定性的の意味は?定量との違いや英語・効果や特徴や評価などでの使用例も

「説明が定性的でわからない」職場でこのように指摘されたことはありませんか?定性的は「質に着目する」という意味で、数字で評価・分析できない特徴の記述に効果を発揮します。今回は、定性的の意味や対義語の定量的との違い、使用例をご紹介します。正しい意味を押さえて、コミュニケーションに役立てましょう。

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定性的の意味とは?定量的の意味も確認

定性的の意味①性質に関するさま

意味1

定性的の意味1つ目は、「性質に関するさま」です。具体的には、ものの見た目(デザインや表情など)や中身(機能や性格など)、ものに備わった固有の(ある時点での)要素のことです。

「定性」という言葉は、元々は「化学分析で物質に含まれる成分を調べ、定めること」という意味で、理系分野で使われていた表現でした。しかし、現在では、様々な事柄の性質や特徴を表す言葉として、ビジネスシーンでも多用されるようになっています。

定性的の意味②数値や数量では表せないさま

意味2

定性的の意味2つ目は、「数値や数量で表せないさま」です。具体例を挙げると、人の印象、ある個人の感情や行動の理由など、基本的に言葉でしか表せないものや状態のことです。このような情報は、測定によって数値データに変換することができないため、相対的な評価・分類が難しいという特徴があります。

しかし、感情や主観に左右されやすい定性的な情報でも、収集した情報を明確な評価基準を設定して数値化する、様々な視点から検討するなどの工夫で、客観性の高い情報として扱うことも可能になります。

定量的の意味①数量に関するさま

意味3

定量的の意味1つ目は、「数量に関するさま」です。ある対象について、数量(個数・分量)、割合などの数値を用いて表現したものです。数字には大小を明確にする効果があり、時間変化もわかりやすく表現できるため、比較・分析がしやすいという特徴があります。

「定量」には、「一定の分量」や「化学分析で物質に含まれる成分の量を定めること」という意味があります。「定性」の対義語として、理系分野で広く使われてきた言葉ですが、ビジネスシーンでも一般的に使われるようになってきました。


定量的の意味②数値・数量で表せるさま

意味4

定量的の意味2つ目は、「数値・数量で表せるさま」です。個数や金額、割合、点数など、数字で把握、評価できる物事や状態を意味します。

数字には具体性や客観性を高める効果があり、数字を含む情報は共有しやすいというメリットがあります。日々、重要な意思決定が行われるビジネスシーンでは、「何となく」「雰囲気で」のような曖昧な発言、根拠のない個人的な意見はNGです。特に指示がなくても、できるだけ具体的な、定量的な説明を心がけましょう。

定性的と定量的の違いとは?

定性的と定量的の違い①表現方法の違い・言葉or数字

違い1

定性的と定量的の違い1つ目は「表現方法」です。一般的に、定性的な表現は言葉で記述されますが、定量的な表現は数字で記述されます。

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定性的と定量的の違い②わかりやすさの違い・抽象的or具体的

違い2

定性的と定量的の違い2つ目は「わかりやすさ」です。言葉と違い、数字や単位は一つの意味しか持たないので、数字を用いた定量的な表現は、相手にストレートに伝わります。わかりやすさや具体性が要求されるビジネスシーンでは、数値データの入った「定量的な表現」が好まれます。

例えば、あるイベントに予想を上回る来場者があったとします。これを定性的に表現すると、「予想以上の来場者数でした」となります。一方、定量的には「来場者数の見込みは2万人でしたが、予想の1.5倍、3万人の来場がありました」となります。定量的な表現の方がわかりやすく、印象に残るのではないでしょうか。

しかし、定性的な表現が不要という訳ではありません。イベント会場内での人の流れ、来場者の特徴、来場者に質問されたことなど、ちょっとした気づきや個別の体験も貴重なデータです。このような定性的なデータには、隠れていた問題や、問題解決のヒントを浮かび上がらせてくれる効果もあるのです。

定性的と定量的の違い③視点の違い・主観的or客観的

違い4

定性的と定量的の違い3つ目は「視点」です。定性的な表現は言葉を用いているため、主観を完全に取り除くことができません。一方、定量的に表現されたものは、主観を交えずに集計された数値データを用いているため、客観的で信頼できると感じられるのではないでしょうか。

しかし、意図的にデータを選別したり提示法を変えたりすれば、元々は同じデータでも全く異なる印象になることも。定量的な情報であっても、「定量的な表現が常に客観的」という思い込みを外し、主観が入り込んでいないか、他のデータとの整合性は取れているかなど、データの信頼性をチェックする習慣を持ちましょう。

情報に触れる、情報を分析する際には多角的な視点が必要です。とは言っても、「具体的にどうすれば良いのか分からない」という人も、多いのではないでしょうか。下の記事には、多角的な視点について分かりやすくまとめられています。ぜひチェックして、仕事やプライベートに役立ててくださいね。

