「せっかく」の正しい敬語の使い方を解説!意味やビジネスメールの例文もご紹介!
敬語で「せっかく」を正しく使えていますか。この記事では「せっかく」という言葉を敬語で使う際の言い回しや意味、ビジネスでも使える例文や類語をご紹介しています。正しく「せっかく」という言葉を使って相手に良い印象を与えましょう。
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目次
「せっかく」の正しい敬語表現と意味は?
①せっかくですが
「せっかく」の敬語表現で最も簡単なのは、「せっかくですが」という丁寧語の表現です。相手の労力や気持ちに答えられなくて、残念であるという意味になります。この場合の「せっかく」を言い換えれば「厚意に無駄にしてしまい残念ですが」などと言えます。
②せっかくではございますが
「せっかくですが」をさらに丁寧に言いたい場合、「せっかくではございますが」という丁寧語の表現が使えます。意味はもちろん上記の「せっかくですが」と同じく、「ご厚意を無駄にしてしまい残念ではございますが」などになります。
③せっかくの〇〇ですが
せっかくの対象を具体的に言いたい場合、「せっかくの〇〇ですが」という丁寧語の表現ができます。〇〇には「機会」「天気」「厚意」などの言葉を入れられます。なのでたとえば「せっかくの機会ですが」と言った場合は、「この機会を活かせず残念ですが」という意味になります。
④せっかくの〇〇ですので
相手の厚意に甘える場合などには「せっかくの〇〇ですので」という丁寧語の表現が可能です。前述までの表現と共通して相手の厚意や苦労を汲んだ意味で使う場合は「厚意を無駄にしたくないので」と言えます。
ただしこの場合のせっかくは、前項までの敬語表現とは別に「またとない」「めったにない」という意味の使い方もあります。なので「せっかくの機会」は「またとない機会」などと言い換えが可能です。
「せっかく」の敬語表現を使うときは?
①相手の申し出に対して断りたいとき
相手が自分を手伝おうとしてくれている、相手が自分に何かを与えようとしているのに対して断るときに「せっかく」の敬語表現が使えます。丁寧語での表現でせっかくを使っているので、やんわりとした言葉で断る旨を伝えましょう。もちろん正直に全てを話す必要はありません。
②相手の厚意を無駄にしたため謝罪をしたいとき
相手が何かに誘ってくれるなどの厚意に、自分が応じられない場合の謝罪のときに「せっかく」が使えます。「申し訳ありません」「ごめんなさい」といった直接的な言葉を続けることが自然な使い方です。「お詫び申し上げます」などの形式ばった言葉を使うと、丁寧ですがかえって不自然な印象です。
「せっかく」と謝罪の言葉との間に、厚意に答えられない理由を挟むことも可能です。もちろん丁寧語で伝えているので、理由もやんわりとしたもので構いません。
③相手の厚意を受け取るとき
相手の厚意を受け取るときにも「せっかく」を使った丁寧語が使えます。この使い方は相手の厚意を一度断って、それでもと厚意に応じてほしいと相手が言う場合に使うのが自然です。もちろん困った顔をするのではなく、にこやかに感謝することがポイントです。
④イベントなどに勧誘したいとき
相手が関心を持ちそうなイベントや、または参加することにメリットがありそうなイベントなどに相手を誘う際も「せっかく」が入った丁寧語が使えます。ビジネスの場面では、上司が部下に機会を無駄にしないようにという意味で使うこともあります。
【会話編】「せっかく」を使った敬語の例文は?
①相手の申し出を断る場合
相手が何かをしてくれようとしたがそれを断らざるをえないときに「せっかくのご厚意ですがご遠慮させていただきます」という例文が使えます。「ご遠慮させていただきます」の部分は「お気持ちだけいただきます」などにも置き換えられます。相手の苦労や厚意を慮る「せっかく」の使い方です。
②担当者の不在を伝える場合
ビジネスの場面で担当者が不在の時にお客様が来社された場合などに「せっかくお越しいただいたのに申し訳ございません」という例文が使えます。「お越しいただいた」の部分を「ご提案いただいた」など相手にしてもらったことに置き換えると、他の状況にも応用可能です。
例文の「お越しいただいたのに」と「申し訳ございません」の間に状況や理由を説明する言葉を挟むことも可能です。言い訳と捉えられないためには、簡潔にかつやんわりと状況を説明することがポイントです。
③相手が興味を持ちそうなイベント等に誘う場合
相手が興味を持ちそうなイベントや滅多にないイベントなどに誘う時、「せっかくの機会ですのでご一緒にいかがでしょうか」という例文が使えます。なかなか会えない人にばったり会って一緒に過ごす際も、「この後も一緒に過ごしましょう」という意味で使うことが可能です。
ただしこの使い方は、明らかに自分より立場が上の人に対しては失礼な表現になるので注意しましょう。敬語としては成り立ちますが、ビジネスの場面では使えるケースが少ない例文です。
【ビジネスメール編】せっかくを使った敬語の例文は?
