「引導を渡す」や「渡される」の意味や使い方は?類語に由来は?類語10選

引導を渡すの意味・由来・使い方を知っているでしょうか。相手に何かの終わりや諦めを悟らせるときに使う言葉です。一般的には、戦いでとどめを指すときや人間関係などで区切りをつけるときに使われます。この記事では引導を渡すの類語や例文などもまとめています。

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「引導を渡す」の意味は?

「引導を渡す」の意味とは見込みのないことを断念するよう言い渡すこと

言い渡す

「引導を渡す」の意味とは見込みのないことを断念するよう言い渡すことです。特に終わりを相手に告げるときに「やつに引導を渡す」という言い回しで使われることが多いです。大抵の場合、戦っているシーンで敵を追い詰めて、とどめを刺すときの台詞としてよくあります。

「引導を渡される」の意味とは引導を受け取る側から見た言葉

引導を渡される

「引導を渡される」の意味とは引導を受け取る側から見た言葉です。受け身なので引導を受ける側が言うべき言葉です。例えば、戦っているシーンであれば、追い詰められて『とどめを受ける側』が、引導を渡される立場になります。

印籠を渡すは間違った言い回し

印籠を渡す

印籠を渡すは間違った言い回しです。引導(いんどう)と印籠(いんろう)は語感がとても似ています。そのため、引導という言葉をもし知らなければ印籠と聞こえても不思議ではありません。実際に聞き間違えている人は少なからずいます。ですが、引導を渡すが正しいので、印籠を渡すは誤りとなります。

「引導を渡す」の由来①本来は仏教用語

仏教

「引導を渡す」の由来1つ目ですが、本来は仏教用語です。亡くなった人を弔うためにお坊さんを呼んでお経を唱えてもらうと思います。そのお経がじつは引導です。本当の由来は、お坊さんが死者の生前の行いをねぎらい、安心して亡くなった人が死後の世界へ行けるように説いて導くことを指しています。

また、死者が死んだことを分からせる儀式でもあります。お経を故人に説いて悟らせ、この世という生への執着を諦めさせ、仏道に進めるよう導くことが本来の由来です。

「引導を渡す」の由来②とどめを刺すという意味合いは実はやや不適切

とどめを刺す

「引導を渡す」の由来2つ目は、とどめを刺すという意味合いは実はやや不適切なことです。本来の意味は、死者に死んだことを悟らせ、あの世へと導くことです。そのため「引導を渡してやった」という言い回しやとどめを刺す台詞などの使い方は、本来の由来を考えると乱暴だと言えるでしょう。

「引導を渡す」の使い方は?


「引導を渡す」の使い方①何かを断念するよう言いたいとき

区切り

「引導を渡す」の使い方1つ目は、何かを断念するよう言いたいときです。一般的に使われている通り、相手に何かを断念させたいときに「引導を渡す」を使います。とどめを刺すというシチュエーションはなかなかないので、役割や関係に区切りをつけたいときなどが良いでしょう。

例えば、訳あってリーダーや何かの担当を降りてもらいたいときに、それを宣告することを「引導を渡す」と言うことができます。また何かの関係を終わらせたいときにも使えるでしょう。本来の仏教の意味合いで使うと、一般的なイメージから逆に周囲に誤解を与える可能性が考えられます。

「引導を渡す」の使い方②何かの終わりを意識して感じるとき

関係や役割の終わり

「引導を渡す」の使い方2つ目は、何かの終わりを意識して感じるときです。「渡す」ではなく「引導を渡される」場合の使い方となります。関係や役割の終わりを何となく察したり、予感するときに使います。例えば、誰かとの関係が悪化して終わりを予期したり、役職や立場を下ろされるといったことです。

「引導を渡す」の類語10選

「引導を渡す」の類語①死刑宣告

宣告

「引導を渡す」の類語1つ目は死刑宣告です。相手に死をもたらすことを告げる言葉で、意味合いとしてはかなりキツイです。相手に死を予告し、観念させる意味も持っているので、諦め悟らせることを表す「引導を渡す」の類語に当てはまるのではないでしょうか。

「引導を渡す」の類語②言い渡す

宣告する

「引導を渡す」の類語2つ目は「言い渡す」です。何かの命令や判決を相手に宣告するという意味があります。「引導を渡す」も相手に何かを教えて悟らせるという意味を持ちます。相手に何かを告げる意味では類語と言えるでしょう。

「引導を渡す」の類語③宣言

宣言

「引導を渡す」の類語3つ目は「宣言」です。意味は意見などを外部に表明することを指します。相手に何かを表明することも宣言といいます。「引導を渡す」も相手に諦めさせる意見を宣言しているともいえます。なので宣言は、類語と言えるでしょう。


「引導を渡す」の類語④説得する

説得する

「引導を渡す」の類語4つ目は「説得する」です。相手と対話して説き伏せること・よく分からせることを指します。「引導を渡す」も相手に諦めることを説く意味を持ちます。なので、「説得する」も類語といえるでしょう。

「引導を渡す」の類語⑤唱導

唱導

「引導を渡す」の類語5つ目は「唱導」です。意味はお経を唱えて相手を仏道に導くことを指します。また、主張を唱えながら人を導くという意味も持ちます。「引導を渡す」の本来の意味にも、お経で死者を仏道に導く、というのがあります。なので、本来の意味に近い類語と言えます。

