渡すの敬語は?お渡しするなどの謙譲語と丁寧語・尊敬語や類語・英語も
「渡す」という言葉の敬語について解説しています。「お渡しする」「お渡しください」「お渡しいたします」などの表現は、丁寧語、尊敬語、謙譲語のどの敬語に当たる表現なのでしょうか。「渡す」という言葉の類語や英語での表現についても解説しています。
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「渡す」の敬語は?
「渡す」の丁寧語|渡します
「渡す」の丁寧語には、「渡します」という言葉が挙げられます。敬語の一種である丁寧語は、会話の相手や状況を問わずに言葉を丁寧に発するときに用いられるもので、動詞の末尾に「です」「ます」という言葉を付ける使い方が最もよく知られています。
私たちが知人と話をするときの言葉やニュースのキャスターが使う言葉などにも、この丁寧語がよく用いられていることが分かります。
なお、丁寧語にはそのほかにも「美化語」という種類があり、名詞の頭に「お」や「ご」を付けて上品に表現するときに用いることがあります。例えば、「本」を「ご本」、「洋服」を「お洋服」と表現することは、この丁寧語の一種である美化語の表現に当たります。
なお、次の記事では「気をつけて」という言葉の敬語表現についてご紹介しています。気を付けるという言葉は、謙譲語や丁寧語ではどのように表現されるのでしょうか。英語での表現の仕方や、メールで気を付けるという言葉を表現したいときの例についても解説しています。ぜひ次の記事を参考になさってください。
「渡す」の尊敬語|お渡しになる・渡される・お渡しください
「渡す」の尊敬語には、「お渡しになる」「渡される」「お渡しください」などの言葉が挙げられます。「お渡しになる」「渡される」「お渡しください」のような尊敬語とは、上司や目上の人など、自分よりも立場が上の人の行動を表現するときに用いられる種類の言葉です。
「お渡しになる」に見られるように、尊敬語は「お(動詞)になる」のように、動詞に言葉をくっつけて表現するのがよく使われる表現です。「お読みになる」や「お聞きになる」などの言葉は、ビジネスの場などでも使ったことがあるのではないでしょうか。
また、「渡される」のように、「(動詞)れる・られる」と動詞を変換して用いるのも、尊敬語の使い方の一種です。この「れる」「られる」は尊敬の意味を持つ助詞で、「向かわれる」「休まれる」のように、気付かないうちに自然と使っている言葉です。
「お渡しください」という言葉も、相手の行動を敬った表現であるという意味で尊敬語の一種です。しかし、厳密には「お渡しください」は「渡す」の尊敬語ではなく「渡してほしい」「渡してください」の尊敬語です。「お渡しください」という言葉の敬語について考えるときには注意が必要です。
「渡す」の謙譲語|お渡しする・お渡しいたします
「渡す」の謙譲語には、「お渡しする」「お渡しいたします」という言葉が挙げられます。「お渡しする」や「お渡しいたします」などの謙譲語は、上司や目上の人など自分よりも立場が上の人に対して、自分の行動をへりくだった表現にするときに用いる言葉です。
「お渡しする」や「お渡しいたす」「お渡しいたします」のように「お(動詞)する」と表現するのが謙譲語の特徴です。謙譲語は敬語の中でも活用の難しい言葉です。ご紹介している「お渡しする」や「お渡しいたします」のように、頭に「お」を付ける変換で表現できる動詞もあれば、全く異なる言葉を使うこともあるためです。
「読む」という動詞は謙譲語では「拝読する」という言葉になります。さらに、「食べる」という言葉は謙譲語では「いただく」という言葉になります。敬語の中でも謙譲語はマスターするのが難しい種類の言葉ではありますが、日常の中に多用しながら徐々に覚えていくといいでしょう。
また、次の記事では「お召し上がりください」という言葉の敬語について解説しています。「召し上がる」という言葉は「食べる」の尊敬語ですが、謙譲語では「いただく」という表現になります。また、英語での表現についても解説しています。ぜひ次の記事を参考になさってください。
「渡す」の敬語の使い方・例文は?
「渡す」の丁寧語の使い方や例文
「渡す」の丁寧語の使い方やその例文をご紹介しましょう。丁寧語は、日常的に使う丁寧な言葉のことですから、「渡す」の丁寧語は「渡します」という表現を指します。
例えば、友人からあなたを通して別の友人に手紙を渡す用件を頼まれたとき、「この手紙を渡しておいてもらえますか」という依頼の返事にどのような言葉を返しますか。きっと「はい、渡します」「渡しておきますね」という言葉が思いつくでしょう。
このように、友人や知人に対して使う言葉や、一般的に丁寧な言葉遣いが必要なときに使われるときに丁寧語を用いるといいでしょう。
「渡す」の尊敬語の使い方や例文
「渡す」の尊敬語の使い方やその例文をご紹介しましょう。「渡す」の尊敬語は「お渡しになる」や「渡される」という言葉で表現されます。また、「渡してほしい」ということを表現する場合には「お渡しください」という尊敬表現を使います。
尊敬語は、目上の人や上司など自分よりも立場の上の人の行動を表現するときに使う言葉ですから、やはりビジネスの場などで多く用いられる表現です。また、お店などの店員がお客さんに使う言葉としても、尊敬語はよく用いられています。
「来週の会議で〇〇課長に渡されてはいかがでしょうか」というように、上司に対して書類を渡すタイミングを提案したいときになどに使うことがあるでしょう。また、「お車代は受付でお渡しになるといいでしょう」など、パーティーや結婚式の際のスタッフからお客さんへのアドバイスとして用いられることもあるでしょう。
「渡す」の謙譲語の使い方や例文
「渡す」の尊敬語の使い方やその例文をご紹介しましょう。「渡す」の謙譲語は、「お渡しする」や「お渡しいたします」という言葉で表現されます。
目上の人や上司など自分よりも立場が高い人に対して自分の行動をへりくだって表現するときに用いられる言葉です。そのため、自分の行動を表現するという意味では、丁寧語と似ている表現になることがあります。
上司から書類を渡すことを頼まれたときに、「はい、お渡しします」と答えたり、「午後の打ち合わせの前にはお渡しいたします」と答えたりする場合に謙譲語として用いることができるでしょう。
「渡す」のNGな使い方は?
