所存でございますの意味とは?所存ですの二重敬語や正しい使い方・例文も

ビジネスシーンでもよく耳にする「所存です」「所存でございます」「所存であります」などの表現ですが、あなたはその正しい意味や使い方を知っていますか?また、二重敬語として使ってしまいがちな表現とは?などこの記事では豊富な内容でこの表現の具体的な例文まで解説していきます。

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所存でございますの意味とは?

所存でございますの意味①所存でございますの意味とは「思っています」

考えにふける男性

所存でございますの意味の1つ目は、「思っています、考えています」です。この「所存」という言葉は少し堅い響きのある言葉なので、日常で頻繁に耳にすることがあっても、いまいちその意味や使い方がつかめない、という人も多いと思います。

現在進行形で相手に「私は今こう考えていますよ」ということを丁寧に伝えられる表現で、特にビジネスでは自分より歳や役職が上の人に対してかしこまった表現として使われます。自分の考える事柄について重みを持たせたい際などにも効果的に使えます。

所存でございますの意味②「思っています」を謙譲語といての意味がある

会議する二人

所存でございますの意味の2つ目は、謙譲語としての意味です。実は、「所存」とは「思っていること、考えていること」の謙譲語です。謙譲語とは敬語表現の中の一つの表現で、自分がへりくだることで相手を上げて、相手に対する敬意を表す意味のある表現方法です。

詳細については後でも述べますが、この「所存でございます」の「所存」が謙譲語という意味を持つということを正しく認識しておくことが、この表現の誤用防止に役立ちます。忙しくて普段、言葉の意味を深く考える機会などない人がほとんどだと思いますが、これを機会にしっかり意味を捉えていきましょう。

所存でございますを使う時の注意点は?

所存でございますを使う時の注意点①二重敬語にならないように注意する

禁止青い服女性

所存でございますを使う時の注意点の1つ目は、二重敬語にならないように注意するです。先に述べたように、所存でございますは謙譲語表現です。「所存」という言葉自体にすでに「自分がへりくだった意味での考える、思う」という意味が含まれています。しかし、よくやりがちな例が「ご所存でございます」です。

これは、相手を立てるためにあるはずの尊敬語の「ご」が自分をへりくだるための「所存」という言葉にくっついてしまっているため、表現として矛盾してしまっています。このように、誤って複数の敬語表現を重ねてしまうものを二重敬語と呼びます。これは割とよく見られる誤用ですので、特に注意してください。


所存でございますを使う時の注意点②自分の考えや意見を事前に明確に

パソコンで作業

所存でございますを使う時の注意点の2つ目は、場面によってこの表現、例文の使用をうまく使い分けていくということです。「所存でございます」は先にあったように「思います、考えます」と自分の意見を述べるのに使う表現です。したがって、その前に今現在の自分の考えていることを重ねる必要があります。

「所存でございます」という一文だけでは意味不明で相手に何が言いたいのか伝わりません。このフレーズを使用する際には前半部分に自分のどんな考えを述べたいのか?をできれば簡潔に整理しておくようにしましょう。特にビジネスの現場では常に自分の考えをクリアにしておいて迅速に動くことが求められます。

所存でございますの使い方・例文は?

所存でございますの使い方例文①「誠意努力していく所存でございます」

パネルを触る女性

所存でございますの使い方例文の1つ目は、「誠意努力していく所存でございます」です。これは簡単な日本語にすると「誠意を尽くして精一杯、努力していこうと考えています。」という意味になります。相手に自分がどれだけその物事に対して取り組んでいく意思があるかを丁寧に伝えています。

これは特に目上の人、先輩や上司、取引先に対して使う表現です。この表現を用いる場合、自分の中でのかなり強い覚悟や意思を相手に伝えることになりますので、これを伝えた後には実際に具体的な行動を取ることも忘れないようにしましょう。口で言ってばかりで実際に行動に映さない人は基本的に信用されません。

所存でございますの使い方例文②「努めて参る所存でございます」

歩く二人会社

所存でございますの使い方例文の2つ目は、「努めて参る所存でございます」です。これは、具体的には「更なるサービスの向上に努めて参る所存でございます。」などの形で使用できます。この表現は特にメールや文書、スピーチなどの結びの言葉として使われることが多いです。

「参る」とは「~していく」の謙譲語です。これに「ございます」という丁寧な言葉も重なってさらに丁寧な表現となっています。ちなみに、ここでの「努めて」とはももともとは「努める」という言葉で、「努力する」という意味を表します。文書などのやりとりで目にすることも多いと思うのでぜひ覚えておきましょう。


所存でございますの使い方・例文③「これからも精進する所存でございます」

電話する男性

所存でございますの使い方例文の3つ目は、「これからも精進する所存でございます」です。「精進する」とは簡単に言うと「鍛錬する、努力する」という意味です。これをより堅い言葉で表現したものですね。この言葉を使う際、自分がまだまだ力不足なことを謙虚に認め、それに対する努力を厭わないことを相手に伝えられます。

このフレーズも、2つ目の例文と同様、しばしばメールや文書などの締めの言葉で使用されます。相手にも腰が低く謙虚なイメージを与えられますので、この例文も覚えておくと便利です。言葉のバリエーションを増やすという意味でも色んなフレーズを学んで使っていくよう意識していきましょう。

ここまで、「所存でございます」の正しい意味や使用する際の注意点、例文の使い方についてご紹介してきました。下記記事では、「思います」という言葉が敬語なのかどうか?について取り上げています。ビジネスメールでも使える言い換え表現や謙譲語の紹介もあります。ぜひ当記事と合わせて確認してみてください。

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所存でございますの類語は?

