「お疲れ様です」は目上の人に対して使える?正しい使い方や言い換え表現をご紹介!

仕事終わりや職場ですれ違う人に「お疲れ様です」と声を掛け合うことも珍しくありませんが、上司や年上の人など目上の存在に対しても使える言葉か正しい知識が必要です。今回は「お疲れ様です」の正しい使い方や敬語に言い換える方法、メールでの活用術についてご紹介します。

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「お疲れ様です」は目上の人に対して使えるのか

年上の方など目上の人に使うのは慎重に

握手する人たち

「お疲れ様です」とは、労い(ねぎらい)の言葉のひとつです。労いとは、精力的に働く人や苦労している様に対して、第三者が抱いた感謝やいたわりの気持ちを伝える行為を意味します。

感謝を伝える言葉は、目上の人など立場に関係なく使用できる気もします。しかし日本では「相手の働きを労うのは、立場が上の人間が下の人間に対して行うこと」と考える場合がほとんどです。

そのため年上の方など目上の人に対して、「お疲れ様です」と声をかけることに不快感を表す人がいます。一方で現代では挨拶のひとつとして定着しつつある言葉です。そのため正しい使い方を知った上で目上の人にもシーンを選んで使えるようになりましょう。

直属の上司に対して「お疲れ様です」を使う事は多い

手を取り合う

「お疲れ様です」を使用しても違和感のないケースとして、直属の上司に対して使用する場面が想定できます。職場で挨拶と同じように「お疲れ様です」を日常的に使っているという人も多く、すでに定着している職場であれば上司や目上の人に使っても問題ありません。

ただし取引先や自社外の偉い人、年上の方に対しては使用を控えましょう。秘書検定でも紹介されている敬語の1つですが、やはり使用は社内に限定されています。

「お疲れ様です」の正しい使い方とは

「お疲れ様です」は挨拶として使用する言葉

会議室

「お疲れ様です」の正しい使い方は、同じ職場内での辞去の挨拶です。「今日もお疲れ様でした。先に退社させて頂きますね。」と声をかけます。職場によっては階段や廊下ですれ違うときに「こんにちは」と同様に挨拶することもあります。

また相手の苦労や努力に対して労いや称賛の言葉として「お疲れ様です」と声をかけます。たとえば同じ作業に従事した仲間に対して、作業完了時にお互い「お疲れ様です」と声を掛け合うのは正しい使い方のひとつです。

逆に「お疲れ様です」がふさわしくないのは、出勤してすぐに職場で「お疲れ様です」と言ってしまうケースです。まだ仕事を始める前から「お疲れ」と声をかけられても、心がこもっていないため誠意が伝わりません。


退職する上司や目上の人に対して使用する

お祝いカード

「お疲れ様です」は退職する上司や偉い立場にある方、年上の方など目上の人に対する一般的な挨拶のひとつです。退職する人に対しては長年の労働に対して労いの言葉を贈ることがマナーだからです。

そのため、目上の人であっても相手が退職する時には、「長い間お疲れ様でした。今まで大変お世話になりました。」と挨拶しましょう。正しい「お疲れ様です」の使い方であり、相手に誠意が伝わります。

上司や年上の方など敬語を使う相手には「ありがとうございます」

ありがとうのカード

上司や年上の人など目上の方や取引先、顧客に対しては「お疲れ様です」の代わりに「ありがとうございます」が使用できます。「お疲れ様です」とは相手の苦労など労力は助力に対して感謝を告げる言葉ですので、同じように感謝の意思を伝える言葉である「ありがとうございます」がふさわしいです。

また社外の人に対しては、「お世話になりました」と言い換えることも可能です。ただし目上の存在でも、同じ社内の人間に対して「お世話になりました」を使用するのはふさわしくありません。

「お疲れ様です」を敬語(丁寧語・謙譲語)で表現する方法とは

「お疲れ様です」を丁寧語に言い換えると「お疲れ様でございます」

握手

お疲れ様ですを丁寧語で言い換えると、「お疲れ様でございます」と言い換えられます。「お疲れ様」は名詞ですので、丁寧語である「ございます」を語尾につけることで、より丁寧な印象を相手に与えることができます。

「お疲れ様でございました、では二重敬語だから正しい日本語の使い方ではない。」という意見もありますが、「で」は助詞、「お疲れ様」は名詞ですので敬語を二重に使用しているわけではありません。敬語として「お疲れ様でございます」は正しい言葉遣いです。

また「お疲れ様でした」も「お疲れ様です」よりも丁寧な言い方になるので、目上の人に対して使用するのに向いた表現です。丁寧語は語尾に「です」や「ます」がつく言葉のため、「お疲れ様です」でも十分に丁寧語として成り立ちますが、より丁寧な印象を与えるのが「お疲れ様でした」です。

「お疲れ様です」を謙譲語で言い換えると「感謝致します」


手を差し出す男性

「お疲れ様です」を謙譲語で言い換えると「感謝致します」と表現することができます。「○○の件、感謝致します。」や「いつもご指導頂き、感謝致します。」といった使い方ができます。

謙譲語は自分を下に置くことで、相対的に相手を立てるタイプの敬語です。そのため相手に対する敬意を表現する言葉として、「感謝致します」は最適な言葉です。

ただし謙譲語を使用した話し方は、自分を主体とします。そのため相手の苦労を労う場面で謙譲語を使用することはほとんどありません。「お疲れ様です」を謙譲語で使用するよりは、素直に「ありがとうございます」などの感謝の気持ちを伝えた方がスマートです。

「お疲れ様です」の言い換え表現には何がある?

