出来かねますの意味は?できません等の敬語やできかねる時の対応の仕方も
「出来かねます」という敬語の意味をご紹介しています。また、「出来かねます」の言い換え表現や、「出来かねます」という言葉を使った例文についても解説しています。「できかねる」という丁寧語を活用した「致しかねます」という謙譲語を活用して、上手にビジネス対応ができるようになりましょう。
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目次
「出来かねます」の意味とは?
「出来かねます」「できかねる」は「できません」の意味の丁寧語
「出来かねます」や「できかねる」という言葉は、端的に言うと「できません」という断りや拒否の意味の丁寧語です。友人同士や家族同士であれば、「できない」と自分の意思をしっかり飾らずに伝えられますが、ビジネスの場やそんなに親しくない人に対して「できません」とはっきり伝えるのは難しい場合が多いでしょう。
そんなときに便利に使える日本語が「出来かねます」や、「できかねる」という言葉です。「出来る」という可能の意味を持つ動詞と、「兼ねる」という「出来ない」や「難しい」という意味を持つ動詞の組み合わせによって使われている丁寧語です。
「出来かねます」は「出来る」と「兼ねる」の組み合わせですから、「ない」という否定の言葉が使われているわけではありませんが、結果として否定や拒否を意味する敬語として用いられています。
「出来かねます」は拒否や断りの意味を持つため、「〇〇しかねない」や「〇〇しかねません」という「ない」の表現を使いたくなってしまう場合があるのではないでしょうか。しかし、「〇〇しかねない」という言葉では、意味が変わってしまうので注意が必要です。「〇〇しかねない」は、「普通ならしないことだがもしかしたらやるかもしれない」という意味で使われる言葉です。
「出来かねます」はやんわり断りたいときに使う
「出来かねます」や「できかねる」は、相手に対して何かをやんわりと断りたいときに使う丁寧語です。親しくもない相手に「できません」という敬語で断るのは、不躾ですし失礼にあたります。
相手に対して「〇〇しない」という否定の表現を使わないで断るためにあるような、丁寧な言葉です。相手への配慮を重んじる、日本人らしい敬語の使われ方ですね。
また、次の記事ではお詫びの敬語の正しい使い方やその意味についてご紹介しています。また、お詫びの敬語の類語や英語での表現についても解説しています。適切な敬語で相手に気持ちが伝わるようなお詫びの言葉を使えるようになりましょう。ぜひ次の記事を参考になさってください。
「出来かねます」を使う時の注意点は?
「出来かねます」を使う時の注意点①強めの敬語表現であることを意識する
「出来かねます」を使う時の注意点の1つ目は、「出来かねます」という言葉がやんわりでありながらも中では強い表現であるということを意識することです。前項で、「出来かねます」はやんわり断りたいときに使う言葉であるとご紹介しました。
しかし、目上の相手や顧客などに「出来かねます」と伝えるのは、失礼に当たる場合もあります。ニュアンスの意味合いになりますが、「出来かねます」という言葉は、物理的に不可能なことや現実的に無理があることを伝えるときに用いる傾向があります。
そのため、機械の音声や電話の音声などでは「出来かねます」という言葉を耳にすることが多いでしょう。顧客やビジネスの相手などに対して、面と向かって「出来かねます」という言葉を使うことはあまり考えられませんし、実際には好ましくありません。
「出来かねます」を使う時の注意点②目上の人には丁寧語ではなく謙譲語を
「出来かねます」を使う時の注意点の2つ目は、目上の人に対して使う時には、相手に対してへりくだる言葉の使い方である謙譲表現を使うということです。「出来かねます」に謙譲表現を使うと、「致しかねます」という言葉になります。
「出来る」は「する」の可能表現ですから、敬語の種類としては丁寧語になります。これを謙譲語で表現すると「致す」という言葉になり、結果「致しかねます」という言葉が用いられることになります。
目上の人やビジネスの相手、顧客などに対して断りや拒否の意思を伝える場合には、この「致しかねます」という言葉がより適切になります。仕事の中では、相手にしっかりと断る意思を伝えなければならないことも多いでしょう。ぜひ「致しかねます」という謙譲表現を使ってみてください。
「出来かねます」の言い換え方は?
「出来かねます」の言い換え方①より丁寧な言葉を使う
「出来かねます」の言い換え方の1つ目は、より丁寧に言葉を選ぶということです。「できません」という断りの丁寧語では相手への配慮に欠けていますし、「出来かねます」や「できかねる」ではまだ相手への口調としては強さが残ります。
前項でもご紹介した、「致しかねます」がより丁寧な表現の一つです。「〇〇することは難しいです」という言葉も、相手へ配慮した断り方と言えるでしょう。
そのほかにも、相手の意思を汲み取ることができないという言葉や、希望に沿うことができないという意思を伝えるという方法もあります。事項で、これらを用いた詳しい例文についてもご紹介しますから、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「出来かねます」言い換え方②できないことだけではなくできることも伝える
「出来かねます」の言い換え方の2つ目は、できないことだけを伝えるのではなく、同時にできることを伝えるという肯定的な表現を用いるということです。自分に置き換えてみるとわかりますが、断られるだけというのはあまり気分のいいものではありません。
人は選択を奪われると気分が悪くなりますが、反対に選択肢を持たせたり、選択の幅が広がったりすることで気分がよく感じるものでもあります。
相手の気持ちに配慮しながら、自分の意思も伝え相手の気持ちも汲み取るというコミュニケーションは、慣れることでだんだんとうまくできるようになるでしょう。
出来ない時の言い方・例文は?
