とほぼ同義ですが、経営コンサルタントやM&Aに力を入れる傾向が強いようです。事務所によって業務内容に違いがあるので、就職を考えているなら事前にリサーチすることをおすすめします。
税理士の職場②税理士法人
税理士の職場の2つ目は、税理士法人です。税理士が個人事業主として独立する際は「税理士事務所」となりますが、「税理士法人」は企業として立ち上げているところです。2名以上の税理士が在籍することが、税理士法人にする条件となっています。
個人事務所の場合は経営者が亡くなるとその看板を維持できないことがありますが、税理士法人であれば経営者に何かあっても、会社を存続することはできます。
税理士の職場③コンサルティング会社
税理士の職場の3つ目は、コンサルティング会社です。企業への経営のアドバイスを、税務のプロとして専門知識を生かして行います。節税対策はもちろん、経営課題を解決するサポートを行うケースも少なくありません。忙しいですが、会社員であっても年収が高い傾向があります。
税理士の職場④一般企業
税理士の職場の4つ目は、一般企業です。企業の規模に限らず、会社であれば会計業務は不可欠で、納税の義務も負います。会社員として経理部や財務部に所属し、税理士の専門知識を生かして、企業経営に貢献します。
税理士の職場⑤国税庁・税務署
税理士の職場の5つ目は、国税庁や税務署です。この場合は、公務員試験に合格しなければなりません。また、国家試験にパスすることで「国税専門官」になることもできます。しかし受験できるのは21~30歳未満と制限があるので注意が必要です。公務員試験の内容については、以下の記事を参考にしてみてください。
税理士の年齢別平均年収は?
税理士の平均年収は1042万円
「平成29年度賃金構造基本統計調査」によると、税理士の平均年収は1042万円となっています。「平成27年度民間給与実態統計調査」によると、日本の会社員の平均年収は420万円となっており、税理士の方が倍以上高いことがわかります。会社員はもちろん、独立・開業することで、高い年収が期待できる職業です。
税理士の年齢別平均年収①20代
税理士の年齢別平均年収の1つ目は、20代です。20代全体でいうと、平均年収は698.8万円が目安です。一般の会社員よりは、平均年収が高いことがわかります。ただし、以下の表にもあるように、男女で平均年収の差が開いています。
20代男女別平均年収推移
年齢 | 男性 | 女性 |
20~24歳 | 836.7万円 | 563.9~593.9万円 |
25~29歳 | 859.7万円 | 689.8~648.6万円 |
税理士の年齢別平均年収②30代
税理士の年齢別平均年収の2つ目は、30代です。30代全体でいうと、平均年収は857.2万円が目安です。一般の会社員と比較すると、かなり高い年収となっています。同じ年齢でも年収に幅があるのは、勤務先によるところが大きいです。30代の税理士の平均年収の詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。
30代男女別平均年収推移
年齢 | 男性 | 女性 |
30~34歳 | 885.7~985.7万円 | 712.8~743.8万円 |
35~39歳 | 916.1~1020.1万円 | 769.7~823.4万円 |
税理士の年齢別平均年収③40代
税理士の年齢別平均年収の3つ目は、40代です。40代全体でいうと、平均年収は1052万円が目安です。この年代になると、独立・開業する人も増えてきます。
40代男女別平均年収推移
年齢 | 男性 | 女性 |
40~44歳 | 1025.2~1146.2万円 | 864.9~921万円 |
45~49歳 | 1161.7~1283.7万円 | 968.6~1045万円 |
税理士の年齢別平均年収④50代
税理士の年齢別平均年収の4つ目は、50代です。50代全体でいうと、平均年収は1199.5万円が目安です。日本の会社員の平均年収の3倍近くとなり、高い報酬を得ていることがわかります。
50代男女別平均年収推移
年齢 | 男性 | 女性 |
50~54歳 | 1265.4~1375.4万円 | 1037.8~1140.4万円 |
55~59歳 | 1254~1364万円 | 1029.2~1130万円 |
税理士の年齢別平均年収⑤60代
税理士の年齢別平均年収の5つ目は、60代です。40代全体でいうと、平均年収は991.4万円が目安です。シニア世代でこれだけ高い年収を得られる可能性があるのは、スペシャリストの特権といえるかもしれません。
60代男女別平均年収推移
年齢 | 男性 | 女性 |
60~65歳 | 828.4~1364万円 | 744~1029.2万円 |
税理士の職場別平均年収は?
