ら抜き言葉の意味・ダメな理由とは?見分け方や食べれる・見れる等の例も

食べれるなどのら抜き言葉というのを知っていますか?一般会話や方言として使われている言葉ですが、実は間違った日本語として扱われています。そんな便利ながらも間違った日本語である、ら抜き言葉について一例や見分け方、ダメな理由など紹介します。

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ら抜き言葉の意味とは?

ら抜き言葉の意味とは「られる」から「ら」を抜いた言葉

勉強

ら抜き言葉の意味とは、食べられるを食べれると表記したり、見られるを見れると表記するなど、「られる」の「ら」を抜いた言葉です。

こちらの記事では、書き言葉や話し言葉で使われている「なのです・なんです」についてまとめられています。文章を占める言葉として使われていますが、敬語としてのインパクトがないせいで、疑問視されがちです。こちらの記事を読んで、「なのです・なんです」の使い方を把握して、ビジネスシーンを生きぬきましょう。

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「られる」は可能系の動詞

勉強

食べられるなどに使われる「られる」は、動詞に可能系がついた助動詞です。受け身の状態を現したり、相手に対する軽い尊敬をふくんだ言葉など、様々な様子で使われています。また、似たような言葉として、「させる」があります。

「られる」の種類①自発

自発

「られる」の種類1つ目は、自発です。ひとりでに実現する現象や、自然にそうなることを示す言葉で、心情的な表現で使われる場面が多く存在します。文章として表現する際、動作をするものを主格として対象のものを対格で表現する必要があります。

しかし、この表現をすると積極的に進んでいく感じがあるので、それを避けるために「このように動くのが自然である」という感じを取り入れるために使われます。

    自発を示す「られる」の例文

  • 彼は短気な性格だから、将来が案じられる。
  • まだ2月だというのに、春の気配が感じられる。
  • こんなに感謝の品を送られては憚られる。

「られる」の種類②受け身


受け身

「られる」の種類2つ目は、受け身です。動作するものと作用されるものの間に、利害関係・主体が受け取るもの・結果や状態に重点を置くもの(非常の受け身)・主体に害が及ぶもの(迷惑の受け身)といった意味が含まれています。

    受け身を示す「られる」の例文

  • 向かいに敷地に踏み入れると水をかけられる。
  • 鉄骨の下敷きになった子供が救助隊によって助けられる。
  • 基本的人権によって私たちは守られる。
  • 何度もお金を借りに来られるので困った。

「られる」の種類③可能

可能

「られる」の種類3つ目は、可能です。動作するものと作用されるものの間に、主体の実力によって実現されること・遂行が認められていること・対象の力によって実現されること・対象の力などを評価することといった意味が含まれています。

    可能を示す「られる」の例文

  • これから乗る旅客船はおよそ200人もの旅行客を乗せられる。
  • 努力したおかげでピーマンが食べられるようになった。
  • 期待のエースが参加しているため、優勝への期待がかけられる。
  • 娘はもう13歳だから、留守番を任せられるだろう。

「られる」の種類④尊敬

尊敬

「られる」の種類4つ目は、尊敬です。動作の主体に対する敬意を表すもので、未然形がア段になる動詞には「れる」が、それ以外には「られる」がつきます。

    尊敬を示す「られる」の例文

  • 3時になったら先生が帰って来られます。
  • もうしばらくしたら、社長はディナーを召し上がられる。
  • 朝6時に〇〇様が起きられる。

こちらの記事では、言うの尊敬語や丁寧語についてまとめられています。日常会話やビジネスシーンで使われるこの言葉は、尊敬語・謙譲語・丁寧語の三つに分かれています。これらを使い分けないと、日本語が不十分な人になってしまいます。こちらの記事を読んで、言うを状況に応じた使い分けができるように勉強しましょう。

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ら抜き言葉ではなく「ar抜き」という見方もある


見方

最新の研究では、ら抜きではなくar抜きであるという見方が生まれました。この説によると、「食べられる」と「食べれる」をローマ字に変換すると「taberareru」と「tabereru」になります。この二つを見比べると、「食べれる」には「ar」が抜けているのがわかります。

また、可能動詞の活用として「歩く」を「歩ける」と表記されますが、室町時代に歩けるが主流になる前は「歩かれる」が一般的でした。これらもローマ字で「arukeru」と「arukareru」と表記すると「ar」が抜けているのがわかります。

室町時代に起きた言葉の変化は、現代で容認されているため、ら抜き言葉は容認すべきではないかという考えがあります。しかし、嫌悪する人が多いため浸透しないという意見もあります。

ら抜き言葉の見分け方・例は?

