ごめんくださいは方言?意味と語源や電話の使い方も
訪問時などに、よく使われる「ごめんください」は、標準語なのでしょうか?方言なのでしょうか?電話での使い方もありますが、なんとなく意味と語源が気になりますね。同じような使い方ができる、「お邪魔します」と「ごめんくださいませ」と一緒に、確認してみましょう。
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目次
「ごめんください」の意味と語源!ごめんくださいは方言?
「ごめんください」の意味は挨拶の言葉
「ごめんください」の意味は、挨拶としての言葉です。主に、どこかに訪問したときや、おいとまするときに使われます。また、無礼を詫びるという意味をもつので、相手に対してお詫びしたいという気持ちを持ったときにも使うことができます。
対面した相手に直接使うだけでなく、電話や手紙でも使うことができる挨拶です。訪問時だけでなく、意外と使用できる場面が広い言葉なんですね。
「ごめんください」の語源①「御免」に由来
「ごめんください」の語源の1つ目は、「御免」という表現に由来します。尊敬を表す「御」に、「許す」という意味の「免」が使われていますね。もともとは、許してくれる相手を敬う、鎌倉時代の言葉でした。この当時の語源には、お詫びとしての意味は含まれていませんでした。
「ごめんください」の語源②「御免あれ」に由来
「ごめんください」の語源の2つ目は、室町時代に使われるようになった「御免あれ」にも由来します。「あれ」がつくことによって、「自分の無礼を許してもらう」という意味が、語源に含まれるようになりました。
さらに、お願いを意味する「ください」がつけられるようになり、「自分の無礼を許して下さい」という意味が語源に含まれました。「御免下さい」が定型化し、挨拶の「ごめんください」が誕生したんですね。
「ごめんください」の方言も存在する
「ごめんください」は、一般的な挨拶だけでなく、新潟県で独特の意味を持った方言としても使われています。しかし、方言の場合は、訪問時の挨拶という意味だけではありません。「こんにちは」「こんばんは」「初めまして」「いらっしゃい」など、あらゆる場面で使用できるオールマイティな挨拶です。
分類したい場合は、訪問時の挨拶など限定的な場面だと標準語、あらゆる場面でオールマイティに使われていたら方言と、覚えておきましょう。
「お邪魔します」や「ごめんくださいませ」といった類語も豊富
「ごめんください」は、訪問や電話、手紙などの挨拶で使える表現です。そのため、「お邪魔します」や「ごめんくださいませ」といった類語も豊富にあります。
「ごめんください」の使用は、減少する傾向にありますが、「お邪魔します」や「ごめんくださいませ」といった豊富な類語があることも原因の一つと考えられます。
「お邪魔します」や「ごめんくださいませ」といった類語も良いですが、この他にも、抑えておきたい言葉や類語は、たくさんあります。こちらの「ご迷惑おかけします」の表現や類語も抑えて、語彙を豊富にしていきましょう。
ごめんくださいの使い方4選!
