同じ穴の狢(貉)の意味とは?由来や同じ穴のむじなを使った例文5つも
同じ穴の狢(むじな)の意味とはどのようの意味かご存知ですか?この記事では、同じ穴の貉の由来や例文などを紹介します。同じ穴の狢という表現はシリアスな状況下で使われることもありますので、大事な場面で使い方や受け取り方を間違えないよう、この機会に押さえておきましょう。
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目次
同じ穴の狢の意味とは?
同じ穴の狢(むじな)の意味とは悪行を働く同類や仲間という意味
同じ穴の狢(むじな)の意味とは、悪行を働く同類や仲間という意味です。同じ穴の狢は、悪いことをする人や悪だくみをしている人などを同じ仲間同士であるといった意味合いで表現する言葉です。同じ穴の狢という表現に似た言葉には「どんぐりの背比べ」「五十歩百歩」「目糞鼻糞を笑う」などの表現があります。
「どんぐりの背比べ」とは、揃いもそろって似たような人や物が集まっていて突出したものがない状況を表した言葉で、似た者同士が集まっているという点で同じ穴の狢と似ていると言われています。「五十歩百歩」も「どんぐりの背比べ」と同様に、どちらも似たようなもので大きな違いがないという意味合いがある表現です。
また「目糞鼻糞を笑う」とは、自分の悪い所を認識しないまま他人の短所を馬鹿にする表現です。同じ穴の狢と似ている所は、どちらにも悪い所や短所などがあって、同じような仲間であるという点です。同じ穴の狢の「狢(むじな)」の意味を把握することでより深く表現の意味を理解できるので詳しく見てみましょう。
同じ穴の狢の「狢(貉)」の意味とはアナグマという意味
同じ穴の狢の「狢(貉)」の意味とはアナグマという意味です。アナグマとは哺乳類の一種で、山や林などに住む夜行性の動物のことです。同じ穴の狢は「同じ穴の貉(むじな)」とも書かれます。
狢(貉)は日本では本州の他に九州や四国などに住んでおり、日本以外ではヨーロッパなどの温帯地方でも見られます。貉(アナグマ)はタヌキに似ている動物であると言われており、貉をタヌキという意味で使う人も少なくありません。タヌキとの違いは、貉が穴を掘れることや手の爪が大きいこと、毛が固いことなどです。
「貉」はアナグマのことを意味しますが、地域によってはタヌキやテン、ハクビシンのことを意味したり、アナグマなどのことをひとまとめにして「貉」という場合もあります。貉は「むじな」、「もじな」、「うじな」などとも読まれることがあります。
同じ穴の狢(むじな)の由来とは?
同じ穴の狢(むじな)の由来①狢は人間にとって良くないイメージの生き物
同じ穴の狢(むじな)の由来の1番目は、狢が人間にとって良くないイメージの生き物であるというものです。狢は幻覚を見せたり、人を欺いたりする悪い生き物と考える人がいると言われています。また悪行を重ねる狢になると、人殺しをする狢もいると考えられており、人間にとって良くないイメージがある生き物です。
そういった狢のイメージが由来となって、同じ穴の狢という言葉に悪行を働くといったニュアンスが込められるようになったと言われています。ちなみに狢は人間に変身することができるとも言われており、小さい子供や若い女性に変身して人間を騙したと言われています。
また狢はのっぺらぼうとして怪談に登場したこともある生き物で、これらのイメージが積み重なったせいか、人間にとって悪行を働く悪い生き物だと思われる傾向があります。
同じ穴の狢(むじな)の由来②タヌキは人を騙す悪行を働く
同じ穴の狢(むじな)の由来の2番目は、タヌキは人を騙す悪行を働くというものです。狢はアナグマの他にタヌキという意味合いがあり、地域によってはアナグマやタヌキ、ハクビシンなどをひとまとめにして狢と呼ぶところもあると言われています。
狢と同様、タヌキも人を騙したり、別の姿に変身して人間を欺いたりするというイメージを持たれています。そのため、同じ穴の狢という表現は悪行を働くといった意味合いが含まれるようになったと言われています。
ちなみに欺くという行為は、人から信用を得たうえで偽りの事実などを信じ込ませることです。また騙すという行為は上手い口調で偽りの事実などを思い込ませることです。そのため欺くと騙すという言葉の違いは、相手に偽りの事実などを信じ込ませる方法において違いがあると言えます。
同じ穴の狢(むじな)の由来③狢はタヌキと一緒に暮らすことがある
同じ穴の狢(むじな)の由来の3番目は、狢はタヌキと一緒に暮らすことがあるということです。狢はタヌキと同じく、人を騙したり欺いたりして悪行を重ねるというイメージがあり、狢はタヌキと同じ穴で生活することがあると言われています。
そのため、狢やタヌキが悪行を重ねる様子や、同じ穴で共に暮らすというイメージは同じ穴の狢という表現の由来になったと言われています。
狢と違ってタヌキは山や林で自力で穴を掘ることができないため、狢が掘った穴を後で借りたり、一緒の穴で暮らすといった習性があります。
同じ穴の狢という言葉の使い方の注意点は?