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定性的と定量的の違い

定性的 定量的
着目点 質・成分 数量・数値データ
表現方法 言葉 数字
特徴 抽象的・主観的 具体的・客観的

ビジネスシーンでの定性的の使い方は?例文で用法を確認

否定的なニュアンスが特徴!ビジネスシーンでの定性的の使い方


使い方

ビジネスシーンで「定性的」という言葉を使う時には、本来の意味(ものの性質)よりも、「性質に注目して分析すること」というニュアンスが強まります。性質や特徴を列挙した上で、「AだからBだった」「Cすれば、Dになる」など、ある性質に注目した時に分かる、予想されることを付け加えた方が良い場合もあります。

一方、ビジネスシーンでの「定量的」の意味は、「数値を用いて分析する」というイメージです。数値データをグラフや表にすれば、結果だけではなく変化も一目瞭然です。

「今の説明は定性的でよく分からない」「定性的にではなく、もっと定量的に話して」など、「定性的=曖昧」「定量的=具体的」として、否定的な文脈で定性的が使われることも。このような指摘を受けないように、主張の根拠となる数値データを示して、説得力のある説明ができるように準備しておきましょう。

仕事にプラスの効果!定性的を使った例文①定性的な目標を立てる

例文1

定性的を使った例文1つ目は「定性的な目標を立てる」です。定性的な目標(定性目標)とは、目標売上など具体的な数字を含む「定量目標」ではなく、「こんな状態を目指したい」ということを言葉で表現したものです。例えば、「チーム内のコミュニケーションを活発にする」「丁寧な顧客対応を心がける」のようなものです。

定性目標は、定量目標のように具体的ではないため、達成度の評価が難しいです。そのため、定性目標を確実に達成するためには、期限を定め、達成度の客観的な評価を助けるチェックリストを作るといった工夫が必要です。

仕事にプラスの効果!定性的を使った例文②定性的に評価する・分析する

例文2

定性的を使った例文2つ目は「定性的に評価する」「定性的に分析する」です。ビジネスシーンでは、物事の印象や感覚、状況を言葉で表現した上で、その内容を評価・分析して、何らかのアイデアを出すことが求められます。

例えば、「若い人が好むオシャレなデザイン」のような定性的な表現は、物事を大まかに捉えるため抽象化され、漠然とした表現ですよね。そこで、「若い人とはどんな人?」「オシャレなデザインとはどんなもの?」と掘り下げていきます。すると、定性的であっても、より具体的な表現になっていくのです。

何か新しいアイデアが必要な時こそ、基本に返って定性的に考えてみると、何か気づきを得ることもあります。しかし、そのアイデアを他人に説明する時は、裏付けとなる定量的なデータの提示を忘れずにしましょう。

定性的の類語や英語は

定性的の類語

類語

定性的の類語に「質的」があります。質的の意味は「質に関するさま」です。つまり、「質的向上」は「品質の向上」、「質的に優れた製品」は「優れた品質の製品」を意味しています。

定性的の本来の意味では、「質的」以外の類語はありません。しかし、ビジネスシーンでは、「曖昧な」「抽象的な」という意味で使われるという特徴があることも、頭に入れておきましょう。

ちなみに、定量的の類語は「量的」です。さらに、本来の意味とは少し異なりますが、ビジネスシーンで耳にする「定量的に」という言い方は、「数値データを入れて」「具体的に」と同じ意味です。定量的な説明を意識するだけで、職場での評価がアップ、コミュニケーションを円滑にする効果が期待できますよ。

定性的を英語にすると「qualitative」

英語

定性的は英語で「qualitative」です。qualitativeは、「質の、質的な、定性的な」という意味の形容詞です。「qualitative date(定性データ)」「qualitative approach(定性アプローチ)」などのビジネス用語があります。

ちなみに、定量的な英語で「quantitative」です。qualitativeとよく似ていますが、意味は正反対なので注意しましょう。

定性的の意味や使い方を知って仕事に活かそう

「定性的」という言葉の本来の意味、ビジネスシーンでの意味や具体的な使われ方をご紹介しましたが、いかがでしたか?対義語である「定量的」との違いを意識して効果的に使い分けることで、ビジネスシーンでのコミュニケーション力、ビジネススキルの向上が期待できます。

ビジネスでは定量的な意見を求められることが多いですが、定性的な意見が全て無意味である訳ではありません。人の好みや感じ方は多様化しているため、深いニーズを反映した情報として、様々な分野で定性的な情報が活用されています。

「定性的」と「定量的」、それぞれに役割や効果があり、どちらも大切にしなければならない考え方であることを理解し、仕事に活かしましょう。


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