決裁とは?決済や稟議との違いや社内での使い方や流れ・英語も
決裁と決済の違いは分かりますか?決裁とは、権限を持つ者が案の可否を決めることを言います。決裁が下りる・決裁を仰ぐなどの使い方があります。決裁に似た言葉で稟議というものもあります。こちらは決裁と違って合議先に提出することが必要となってきます。今回は、決裁についてまとめてみました。
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決裁とは?決済や稟議との違いも
決裁とは上司などが部下の案の可否を決めること
決裁とは、上司などの権限を持つ人間が、部下が提出してきた案の可否を決めることを言います。可否とは、その案を承認するか、不採用とするかです。決裁の場合、権限を持つ一人の人間の判断によって、案の採用不採用が決定されます。また、提出された案の内容によって、決裁のできる人間も変わってきます。
部長などの社内の役職者である場合もあるし、社長などの上の立場の人間による決裁が必要になる場合もあります。つまり決裁に必要なのは、部下と部下より上の立場である人間、かつ決裁の権限を持つ者、承認を受ける必要のある案ということになります。
決済とは金銭の取引を完了させること
決済とは、金銭の取引を完了させることです。決裁と読み方が同じ「けっさい」なので、変換時に間違いやすいですが、意味は全く違います。「決済日を決める」「現金で決済をする」など、支払いや売買のやりとりの終了を決める時に使う言葉です。
決裁も決済もビジネスシーンではよく言葉なので、間違えないようにしましょう。また、決裁は基本的に社内以外では使いませんが、決済という言葉は社内でもプライベートでも使います。クレジットカード決済などです。そういった点では、「決裁」より「決済」の方が、普段多く目にする言葉と言えます。
ビジネスの場では「社外秘」という言葉もよく目にします。社外秘がある理由は答えられますか?下記の記事では、社外秘の意味や社外秘のレベル、社外秘の使い方や社内機密情報を漏洩してしまった場合についてを紹介しています。もし社外秘を取り扱う仕事をしているのなら、ぜひ確認してみてくださいね。
稟議とは案を合議先に提出し権限を持つ複数の人間が可否を決めること
稟議(りんぎ)とは、案を合議先に提出し、権限を持つ複数の人間が可否を決めることです。案の提出者は、「稟議書」を用意する必要があります。案の判断を権限者に仰ぎ、承認や不採用を決めてもらうことなので、決裁の一つでもあります。
会議を開くほどのことではないが、決めなければいけないこと、認めてほしいことがある時に書類を作って権限を持つ関係者各位に回し、承認を得ます。備品などを購入したい時は「購買稟議」、契約に関する稟議は「契約稟議」と言います。また、稟議を行う制度のことを「稟議制度」とも言います。
合議とは、本来は二人以上で集まって相談することという意味の言葉です。一人で決めるのではなく、二人以上の複数で一つの案件を確認して承認や不採用を決めるので、合議先に稟議書を提出することになります。合議の読み方は、民間企業では「ごうぎ」、官公庁では「あいぎ」と読みます。
決裁と稟議との違いは判断を下す人数
決裁と稟議との違いは、判断を下す人数です。決裁では、基本的には権限を持った一人の人間が判断をし、案の承認や不採用を決めていました。しかし稟議の場合は、一人ではなく複数の目に案が触れ、それぞれが判断します。そのため、全員が承認しなければ案は通りません。
また、一人の人間に判断してもらう場合と、複数の人間に案を回し、判断し承認してもらう場合では、かかる時間にも違いが出てきます。とはいえ、案によっては一人の判断である決裁の場合でも時間がかかる時もあります。
決裁内容によっては、決裁文書を提出する前に決裁内容を詳しく説明しておく必要があります。そんなビジネスメールを送る際、ビジネスメールの件名のマナーや題名のポイントはご存知ですか?下記の記事では、ポイントやビジネスメールに相応しくない件名などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
決裁の使い方や例文
決裁の社内での使い方や例文①決裁が下りる
決裁の社内での使い方や例文一つ目は、「決裁が下りる」です。決裁が下りるの意味は、案が承認されたということです。逆に、決裁が下りなかった時には、案が認められなかったということです。漢字は「降りる」ではなく「下りる」となります。許可が下りる、などど同じです。
低いところに行くという意味の「降りる」ではありません。例文としては、「決裁が下りるのを待っている」「ようやく決裁が下りた」などがあります。
決裁の社内での使い方や例文②決裁を仰ぐ
決裁の社内での使い方や例文二つ目は、「決裁を仰ぐ」です。「仰ぐ」には、教えや援助を求めるという意味があります。「助力を仰ぐ」や「指示を仰ぐ」などです。決裁を仰ぐの意味は、決裁をしてもらうことを求めているということになります。決裁のための書類を作ったり、案を提出して決裁をお願いする必要があります。
例文としては、「この件に関しては上司の決裁を仰ぐ必要がある」「部長の決裁を仰ぎたいのですがよろしいでしょうか?」などがあります。
決裁の社内での使い方や例文③決裁をとる
決裁の社内での使い方や例文三つ目は、「決裁をとる」です。これは、権限を持つ者が、部下から提出された案件に対して、承認するか不採用にするか、判断をするという意味です。とるの漢字は決まっていませんので、ひらがなを使っておくと無難です。
例文としては、「決裁をとる必要がある」「決裁をとってからこの案件は進める」「部長の決裁をとってから、各所に連絡を回す」などがあります。
決裁の社内での使い方や例文④決裁する
