不肖ながら・不肖の息子の意味とは?類語や対義語・使い方の例文も
あなたは、ビジネスでも使用される「不肖ながら」という表現の意味や使い方を知っていますか?この記事では、この言葉の具体的な例文とは?また類語と対義語、「不肖の息子」などの表現の意味や反対の意味の言葉について詳しくお伝えしていきます。
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目次
不肖ながらの意味とは?
不肖ながらの基本的な意味とは「この程度ですが」の意味

まず、「不肖ながら」の意味とは、簡単な言葉にすると「この程度ですが」という意味です。「不肖」の部分は読み間違いが多い部分でもありますが、正しくは「ふしょう」と読みます。例えば、「この程度の者ですが」と言いたい場合、少し表現がストレートすぎるなと感じたらこの「不肖ながら」を使うと良いでしょう。
不肖ながらの意味は自分をへりくだる意味で使用される

上記で「不肖ながら」の意味を確認しましたが、この表現は実は自分をへりくだって相手を立てることで相手への敬意を示す謙譲語表現のうちの一つです。相手と比べて自分が「大した人間ではない」と言うことで、婉曲的に「あなたは素晴らしい人間です」と敬意を表しています。
基本的には相手に対して控えめな態度を取ることで相手との人間関係を円滑にしようとする意味や目的を持つ言葉です。ただ、明らかに例えば人望もなく、仕事の実力もない人に多用したり、自分を卑下した気持ちから多用すると、苦しくなってしまいます。この表現を使用する相手と状況、頻度には十分に注意してください。
不肖の息子の意味とは?
不肖の息子の意味とは「大した息子ではないですが」の意味

「不肖」を使った表現で良く聞かれるもののうち、「不肖の息子」という表現があります。この表現の意味は分かりやすく言うと、「大した息子ではないですが」という意味です。この表現の意味も「不肖ながら」と用いる際とほぼ同じです。ただ、主語が自分か、それ以外かという違いしかありません。
不肖の息子の意味は自分の身内をへりくだって表す際に使用される

「不肖の息子」という表現は自分の身内、または家族である息子をへりくだって表現し、相手に敬意を表す形で使用されます。自分以外の家族やその子どもには使えないので注意しましょう。どんなに優秀で、出来の良い息子であっても、他の人から反感や不満を買わないよう、へりくだって表現するのが良いとされています。
不肖の類語3選
不肖の類語①小生(しょうせい)

不肖の類語1つ目は、小生(しょうせい)です。この読み方を、しばしば「こしょう」と誤用している人が見受けられますので、注意しましょう。この言葉は男性の一人称を表す言葉です。したがって、女性は使用することができません。
また、この言葉は話し言葉では使用できず、書き言葉でのみ有効な言葉です。実際の使い方としては「ご都合よろしければ、小生が明日の午後にそちらに伺わせていただきます。」などの形で使用します。便利な表現ですが、これも多用しすぎると相手との関係が固定されてしまい、相手から見下される可能性があるので注意です。
不肖の類語②拙い(つたない)

不肖の類語2つ目は、拙い(つたない)です。この拙いは、簡単に言うと「未熟で劣っている」という意味です。自分へりくだって使用するので、「不肖」と同じ意味で使用することができます。
例えば、「こちら、拙いものですが、どうぞお受け取りください。」など、自分や自分を通して相手の手元に渡る物を故意にへりくだって表現し、相手への敬意を示します。日本文化では、このように本当は価値のあるものでもわざとへりくだって表すのが良い、という風潮があります。
不肖の類語③不束(ふつつか)

不肖の類語3つ目は、不束(ふつつか)です。この不束には特に躾が行き届いておらず、気の利かない女性を表す言葉とされています。そのため、この言葉は小生とは対照的に、女性を対象として使用されます。
最も馴染みのある例文には、「不束な娘ですが、どうぞよろしくお願いします。」というものがあります。これは、自分の娘をへりくだり、故意に卑下する表現として知られています。ただし今日ではこれらの表現は男尊女卑につながる恐れがあるとして積極的には使われない傾向にあります。使用の際はその意図に注意しましょう。
不肖の対義語3選
不肖の対義語①自慢の

不肖の対義語の1つ目は、「自慢の」です。文字通り、自分が自慢したくなるような良い出来の、という意味の類語となります。具体的には、「こちらが我が社自慢の新商品となります。」などの形で使用します。
「不肖の」という言葉に代表される通り、日本語には自分を卑下して相手を敬う表現が多数ありますが、例文のように特にビジネスシーンではしっかり自分をアピールすることも求められます。必要な際には、上手にこの「自慢の」などの対義語を使用し、自社の商品やサービスの良さをアピールしましょう。
不肖の対義語②愛(まな)

不肖の対義語の2つ目は、「愛(まな)」です。この言葉の意味は、「かわいい、愛くるしい」という意味です。具体的には例えば、「愛息子」「愛娘」「愛弟子」など基本的には自分より年下の人に対して愛情を持っていることを表現します。
この「愛」という言葉は、「不肖」とは逆に自分の家族やかわいがっている人を素直に表現しますが、不思議とそれが嫌な感じを相手に与えることはありません。年下の人に対しても敬意を持ったまなざしを向けていることを示唆できますので、おすすめの対義語表現です。
不肖の対義語③かわいい