「渡す」のNGな使い方①お渡しさせていただく
「渡す」のNGな使い方の1つ目は「お渡しさせていただく」という言葉の使い方です。一見謙譲語のように感じられますが、これには二重敬語という重ねた敬語の使い方が用いられてしまっています。
「お渡し」という言葉にすでに「お」という謙譲の表現が入っていますが、さらにそのあとに「させていただく」という謙譲の表現が重ねて使われています。
二重敬語には、くどい印象や丁寧すぎる違和感のある印象があり、相手に対して失礼に当たることもあります。この場合には、「お渡しします」や「お渡しいたします」などの表現を使うのが適切な謙譲語の使い方と言えるでしょう。
「渡す」のNGな使い方②お渡しになられてください
「渡す」のNGな使い方の2つ目は、「お渡しになられてください」という言葉の使い方です。こちらは一見尊敬語のように感じられますが、1つ目の誤りと同じように二重敬語が使われていることにより違和感のある表現になってしまっています。
「お渡しください」という表現にはすでに尊敬の表現が使われていますが、「なられる」という言葉がさらに重ねて尊敬を示しています。
この場合は、シンプルに「お渡しください」や、「渡してください」の「ください」という言葉に強さを感じる場合には、「渡していただけますでしょうか」などの表現を使うのが適切であると言えるでしょう。
「渡す」の類語・敬語は?
「渡す」の類語とその敬語①譲る
「渡す」の類語には「譲る」という言葉があります。「渡す」には単純にモノを渡すという意味もありますが、「受け渡す」というような譲渡の意味も含まれています。では、「譲る」という言葉は、どのように敬語として用いるのでしょうか。
「譲る」を敬語の中の丁寧語で表現するときには、「譲ります」という言葉が使われます。また、尊敬語を用いて表現するときには「譲られる」「お譲りになる」という言葉が適切でしょう。熟語である「譲渡」という言葉を使う場合の尊敬語は、「譲渡される」という尊敬表現になります。
そして、「譲る」という言葉を謙譲語で表現する場合には、「お譲りする」という言葉が適切です。「譲渡」という熟語を使うときには、「譲渡いたす」「譲渡いたします」という表現になるでしょう。
「渡す」の類語とその敬語②架ける
「渡す」の類語には、「架ける」という言葉があります。「渡す」という動詞は単純にモノを渡すだけではなく、橋を渡すという意味もあります。その場合、「橋を架ける」という言葉が類義語として考えられます。
しかし、橋を渡すという意味で「渡す」を使う場合、実際に物理的な橋(Bridge)を架けるのにこの言葉が使われることはほとんどありません。人と人との架け橋となったり橋渡しをするという意味で使われるのがほとんどでしょう。
そのため、「架ける」という類語を敬語の表現で使う場合、尊敬語として使う場合には、「A社とB社のつながりは、C部長が架けられた」「A社とB社の共同で作られたこのビルの建造は、C部長が架け橋になられたことによって実現した」というような表現になるでしょう。
「渡す」の英語は?
「渡す」の英語①hand,pass
「渡す」の英語には、handやpassという言葉が使われるのが一般的です。例えば、醤油を取ってもらいたいときに、「Please pass me the soy sause.(そこの醤油を取ってもらえますか?)」と表現します。
そして、書類を渡されたときには「He handed me this documents.(彼からこの書類を渡されました。)」などと表現します。
また、英語の独特の解釈ではありますが、このpassを使うときには、渡されたものや取ってもらったものが、自分を通して次の人に渡る可能性があるという解釈がなされます。醤油や塩などは食卓の中で使ったら次の人が使うために回すこともありますね。そのため、この例文にはpassという単語が使われているのです。
「渡す」の英語②give
「渡す」の英語には、giveという単語もあります。「Give me the soy sause,please?(醤油を取ってもらえる?)」というように使うこともありますが、英語のニュアンスではこの表現はpassを使うよりも軽い表現で口語的であり、失礼にとらえられることもあります。
また、次の記事では「申し訳ありません」「申し訳ございません」などの謝罪の言葉の敬語について解説しています。このような表現にはどのような類語があるのでしょうか。また英語ではどのように表現されるのでしょうか。それらの言葉への返事の仕方についても解説しています。ぜひ次の記事を参考になさってください。
「渡す」という言葉の敬語を使い分けよう!
「渡す」という言葉の「お渡しする」や「お渡しください」などの敬語の種類や、その例文、また類語や英語での表現についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。敬語にはさまざまな種類があり、その時と場、また相手に応じて使い分ける必要があります。
また二重敬語のように誤った使い方をすると失礼に当たってしまうこともあります。慣れるまでは使い方が難しい敬語ではありますが、しっかりマスターして使うことができれば特にビジネスの場においてはスマートに見られることでしょう。ぜひ本記事を参考に、敬語の使い方を改めて確認してみてくださいね。
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