「伺わせていただきます」の正しい敬語表現は?御社/就活/いただく

日常でよく耳にする「御社にご挨拶に伺わせていただきます」は、正しくは「伺います」という表現が正しいことをご存知でしょうか。「伺う」も「いただく」も敬語なので二重敬語になってしまうのです。社会人であればもちろん、就活生や新社会人のみなさんも、正しく使えないと恥ずかしい、敬語の使い方をご紹介します。

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「伺わせていただきます」の正しい敬語表現は?

「伺わせていただきます」の正しい敬語表現は「伺います」

雑踏を歩く男性

「伺わせていただきます」の正しい敬語表現は、実は「伺います」で、「伺わせていただきます」は誤用です。この「伺わせていただきます」という表現は、「訪問する」という意味の「伺う」、「もらう」の謙譲語の「いただく」、丁寧語である「ます」の言葉から成り立っています。

このようにその構成を見ていくと、「伺う」や「いただく」など多くの敬語表現で成り立っていることが分かります。ちなみに、「~させていただく」という表現は、相手の許可でその行為を行う場合、自分が何らかの恩恵を受ける場合に使用するものです。

「伺わせていただきます」は正しく「伺います」に変換して使用する

会社で外を見る女性

上記まででお伝えした通り、「伺わせていただきます」は「伺う」と「いただく」の複数の謙譲語が重なるため二重敬語となります。正しくは、謙譲語の「伺う」と丁寧語の「ます」が重なった「伺います」ですので、こちらの表現を使用するようにしましょう。これで相手に対する敬意を正しく示すことが可能となります。

「伺います」の使い方は?

就活にも使える「伺います」の使い方①「こちらから御社に伺います」

スーツ姿で笑顔の男性

就活にも使える「伺います」の使い方の1つ目は、「こちから御社に伺います。」です。これを簡単な日本語にすると、「私があなたの会社に訪問します、行きます。」という意味になります。就活でどこかの会社に面接に行く場合、あるいは取引先に交渉に行く場合などに使用することができます。

「こちらから」という言葉を日時を表す言葉に換えて、「今日の午後、御社に伺います。」という形にしたり、「明日中にはこちらから御社に伺います。」などの形にもできます。「こちらから御社に伺わせていただきます。」は二重敬語で誤用となりますので、気を付けてくださいね。


就活にも使える「伺います」の使い方②「そちらにご挨拶に伺います」

ペンをこちらに向ける男性

就活にも使える「伺います」の使い方の2つ目は、「そちらにご挨拶に伺います。」です。これは、簡単な言葉にすると「あなたのところに挨拶に行きますね。」という意味です。「ご挨拶」と丁寧な言葉に「伺います」という敬語を加えた表現となり、相手のところに少しだけ顔を出したい際などに活用できます。

この表現は、「御社に明日、ご挨拶に伺います。」、「御社の事務所に午後、ご挨拶に伺います。」など具体的な場所や日時を表す言葉を重ねて表現することもできます。この「ご挨拶に伺う」という表現も特にビジネスで頻繁に使われる表現ですので、就活中の人もぜひこの機会に覚えておきましょう。

就活にも使える「伺います」の使い方③「今から取りに伺います」

署名する女性

就活にも使える「伺います」の使い方の3つ目は、「今から取りに伺います。」です。これは、「今から取りに行きますね、そちらに向かいますね」という意味です。例えば自分が訪問した先に資料など何かを忘れてしまった場合など、相手先に出向いて何かを受け取る必要がある際などに使用します。

もちろん、「今日の午後、御社に資料を取りに伺います。」などの形で受け取りの日時と場所を明確にして使用することも可能です。相手も忙しいだろうということを考慮して、このような丁寧な形で自分の要件と訪問の予定を知らせられるととても親切な印象を与えられるでしょう。

以上までで、「お伺いさせていだだきます」は二重敬語で誤用であること、正しい形は「伺います」であること、そしてその具体的な使い方をお伝えしてきました。下記記事では、「お間違いないでしょうか」という敬語が正しい敬語なのかどうか?について詳しく解説しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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「伺います」のビジネスで使う時の注意点は?

「伺います」のビジネスで使う時の注意点①「行く」以外の意味を表す場合も


ストップをかける女性

「伺います」のビジネスで使う時の注意点の1つ目は、実は「伺います」には「行く」以外の意味もあるという点です。具体的には、例えばレストランで「ご注文をお伺いします。」のように、「尋ねる、質問する、聞く」という意味でも使われる場合があります。意味は違いますが、音も漢字も全く同じです。

従って、この「伺う」が使われた場合、今回主にご紹介している「行く、訪ねる」という意味か「尋ねる、質問する」という意味かを会話の文脈で読み取る必要があります。特に就職前の就活生の皆さんには難しく聞こえるかもしれませんが、このフレーズを活用していくうちに段々と慣れてきます。

「伺います」のビジネスで使う時の注意点②いただくの意味の謙譲語を避ける

見たくないジェスチャーをする女性

「伺います」のビジネスで使う時の注意点の2つ目は、「いただくの意味の謙譲語の使用を避ける」です。今回の「お伺いさせていただきます」という二重敬語の表現のように、謙譲語の「いただく」を過分に使用した敬語表現は複数あります。日常生活でもこの誤用に耳慣れているかもしれませんが、自身での使用は避けましょう。

いくら謙譲語や敬語、丁寧語と言っても、それが間違った形で使われていては相手への敬意を適切な形で伝えることはできませんし、逆に相手に対して失礼となる場合もあります。使用する前にこれは本当に正しい敬語表現なのか?を自分でもよく吟味して使用するようにしましょう。

「伺います」以外の表現方法は?

