根を詰めるの意味は?語源や由来や類語や英語・根詰めるの使い方も

「根を詰める(根詰める)」という言葉は日常でもよく使われる表現で、主に「張り切る、没頭、熱中」といった意味がありますが、今回はこれらの意味に加え、気になる語源や由来、使い方についてご紹介します。さらに類語や対義語、英語での表現もチェックしてみましょう。

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根を詰める(こんをつめる)の意味や由来・語源は?

根を詰めるの意味|1つの物事に没頭・熱中すること

没頭・熱中する

一般的に「根を詰める(根詰める)」という言葉には、まず「何かに没頭する、熱中する」といった意味合いがあります。1つの物事に集中し目標を遂行するために長時間自分の心身を捧げる、そんなひたむきなイメージですね。しかし、これだけで終わらないのがこの言葉の面白いところです。もう少し掘り下げて見てみましょう。

根を詰めるの意味|張り切る気持ちの上にネガティブな意味を持っている

ネガティブな意味がある

「根を詰める」という言葉のベースには、大前提として「物事に対して張り切る気持ち」というものがあります。しかし、一見ポジティブな印象を抱えているようでいて、実はその一方で「ネガティブな要素」も持ち合わせています。そしてこのネガティブな要素こそが、この言葉の最大の特徴でもあります。

具体的に言うと「根を詰める」とは、周りが見えないほどに精神を集中させ、それと同時に時間も使っている、つまり「目の前の物事に心身ともに囚われている」、もっと簡単に言うと「長時間、頑張りすぎている」という状況を表します。単に張り切る気持ちや、シンプルに没頭・熱中状態を意味した言葉ではないのですね。

そして、これらの意味をまとめてみると、「根を詰める」というのは「物事に対して張り切る気持ちがあるが、自分の身体や精神の疲労を顧みずに没頭・熱中し続けている」ということになります。何だか少し窮屈なイメージのある言葉ですよね。

根を詰めるの由来・語源は「根性・根気の根」

根性・根気で頑張る

また「根を詰める」という言葉の由来・起源についてですが、まず「根」という一字は「根性・根気」の「根」から来ているとされています。そして「詰める」には「たゆまず続ける」という意味があり、つまり、この2つを繋げて直訳すると「ずっと根気を入れた状態のまま何かを続けている」という意味になります。

人間、何かをするときには根性や根気も必要ですが、それを延々キープしたままだと疲れてしまいますよね。言わばずっとアクセルを踏み続けているような状態です。「根を詰める」には、こういったニュアンスが含まれているため「やりすぎ、過剰」といった少しマイナスな意味を持つ言葉として使われます。


根を詰める(根詰める)の類語や対義語は?

根を詰める(根詰める)の類語①寝食を忘れる

寝食を忘れるワーカホリック

根を詰める(根詰める)の類語、1つ目は「寝食を忘れる」という表現です。これは「寝るのも食べるのも忘れるほど」何かに熱中している様を表し、この「周りが見えていない感じ」が「根を詰める」に共通しています。ただし、この「寝食を忘れる」という類語には「根を詰める」のようなネガティブな要素はありません。

具体的に言うと、「根を詰める」の場合、かなり集中して頑張っている状況に「疲労感」がプラスされていますが、それに対して「寝食を忘れる」は、かなり集中して頑張っている、という段階でストップしており、疲労のニュアンスは含まれておらず、より張り切る意味合いが強いのが特徴です。

根を詰める(根詰める)の類語②脇目も振らず

脇目も振らずに仕事

根を詰める(根詰める)の類語、2つ目は「脇目も振らず」という表現です。こちらも日常的によく使われる表現ですが「よそ見をせず、目の前の物事だけに熱中、没頭する」という意味があります。こういった意味では「根を詰める」とよく似た類語になりますが、少しだけニュアンスが異なります。

「根を詰める」は「その場でずっと踏ん張って集中している」という「静」のイメージがありますが、それに対してこの「脇目も振らず」という言葉にはどちらかというと、1つ物事に突進して向かっている「動」のイメージ、すなわちスピード感があるのが特徴です。この絶妙なニュアンスの違いが面白いですよね。

「根を詰める」の類義語には、これらの他にも「一心不乱」や「なりふり構わず」など様々な表現があります。ただし、これらの類語は「1つの物事に没頭して注力する」という共通の意味がありつつも、そのニュアンスは若干異なりますので、それぞれの言葉の意味をしっかりと踏まえた上で使うようにしましょう。

根を詰める(根詰める)の対義語①ほどほどに

ほどほどに頑張る

根を詰める(根詰める)の対義語、1つ目は「ほどほどに」という表現です。「多すぎず少なすぎず、ちょうどよい」という意味があり、こちらもよく使われる言葉ですよね。「張り切るのもいいけれど、ほどほどにしときなよ」「ほどほどに頑張るよ」といった風に使われます。

「根を詰める」という表現が120%の力で熱中して頑張り続けているのに対し、「ほどほどに」は50〜70%くらいの力で、休みを挟みつつ適度に頑張っているイメージです。「頑張る」という前向きのベクトルは同じなのですが、張り切る度合いや姿勢が違うという意味で、お互いが対になっています。

根を詰める(根詰める)の対義語②要領よく

要領よくこなす

根を詰める(根詰める)の対義語、2つ目は「要領よく」という表現です。こちらもよく使われる表現ですよね。仕事や勉強その他の様々なシーンにおいて、準備、理解、処理能力が高く、物事をスムーズにできる様を指しており、時には「ずる賢い」というニュアンスで使われることもあります。