使い方①訪問時の挨拶としての「ごめんください」
使い方の1つ目は、訪問時の挨拶としての「ごめんください」です。誰かの家や仕事場などを訪問したときに、玄関先で使います。室内に入る前に、誰かに対応してもらうための声がけですね。「突然の訪問を許して下さい」という意味で使います。
また、訪問先で用事を終えたときにも、「おいとますることを許して下さい」という意味で、帰り際の挨拶とすることもできます。「失礼します」と同じタイミングで使えば良いので、気軽に使ってみてはいかがでしょうか。より柔らかな印象の挨拶となりますよ。
女性的な表現と思われることもありますが、男性が使ってもおかしくありません。年齢も関係しないため、目上にも目下にも使うことができる挨拶です。
使い方②電話の応対での「ごめんください」
使い方の2つ目は、電話の応対での「ごめんください」です。こちらは、電話をかけたときではなく、電話を切るときの挨拶として使われます。現在は、「失礼いたします」の使用のほうが多いため、違和感があるかもしれませんね。しかし、ビジネスの場面でも使われる、れっきとした挨拶です。
「失礼いたします」という挨拶の代わりに使うことで、より丁寧な感じや、しっかりした印象を与えることができます。こちらも目上や目下関係なく使用できる表現ですが、年配の方との電話で使うと、好印象となる可能性が高いですね。
使い方③手紙の頭語としての「前略ごめんください」
使い方の3つ目は、手紙の頭語としての「前略ごめんください」です。手紙を書く際に、「前文を省略する無礼を許して下さい」という意味で使います。相手が親しい人である場合、お詫びの手紙である場合、急ぎの内容である場合などに使うのが適切です。
訪問や電話での挨拶では、男性も女性も使うことができましたが、手紙の場合は異なります。差出人が女性の場合に使用する頭語となっています。
また、頭語なので、対となる結語も存在します。女性の差出人が使う「かしこ」や、深いお詫びの気持ちを表す「敬具」などが該当しますね。「前略ごめんください」を使うときは、締めくくりの言葉も間違えないようにしましょう。
使い方④謝罪としての「ごめんください」
番外編の使い方としては、謝罪としての「ごめんください」です。語源そのままの意味で、「無礼をお許し下さい」という許しを乞う言葉となっています。例えば、「お気に障ったのであればごめんください」という使い方になります。現在では、あまり聞かれない表現ですね。挨拶の言葉とも違う使い方なので、番外編となります。
「ごめんください」と言われた時の返事は?
返事①訪問時の返事は「はい」
返事の1つ目は、訪問時の返事である「はい」です。玄関先で、対応を求める挨拶として「ごめんください」と言われたら、「はい」「少々お待ち下さい」と返事をすると良いでしょう。相手を待たせないように、声が聞こえたらすぐに出迎えます。
帰り際の挨拶の場合は、「おいとますることをお許し下さい」と、帰ることを告げています。この場合は、「お気をつけてお帰りください」と返事をして、お見送りをすればOKです。
返事②電話での返事は「ありがとうございました」
返事の2つ目は、電話での返事である「ありがとうございました」です。電話は、基本的にかけて来た方から切るのがマナーですね。用件を連絡するための電話をもらい、「ごめんください」と切る前の挨拶をされたら、「わざわざありがとうございました」「ご連絡ありがとうございました」のような返事をすれば大丈夫です。
返事③手紙での返事は「拝復」
返事の3つ目は、手紙での返事である「拝復(はいふく)」です。「前略ごめんください」という頭語が使われた手紙をもらった場合、返信の手紙の頭語として使われる表現です。この他にも、「復啓(ふくけい)」や差出人が女性の場合に使用できる「お手紙拝見いたしました」などがあります。
ちなみに、対となる結語は、「敬具」や「拝答(はいとう)」、女性の差出人が使う「かしこ」などがあります。手紙の内容に合わせて使い分けてみましょう。
ただし、手紙を出すという習慣も少なくなってきていますね。手紙での「前略ごめんください」や、その返事については、あまり使用できないかもしれません。メールを使用する頻度の方が高くなっているので、手紙の頭語や結語と同じように、ビジネスメールの書き方やマナーについてもチェックしてみましょう。
「ごめんください」の意味に近い英語の使い方は?