「引導を渡す」の類語⑥言いくるめる

言いくるめる

「引導を渡す」の類語6つ目は「言いくるめる」です。自分の主張を全面的に相手に押し通すという意味を持ちます。「引導を渡す」の一般的な使い方も似たようなものがあり、自分の主張はあっても、相手の意志を尊重する意味合いはほぼありません。そのことから「言いくるめる」も類語だと言えるでしょう。

「引導を渡す」の類語⑦丸めこむ

丸めこむ

「引導を渡す」の類語7つ目は「丸めこむ」です。自分の言い分を相手にすべて通し、相手を良いように操ることを指します。「引導を渡す」の一般的な意味でも、相手に自分の主張を認めさせる意味合いが強いです。そのため「丸めこむ」も類語の1つだと言えるでしょう。

「引導を渡す」の類語⑧お役ご免

お役ご免

「引導を渡す」の類語8つ目は「お役ご免」です。何かの役目をやめさせられること・不要な物を処分することを指します。「引導を渡す」も誰かに役目や担当を辞めさせるときに使うこともできる言葉ですから、その意味では「お役御免」も類語と言えるでしょう。

「引導を渡す」の類語⑨首切り

首切り

「引導を渡す」の類語9つ目は「首切り」です。解雇すること・職務を辞めさせることを指します。雇用を終わらせる・諦めるという意味では類語に当たるでしょう。また、会話上で解雇することを「引導を渡す」と表現してもおかしくはありません。

「引導を渡す」の類語⑩お払い箱

お払い箱

「引導を渡す」の類語10個目はお払い箱です。勤め人を辞めさせること・不用品を処分し排気することを指します。「君はお払い箱だ・彼をお払い箱にする」という風に活用して使う言葉です。終わりを言い渡す、諭して断念させる意味では類語に当たるでしょう。

「引導を渡す」の例文6選

「引導を渡す」の例文①引導を渡してもらう

引導を渡してもらう

「引導を渡す」の例文1つ目は「引導を渡してもらう」です。自分が渡すのではなく誰かにやってもらうことを表しています。使い方は、誰かに渡す役目を一任する場合などに使えます。

「引導を渡してもらう」の例文を挙げてみましょう。例えば「直属の上司から彼に引導を渡してもらうことにした」「引導を渡してもらう人で適任な人を候補に出した」などです。

「引導を渡す」の例文②引導を渡してくれる

引導を渡してくれる

「引導を渡す」の例文2つ目は「引導を渡してくれる」です。「~してやる!」と同じ意味で、少し古風な言い回しにすると「~してくれる!」となります。なので「じきじきに私から引導を渡してやる」といった意味合いの言い方となります。

「引導を渡してくれる」の例文を挙げてみましょう。例えば「長きに渡る戦いもようやく明日で終わりとなる。私からやつに引導を渡してくれる」「引導を渡してくれる、と父は息巻いている」「上司は引導を渡してくれる、と不敵な顔で言った」などです。

「引導を渡す」の例文③引導を渡しにきた

引導を渡しにきた

「引導を渡す」の例文3つ目は「引導を渡しにきた」です。終わりや諦めることを教え、悟らせに来たことを表します。使い方は引導を渡したい相手のところへ行くときに使えるでしょう。

「引導を渡しに来た」の例文を挙げてみましょう。例えば「彼の姿を見て私に引導を渡しに来たことを悟った」「引導を渡しに来たという男は見覚えのない人だった」「私はとある人物に引導を渡しに来た」などです。

「引導を渡す」の例文④引導を渡してやろうか

引導を渡してやろうか

「引導を渡す」の例文4つ目は「引導を渡してやろうか」です。相手に問いかける形の表現となっています。使い方は、実際に会話上で問いかける形か、自分がそう思ったという考えを表すときに使います。

「引導を渡してやろうか」の例文を挙げてみましょう。例えば「彼の振る舞いが目に余るため、いっそ引導を渡してやろうか、と頭で考えた」「引導を渡してやろうか、と上司に凄まれた」などです。

「引導を渡す」の例文⑤引導を渡す形

引導を渡す形

「引導を渡す」の例文5つ目は「引導を渡す形」です。そういう形式であることを述べた表現となります。例えば、従業員に解雇を通知する行為は、引導を渡す形だといえます。使い方は、ある行為をすることで、引導を渡す行為に繋がることを表したい場合などに使えます。

「引導を渡す形」の例文を挙げてみましょう。例えば「別れ話を切り出したことで、彼に引導を渡す形となった」「彼の化けの皮をはがしたことで、引導を渡す形となった」などです。

「引導を渡す」の例文⑥引導を渡した格好

引導を渡した格好

「引導を渡す」の例文6つ目は「引導を渡した格好」です。ある行為をするのがちょうど引導を渡すポーズになったことを表しています。例えば、勝負で相手を負かす行為は、引導を渡した格好になります。例文を挙げてみると「試合で相手を見事打ち負かし、引導を渡した格好となった」などです。

引導を渡すは断念するように諭すこと

引導を渡すの意味や由来、例文などは以上です。本来は仏教用語で死者に死を悟らせることを指しています。一般的には相手を負かしたり、とどめを刺すというイメージが強い言葉です。世間では由来から離れた意味で浸透しているので、一般的な意味合いで言葉を用いる方がいいでしょう。

この言葉の意味のほかにも、間違えやすい・誤用しやすい日本語についてまとめた記事があります。誤って覚えていると大変なので、そちらの記事も併せてご覧ください。

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