「根を詰める」という表現が、ちょっぴり頑固な職人が一人で黙々と頑張り続けているのに対し、「要領よく」は若手の新人がネットで調べたり人に聞いたりして、ちゃちゃっとスムーズに物事を片付けている、そんなイメージがあります。

また、以下の記事で解説している「適当」という言葉も「根を詰める」の対義語に近い存在です。「根を詰める」とは真逆の要素を持つ「適当」、私たちも普段よく使っていますが、これは使い方によってはいろいろなニュアンスを生み出すことができる言葉です。こちらもぜひ参考にしてみて下さいね。

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根を詰めるの使い方・例文

根を詰めるの使い方・例文①ねぎらいの言葉として使う

ねぎらいの言葉として使う

根を詰めるの使い方・例文、1つ目は「ねぎらいの言葉として使う」という方法です。「根を詰める」という言葉は「心身の疲労を顧みない」といった少しネガティブなニュアンスを含むため、「あまり頑張りすぎないでね」といった、相手を優しくいたわる気持ちを表現するときにも使えます。以下例文です。


    【根を詰めるの例文①】ねぎらいの言葉として使う

  • あまり根を詰めすぎず、ご自愛下さいね。
  • 朝からずっと根を詰めて頑張られていましたから、この辺で少し一息入れましょう。
  • 根を詰めすぎると、お身体に障りますよ。

根を詰めるの使い方・例文②注意喚起の意味を込めて使う

注意喚起の意味で使う

根を詰めるの使い方・例文、2つ目は「注意喚起の意味を込めて使う」という方法です。集中して頑張るのはよいことですが、無理をするのはよくありません。根を詰めている本人が頑張り過ぎて倒れてしまう前に、周りの人が「セーブしながら気を付けてね」という意味を込めて使うときもあります。以下例文です。

    【根を詰めるの例文②】注意喚起の意味を込めて使う

  • 張り切るのもいいですが、根を詰めすぎるのはよくないですよ。
  • 根を詰めすぎないように、ほどほどにしましょう。
  • 先はまだまだ長いので、根を詰めず、力は小出しにしていきましょう。

根を詰めるの使い方・例文③自省の意味として使う

根を詰めすぎて疲れた

根を詰めるの使い方・例文、3つ目は「自省の意味として使う」という方法です。先述の2つの例は「根を詰めている人に対して周りがかける言葉」でしたが、こちらは「根を詰めた人自身が使う言葉」です。「ちょっとやりすぎちゃった、頑張りすぎて疲れた」そんなときに反省の意味を込めて使います。以下例文です。

    【根を詰めるの例文③】自省の意味として使う

  • 今日は一日中ずっと根を詰めて作業していたので、疲れてしまいました。
  • (物事が上手くいかなかったときに)根を詰めすぎたから、ダメだったのかもしれません。
  • 「根を詰めすぎるとよくない」と言いますし、私はやっぱり「ほどほどに」がベストですね。

一生懸命に頑張るのはもちろんよいことですが、やりすぎることで逆にマイナスの結果を出してしまうこともあります。無理のない状況でベストな結果を出すためには、自分の心を上手にコントロールすることも大事です。以下の記事では、そんなときに必要な「自制心」についてご紹介していますのでぜひ参考にしてみて下さいね。

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根を詰めるの英語表現は?

根を詰めるの英語表現①work_so_hard

一生懸命働きすぎ

根を詰めるの英語表現、1つ目として「work_so_hard」という表現があります。直訳すると「一生懸命に働く」といった意味になり、「重労働」といったニュアンスも少し含まれますが、これは「根を詰める」という言葉の「自分を追い込んで頑張っている」という意味に通ずるものがあります。以下例文です。

    【例文】根を詰めるの英語表現①work so hard

  • You don't have to work so hard.(そんなに頑張りすぎなくてもいいのよ。)
  • Why do you work so hard?(なぜそんなに一生懸命に働くの?)

根を詰めるの英語表現②push_myself_too_hard

かなり無理して頑張っている

根を詰めるの英語表現、2つ目として「push_myself_too_hard」という表現もあります。直訳すると「自分自身をハードにグイグイ押す」ということになります。「自分をグイグイ押すってどういうこと?」となりますが、ここがポイントです。

この部分こそが「根を詰める」の「自分の疲労も顧みず頑張る」という意味に通じており、「push_myself_too_hard」は、先ほどの「work_so_hard」よりもさらに強くリアルに「かなり無理をして頑張っている」という姿勢を表現しています。以下例文です。

    【例文】根を詰めるの英語表現②push myself too hard

  • I don't just want to push myself too hard.(自分を追い込みたくはないんです。)
  • Don't push yourself too hard.(あまり無理をしすぎないでね。)

根を詰めるの意味を知って正しくスマートに使おう

言葉の正しい意味を知ろう

さて今回は「根を詰める(根詰める)」という言葉の基本的な意味や使い方、由来や語源、そして類語などをご紹介してきました。普段から何気なく使っている言葉でも、その意味をきちんと知ると「そんな意味があったんだ!」という新たな発見があって面白いですよね。また、自信を持って使うことができるようにもなります。

しかし、「根を詰める」の「根」には「根気・根性」に由来があったということが分かり、何だかとても納得できて腑に落ちましたよね。自分を追い込んで何かに没頭するのも時には楽しいものですが、この「根を詰める」という言葉には「やはり何事もほどほどが一番」という、そんな意味も込められているのではないでしょうか。

また、今回ご紹介した「根を詰める」の意味や由来は、実際に仕事で根を詰めてしまったときの息抜き用の小ネタとしてもぴったりです。「根詰めすぎもよくないですから休憩しませんか?ところで先輩、根を詰めるの本当の意味や由来を知ってますか?」といった具合に、ぜひ楽しく使ってみて下さいね。


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