所存でございますの類語①「所存であります」

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所存でございますの類語の1つ目は、「所存であります」です。これは、所存でございますよりはより端的な響きで簡潔に自分の考えていることや思っていることを相手に伝える際にぜひ使用したい表現です。少しストレートで強い響きがあるので目上の人に使うのには注意が必要です。

具体的な形としては、「来月は更なる営業成績向上を目指す所存であります。」などの形で使用できます。所存でございますのようにこちらがへりくだった響きがないので、上手く使うと自分の強い意思を印象付けることもできます。相手を見極め、適切な場面で効果的に使用しましょう。

所存でございますの類語②「所存です」

電話女性

所存でございますの類語の2つ目は、「所存です」です。これは、「ございます」と用いた場合よりも重みの少ない表現になります。「考えます、思います」より少しだけ丁寧なので、会議やメールなどで自分の考えをさらりと、しかし丁寧に伝えたい場合はこの「所存です」が適切でしょう。

この表現も2つ目の例と同じく、端的な表現なので場面と使い方によっては少しストレートに聞こえます。自分の意思や考え、想いをしっかりと伝えたい、少し強調しておきたい時などに適しています。丁寧な形とそうでもない形を場面ごとにうまく切り替えて使用しましょう。

所存でございますの類語③「感想です」

プランする

所存でございますの類語の3つ目は、「感想です」です。この表現は先に挙げてきた2つの例文よりももっと率直な形で自分の思ったことを伝える表現です。具体的には、「もう少し会議が充実したものになれば、というのが私の率直な感想です。」などの形で使用することができます。

この類語表現を使用する場合、例文中にもあるように相手に自分の率直な気持ちや心のうちを伝えることになります。これを行っても失礼にならない場合を選んでこの表現も使用しましょう。その都度、どれが適切だろう?と自問してみるのも非常に効果的です。

使ってしまいがちな二重表現は?

使ってしまいがちな二重表現①「と思う所存です」

会議がうまくいく様子

使ってしまいがちな二重表現の1つ目は、「と思う所存です、所存であります」です。記事冒頭でもお伝えした通り、「所存」という言葉にはすでに「思う」という意味が含まれています。したがって、ここであえて「と思う」という言葉を重ねてしまうと、同じ意味の言葉が重複して誤用となってしまいます。

この「と思う所存です」はビジネスシーンでも一番よく見られる二重表現の一つと言っても過言ではありません。他の人も誤用していると自分のものには気付きにくくなるのは事実ですが、この二重表現には特に気を付ることを意識しましょう。自分を客観的に見て常に誤用を正せるようにできると良いですね。

使ってしまいがちな二重表現②「と考える所存であります」

会議

使ってしまいがちな二重表現の2つ目は、「と考える所存であります」です。これも1つ目の例と同様で、「所存」という「考える」という意味がすでにある言葉に「と考える」がもう一つ重なってしまっています。あなたにはもうこれが明らかな誤用であるということが分かりますよね。

正しい形としては「私はそのように考えています。」「私はそのように考えているところです。」などの形にして使用しましょう。これであれば「そのようなご所存でございます」などの形の二重敬語や、「と考える」を重ねる二十表現による誤用は防げます。

使ってしまいがちな二重表現③「と感じる所存です」

愕然とする男性

使ってしまいがちな二重表現の3つ目は、「と感じる所存です、所存であります」です。これは「思う、考える」と似た意味である「感じる」という動詞が「所存」の前に使用され、重ねて同じ意味を表してしまうことから誤用となります。これもうっかり使ってしまいそうな表現ですので十分注意しましょう。

「感じている」を丁寧な形にしたいのであれば、「私はそう感じています。」「私はそう感じているところであります。」など「感じる」という動詞を単独で使うようにしましょう。その方がよりすっきりしていますし、相手に自分が感じていることをしっかりと端的に伝えられます。

「所存でございます」や他類語表現を正しく使って会話を豊かにしよう!

ビジネス握手

この記事では、「所存でございます」の正しい意味や使い方、更にはそれを使う際の注意点や「所存です」「所存であります」などの類語表現について解説してきましたが、いかがでしたか?この表現は二重敬語、二重表現になってしまう可能性もあることもご説明しました。使い方には工夫と注意が必要なことが分かりましたね。

特に、今回取り上げた「所存でございます」の「所存」という言葉は、その言葉の響きからだけではその意味するところの「思う、考える」という意味を想像するのは難しいと思います。このように、日本語には敬語が沢山あることから一つの言葉に対しても様々な言い方があり、それを正確に認識していくことが求められます。

下記の関連記事では、「拝見させていただく」という誤用されやすい二重敬語についてその意味や類語をご紹介しています。あなたも今日から特にビジネスで使える正しい例文についても豊富に触れていますので、参考になると思います。他の二重敬語にはどんなものがあるのだろう?と気になる人もぜひ参考にしてみてください。

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