ニッチの意味は複数ある?英語や対義語・建築分野での使い方も
あなたは、グローバルな市場について表現する場合、または建築分野や趣味の世界でも使われる「ニッチ」という言葉の意味や正しい使い方を知っていますか?この記事では、英語での意味や対義語、「玄関ニッチ」と呼ばれる言葉の意味などについて分かりやすくお伝えしていきます。
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ニッチの語源や英語の意味
ニッチの語源は「niche」で意味は複数存在する
まず、日本語の「ニッチ」と呼ばれる言葉の語源は英語の「niche」です。この英語の語源の意味は後述する通り、その分野ごとに複数あると言われています。その使い方の歴史を見ていくと、もともとは西洋建築での壁のくぼみを表す言葉として使われはじめました。
その後20世紀後半に生物学用語として「生態的地位」という意味が提唱され、その際に「競争者の居ない隙間」という意味が付与されました。その後、この意味が転じて経済用語で「隙間市場」という意味で用いられはじめたとされています。
英語の「niche」の意味①建築分野
英語の「niche」の意味の1つ目は、「建築分野」での意味です。建築用語としてこの言葉を使われた際には、「特に建物内で彫刻や花などを置くなどの目的のために作られた壁のくぼみ」を意味します。最近、日本でもDIYを趣味とする人が玄関などにこの「ニッチ」を設けるケースが増えてきています。
英語の「niche」の意味②地学分野
英語の「niche」の意味の2つ目は、「地学分野」での意味です。地学の分野でこの言葉が使用される際は「岩などのくぼみ、割れ目や裂け目」という意味があります。この意味での使用は建築系の企業や商社などに努めるビジネスマン、または地政学分野の専門家などには聞き覚えのあるものと言えるでしょう。
英語の「niche」の意味③生物学分野
英語の「niche」の意味の3つ目は、「生物学分野」での意味です。生物学用語でこの言葉が使用された場合、「ある生き物の生態内での地位」を表します。これも化学系の会社や医学系の会社で研究開発などに携わっている人にはなじみのある意味かもしれません。先述した通り、この意味が転じて経済用語も生まれました。
英語の「niche」の意味④経済分野
英語の「niche」の意味の4つ目は、「経済分野」での意味です。経済用語としてこの言葉が用いられる場合、「特定の商品やサービスの隙間市場」という意味を表します。簡単な言い方をすると、「競合の少ない、おいしい市場」という意味になります。この表現はビジネスでも頻出のものであると言えます。
英語の「niche」の意味⑤一般分野
英語の「niche」の意味の5つ目は、「一般分野」での意味です。これまで述べてきた4つの分野以外で用いられる場合は、主に「人の能力などに応じた適所、得意分野」という意味で用いられます。その人が何かに突出したスキルや才能を持っていた場合、この言葉を使う場合があります。
以上までで、「ニッチ」という言葉の英語の語源、分野別での意味の違いについて詳しくお伝えしてきました。下記の関連記事内では、日常生活でも使用することの多い「エトセトラ」という言葉の意味や書き方についてまとめています。日本語のみならず、英語の書き方や使い方もご紹介していますので参考にしてみてください。
ニッチのカタカナ語の意味4選
ニッチのカタカナ語の意味①建築用語としての意味「玄関などの壁のくぼみ」
ニッチのカタカナ語の意味の1つ目は、建築用語としての「壁のくぼみ」という意味です。この意味は、この記事冒頭でお伝えした英語「nich」の意味と同様ですが、昨今では特に家の玄関にある壁のくぼみを示して用いられることが増えてきました。
この玄関のくぼみのニッチ部分には、自分のお気に入りの写真や小物、花などを飾って自宅のインテリアを趣味で楽しむのが日本でも流行しています。玄関の壁にニッチがあるだけでも家の雰囲気が明るくなるため、この形を採用する人が増えているのでしょう。
ニッチのカタカナ語の意味②生物学用語としての意味「生態的地位」
ニッチのカタカナ語の意味の2つ目は、生物学用語としての意味の「生態的地位」です。これも、英語の「nich」と共通する意味です。特に特定の生物が他生物を競争後に適応した場所を「ニッチ」と呼びます。この意味での使用は日常生活ではほとんどなく、その使用は専門家同士の使用にとどまります。
ニッチのカタカナ語の意味③経済用語としての意味「隙間」
ニッチのカタカナ語の意味の3つ目は、経済用語として使われた場合の「隙間」という意味です。この意味で使われる場合、「ニッチ」はマーケティング用語とされ、大資本や企業が手をつけづらい隙間のことを呼びます。
この意味での具体的な使われ方としては「ニッチ市場」や「ニッチ産業」などがあり、ビジネスの世界ではこのような言葉が日々飛び交っています。「ニッチ」という言葉は英語が語源でありながらも短く覚えやすいので、ビジネスでも活用しやすいですね。
ニッチのカタカナ語の意味④その他の意味「一般的ではない事柄」
ニッチのカタカナ語の意味の4つ目は、今まで挙げた3つの分野以外で使われる場合の意味で、「一般的ではない事柄」を表す意味です。特に一般的には誰も興味がないような分野や物、商品などに対して使用します。
少し前までは、この意味での「ニッチ」という言葉は他人との違いを表す表現であるためネガティブに捉えられる傾向が強かったのですが、昨今では個人の個性を尊重したり、多様性の高まりを求める流れによりこのニッチの意味もポジティブに捉えられるようになってきました。
ニッチの使い方や例文
