~したりの使い方・文法は?言い換え表現やしたり顔の意味や例文も

「買い物したり、散歩したり」のように、動作を並べて説明する「~したり」ですが、意外と使い方を間違えやすいことはご存知ですか?「したり顔」のような言葉もありますが、果たして同じ意味の言葉なのでしょうか?「~したり」とは何なのか、使い方などを含めて、スッキリまとめてみましょう。

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~したりの使い方は?

~したりの使い方①代表的な例を挙げて暗示する

クエスチョンマークとドル袋に囲まれる

~したりの使い方の1つ目は、代表的な例を挙げて暗示するものです。もともと「~したり」は、動詞の連用形に「~たり」を使ったものです。もちろん、「する」以外の動詞の連用形でも使用可能です。例えば、「行く」であれば「行ったり」、「休む」であれば「休んだり」とします。

「~したり」は、主に動作を表す名詞に「する」をつけて動詞とする場合に用いられます。例えば「買い物」という名詞は「買い物する」という動詞となります。連用形にして「~たり」に変えると、「買い物したり」という「~したり」の言い方になりますね。この他にも、「ドライブしたり」「散歩したり」など色々あります。

「~たり」は、特定の期間におこなう行為から、代表的なものを選んで挙げるために用いられます。例えば、「ゴールデンウィークは何をするの?」という質問に対して、「旅行したりする」と答えられます。代表的な行為である「旅行」を挙げつつも、他にもおこなうことはあるのだと暗示するために用いることができます。

~したりの使い方②並列の行為を挙げて暗示する

2つのことを比べる

~したりの使い方の2つ目は、並列の行為を挙げて暗示するものです。こちらは、「~たり、~たり」と、同じ表現を二つ並べて使うものです。例えば、「日曜日は、買い物したり、散歩したりする」のような使い方ですね。こちらも、並べて挙げた行為以外にもおこなうことはあるのだと、暗示することができます。

ここで注意しておきたいのは、「日曜日は、ドライブしたり、仕事したりします」のように、並列させる行為のバランスが悪いものは、避けたほうが良いということです。ありえないわけではありませんが、できるだけ近しい行為を挙げるようにした方が良いですね。

また「日曜日は、買い物したり、散歩するのが好きです」のように、並列する行為を挙げているにも関わらず「~たり」が一つしか使われていないものにも注意しましょう。1番目の行為に「~たり」を使うのであれば、2番目の行為にも使うのが正しい形です。最近は2番目で省略されるケースも増えていますが、誤用となります。

~したりの使い方③複数の並列の行為を挙げて暗示する

指先にコインを重ねる

~したりの使い方の3つ目は、複数の並列の行為を挙げて暗示するものです。「~たり」の使用は、二つまでとは限られていません。例えば、「日曜日は、映画を見たり、買い物をしたり、散歩したりします」のような使い方ですね。二つ以上の複数使いで言い切る場合は、必ず「~たりする」で、文を終わらせるようにしましょう。

代表的な行為を複数挙げていますが、やはり、この他にもおこなうことがあることを暗示する表現です。単独で使うのか、二つ並べて使うのか、複数使うのかを、よく考えて選んでみましょう。

~したりの使い方④行為が規則的でないことを示す

いろいろと迫られる男性

~したりの使い方の4つ目は、行為が規則的でないことを示すものです。例えば、「◯◯さんは、ジムでトレーニングしたり、家でトレーニングしたりする」や、「休憩時間は、中庭にいたり、オフィスにいたりする」のような使い方ですね。

「ジムだけでトレーニングする」や「いつも中庭にいる」のように、行為が一貫していないことが分かります。こちらの使い方は、必ず二つ以上の行為を挙げる必要があります。

~したりの使い方⑤反復する行為であることを示す

シーソーに乗った豚

~したりの使い方の5つ目は、反復する行為であることを示すものです。例えば、「電気をつけたり、消したりする」のように、対照的な行為を行う場合に、よく使われます。ほかにも、「ドアから出たり、入ったり」「雨が降ったり、やんだり」のような例が挙げられますね。短い期間に繰り返しやすいことが特徴です。

~したりの言い換え表現は?

言い換え表現①代表的なものを挙げる用法の「~など」

手のひらの上のお札と車

言い換え表現の1つ目は、代表的なものを挙げる用法の「~など」です。「など」には、いろいろある中から、代表的なものを取り上げて示すという働きがあります。さらに、「取り上げたもの以外にも、似たようなものがある」という意味を含ませることができます。

例えば、「呼び出して注意するなどしたのですが、あまり効果がなかったようです」のような使い方が考えられます。「~など」を加えて表現することで、「注意する」という行為以外にも、いろいろなアプローチをしたことが伝えられますね。「注意したりしたのですが」の言い換えとして違和感がありません。

「~たり」は話し言葉なので、報告書やメールなどで使用する場合は、「など」のような表現に言い換える必要があります。話し言葉と書き言葉の違いを注意した方がよい表現は、他にもたくさんあります。こちらの記事では、「弊社」と書き言葉についてまとめているので、あわせてチェックしてみましょう。