同じ穴の狢という言葉の使い方の注意点①同類だが全く同じではない
同じ穴の狢という言葉の使い方の注意点の1番目は、同類だが全く同じではないということです。狢という言葉にはアナグマという意味やタヌキという意味があることから、全く同じものを意味すると解釈する人もいます。
しかし同じ穴の狢という表現は、あくまで同類といった意味合いや、似た者同士といったニュアンスを含む言葉であり、それらが全く同じものであるという意味は含まれません。例えば「犬とわんちゃん」「猫とにゃんこ」などのように全く同じものを意味する言葉のことは言いませんので注意が必要です。
このように違う表記をするにもかかわらず、意味は同じという言葉は日本語の中にたくさんあります。例えば経験を活かすと経験を生かすなどです。これらはどちらも正しいと言われています。詳しくは以下の記事でお伝えしているのでぜひあわせてご覧ください。
同じ穴の狢という言葉の使い方の注意点②悪行を働く人などに使う
同じ穴の狢という言葉の使い方の注意点の2番目は、悪行を働く人などに使うということです。狢は幻覚を見せたり、人を欺いたり、時には人殺しをする狢もいると考えられていることから悪行を働くイメージを抱かれている生き物です。
またタヌキも狢と同様に、変身することで人を欺いたり騙したりするといった悪行を働くイメージがあります。そのようなことから同じ穴の狢という表現には、狢が作った穴にタヌキが住むという習性をとらえて、悪行を働く者同士が同じところにいるという意味合いが含まれます。
こういった言葉の由来があることから、同じ穴の狢という表現をする場合には「悪行を働く者同士」「悪いことをする仲間」といった意味合いがあります。そのため同じ穴の狢という言葉を使う際には、悪いことをするという共通点を持った仲間に対して使わなければならないという注意点があります。
同じ穴の狢を使った例文5つ
同じ穴の狢の例文①本当は自分のためだったなんて彼と同じ穴の狢ね
同じ穴の狢の例文の1番目は「本当は自分のためだったなんて彼と同じ穴の狢ね」という例文です。「本当は自分のためだったなんて彼と同じ穴の狢ね」という例文は、人の為や社会の為に力を尽くすなどと、いかにも良い人ぶったことを言っている人が、本当は自分の利益のために力を尽くしていた際などに使われる表現です。
また、この例文の中に出てくる「彼」については、善人ぶった発言をしているかどうかまではわかりませんが、行動の本質は自分の利益のために力を尽くしている人のことを言います。
同じ穴の狢という表現には、悪いことをするという共通点を持った人達のことを表す言葉であることから、自分のための努力が良くないイメージを抱かれるようなものであることがわかります。例えば、権力やお金にしがみつくような行為に力を尽くしていたにもかかわらず、善人ぶった発言をしている場合などに使われます。
同じ穴の狢の例文②あなたも嘘をついてたなら課長と同じ穴の狢よ
同じ穴の狢の例文の2番目は「あなたも嘘をついてたなら課長と同じ穴の狢よ」という例文です。「あなたも嘘をついてたなら課長と同じ穴の狢よ」という例文は、信頼できる素振りを見せていた人が、巧みに嘘をついて自分のことを欺いていた際などに使われる表現です。
また、この例文の中に出てくる「課長」については、信頼できる素振りをしていたかどうかまではわかりませんが、行動の本質は嘘をついていたという人のことを言います。
同じ穴の狢という表現には、悪いことをするという共通点を持った人達のことを表す言葉であることから、「あなた」も「課長」も嘘をついて自分を欺いたり騙そうとしたということがわかります。例えば、取引先に不手際の言い訳をする際に口裏を合わせて自分のせいにされていた場合などに使われます。