「ごめんください」の意味に近い英語の使い方①すみませんと断りを入れる
「ごめんください」の意味に近い英語の使い方の1つ目は、すみませんと断りを入れる表現です。英語の「Excuse me」ですね。「Excuse」の主な意味には、「許す」や「容赦する」といったものがあります。「me」を使うことで、「私をお許しください」と翻訳することができます。
ただし、意味は「ごめんください」に近いですが、「突然の訪問をお許しください」という使い方はできません。相手の注意をひくための呼びかけ「すみません、ちょっといいですか」や、場を外すときの「ちょっと失礼します」という使い方をします。
「ごめんください」の意味に近い英語の使い方②入室の許可を得る
「ごめんください」の意味に近い英語の使い方の2つ目は、入室の許可を得る表現です。英語の「May I come in?」ですね。「中に入ってもよろしいですか」と、丁寧に許可を得ています。「ごめんください」と呼びかけて、対応してもらうときの使い方に似ていますね。
返事の仕方としても「Yes, you may」と、丁寧な言い方があります。気軽に「Of course, come in」と使って、「もちろん、入って」と促しても良いですね。
「ごめんください」の意味に近い英語の使い方③良い一日を願う
「ごめんください」の意味に近い英語の使い方の3つ目は、良い一日を願う表現です。英語の「Have a nice day」ですね。電話での用事が終了したことを告げる、挨拶としての使い方です。電話を切るときの「ごめんください」と同じように使うことができます。
バリエーションとして「良い夜を」であれば「evening」、「良い週末を」であれば「weekend」と使って言いかえることができます。
英語のスキルは、電話だけでなくメールなどでも求められますね。「ごめんください」の英語表現だけでなく、その他のものも覚えておいて損はありません。こちらの記事では、「ご愁傷さま」の英語の使い方などを紹介しているので、あわせてご覧ください。
「ごめんください」とよく似た表現は?
よく似た表現①訪問時の挨拶「お邪魔します」
よく似た表現の1つ目は、訪問時の挨拶である「お邪魔します」です。誰かの家や仕事場を訪問したときに、玄関先で使う表現ですね。違いは、「ごめんください」は対応を求めて行う声がけであるのに対して、「お邪魔します」は室内に入る許可を得た場合に使います。中に入るための声がけです。
また、帰り際の挨拶としても使うことができます。「お邪魔します」の語尾を少しかえて「お邪魔しました」と言って帰ることができますね。帰り際の「ごめんください」の代わりに、「お邪魔します」を使用してみましょう。
よく似た表現②電話での挨拶「ごめんくださいませ」
よく似た表現の2つ目は、電話での挨拶である「ごめんくださいませ」です。こちらも、電話を切るときに使う言葉ですが、「~ませ」が追加されているぶん、より丁寧な表現となっています。場合によっては、「ごめんください」や「失礼いたします」よりも、「ごめんくださいませ」のほうが推奨されることがあります。
「ごめんくださいませ」は、響きも上品になっているので、使う場面の見極めが難しそうですね。使いこなせる人は、あまり多くないかもしれません。電話で使用されることが多い表現ですが、訪問時の挨拶としても大丈夫です。
よく似た表現③手紙での挨拶「前文お許しください」
よく似た表現の3つ目は、手紙での挨拶である「前文お許しください」です。「前略ごめんください」と同様に、手紙で前文を省略する場合に用いられます。違いは、差出人が女性であっても、男性であっても使用することができる点です。親しい相手への手紙、お詫びや急ぎの手紙の場合に用いられる点は共通しています。
また、対となる結語には、簡略であることをお詫びする表現である「草々(そうそう)」や、女性の差出人が使える「かしこ」などがあります。気持ちを十分に書ききれていないことを意味する「不一(ふいつ)」を使うこともできます。
「ごめんください」を使いこなそう
「ごめんください」は、訪問時の挨拶や、電話を切るときの挨拶としての意味を持ちます。訪問時はともかく、電話での使用は、現在は少なくなっていますね。ときどき耳にすると、違和感があるという人も少なくありません。「ごめんくださいませ」も同様です。
しかし、「失礼いたします」と比べると、柔らかく丁寧な印象を与えるので使ってみるのも良いでしょう。慣れないうちは戸惑ってしまうかもしれませんが、使いこなせるようになると素敵です。語源が古い言葉なので、物腰の柔らかい、上品さが身につきますよ。
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