かたじけないの意味や語源は?お礼の類語や使い方・返答の方法も

「かたじけない」という表現は、大河ドラマなどで、ときどき耳にしますね。お礼を言っているようだということは分かりますが、使い方がイマイチ曖昧です。また、返答の方法は、「どういたしまして」で大丈夫なのでしょうか。お礼の類語などと併せてご紹介します。

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かたじけないの意味は?語源や類語も

かたじけないの意味①「ありがとう」というお礼の改まった言い方

お礼を意味する表現

かたじけないの意味の1つ目は、「ありがとう」の改まった言い方だということです。「ありがとう」が現在のように、一般的なお礼の言葉として使われるようになったのは、江戸時代のことです。「かたじけない」は、平安時代中期には、既にお礼の言葉として存在していました。

大河ドラマなどの使い方では、町民などの一般庶民は「ありがとう」、武士のように上の階級にいる者は「かたじけない」を使用しています。武士は、常に下の者の見本となるべく、改まっている必要がありました。「ありがとう」を使われると、改まり度が下がってしまいますね。ただし、改まってはいても、敬語ではありません。

お礼を伝えるための言葉は、他にもたくさんあります。こちらの記事では、ビジネスシーンでも使えるお礼の言葉を紹介しています。いろいろなバリエーションを知っておくと便利なので、チェックしてみてくださいね。

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かたじけないの意味②「恐れ多い」という気持ちを表す言い方

恐れ多いという気持ち

かたじけないの意味の2つ目は、「恐れ多い」という気持ちを表す言い方だということです。相手に何かをしてもらうことが、自分には身に余るほどもったいないことだという意味で使われることもあるのです。身分が上の相手によく使う言い方となります。

ちなみに、「恐れ多い」という意味での使い方は、日本最古の物語である、竹取物語にも登場しています。平安時代の初期に書かれたものなので、「お礼の言葉」として使われ始める前のことですね。「お礼の言葉」として江戸時代に一般的になったころには、身分の上下を問わず、目下の者にも用いられるようになりました。

かたじけないの意味③「恥ずかしい」という意味も持つ言い方

恥ずかしい気持ち

かたじけないの意味の3つ目は、「恥ずかしい」という意味も持つ言い方だということです。容姿に優れていない、みっともない姿で恥ずかしいという使い方がされていたという説があります。現在では、この3つ目の意味で使われることは、ほぼありません。

かたじけないは現代でも使われる

大河ドラマの中だけの言葉かと思われる「かたじけない」ですが、現代でも使用される場面はあります。ビジネスシーンや手紙の文面などで「ありがとう」や「恐れ多い」の意味で用いられます。

かたじけないの語源①「難気無い」がルーツ


かたじけないのルーツ

かたじけないの語源の1つ目は、「難気(かたしけ)無い」という言葉がルーツになっているということです。「難しい」という漢字が使用されていることから、「難しいことはさせない・わずらわせないようにする」という意味で、武士が目上の者に使っていた表現だと言われています。

かたじけないの語源②「忝い」または「辱い」がルーツ

忝いと辱い

かたじけないの語源の2つ目は、「忝い」または「辱い」がルーツだということです。どちらも「かたじけない」という読み方の漢字で、「はずかしめる」という意味を含みます。現在の表記では、平仮名を使用するのが一般的です。しかし、辞書をひくと二つの漢字が記されていることから、完全に廃れているわけでもありません。

かたじけないの類語①お礼の言葉の「感謝します」

感謝の気持ち

かたじけないの類語の1つ目は、お礼の言葉として用いられる「感謝します」です。ありがたいと思う気持ちを意味する言葉ですね。こちらも改まった言い方ではありますが、敬語ではありません。敬語として使用したい場合は、「感謝いたします」や「感謝申し上げます」という言い方にすると良いですね。

かたじけないの類語②恐れ多い気持ちの「恐縮です」

恐れ多くて恐縮する

かたじけないの類語の2つ目は、恐れ多い気持ちを表す「恐縮です」となります。何かをしてもらったことに対して、恐れ多くて「身が縮む」「身が引き締まる」という意味になります。確かに、身に余る対応をされると、身体がカチカチになってしまうことがありますね。

かたじけないの類語③恥ずかしさを伝える「お恥ずかしい」

恥ずかしさを伝える

かたじけないの類語の3つ目は、恥ずかしさを伝える「お恥ずかしい」です。接頭語の「お」がついているため、恥ずかしいという感情を丁寧に伝える類語となっています。昭和時代になってから使用が認められるようになった言葉です。意味は似ていますが「かたじけない」と比べると新しい言葉なんですね。

かたじけないを使うときのポイント


使うときのポイント①敬語での表現を覚えておく

敬語で表現する

使うときのポイントの1つ目は、「かたじけない」の敬語での表現を覚えておくことです。改まった表現ではありますが、敬語ではないため、そのまま使用するには問題が生じることがあります。とくに、目上の人が相手の場合では、「かじけなく存じます」や「かたじけのうございます」の形で使うようにしましょう。

使うときのポイント②無理に使用しなくても良い

無理に使わない

使うときのポイントの2つ目は、使い方を間違えそうであれば、「かたじけない」を無理に使用しなくても良いということです。お礼の言葉や、恐れ多いことを示す類語は、たくさん存在します。ビジネスシーンなどでは、使用する場面を間違えてしまうと失礼になるので、とくに注意しておきたいですね。

使うときのポイント③あまり多用しない

かたじけないを多用しない

使うときのポイントの3つ目は、「かたじけない」をあまり多用しないことです。使いこなせるようになったからと言って、頻繁に用いると、軽々しい印象を与えてしまいます。改まった場面で、ここぞというときに使うからこそ、効果が発揮されるのです。