「お疲れ様です」の言い換え表現①お先に失礼します

先に帰る人

「お疲れ様です」の言い換え表現1つ目は、「お先に失礼します」です。退社するときに職場に残っている他の人たちに対して「お疲れ様です」と声をかける場合、「お先に失礼します」という言葉で言い換えることができます。

特に上司や年上の方に対して退社時に挨拶を行う場合は、「お先に失礼します」の方が丁寧で、相手にとって与える印象もよくなります。退社するときだけではなく、「失礼します」という言葉は相手に声をかけるためのワンクッションとしても目上の人の前から立ち去るための挨拶としても使用できる便利な言い換え表現です。

また相手に話しかける際には、「少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか」と言い換えることもできます。「お疲れ様です」よりも目的が分かりやすく、上司や目上の人に話しかける際のワンクッションとして重宝します。

「お疲れ様です」の言い換え表現②お帰りなさいませ

男性の後ろ姿

「お疲れ様です」の言い換え表現2つ目は、「お帰りなさいませ」です。上司が出張や会議などから社内に戻ってきた場面で使えます。「お帰りなさいませ、今回の出張お疲れ様でした。」と相手をいたわると、より丁寧な印象を相手に与えることができます。

「お疲れ様です」の言い換え表現③御足労をおかけしました

電話中

「お疲れ様です」の言い換え表現3つ目は、「御足労をおかけしました」です。取引先に対して「こんにちは」などの挨拶のように「お疲れ様です」と言う人もいます。しかし相手がわざわざ自社に足を運んでくれたことに対する労いの気持ちは「御足労をおかけしました」の方が伝わりやすいです。

また遠方から訪れた客人に対しては、「ようこそおいで下さいました」と言い換えることもできます。その他の取引先への正しい声かけのテクニックや心遣いについては、こちらの記事を参考にご覧下さい。

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「お疲れ様です」のメール内での使い方とは

「お疲れ様です」のメールでの使い方①文頭の挨拶

パソコンの前の女性

「お疲れ様です」のメールでの使い方1つ目は、「お疲れ様です」とビジネスメールの文頭の挨拶として使用することです。メールは相手の都合で読みますので、「おはようございます、○○担当者の○○です」と挨拶をしても、相手が夜に読むときには奇妙な印象を与えます。

「お疲れ様です、○○担当者の○○です」というメールの出だしに使用すれば、挨拶から始まるビジネスメールとなります。また本題を切り出す前のワンクッションとして、「お疲れ様です。○○の件についてご報告申し上げます。」と使用することもできます。

ただしメールの文頭に使用できるのは社内向けのメールに限ります。取引先や顧客など、社外に向けて送るメールに関しては「お疲れ様です」を使用することは失礼にあたる可能性があります。「お疲れ様」同様に使用できる言い換え表現をご紹介します。

「お疲れ様です」のメールでの使い方②いつもお世話になっております

パソコンと女性

「お疲れ様です」のメールでの使い方2つ目は、社外へのメールの文頭に「いつもお世話になっております。」と「お疲れ様です」の言い換え表現を挨拶の1つとして使用することです。

もう少し具体的に言い換えるのであれば、「先日は○○して頂きありがとうございます」「いつも○○に感謝しております」もおすすめです。いきなり本題に入るよりも、日頃の感謝を伝える言葉を置いた方が、メールを読む相手の印象も良くなります。

「お疲れ様です」のメールでの使い方③ありがとうございました

机の上

「お疲れ様です」のメールでの使い方3つ目は、「ありがとうございました」の気持ちを伝えることです。「先日はお疲れ様でした」というように、以前に起きた出来事に対して感謝の気持ちを伝えるメールで使用します。

ただし社外の人に対して打つメールに関しては、本来の意味である「ありがとうございました」の方が適しています。「お疲れ様です」を挨拶代わりに使用すると、人によっては失礼だと感じることもあるからです。

目上の人に「ご苦労さまです」は使っていいのか

「ご苦労さまです」は目上の人に対して使わない敬語

男性二人組

「お疲れ様です」という言葉と似たような使い方の言葉として、「ご苦労さまです」が挙げられます。「です・ます」口調なので、「ご苦労さまです」も丁寧語です。しかし「ご苦労さまです」という言葉には「お疲れ様です」という言葉よりも、目上の人が自分より下の立場の人に対して使用する言葉というニュアンスがあります。

目上の人に対して使用するには失礼に当たる言葉遣いと考えられているので、使用しないようにしたほうがいいでしょう。上司や年上の方はもちろん、取引先や顧客に対しても違う言葉遣いを心がけます。

時代と共に意味の変化する敬語は相手の立場を考えて使いこなすのがマナー

頬杖をつく女性

実は戦前までは目下の者が目上の物に対して「お疲れ様でした」と声をかけるのがマナーでした。しかし現代ではこの習慣は薄れてしまっていますので、相手に不快な思いをさせないためにもあえて使用するのもやめましょう。その他の間違いの多い敬語や正しい丁寧語・謙譲語の使い方についてはこちらの記事を参考にご覧下さい。

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「お疲れ様です」と上司や目上の人に伝えるときは敬語の表現に気をつけよう

「お疲れ様です」は現代に入り定着しつつある言葉です。丁寧語で敬語の一種ですが、まだ違和感を抱く人もいますので、上司や年上の方など目上の人に対して使用する場合は注意しましょう。

職場で挨拶として「お疲れ様です」が交わされていれば上司や目上の人に対して使用しても問題ありませんが、社外の目上の方に対して使うのはやめましょう。「ありがとうございます」や「感謝致します」といった敬語の言い換え表現を利用すると、好印象を与えることができます。


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