「賽は投げられた」の意味・由来・使い方・英語とは?「賽を投げる」も

「賽は投げられた」は、軍を率いてルビコン川を渡る時にカエサルが言った言葉です。ラテン語で「Alea iacta est」、意味は「後には引けない」。一見するとカッコイイ響きから、BGMやセリフに使われていることが多いです。今回は「賽を投げる」の言葉の使い方や意味に対する理解を深めていきましょう。

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「賽は投げられた」や「賽を投げる」の意味とは?

「賽は投げられた」や「賽を投げる」の意味とは

コイン

「賽は投げられた」や「賽を投げる」の意味とは、「ことはすでに始まっているのだから、考えている余裕はない、もはや断行するしかないのだ」というものです。のちに説明する由来でもある、勝負を決めるサイコロはすでに振られてしまったという意味から、賽は投げられた、賽を投げるという表現が生まれました。

元々の表現としては「賽は投げられた」ですが、「賽を投げる」などといった表現をすることもあるので、臨機応変に対応しましょう。このように、「賽は投げられた」という言葉は様々な活用をすることができますが、基本的には原型である「賽は投げられた」という表現をすることがほとんどです。

「賽を投げる」という表現をする場合とは、例えば自らを自らの手で引き返せないような状況に追いやることなどが挙げられます。勝手にそのような状況に追いやられてしまった場合は、「賽は投げられた」という表現になるので、気をつけて使い分けてください。

「賽は投げられた」は「采は投げられた」とも書くことがある

めも

「賽は投げられた」は「采は投げられた」とも書くことがあります。ですが、基本的には「さいはなげられた」というと「賽は投げられた」と書き記すことが主なので、一応間違ってはいない表現として覚えておくようにすると良いでしょう。由来であるサイコロを表すのはやはり「賽」という一文字であることに変わりありません。

「賽は投げられた」の類義語は「一か八か」「一擲乾坤を賭す」「乾坤一擲」

資料

「賽は投げられた」「賽を投げる」の類義語には、「一か八か」「一擲乾坤を賭す」「乾坤一擲(けんこんいってき)」「伸るか反るか」などといったものが挙げられます。ここに挙げられたような類語はどれも、「結果がどう出るかわからないが、天に運命を任せてみること」を表す言葉です。

「ことはすでに始まっているのだから、考えている余裕はない、もはや断行するしかないのだ」という意味を含む「賽は投げられた」という言葉に「結果がどう出るかわからないが、天に運命を任せてみること」というニュアンスが含まれていることは、少し考えてみれば分かるでしょう。


これらの類義語表現を使う場面に、あえて「賽は投げられた」「賽を投げる」という表現を登場させてみれば、あなたの言葉の選択肢が広がるであろうことは間違いありません。いつも同じ表現ばかりしているという人は、ぜひ一度自身のボキャブラリーに「賽は投げられた」「賽を投げる」を付け加えてみてください。

「賽は投げられた」の由来とは?

ルビコン川を渡る時ラテン語でガイウス・ユリウス・カエサルが放った言葉

お札

「賽は投げられた」の由来とは、紀元前49年1月10日にまで遡ります。元はと言えば古典ラテン語の「alea iacta est、アーレア・ヤクタ・エスト」が由来となっている言葉です。軍を率いて南下し、北イタリアのルビコン川を渡る際ガイウス・ユリウス・カエサルがラテン語で放った言葉として知られています。

当時のカエサルはガリア総督で、ルビコン川を渡るということは、すなわち宣戦布告をするという意味を表すことそのものでした。なぜなら、武装してルビコン川を渡ることは禁じられていたからです。それでもルビコン川を渡るしかないという状況において、カエサルはラテン語で「賽は投げられた」と口にしたのです。

日本には日本語として「賽は投げられた」ということわざが独自にあると思っていた人からすると、元はラテン語で、しかもかの有名なカエサルがルビコン川を渡る時のセリフだったなんて、思ってもみなかったでしょう。豆知識で「元はラテン語でルビコン川を渡る時にカエサルが放ったセリフなんだよ」と言いたくなりそうです。

「賽は投げられた」とは勝負を決めるサイコロが由来の言葉

仕事

博打において勝負を決めるサイコロのことを「賽」と表せます。このことは、碁盤状のことを「賽の目」ということから理解することができるでしょう。つまり、「賽は投げられた」ということは「勝負を決めるサイコロは、もうすでに振られてしまった」ということなのです。「賽は投げられた」とはサイコロが由来の言葉です。

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「賽は投げられた」使い方と例文は?

「賽は投げられた」の正しい使い方と例文①他人を元気付けるときに使う

喜ぶ

「賽は投げられた」の正しい使い方と例文一つ目は、「賽は投げられたからといって諦めることはない。望みを持って突き進もう。」です。二度と後戻りすることのできない「賽は投げられた」状況においても、諦めない心を持つことで成功することもあると、だれか他人を元気付けるときに使う表現です。

「賽は投げられたから、あとはどうすることもできない」と弱気になっているような人を見かけたら、このような使い方をして元気付けたり鼓舞することができるでしょう。「賽は投げられた」というと、運を天命に任せることしかできないようにも思えるでしょうが、実はそうではないこともあるのです。

もう引き返すことができない状況においても、精一杯自分のできる限りの努力をすることはできます。絶体絶命のピンチに陥っている時こそ、賽は投げられた中での全力を思い出して頑張ってみてください。同じように、他人にも「賽は投げられた」という表現を使いつつも元気付けてあげてくださいね。