ら抜き言葉の見分け方・例①食べれるなどの元の動詞に「よう」がつくか

疑問

ら抜き言葉の見分け方・例1つ目は、食べれるなどの元の動詞に「よう」がつくかです。確認したい動詞の「られる」の部分を、勧誘系の動詞になる「よう」に変えてみましょう。その動詞に「よう」がつく場合は、ら抜き言葉になります。それ以外の場合は、ら抜き言葉ではないのがわかります。

この見分け方の使い方としては、「食べる」と言う言葉を「食べよう」と表記するときちんと勧誘している形になっているのがわかります。そのため、「食べれる」は誤用であり、「食べられる」が正しいのがわかります。

また、「歩く」という言葉を「歩よう」と表記すると動詞として成立していないのがわかります。正しく勧誘の形にするには、「歩こう」でなければなりません。そのため、ら抜き言葉にならないのがわかります。

ら抜き言葉の見分け方・例②食べれるなどの動詞を「ない」の形にする

疑問

ら抜き言葉の見分け方・例2つ目は、食べれるなどの動詞を「ない」の形にすることです。確認したい動詞の「られる」の部分を、否定系の動詞になる「ない」に変えて、その上にある母音を見ましょう。その音が「ア」にならない場合、ら抜き言葉になります。

例えば、「考える」という言葉に「ない」を加えて「考えれない」にします。この時、「ない」の上にある音が「エ」なのがわかります。しかし、「考えられない」とすると「ない」の上にある音が「ア」になるため、正しい表記であるのがわかります。


ら抜き言葉の起源は?

ら抜き言葉の起源①五段活用の派生

調査

ら抜き言葉の起源1つ目は、五段活用の派生です。一例として、「乗る」という動詞に可能系の助動詞として「れる」がありますが、「乗れる」に変化した時に可能動詞としての働きが生まれます。この時「乗られる」から「乗れる」に変わりますが、別の動詞として働いているので問題ありません。

このように、五段活用の動詞である可能動詞のみ「乗る」のような変化が可能とされていましたが、大正末期頃から可能動詞ではないものでも変化しても良いとされるようになりました。

例えば「見る」という動詞は上一段動詞なので、「見れる」ではなく「見られる」と表記するのが正しいです。しかし、可能動詞の変化と混同されるようになったため、「見れる」のようなら抜き言葉が浸透するようになったとされています。

ら抜き言葉の起源②関西地方の方言

関西

ら抜き言葉の起源2つ目は、関西地方の方言です。大阪を中心に使われている関西弁の中には、「食べれへん」や「見れへん」といったら抜き言葉が使われています。有名な芸能人に関西出身が多いのも相まって、ら抜き言葉が浸透したのではという説があります。

こちらの記事では、東京弁などの関東の方言についてまとめられています。方言といえば地方の言葉というイメージがありますが、実際には都会であっても、その地方特有の方言が存在します。神奈川や千葉の方言を確認するためにも、こちらの記事を読んで、東京を中心とした関東の方言についてチェックしてみましょう。

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ら抜き言葉の起源③中国地方の方言

広島

ら抜き言葉の起源3つ目は、中国地方の方言です。中国地方に位置する広島県では、方言として広島弁を使う人が大勢います。その広島弁には、一般的にら抜き言葉として見られる言葉遣いが多数存在します。

例えば、見られるという言葉を広島弁に訳すと「見れるんよ」というように、ら抜き言葉になっているのがわかります。とあるきっかけで広島弁が広まり、一般的な会話の中に浸透したのではという説があります。

ら抜き言葉の起源④発音しやすい・聞き取りやすい方法として生まれた

会話

ら抜き言葉の起源4つ目は、発音しやすい・聞き取りやすい方法として生まれたことです。食べられるといった言葉はラ行が続くため、話し手は喋りづらく、聞き手は聞き取りづらいという問題がありました。これを解決するために、「ら」が抜かれたという説があります。

ら抜き言葉が浸透したのも、発音する上で発生する問題を解決するために広まったと言えます。ちなみに、このような問題のように、どれか一方の発音を変えようとする力を異化(dissimilation)と呼びます。

ら抜き言葉はダメ?

ら抜き言葉がダメな理由①「見れる」などは文法的に間違っているから

ダメ

ら抜き言葉がダメな理由1つ目は、「見れる」などは文法的に間違っているからです。意味が通じても正しい文法から外れていては違和感が生じます。日本語や会話のマナーに厳しい人がら抜き言葉を聞いたら、ダメな理由を述べながら怒るでしょう。

ら抜き言葉がダメな理由②受け身の時は「ら」を抜かないから

受け身

ら抜き言葉がダメな理由2つ目は、受け身の時は「ら」を抜かないからです。「られる」の種類の一つである受け身は、他のものから自分に動作を受けるという効果を持ちます。

つまり、受け身として使う場合は受け取ることを重視する必要があります。例えば、「上司に殴られる」を「上司に殴れる」と表記すると、わからない状態になるため、「ら」を抜いてはダメな理由がわかります。

ら抜き言葉は極力控えよう!

ら抜き言葉がダメな理由は、文法的に間違っているのはもちろんのこと、正しく伝えられないという欠点があります。方言や日常会話の中で使っているため難しいかもしれませんが、正確に情報を伝えるためにも、伝わりやすい言葉遣いを心がけましょう。

もし、あっているのかわからない場合は、今回紹介したように、動詞を勧誘系にする見分け方や否定形にする見分け方を使いしましょう。最初は慣れなくて手間取るかもしれませんが、次第に素早く見分けられるでしょう。


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