①相手の提案を断る場合
相手が送った提案のメールの内容にあたる事案を断る際に「せっかくのご提案ですが今回は見送らせていただきます」という例文が使えます。「ご提案ですが」と「今回は」の間に事情を説明する言葉を軽く入れることも可能です。
「今回は」と例文内にあるので、またの機会があることを示唆する文を直後に続けられます。ビジネス上今後も関係を維持したい相手に対するメールで活用できる例文です。
②相手の要望に応じられない場合
相手の要望のメールに自分が応じられない場合、「せっかくのご要望ですが〇〇なためお応えしかねます」という例文が使えます。「〇〇」の部分には自分の担当や専門ではないこと、力不足であることなどの理由をやんわりと伝える言葉が入れることが可能です。
③イベントや会合への参加ができない場合
イベントや会合の案内のメールに不参加にならざるをえない場合、返事のメールで「せっかくのお誘いですが参加できず申し訳ございません」という例文が使えます。この場合、例文の前にその日の事情をやんわりと伝えることがポイントです。
ただしビジネスにおける会議など、重要な会合の出欠に関するメールには「せっかくの」という表現は使いません。あくまでも自分が参加することにメリットがある、自分が興味を持つことを想定して相手送った勧誘のメールに使いましょう。
敬語の「せっかく」の類語は?
①わざわざ
「わざわざ」はしばしば「せっかく」の類語として使えます。ただし「わざわざ」には「そのためだけにした」というニュアンスが入ることが、せっかくとは異なる点です。
そのため単純に「せっかく」を「わざわざ」に変えると、通じにくい文になる場合や嫌味ととられる場合もあるのでご注意ください。せっかくの類語であるわざわざのビジネスにおける使い方をもっと詳しく知りたい方は関連記事でご確認ください。
②ご足労いただく
ビジネスなどで自分のもとに来てくれた人の用件を満たせない場合、「ご足労いただく」という「せっかく」の類語を使って謝罪できます。
ただし敬語表現をなくすと「わざわざ来てもらう」という意味になるので、ものをもらう時などには使えない点にご注意ください。「せっかく」の類語「ご足労いただく」について詳しくは関連記事でご確認ください。
③お手間をかけさせる
「お手間をかけさせる」という「せっかく」の類語は、相手の尽力や苦労を慮った言葉です。相手に苦労をかけた場合に使う点では「ご足労いただく」同様、すべての「せっかく」を言い換えることは不可能です。お手間をかけさせるの「手間」を使った敬語は以下の関連記事でご確認ください。
④またとない
勧誘などで使う「せっかく」の類語に「またとない」があります。ただし「せっかくの機会」を「またとない機会」と言い換えることは可能ですが、少し大袈裟になってしまう場合があります。その場合は「せっかく」のままあるいは「滅多にない」という類語を使って表現しましょう。
「せっかく」を敬語として使う際のNGなパターンは?
①自分の行為に対する使用
「せっかく用意しましたが」などと自分が相手にした行為に対してはせっかくを使った敬語を使いません。行為をした相手に対して直接言ってしまうと、恩着せがましく捉えられてしまうかもしれない点で注意が必要です。
もちろん自分の行為の対象ではなくても、間接的に行為をした相手に伝わる可能性があります。普段の会話で残念がる場合にはそれほど差し支えはないですが、ビジネス場面で自分の行為に対して使うことは控えた方が無難です。
②上司など目上の人への勧誘
例えば上司が部下に対して「せっかく〇〇ですので」と提案として言うことはあっても、部下が上司に対して「せっかくの〇〇ですので〇〇させてもらいましょう」という使い方は上司に厚意を押しつけることになるので失礼に当たります。
もし何らかのかたちで部下から上司を勧誘する場合は「お忙しいところではあると思いますが」などと、上司の状況を慮る表現にする方が無難です。
③「せっかくですので」は場合によってNG
「せっかくですので」は相手の厚意を一度断ってから、再度厚意を受け入れてほしいと言われた場合に使えます。ある程度気心が知れていて、自分が相手の厚意を受け入れることで喜ぶことが目に見えてわかる状況では使っても差し支えはありません。
しかし自分が厚意を受けることで場が収まる場合などは、場の雰囲気に注意して使いましょう。もし困った顔をして言ってしまうと、相手の厚意がありがた迷惑であることが伝わってしまいます。にこやかに言うあるいは別の言葉を使うことが角を立てないポイントです。もちろんあまり親しくない人に対しては要注意です。
敬語で使う「せっかく」の正しい使い方を理解しよう!
「せっかく」を敬語表現にすると、丁寧語になります。意味は基本的に相手の厚意を尊重したものと、滅多にない良い機会であることを示したものがあり文脈で捉え方が変わります。ビジネスなどでの会話やメールで使う例文や類語を押さえて、正しい使い方で「せっかく」を使いましょう。
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