「伺います」以外の表現方法①「参ります」

メールを読む女性

「伺います」以外の表現方法の1つ目は、「参ります」です。「参る」とは「行く、訪問する」の謙譲語表現で、「伺う」と同じく自分が相手よりへりくだることで相手に敬意を表す表現です。具体的には、「午後から御社に参ります。」、「午後からそちらにご挨拶に参ります。」などの形で使用することが可能です。

「伺います」よりもよりへりくだったニュアンスがありますので、相手がかなり自分より年上であるか、または役職が上の場合に使用します。何となく丁寧な響きだから、と年下の人や後輩などに使うと不思議な響きとなってしまうので、避けましょう。もちろん、就活で面接に行く場合にも使える表現ですよ。


「伺います」以外の表現方法②「お邪魔します」

ビジネスネットワークと男性

「伺います」以外の表現方法の2つ目は、「お邪魔します」です。これは、自分が相手を訪問することが「邪魔である」とあえて言って、自分をへりくだる敬語表現です。本当に相手のところに行って、故意に相手の邪魔をするという意味はありませんので、注意してください。

具体的には、「明日、ご挨拶にお邪魔します。」などの形で使用できます。これはビジネスのみならず、「明日、~さんのお宅にお邪魔しても良いですか?」などの形で日常会話でも頻繁に使われるフレーズのうちの一つです。そういう意味でも汎用性が高いですので、「伺います」の類語表現として覚えておきましょう。

「伺います」以外の表現方法③「ご訪問します」

契約書を渡す女性

「伺います」以外の表現方法の3つ目は、「ご訪問します」です。「訪問」という言葉を丁寧にする「ご」という言葉が重なっています。具体的には、「来週水曜日に御社をご訪問します。」などの形で使用できます。これも口語でも書き言葉でもビジネスで頻繁に使用される表現です。

特に職種が営業職の人は、「ご訪問します」と相手に伝える場面も多いかと思います。その時、あまりに強引に自分の都合で相手のところに訪問するのは少し強引ですよね。相手の忙しさにも配慮しながら、自分の交渉や契約のために自ら相手を訪ねていく際にぜひこのフレーズを活用してみてください。

「伺います」の英語は?

「伺います」の英語例文①「I'llseeyouatyour・・・」

電話する女性

「伺います」の英語例文の1つ目は、「I'll see you at your place.」です。簡単な日本語に直訳すると、「私はあなたの場所でお会いします。」という意味で、これが転じて「お伺いします。」という意味になります。「at your place」が「あなたのいる場所」という意味です。

この部分を例えば、「at your office」なら「御社で」、「at your house」なら「お宅で」という言葉に換えて応用することも可能です。このフレーズは英語ではビジネスのみに関わらず、日常生活で例えば友達同士や家族とのやりとりでも気軽に使用することができますので便利な表現です。

「伺います」の英語例文②「I'llvisityoutoday.」

話し合いをする二人

「伺います」の英語例文の2つ目は、「I'll visit you today.」です。これは直訳すると「私は今日、あなたを訪問します。」という意味になり、転じて「今日、伺います。」という意味で使えます。この表現は、「visit」、「訪問する」という言葉を使っているのでより直接的な響きがあります。

文末に「I'll visit you around noon.」、「正午ごろ伺います。」などのように、時間や場所を補足してより具体的にすることができます。英語は特にどの動詞を使うかによって伝えるニュアンスや響きが変わってしまう言語なので、自分の伝えたいことをしっかり整理して適切な単語を選びましょう。

「伺います」の英語例文③「HopeIcanseeyou・・・」

笑顔で握手する二人

「伺います」の英語例文の3つ目は、「Hope I can see you this afternoon.」です。直訳すると、「今日の午後、あなたにお会いできれば良いな。」です。転じて、「今日の午後、伺おうと思います。」という意味の文章になります。この「Hope」から始まる文章は英語でも定番です。

「Hope I can see you soon.」、「Hope we can get together. 」など、未来に自分が望んでいることや行動を相手に伝えたい際に、会話や文書の締めの言葉として非常に良く使われます。これも覚えておいて損のない英語表現ですので、ぜひこの機会に覚えてみてください。

「伺います」を正しく使って人間関係を円滑に豊かにしていこう!

街の中のビジネスマン

当記事では、「伺います」という表現の使い方や他の類語表現、使う際の注意点などを中心に詳しくお伝えしてきましたが、いかがでしたか?あなにも今日から使える、そんな表現が見つかったでしょうか?通常、敬語表現は相手に敬意を表す目的で使われますが、二重敬語にもなりうるということをこの記事ではお伝えしました。

特に今、就活真っ最中の方や、就職してまだ間もない方の場合、正しい敬語表現を日頃の業務の中で学んでいくというのは少し難しく感じられるかもしれません。しかし、少しずつでも知識を蓄え、日常的に使用していくことで、多くの場合段々とその表現に慣れていき、敬語も自由自在に操れるようになっていくことでしょう。

今回は二重敬語の「お伺いさせていただきます」についても取り上げましたが、下記関連記事では「拝見させていただく」が正しい敬語なのか?について徹底解説しています。その意味や類語表現、ビジネスでも使える正しい例文や使う際のポイントについても触れていますので、ぜひ合わせて内容をチェックしてみてください。

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