出来ない時の言い方・例文①「承りかねます」「致しかねます」
出来ない時の言い方・例文の1つ目は、「承りかねます」や「致しかねます」という言葉を用いた例文です。この言葉を使った言い方をすることで、単に断られているだけではなく、相手からの申し訳ないというお詫びの気持ちや丁寧な心遣いを感じることができます。ぜひ次の例文を参考にしてみてください。
「御社のご希望である〇〇については、やはり弊社としましては承りかねます(致しかねます)。上長とも相談し何度か協議を重ねた結果、このような結論に至りました。大変申し訳ございませんが、ご理解いただけますでしょうか」
出来ない時の言い方・例文②「難しいです」
出来ない時の言い方・例文の2つ目は、「難しいです」という言葉を用いた例文です。「できない」という否定や拒否に関連する言葉を使わないことで、強い表現を緩和させることができます。
しかし、はっきりとした拒否のニュアンスではないため、受け取る相手には中途半端に受け入れられることもあるため、前後の説明が重要になるでしょう。ぜひ次の例文を参考になさってください。
「お客様が希望されている間取りの変更についてですが、すでに施工に入ってしまっているため今からでは変更が難しい状況です。職人や資材の手配も済んでしまっているため、ここから変更する場合は費用が大きく発生することになってしまいますが、いかがいたしましょうか」
出来ない時の言い方・例文③「お役に立てません」「ご希望に沿えません」
出来ない時の言い方・例文の3つ目は、「お役に立てません」「ご希望に沿えません」という言葉を用いた例文です。役に立てないということは、相手の希望に沿うために力を尽くすことができないということです。これだけでも断りの意思は伝わりますが、お詫びの言葉と合わせて使うとよりよいでしょう。
「お客様のご希望の件について弊社では何度も協議を重ね、代替案についても模索してまいりました。しかし、今回はお客様のご希望に沿うことができないという結論に至りました。お役に立てず、誠に申し訳ございません」
なお、次の記事では、「申し訳ありません」や「申し訳ございません」というお詫びの言葉の例文をご紹介しています。謝り方やそのときの言葉は、ビジネスシーンなどにおいては重要です。これらの謝罪の言葉の類語や英語での表現、それに対する返事の言葉についても解説しています。ぜひ次の記事を参考になさってください。
ビジネスシーンで上手く断る対応方法は?
ビジネスシーンで上手く断る対応方法①会社の決まりであることを伝える
ビジネスシーンで上手く断る対応方法の1つ目は、そのことがどうにも受け入れられない会社のルールであることを伝えるという対応方法です。企業人であれば、会社のルールには従わなければなりません。そのルールに反する希望を承った場合、どうしても断る必要があるでしょう。
最も多い断り方は、会社のルールに沿っていないから、上長の許可が下りないからという断り方です。しかしこの断り方は責任を回避する上手い断り方かもしれませんが、相手を説得することはできても納得させることは難しいでしょう。相手にも理解を得られて円満に断るためには、次のようなことに配慮してみるといいでしょう。
ビジネスシーンで上手く断る対応方法②断ることで生まれるメリットを伝える
ビジネスシーンで上手く断る対応方法の2つ目は、断ることによって相手にメリットが発生することを伝えるという対応方法です。相手の要望を断ってしまうだけでは、相手にとってはデメリットばかりであるという印象しか生まれません。
しかし、希望を断ってこちらのルールや決まりに則ってもらうことで、案件にはよりますが、安全性や安心感が担保されることもあります。視野が狭くなっていると相手にはデメリットに感じられることでも、状況が変わればメリットになることもあります。
もちろん、そこに至るまでに信頼関係を築けているかは重要ですが、そこを根気強く分かりやすく相手に伝えることで、理解を得られる場合もあるでしょう。
ビジネスシーンで上手く断る対応方法③代替案を用意しておく
ビジネスシーンで上手く断る対応方法の3つ目は、代替案を用意しておくという対応方法です。断りや拒否をする代わりに、相手にもメリットになる別のアイデアを考えることはとても大切です。ビジネスシーンでは、それを交渉と呼ぶこともあります。
ビジネスシーンでは、自分の意見だけを100%通すことも難しいですし、相手の希望を鵜呑みにすることもできません。両者が歩み寄って最適な方法を取ろうとすることが、交渉において大切な考え方です。その代替案を出すタイミングや出し方も、交渉においてはとても重要になります。
また次の記事ではお断りメールの文例をご紹介しています。断りや拒否の表現は、対面だけではなくメールで伝えなければならない場合もあるでしょう。メールの場合には言葉にお詫びの気持ちを乗せて伝えたり、表情を使うことができないためより注意が必要です。不参加の際の文章や断り方のポイントについても解説しています。
「出来かねます」という言葉をビジネスシーンで使ってみよう!
「出来かねます」や「できかねる」という丁寧語の意味や使い方、また「出来かねます」という意思を示す言い換え方などについてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
日本語はさまざまな表現の仕方があり、難しいですし面倒に感じることもあります。しかし、言葉の中に感情を込めることができるのはメリットでもあるでしょう。
ぜひ「できかねる」「出来かねます」という言葉をビジネスシーンで積極的に活用してみてください。きっと、今までよりもより円滑な仕事ができるようになるでしょう。
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