使うときのポイント④どういたしましてなどの返事も抑えておく

返事の仕方を抑える

使うときのポイントの4つ目は、相手が使う場合も想定して、「どういたしまして」などの返事の仕方もチェックしておくことです。返事を間違えることも、大変失礼なことなので、いろいろな種類を抑えておくと安心ですね。

かたじけないの使い方・例も

使い方・例①対面でやり取りする場合

対面でやり取り

使い方・例の1つ目は、対面でやり取りする場合です。とくにビジネスシーンでの使用が多いですね。例えば、出迎えの場面では「本日は、ご足労いただき、誠にかたじけなく存じます」といった表現で、感謝の気持ちを表すことができます。

また、誰かに仕事を褒められた場面などで、「私には、かたじけないお言葉です」と受け答えすることができます。「恐れ多い」という意味での使い方なので、謙遜していることも伝えることができる表現です。

使い方・例②電話でやり取りする場合

電話でやり取り

使い方・例の2つ目は、電話でやり取りする場合です。相手から連絡をもらった場合、「わざわざご連絡をいただき、かたじけないです」のように使うことができます。お礼や恐れ多いという意味を含む言葉だけに、感謝の気持ちと申し訳ない気持ちを、同時に伝えることも可能です。

電話は、相手の姿が見えないやり取りとなります。申し訳なさそうな表情や、頭を下げるなどの、非言語的なコミュニケーションが使えない場面です。その分、自分の心情を適切に伝えるための言葉選びが大切になってきますね。「かたじけない」が使いこなせると、表現の幅も広がりますよ。

電話で使う表現にも、いろいろなタイプがあります。こちらの記事で紹介されている「ごめんください」も、電話での応対で用いられることがあります。どのような使い方がされるのかチェックして、電話での表現を豊かにしてみませんか?

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使い方・例③文面でやり取りする場合

手紙でやり取り

使い方・例の3つ目は、手紙などの文面でやり取りする場合です。現在は、手紙と似たような働きをする、メールでの使用も多いですね。日頃お世話になっている相手であれば「日頃からのご配慮、かたじけのうございます」といった使い方で、感謝の気持ちを伝えましょう。

謝罪の手紙やメールの場合は、「多大なご迷惑をおかけしましたこと、かたじけなく存じております」といった使い方も可能ですね。

文面での使用は、対面や電話よりも使いやすいと考えられています。対面や電話では、リアルタイムで言葉を選ぶ必要がありますね。しかし、文面で使う場合は、じっくり考える時間が持ちやすいですし、途中で修正することも可能です。「かたじけない」の使用に慣れたい方は、まずは手紙やメールから挑戦すると良いでしょう。

かたじけないと言われたときの返答は?

かたじけないと言われたときの返答①「どういたしまして」という返事

どういたしましてと返答

かたじけないと言われたときの返答の1つ目は、「どういたしまして」という返事です。「ありがとう」というお礼の意味で使用されたときに、返しましょう。ただし、言葉をかけてくれたのが、目上の人である場合は、少し注意が必要です。

「どういたしまして」は、自分が行ったことを肯定するニュアンスがあるので、「やってあげた」という意味を含みます。なんとなく上から目線の返答となるため、相手との関係をよく考慮したうえで使用するようにしてくださいね。目下の人に使う場合は、問題ありません。

目上の人に返答したい場合は、「とんでもない事でございます」などが使用できます。自分の行動について謙遜している表現となるため、迷ったときも、こちらを使うと良いでしょう。「どういたしまして」について、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事がオススメです。「どういたしまして」の語源や類語もありますよ。

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「どういたしまして」の語源と意味|類語の使い方や敬語の言い換えも

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かたじけないと言われたときの返答②「お気になさらず」という返事

お気になさらずと返答

かたじけないと言われたときの返答の2つ目は、「お気になさらず」という返事です。こちらは、「気にしないで」という言葉の敬語表現ですね。恐れ多いという意味で使用されたときに、ピッタリの返答となります。「ご心配なさらず」や「お心を煩わせるほどのことではありません」という気持ちが伝えられるためです。

また、「お気になさらず」では、不足だと考える人もいるかもしれませんね。短い返答であるため、口調によってはぶっきらぼうな印象を与えることもあります。そんなときは、「お気になさらないでください」という形にすると、印象が柔らかくなります。「どういたしまして」とは異なり、立場を気にせずに使える返答です。

かたじけないと言われたときの返答③「くるしゅうない」という返事

くるしゅうないと返答

かたじけないと言われたときの返答の3つ目は、「くるしゅうない」という返事です。同僚などと、ユーモラスなやり取りを楽しみたいときに選んでみましょう。もとは、「かまわない」「差し支えない」という意味の言葉です。殿様などの、身分の高い人が、おおらかな感じをみせるときに使っていました。

現在は、殿様の言葉というイメージが先行して、尊大な印象を与えますね。目上の人に使うのはもってのほかですが、同僚と、ちょっとした息抜きで楽しむには問題ないでしょう。ユーモアを理解してくれる相手と、「かたじけない」「くるしゅうない」とやり取りしてみてはいかがでしょうか。

かたじけないの使用に慣れていこう

日常生活では、耳慣れない「かたじけない」ですが、ビジネスシーンなど改まった場面では未だ健在です。慣れないうちは、違和感があるかもしれませんが、慣れてしまうと使い勝手が良い言葉です。使い方のポイントや、返答の仕方を参考に、少しずつ慣れるようにしましょう。

会話で使用するのが心配であれば、まずはメールなどの文面から挑戦してみると良いですね。お礼の気持や恐れ多い気持ちを、まとめて伝えることができるので、頑張っていきましょう。


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