決裁の社内での使い方や例文四つ目は、「決裁する」です。これは、権限を持つ者が、提出された案件に対して判断を下すという意味になります。「決裁をとる」と大きく意味は変わりません。例文としては、「この件は今週中に決裁する必要がある」「書類が揃えば決裁する事が可能だ」などがあります。
決裁の社内での使い方や例文⑤決裁を受ける
決裁の社内での使い方や例文五つ目は、「決裁を受ける」です。これは、決裁をしてもらう書類を権限を持つ者に提出し、決裁をしてもらう部下側の立場や、決裁することを意味します。例文としては「確認したところ、部長に決裁を受けるよう指示された」「決裁を受けようと準備した」などがあります。
決裁の社内での使い方や例文⑥決裁を回す
決裁の社内での使い方や例文六つ目は、「決裁を回す」です。これは、決裁してもらう案件や書類を回覧するという意味です。なかなか決裁してもらえない、決裁文書が机の上にたまっていく様子は「決裁が回らない」と表現する事もあります。
例文としては、「決裁をスムーズに回す工夫をする」「決裁がなかなか回らない」「この文書は決裁に回します」などがあります。仕事をすることやこなすことを「仕事を回す」というのと似たような意味になります。
決裁の手順と方法
決裁の手順と方法①社内手順を確認し決裁文書を用意する
決裁の手順と方法一つ目は、社内手順を確認し決裁文書を用意することです。それぞれの企業や部署、案件の内容によって、決裁文書の書き方や手順が存在しているはずです。まずはそれを確認します。確認したら、手順に沿って決裁する案件の文書を作成します。
決裁文書とは、何かをしていいかお伺いを立てるものです。件名や内容、添付資料や特記事項、かかる費用など、必要な情報を分かりやすくまとめることが大事です。もし社内に決まった書き方や手順が存在していない場合は、ネット上で「決裁文書・ひな形」で画像検索すると、テンプレートが出てきます。
そのテンプレートをそのまま使うか、テンプレートを参考にして自分で新たに決裁文書を作ってもいいでしょう。5W1Hなどを使い、簡潔な文章作成を心がけましょう。また、分かっているなら決裁者の好みの文章を調べておき、その通りに書くことも大事です。修正を求められる確率が減ります。
決裁の手順と方法②決裁文書を提出する
決裁の手順と方法二つ目は、決裁文書を提出することです。決裁内容によって、提出先や権限者が違ってきます。また、決裁の権限を持つ者が出張などで長期不在だったりする場合もあります。事前に決裁をしてもらう相手のスケジュール確認をしておく必要もあります。
また内容によっては、決裁文書を提出する前に決裁内容を説明しておくといいでしょう。いきなり決裁文書が回ってきても、目を通すだけで時間がかかります。早い決裁をしてもらいたいなら、提出前に説明をしておきましょう。
決裁の手順と方法③決裁文書が承認されたら保管される
決裁の手順と方法三つ目は、決裁文書が承認されたら保管されることです。決裁文書は無事承認されたら、重要書類として保管・管理され、これをもって決裁終了となります。必要なものを購入できたり、決裁待ちだったプロジェクトを進めたりすることができます。
残念ながら決裁が下りなかった場合は、修正してもう一度提出しましょう。重要なことであればあるほど、なかなか決裁が下りなかったりします。また、決裁の権限を持つ人の好みの書き方でなければ修正が入るという場合もあります。決裁が下りるまで時間がかかる時もありますが、諦めずに直して提出しましょう。
決裁は社内で行うことです。社内のビジネスマナーはご存知ですか?下記の記事では、社内メールのビジネスマナーや例文を紹介しています。件名や上司の宛名の敬称、書き出しなども紹介しているので、決裁文書を作成したり事前に説明をする際にきっと役立つはずです。ぜひ参考にしてみてください。
決裁の英語表現は
決裁の英語表現はApproval
決裁の英語表現は「Approval」です。読み方は「アプルゥーヴァル」です。意味は、承認・認可・賛成・同意などです。他に、認める・認可するといった意味の「sanction」や、最終決定という意味の「final decision」も、決裁の英語表現に当たります。
「決裁を仰ぐ」を英語表現にすると、「submit 《a matter》 for somebody's approval」となります。submitには、人に意見や批評を求めて提出するという意味があります。
「決裁する」の英語表現はdecide
「決裁する」の英語表現は「decide」です。読み方は「ディサィディドゥ」です。意味は、決定する・決める・判決を下すなどがあります。決裁は、したりされたりするだけではなく、下りたり回したりと色々な使い方をするので、使い方によって英語表現も変わってきます。
同じ「決裁する」の英語表現として、「make a decision」があります。こちらの意味は、決断する・決断を下す、などがあります。
決裁の意味を知って正しい使い方をしよう
決裁の意味は、上司など権限を持つ者が、部下の提出する案件に対して可否を決めることでした。稟議は決裁のひとつで、決裁は一人の人間に判断を下してもらいますが、稟議は合議先に提出するものでした。合議は二人以上で相談することを意味します。会議をするほどではないですが、複数の人間から承認を得ることが必要です。
そのため、稟議の方がたくさんの人に見てもらう分時間がかかりそうなイメージがあります。しかし、決裁でも権限を持つ人間がなかなか判断を下さなければ決裁は回らないので、人や部署、企業によるかもしれません。同じくビジネスシーンで使う決済と間違わないように気をつけて使いましょう。
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