ニッチの使い方や例文①この分野は業界内でも非常にニッチと言われています
ニッチの使い方や例文の1つ目は、「この分野は業界内でも非常にニッチと言われています。」です。これを簡単な日本語に直すと、「この分野は業界の中でもとても競合の少ない、おいしい分野と言われています。」という意味になります。
一般的に、従業員数も資本金の数も負けてしまう中小起業や個人事業主がまともに大企業と同じ分野で勝負することは難しいとされています。その場合、この例のように違う分野で差別化し、ニッチな分野を発掘していくというのは一つの戦略でもあります。
ニッチの使い方や例文②我社としましてはこれからグローバル・ニッチ戦略を
ニッチの使い方や例文の2つ目は、「我社としましてはこれからグローバル・ニッチ戦略を掲げていきたいと思っています。」です。文中の「グローバル・ニッチ」とは、国内市場のみならず、海外市場でも隙間的な市場という意味です。
少子化と労働力の著しい低下が止まらない日本の市場だけでは企業も生き残ることが難しくなってきました。そんな中、グローバル市場でもニッチなポジションを確立するというのは多くの企業において急務とも言えるでしょう。
ニッチの使い方や例文③これからもグローバル・ニッチトップを目指して
ニッチの使い方や例文の3つ目は、「これからも、グローバル・ニッチトップを目指して精進して参ります。」です。文中、「グローバル・ニッチトップ」とは、「世界市場でニッチな分野でトップの位置にあること」を表します。
基本的に、日本市場に比べてグローバル市場の方が人材の流れも流動的なので競争も激しいです。そんなマーケットでニッチな存在になれたとしても、他の企業にすぐに追いつかれてしまうことも多々あります。常にその中でもトップでいられるよう、社員全員で努力できると良いですよね。
ニッチの使い方や例文④彼が趣味で使用している車はとてもニッチな車種です
ニッチの使い方や例文の4つ目は、「彼が趣味で使用している車はとてもニッチな車種です。」です。これを簡単な日本語に直すと、「彼が趣味で乗っている車はとてもユニークな車です。」という意味になります。
この例文のような使い方は、ビジネス問わず日常生活でも多く見受けられます。特に独特、または珍しい種類のサービスや商品などを表現する時によく使用されます。カジュアルな場面でも使えますのでぜひ覚えて活用していきましょう。
ニッチの使い方や例文⑤玄関の壁のニッチの部分をもう少し工夫して
ニッチの使い方や例文の5つ目は、「玄関の壁のニッチの部分をもう少し工夫したいと思っています。」です。これは、先述した建築分野でこの言葉を使用した例です。この意味で使われる場合は、「ニッチ=壁のくぼんだ部分」と理解していないと会話についていけませんので、その点には注意しましょう。
ニッチの類語や対義語
ニッチの類語①「すき間」
ニッチの類語の1つ目は「すき間」です。先述した経済用語、マーケット用語で使用される「ニッチ市場」や「ニッチ産業」などの言葉の「ニッチ」の部分は全てこの「すき間」という言葉に置き換えることができます。ちなみに「すき間」とはこの場合「敵がいなくて勝ちやすい場所」という意味になります。覚えておきましょう。
ニッチの類語②「風変わりな・ユニークな・ちょっと変わった」
ニッチの類語の2つ目は、「風変わりな、ユニークな、ちょっと変わった」です。どの類語も同じような意味で使われ、まとめると「他と違って特徴的な」という意味になります。例えば、「その商品はニッチだ。」という表現は、「その表現はちょっと変わっている。」という風に置き換えられます。使いやすい類語ですね。
ニッチの対義語①「マス」
続いて、ニッチの対義語の1つ目は、「マス」です。「マス」とはもともと、「大衆」を表す単語で、例えば「マスメディア」という言葉にも使われます。「ニッチ市場」が「小さな市場」であれば、「マス市場」は「多くの大衆に受け入れられる大きな市場」です。この言葉も頻出のビジネス用語の一つと言えるでしょう。
ニッチの対義語②「メジャー」
ニッチの対義語の2つ目は、「メジャー」です。「ニッチ」を少数派という意味で捉える「マイナー」と同義とするならば、「メジャーな市場」「メジャーな人」などの形で使用される「メジャー」が対義語となります。耳慣れした言葉としては「メジャーリーグ」がありますね。この言葉もぜひ覚えて実際に活用してみてください。
ニッチやその他の類語を使ってビジネスでもその存在感を高めていこう!
この記事では、ここまで「ニッチ」という言葉の意味や使い方、分野別の例文など具体的なものを挙げながら詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか?特に玄関先に設置された「ニッチ」や「グローバル・ニッチ」などの言葉は生活の中でも何度か耳にしたことがある人が多かったのではないでしょうか。
昨今、日本企業に勤めながら、グローバル市場も視野に入れて仕事をする必要がある、というビジネスマンも増えてきています。今回取り上げたようなビジネス用語を英語の語源からもしっかり理解して、活用できるようになるとビジネスで自分の存在感を高めていくことに繋がります。ぜひ類語表現も含め活用してみてくださいね。
下記関連記事では、ビジネスでも頻繁に使われる「キャッチアップ」という言葉の意味を詳しくお伝えしています。英語ではネイティブが良く使う表現ですが、日本語での意味も英語と同じなのでしょうか?その具体的な使い方や類語は何だろう?など、この表現も気になる方は当記事と合わせてぜひ参考にしてみてください。
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