なのです・なんですは敬語?書き言葉・話し言葉での語尾の使い方は?
「なのです」という言い回しは文章を締める語尾として使われます。話し言葉では「なんです」という表現も使いますが、書き言葉ではほとんど使われません。ここでは状況に応じた語尾の使い方と、それに関連する敬語の使い方を分かりやすく紹介していきます。
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目次
なのです・なんですは敬語?
なのです・なんですは敬語なのか①なのですは敬語として使える
「なのです」や「なんです」は敬語なのかという問題の1つ目として、「なのです」という表現は敬語として使えることが挙げられます。「なのです」という言葉は丁寧語に該当する言葉であり、目上の人や取引先の人に送るビジネスメールの文面にも使うことができる表現です。
相手から来たビジネスメールにも「なのです」という表現を見つけることができるでしょうし、社会人経験が長い人であれば、自分が送ったメールにも「なのです」という表現を見つけることができるでしょう。
ちなみに「なのです」や「なんです」という言葉は不平不満を伝える際によく聞かれる表現です。ここでは、そういった使い方の話はしませんが、不平不満を言う人に出会った時には対処が必要であり、下記の関連記事はそんな対処法を知るのにおすすめの内容です。仕事に役立つ内容ですので、こちらもチェックしましょう!
なのです・なんですは敬語なのか②なんですは敬語のニュアンスが弱い
「なのです」や「なんです」は敬語なのかという問題の2つ目として、「なんです」は敬語として使えるものの、敬語としてのニュアンスが弱いことが挙げられます。「なのです」という言葉については書き言葉で目上の人にも使える表現ですが、「なんです」という言葉の方が親しみがあり、その分敬語要素が弱い言い回しです。
そのため、相手との距離を縮めるのには非常に有効な言葉である一方で、使う場所を間違うと馴れ馴れしいと思われたり相手が目上の場合だと、相手方から失礼だというレッテルを貼られてしまうきっかけになるリスクがあります。そのため「なんです」は「なのです」よりも特に目上や取引先に対しては慎重に使う必要があります。
敬語としての「なのです」を文法的に分解する
敬語としての「なのです」という表現を文法的に分解して説明します。まず「な」は断定の助詞です。状況によっては形容動詞の語尾の連体形にあたる場合もあります。そして「の」は接続助詞であり「です」は断定を意味する助動詞「だ」の丁寧語表現です。
つまり「なのです」という言葉は2回断定の表現を重ね合わせた表現であり、相手に対して説明をするために強く主張したい場合や、物事を強調したい場合に使うのに適した表現と、文法上でも説明することができます。こういった文法上の構造も理解しておくと、使う時に使い方を間違いづらくなるので覚えておきましょう。
なのです・なんですの意味は?
なのです・なんですの意味①強い断定を表す語尾表現
「なのです」や「なんです」の意味の1つ目として、強い断定を表す語尾表現であることが挙げられます。例えば「これは売れ筋になります」と言うよりも「これは売れ筋になるんです」と説明をした方が、強く断定しているニュアンスとともに、自信を感じる表現になります。「なんです」を使うと言葉が力を持ちます。
これは「なのです」も同じ効果を持ちます。例えば「先日は部長のおかげでプレゼンをうまく進めることができました」という表現を「プレゼンをうまく進めることができたのは部長のおかげなのです」と言うと、部長のプレゼンへの力添えをより強くアピールする言い回しになります。
この2つの例文は語順が違うという作用も影響していますが「プレゼンをうまく進めることができたのは部長のおかげです」という表現と比べても部長の力添えを強調しているニュアンスが感じられ、それに伴う部長への強い感謝の気持ちを感じることができる言い回しになっています。
なのです・なんですの意味②事情を説明する際に使う語尾表現
「なのです」や「なんです」の意味の2つ目として、事情を説明する際に使う語尾表現が挙げられます。例えば「天気予報は晴れなんです。空はこんなに曇っているのに」という表現では、実際には曇っているのにも関わらず、天気予報はそれに反して晴れになっていることを説明しています。
また、この場合は「空はこんなに曇っているのに天気予報は晴れなのです」と言い換えることもできます。語順が違うことも影響していますが、先の例文よりも落ち着いた印象を与える文章になります。このように、「なのです」や「なんです」を使って事情を説明し、かつそれに感情を乗せることができます。
「なのです」や「なんです」の特性を理解して、それを状況によって使い分けると、相手方に対して説得力のある説明が可能になります。ここからは書き言葉と話し言葉それぞれの観点から、「なのです」と「なんです」をどのように使い分けていけばいいのかを説明していきます。
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方は?