「賽は投げられた」の正しい使い方と例文②捨て身の大勝負に出るとき

捨て身の勝負

「賽は投げられた」の正しい使い方と例文二つ目は、「賽は投げられたので、これから捨て身で一世一代の大勝負に出たいと思う。」です。賽は投げられたという状況においては、もう後戻りをすることは不可能です。そんな状況では自然と、「捨て身」という言葉も出てくることになるのではないでしょうか。

通常の精神力では一世一代の大勝負などといったような、自分の人生を大きく変えるかもしれない出来事に立ち向かっていくことは難しいでしょう。しかし、「賽は投げられた」場面においては、もはや運を天命に任せるしかありません。そんな状況においては、これまでに類を見ないような力が発揮されることもあるのです。

「賽は投げられた」の正しい使い方と例文③手助けできない手遅れな状況

降ってくるお金

「賽は投げられた」の正しい使い方と例文三つ目は、「賽は投げられてしまったから、もう僕には何もしてあげられない。」です。他人を助けてあげたくてもそれが叶わない手遅れな状況において、賽は投げられたという表現を使うこともできます。後は本人が突き進むしかないという場面でも使うことができます。

想定される場面としては、それまで付きっ切りで勉強の面倒を見てあげていた家庭教師が、受験本番の日、試験会場へと向かう教え子に使うなどといったものが挙げられるでしょう。「ここから先は一緒に行くことはできない。賽は投げられた。後は自分一人で頑張るのみだ。」などとエールとして使うこともできます。

「賽は投げられた」の正しい使い方と例文④リタイアできない状況で使う

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「賽は投げられた」の正しい使い方と例文四つ目は、「全国大会の会場に到着した時点で、もう賽は投げられてしまった。後に引くこともできないから、あとは自分のベストを尽くすのみだ。」です。大きな大会の前など緊張で足がすくみそうな場面において、「賽は投げられた」という表現を使うことができます。

このように、頑張るべき場面であることは理解しつつも先に進む勇気が出ないというとき、「賽は投げられた」という表現を使うのは適切です。リタイアすることができない状況で自分の力を出し尽くすしかないというとき、「賽は投げられた」ことを理由にして一世一代の大勝負に出てみましょう。

不思議なことに、「賽は投げられた」という言葉はあなたに勇気を与えてくれるはずです。古代ローマの時代において、カエサルが「賽は投げられた」と言い放った状況を思い描きながら言葉にしてみると、その重みについて考えさせられることになるのではないでしょうか。

「賽は投げられた」の英語表現は?

「賽は投げられた」の英語表現①「Thedieiscast.」

お札

「賽は投げられた」の英語表現は「The die is cast.(賽は既に投げられた)」です。賽は投げられたという言葉の由来がカエサルであることからも分かるように、この故事は日本にしかないものではありません。「賽は投げられた」という表現は、諸外国においてもなされることがあるものです。

「The die is cast.」に出てくる「die」とはサイコロ、すなわち賽のことです。よく日本語で使われる「ダイス」とは、「die」の複数形である「dice」のことです。「賽は投げられた」という表現を英語にする際は「die」が適用されるので気をつけましょう。

一方、「cast」とは「投げる、放る」を意味する単語です。こうして分解して意味を知ると、「The die is cast.」とは賽は投げられたという言葉の英語表現であることがよく理解できるのではないでしょうか。

「賽は投げられた」の英語表現②Allornothing.

手をあげる

「賽は投げられた」の英語表現二つ目は、「Allornothing.(すべてか無か)」です。「The die is cast.(賽は既に投げられた)」の方が、英語表現としてはストレートだと言えます。しかし、「Allornothing.(すべてか無か)」も類似の意味を表すので、覚えておくと良いでしょう。

「賽は投げられた」という表現の類義語に「一か八か」「伸るか反るか」「乾坤一擲」といったようなものがあったことからも、英語表現として「Allornothing.(すべてか無か)」を用いることができるのは理解できるのではないでしょうか。臨機応変に使い分けることができたら、表現の幅も広がりそうです。

以下に関連記事として「根を詰める」という表現の語源や由来、類語に英語表現などについてまとめられたものがあります。「賽は投げられた」という表現について正しく理解ができたら、別の表現についてもまた同じように学んでみませんか?表現の幅が広がることは、あなたの人生に彩りをもたらしてくれることとなるでしょう。

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「賽は投げられた」という言葉を正しく使おう

「賽は投げられた」という言葉は元はラテン語でルビコン川を渡る時に発せられた言葉だと知ることで意味に対する理解がより深まったのではないでしょうか。「賽は投げられた」は、日常生活において度々使われることのある表現であるだけに正しい意味を知った上で適切な表現として使うことができるようになっておくべきです。

これまで「賽は投げられた」という言葉について曖昧にしか理解することができていなかったというあなたは、この機会にぜひ正しい使い方と例文について学んでおいてください。また、豆知識として「賽は投げられた」という言葉の由来のラテン語等を話せば、飲み会などの場においても一躍人気者になれるのではないでしょうか。

豆知識として以外にも、賽は投げられたという表現を使うことは可能です。日常会話で使うことのできる表現が多ければ多いに越したことはありませんから、これから使えそうな場面に遭遇したら、ぜひ積極的に使ってみてください。言葉は使うことによって自分の中に定着してくれるものです。


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