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言い換え表現②並列を表す用法の「~や~」

ドルマークの上の男女

言い換え表現の2つ目は、物事を並列にして表す用法の「~や~」です。「~と~」と同じ並列助詞の一つとなります。「読書と散歩をする」の言い方だと、自分がおこなうのは「読書」と「散歩」だけだという意味になります。しかし「読書や散歩をする」のように「~や~」を使うと、他の行為も含まれていることを暗示します。

「~たり、~たり」と同じように、二つの行為を並べたいときの言い換えにピッタリの表現ですね。「~たり、~たり」のままですと、改まった場面で使うには、少し子どもっぽい言い方になってしまいます。「~や~」で、社会人らしい表現に言い換えましょう。

言い換え表現③敬語に置き換える用法の「~なさったり」と「~されたり」

握手する

言い換え表現の3つ目は、敬語に置き換える用法の「~なさったり」と「~されたり」です。「する」の敬語である「なさる」「される」に言い換えて、「~たり」を使います。自分や身内の行為に対して使うことはできませんが、目上の人の行為について使うのに便利な言い換えです。

例えば、「本日の社長は、パーティーに出席したり、会議に参加したりと、何かと多忙だ」という表現を、「出席なさったり・されたり」のように言い換えることができますね。失礼のないよう話したいときに、言い換えると良いでしょう。


「する」の敬語である「なさる」と「される」は、意味の違いに注意しておく必要があります。こちらの記事では、「されている」と「している」の違いにフォーカスしています。細かい違いをチェックしたい人にオススメです。

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したり顔の意味とは?使い方・例文は?

したり顔の意味とは「してやったり」という顔つきのこと

お札を片手に笑顔の女性

したり顔は、「してやったり」という顔つきのことを意味します。物事が期待どおりに進んで、成功したり、うまくやったと感じたりしたときに見せる、得意げな顔だと考えればOKです。

似たような言葉に、「ドヤ顔」というものもありますね。「したり顔」は、どちらかというと古風な表現なので、現在では「ドヤ顔」の方が多く使われています。「ドヤ顔」を丁寧に言い換えたい場合に、「したり顔」を使うと良いでしょう。

また、「したり顔」は、物事をよく知っている「物知り顔」という意味と間違えられることがあります。「したり」は「知っている」という言葉とは無関係なので、注意してくださいね。

したり顔の「したり」は「~したり」とは文法的に近い

黒板に書かれたアルファベット

したり顔の「したり」は、使い方こそ異なりますが、「~したり」とは文法的に近いものとなります。どちらも、「する」という動詞の連用形に、完了の助動詞である「~たり」を加えるという点が一致しています。

しかし、「してやったり」と得意そうな顔をする「したり顔」と、代表的な例を挙げて暗示する「~したり」では、意味も使い方も異なりますね。文法的に近くても、意味や使い方が異なる「したり」には、以下のようなものもあります。

例えば、「ああ、したり」のような使い方では、失敗したときに発する「しまった」という意味を持ちます。また、「これはしたり!」のような使い方では、「これはまあ!」という驚きを意味します。「したり顔」と同じ、物事を期待どおり成功させたときの表現では、「したりとばかりに喜ぶ」という使い方があります。

したり顔の使い方・例文①得意そうな顔をする

本の上に頬を乗せる女性

したり顔の使い方・例文の1つ目は、得意そうな顔そのものを意味するものです。計画していたことが思いどおりに進んだと分かったときや、成功したと感じたときに、表情そのものが変化することを意味する使い方となります。

例えば、「プレゼンが終わって、大きな拍手をもらった瞬間、彼はしたり顔になった」のような例文が挙げられますね。成功を悟り、自分でも表情を抑えられなかったのかもしれません。

したり顔の使い方・例文②自慢げな様子を表す

両手を頭の後ろで組む女性

したり顔の使い方・例文の2つ目は、自慢げな様子を表すものです。表情の変化よりも、したり顔から発せられる、自慢げな様子にフォーカスした使い方となります。例えば、「したり顔で腕組みなんかしている」のような例文からは、いかにも成功を自慢げにしていることが窺えますね。

また、「したり顔で教える」のような表現もありますが、こちらも「自慢げに教える」という意味で使われます。「したり顔で口をきく」「したり顔で説明する」のように、話したり教えたりする表現と組み合わせて使われます。こちらのタイプは「物知り顔」という意味と間違えられるケースが多いものです。

「~したり」を適切に使い「したり顔」は避けましょう

代表的な例を挙げて暗示するために用いられる「~したり」は、単独で使っても、並列させて使っても、複数で使ってもOKな表現です。ただし、書き言葉として用いることができないことに加え、「~たり、~たり」と繰り返して使用するのは、社会人として幼い印象を与えてしまうので注意が必要です。

いくつかご紹介した、言い換えの表現を適切に使い分けてくださいね。しかし、上手に使えたからといって「したり顔」をしてはいけません。あまり得意げな表情をひけらかすのも、避けたほうが良いですね。心の中で自分を褒めて、充実した毎日を送っていきましょう。


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