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方①書き言葉はなのですを使う
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方の1つ目として、書き言葉はなのですを使うことが挙げられます。「なのです」という言葉は書き言葉で使える表現です。話し言葉で使うこともできるのですが、話し言葉で「なのです」を使うとビジネス感が強くなり、感情の表出が抑えられる印象になります。
そのため、基本的には書き言葉では「なのです」を、そして話し言葉では「なんです」を使うと、何かを断定したり、状況を説明する文章をうまく組み立てることができます。「なのです」という言い回しは、丁寧さを十分に持つ表現であり、目上や取引先を含め様々な相手やシーンに対して使うことができます。
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方②状況を説明する場合の例文
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方の2つ目として、状況を説明する場合の例文を紹介します。例えば「図面右の壁は固定なのです。そのためレイアウトを考える際には壁は動かさずに考える必要があります」という言い回しができます。「壁は動かないのか」という質問に、動かないことを強く説明している状況です。
「図面右の壁は固定です」というよりも、壁が固定だという状況を強調して説明したい意思を感じる表現になります。このように「なのです」を使うことで、説明に対して相手の反論をある程度シャットアウトする効果を持たせることができます。ただし使う場所を間違うと一方的に聞こえるので、その点は注意が必要です。
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方③強く断定する場合の例文
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方の3つ目として、強く断定する場合の例文を紹介します。例えば「明日は今日の大統領演説の影響で株価が上がります。だからこそ今のうちに売り注文の指示を出しておく必要があるのです」といった形で使います。先に理由を述べ、売りの指示が必要と強く断定しています。
このような形で「なのです」を使うことで、必要性や必然性を強く主張することが可能になります。ただ単に「なのです」を使った文章を単独で使うと説得力はないのですが、例文のように根拠をしっかり述べた上で「なのです」と語尾に使った文章で締めくくることで、相手方に対して自分の意見を通しにいく文章を作成できます。
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方④ですがを併用する強調表現
書き言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方の4つ目として、ですがを併用する強調表現を紹介します。「今はどんどん社員が辞めていっている状態ですがそんな今だからこそ飲み会を開くべきなのです。今まで社内のレクリエーション企画がなかったのも社員のモチベーションが上がらなかった理由なのです」といった形です。
「ですが」や「だからこそ」という流れから「なのです」という語尾で締めることで、説得力を持たせて相手方に対して強く主張したい気持ちまでアピールすることができます。このような文章の組み立て方もありますので覚えておくようにしましょう!
話し言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方は?
話し言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方①なんですが使える
話し言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方の1つ目として「なんです」という表現が使えることが挙げられます。「なんです」という表現は話し言葉ならではの表現です。文章では特にビジネスのシーンにおいて使うことはありません。ビジネスメールにおいては「なのです」しか使えませんが、会話では選択肢が広がります。
ただし、厳密に誰かが話をしていたニュアンスをそのままの状態で伝えたいという意図がある場合には鍵かっこを付けて「なんです」を使う場合があります。あくまでもある人がこう話していた、ということを伝える部分になるのでこのようなシーンにおいては書き言葉で「なんです」を使っても間違いにはなりません。
話し言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方②状況を説明する場合の例文
話し言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方の2つ目として状況を説明する場合の例文を紹介します。「今回はイレギュラーで休日出勤の当番なんです。そのため行事には参加できないんです」といった形で使います。「休日出勤の当番です」「休日出勤の予定です」というよりも、前のめりに相手へ説明する状況が伝わります。
この例文のように、会話において「なんです」という表現を使うと、そのことを主張したいという強い気持ちが相手方に伝わりやすくなります。話し言葉でしか使えない表現だからこそ、効果的に使うことで、相手に対して「その状況で仕方がない」というニュアンスも込めながら状況を説明することができるのです。
話し言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方③強く断定する場合の例文
話し言葉でのなのです・なんですの語尾の使い方の3つ目として強く断定する場合の例文を紹介します。「次はA社の値下げ策が濃厚なんです。だからこそ今のうちに弊社としても対策をしておく必要があるんです」といった形で使います。この例文は「濃厚なんです」「あるんです」と、2文立て続けに強く断定し主張しています。
もしもこの表現の「なんです」を「なのです」に変えると、そこまで感情を表に出さない表現になります。話し言葉では「なん」という「な」に強いアクセントを置く言い方ができる「なんです」が使えるからこそ、言葉に力を持たせることができるのです。話し言葉で何かを断言し主張する場合にはこの表現を有効活用しましょう!
なのです・なんですの語尾を状況に応じて使い分けよう!
「なのです」「なんです」という語尾を状況に合わせて使いこなすことで、自分の主張に強弱をつけ、説得力を持たせた表現が可能になります。書き言葉では「なのです」を使い、話し言葉では「なんです」をしっかり活用することで、相手方にNOを言わせない説得力を実現することができるでしょう。
同じことを理論的に主張しても、声のトーンやちょっとした言い回しの差で相手への印象が大きく変わることが少なくありません。「なのです」「なんです」という表現はまさにそれを体現しています。ここで紹介した「なのです」「なんです」の使い方を、次に誰かと話をする時に早速実践してみましょう!
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