同じ穴の狢の例文③君も結局は同じ穴の狢だったんだね
同じ穴の狢の例文の3番目は「君も結局は同じ穴の狢だったんだね」という例文です。「君も結局は同じ穴の狢だったんだね」という例文は、好意を寄せていた人が結局は自分のところから離れていってしまう際などに使われる表現です。
また、この例文の中に出てくる「君」については、一般的に悪いことをしていたのかどうかまではわかりませんが、結果的に相手を傷つけてしまったという点において、相手に悪いイメージを持たれているということが言えます。
このように、一般的に悪いことをしたとは言えない状況であっても、その人が悪いイメージを抱いていた場合には、同じ穴の狢という表現が使われます。そのため、話し手の価値観や感じ方などが色濃く反映され、周囲の人から共感を得られない場合には、逆に自分の立場を悪くしてしまうこともあります。
同じ穴の狢の例文④同じ穴の狢同士仲良くやろうよ
同じ穴の狢の例文の4番目は「同じ穴の狢同士仲良くやろうよ」という例文です。「同じ穴の狢同士仲良くやろうよ」という例文は、自分は悪いことをしたと思っている人が、仲間を増やそうとする際などに使われる表現です。
この例文が使われる相手は、自分自身が悪いことをしたと感じているかどうかはわかりません。しかし、周囲の人から誤解されるようなことをした可能性が高いと言えます。例えば、良かれと思って友人の彼氏から恋愛相談を受けていたのに、結局は友人の彼氏に好意を寄せられた場合などに使われます。
友人の恋愛がうまくいくように親身に相談にのっていたことが裏目に出て、逆に友人の彼を誘惑してしまったと誤解されてしまうような場合などが当てはまります。こういった状況になった時に、同じような経験がある別の友人から「まぁ、同じ穴の狢同士仲良くやろうよ」などと言われることがあります。
同じ穴の狢の例文⑤同じ穴の狢なのになぜあいつは出世するんだ
同じ穴の狢の例文の5番目は「同じ穴の狢なのになぜあいつは出世するんだ」という例文です。「同じ穴の狢なのになぜあいつは出世するんだ」という例文は、自分と同じように悪いことをしてきたと思っている友人が、自分よりも明らかに出世していくことに不快感を覚えた人などが発するセリフです。
例えば、学生時代には不良と呼ばれて一緒に行動を共にした仲間同士だったのに、社会人になってしばらくすると、出世したり給料が上がったりといった友人がいた場合などに使われます。結局は同じような人間なのに、なぜ友人は出世して、自分は出世できないのかといった不満が現れた表現です。
出世に対して貪欲な人の中には、幼少期から勉強に打ち込んで一流企業に入社した人などに顕著に見られます。一流企業は優秀な人が多く集まり、社員同士が切磋琢磨していることから仕事の質や量の負担が大きくなると言われています。ちなみに、以下の記事では一流企業の定義や人気ランキングを紹介しているのでご覧ください。
同じ穴の狢(貉)の意味を理解して正しく使いましょう
同じ穴の狢(貉)という表現は似た者同士の仲間などといった意味合いがあり、悪いことをするといった共通点がある言葉です。そのため、単なる仲間同士であったり、悪いイメージのない共通点があったりする場合には使われません。
同じ穴の狢という表現は、シリアスな状況下で使われることもありますので、そういった時に言葉の使い方や受け取り方を間違えないよう、この機会にしっかりと把握しておきましょう。
最後に難しいと言われる日本語の表現についてお伝えしている記事を紹介します。邂逅という表現です。邂逅の読み方や意味を把握している人は多くないと言われていることから、表現力に差がついてきますので、この機会にぜひあわせてご覧ください。
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