不肖の対義語の3つ目は、「かわいい」です。文字通り、自分の家族や年下に人がかわいいことをストレートに表現した言葉です。実際には「私のかわいい息子が」「私のかわいい部下が」などの形で使用します。
この対義語表現はもちろん、日常的に使用することは可能ですが、特にビジネスの現場で使うと少し身内をストレートに自慢しているように聞こえる可能性が高まります。特に目上の人や大事な取引先の前では使用を控えましょう。
以上までで、「不肖」の正しい意味や使い方、類語・対義語についてお伝えしてきました。下記関連記事内では、「僭越ながら」という表現の意味と使い方について分かりやすくまとめています。「恐縮ながら」などの類語表現もご紹介していますので、気になる人はぜひ合わせて参考にしてみてください。
不肖の使い方例文5選
不肖の使い方例文①不肖の身ではありますが精一杯精進いたす所存です

不肖の使い方例文の1つ目は、「不肖の身ではありますが、精一杯精進いたす所存です。」です。これは、簡単な日本語にすると「大した人間ではありませんが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。」という意味になります。
簡単な日本語の方の意味を見ると、少しストレート過ぎますよね。伝えていることはほぼ同じですが、後者のような直接的な言い方をして例えばそんな人を面接で採用したいと思う担当者は少ないはずです。あくまでも相手に敬意を表すつもりでこの例文を上手に使用しましょう。
不肖の使い方例文②「不肖、山田花子」

不肖の使い方例文の2つ目は、「不肖、山田花子。」です。文中仮の名前の部分には自分の名前を入れて使用します。これは、特に初めて会った人に対しての自己紹介の場面で使用することが多い表現です。
簡単な日本語にすると、「私は、未熟者であります、山田花子です。」という意味になります。特に新入社員や入社間もない社員が自分がへりくだる意味で用いるとより効果的な表現です。上手く使えると、先輩や上司にかわいがってもらえそうです。
不肖の使い方例文③不肖の弟子ではございますがよろしくお願いいたします

不肖の使い方例文の3つ目は、「不肖の弟子ではございますが、これからもよろしくお願いいたします。」です。これは、自分が何かを指導している若手を誰かに紹介する時によく用いられる表現です。
この表現も、自分が弟子と共に相手にへりくだることで、相手からも目をかけて世話をしてもらいたいことを婉曲的に伝えています。伝えられた相手は「いえいえ、とんでもないです。立派なお弟子さんですね。」等と返すと良いでしょう。
不肖の使い方例文④不肖の部下で申し訳ありません

不肖の使い方例文の4つ目は、「不肖の部下で申し訳ありません。」です。これは自分の部下が相手に対して何か失礼なことや間違いを犯した際に陳謝する際に使用する表現です。普段はどんなに仕事ができる部下でも、このようにあえてへりくだって相手に表現します。
この表現は、特に自分の部下について言及していますが、他にビジネスで応用できるものとして「不肖の後輩で申し訳ありません。」というものもあります。これは、自分と相手は職務上の上下関係にはなく、年齢差があるのみの場合のみにも使える表現です。
不肖の使い方例文⑤不肖の息子を持ったために苦労しております

不肖の使い方例文の5つ目は、「不肖の息子を持ったために、苦労しております。」です。これは、「自分には未熟な息子がいて、苦労している。」と相手にへりくだって表現するものです。ここでも、どんなに出来の良い息子でも相手がある場合にはこのように謙遜するのが良いとされています。
不肖の息子とは逆の意味を持つ言葉は?
不肖の息子とは逆の意味を持つ言葉①自慢の息子

不肖の息子とは逆の意味を持つ言葉の1つ目は、「自慢の息子」です。日本文化の環境下にある家族ではまれではありますが、自分の子どもを小さい頃から「自慢の息子」として育て、自尊心の高い子どもを育てることに成功する家族が存在します。このような子どもの親はしばしば、他者の前でも息子の存在を卑下しません。
例えば、相手に息子の行いを褒められた場合にも、「ありがとうございます。彼は自慢の息子です。」と言う表現をはばからずに使います。また、相手から「自慢の息子さんですね。」と言われても「ありがとうございます。」と返します。このような会話の中で「不肖の息子」と逆の表現である「自慢の息子」を使用します。
不肖の息子とは逆の意味を持つ言葉②最愛の息子

不肖の息子とは逆の意味を持つ言葉の2つ目は、「最愛の息子」です。具体的な例文としては、「彼は私の最愛の息子です。」等の形で使用します。「最愛の」とは文字通り、「最も愛する」という意味です。このように、「不肖の息子」とは逆の言葉を日常生活でも使用することが可能です。
「不肖ながら」と他類語表現を使って人間関係を豊かにしていこう!

以上までで、「不肖」や「不肖ながら」という言葉の正しい意味や使い方についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?類語だけでなく、例文や対義語についてもいくつかまとめてみました。日本文化の中には今回の表現のような自分を卑下して相手を敬う特殊な表現が沢山あります。
そのニュアンスや使い方を自分のものにして使っていくまでは少し時間がかかってしまいますが、ぜひ日常生活やビジネスでもこの「不肖ながら」などの表現を活用して人間関係を豊かなものにしていってください。
下記関連記事では、「不躾ながら」の読み方や意味について分かりやすく解説しています。メールでもしばしば使用されるこの表現ですが、他にも「失礼ながら」や「無礼」などを使った類語表現が豊富にあります。相手に失礼にならないように何かを指摘したい場合に使える表現について知りたい人はぜひチェックしてみて下さい。
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