税理士の職場別平均年収①会計事務所
税理士の職場別平均年収の1つ目は、会計事務所です。会社員として勤務する場合の平均年収は、700~800万円が一般的です。
税理士の職場別平均年収②税理士法人
税理士の職場別平均年収の2つ目は、税理士法人です。税理士法人に勤務している場合の平均年収は700~800万円と、会計事務所と変わりません。ただし、経営者になる場合は3000万円から1億円と、平均年収は大幅にアップします。
税理士の職場別平均年収③コンサルティング会社
税理士の職場別平均年収の3つ目は、コンサルティング会社です。コンサルティング会社の会社員であっても、会計事務所より高い1000万円が平均年収となります。
税理士の職場別平均年収④一般企業
税理士の職場別平均年収の4つ目は、一般企業です。一般企業の場合は勤務する会社の規模により、年収に幅があります。会計事務所と同等の700~800万円という平均年収を得るためには、大企業に勤めるのが早道でしょう。
税理士の職場別平均年収⑤国税庁・税務署
税理士の職場別平均年収の5つ目は、国税庁や税務署です。いわゆる税務署職員の平均年収は、704万円となっています。しかし、国税専門官になると平均年収は771.7万円にアップします。40代には年収800万円越えとなります。
税理士が高収入を得るための方法は?
税理士が高収入を得るための方法①税理士法人に入社する
税理士が高収入を得るための方法の1つ目は、税理士法人に入社することです。特に大手に入社すると基本給が高いことが多いです。また昇進することで、さらなるステップアップが見込めます。ただし、大手の整理し法人に採用されるためには、税理士資格だけでなく、TOEICスコアに裏打ちされた英語力などが求められます。
税理士が高収入を得るための方法②後継者のいない個人事務所に入社する
税理士が高収入を得るための方法の2つ目は、後継者のいない個人の会計事務所もしくは税理士事務所に入社することです。近年、税理士の高齢化が進んでおり、後継者不足に悩んでいる人が少なくありません。経営者と信頼関係を築くことで、税理士が引退する際にクライアントを引き継げる可能性があります。
税理士が高収入を得るための方法③専門分野を持つ
税理士が高収入を得るための方法の3つ目は、自分の専門分野を持つことです。税務処理といっても、農業法人と医療法人では内容が異なります。特定の分野のスペシャリストとして認知され、様々な相談にのれるようになると、新規開拓もしやすくなるものです。近年は相続専門の税理士も、人気が高いようです。
税理士が高収入を得るための方法④独立開業する
税理士が高収入を得るための方法の4つ目は、独立・開業することです。会計事務所や税理士法人に入社してスキルを磨き、人脈を広げたうえで独立・開業する税理士は少なくありません。税理士としてはもちろん、経営手腕を磨くことで高収入を得られる可能性はあります。
ただし、独立・開業した人すべてが成功しているわけではありません。当然、リスクがあることも念頭に置く必要があります。開業にあたっての手続きについては、以下の記事を参考にしてみてください。
時間をかけて税理士を目指そう!
今回は、税理士の年齢別あるいは職場別の平均年収、高収入を得る方法についても説明しました。税理士は、新卒でも高収入が期待できる職業ですが、資格取得はそれほど簡単ではありません。社会に出てから目指すのであれば、複数年計画で試験をクリアする覚悟が必要です。その点も踏まえて、できる準備から始めましょう。
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