「押印」と「捺印」の違いとは?それぞれの意味や使い分け方を解説!

「押印」と「捺印」という言葉は印鑑を押す場合に使われる似た言葉同士で両方よく使われますが、その細かい使い分けについては意外に知られていません。ここではそれぞれの言葉の意味から使い方の違いまで、分かりやすく実例もまじえて紹介していきます。

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「押印」と「捺印」の意味の違いは?

「押印」と「捺印」の意味の違い①印鑑を押す意味で両方使える場面もある

印鑑売り場の風景

「押印」と「捺印」の意味の違いの1つ目ですが、印鑑を押す意味で両方使える場面もあることを紹介します。「押印」と「捺印」には意味の違いがあり、それぞれを使い分ける必要がありますが、どちらを使っても違和感のない場面もあることにも触れておきます。

どちらでもいい場面があることを認識しておくだけで、今後の「押印」と「捺印」の意味の違いについて理解しやすくなることでしょう。

「押印」と「捺印」の意味の違い②「押印」は単に印鑑を押す場合に使う

角印が2つ

「押印」と「捺印」の意味の違いの2つ目ですが、「押印」は単に印鑑を押す場合に使います。「押印」という言葉は「印を押す」と書きますが、漢字の通りハンコを押すことについて使われます。そのため、「押印」についてはハンコの種類も問われませんし、その他の条件も「捺印」に比べると緩和されています。

そのため、正式な文章ではなくとりあえず認め印がいるような場面では往々にして「押印」が使われることになるのです。社会に出ると契約書にサインをするような場面や、もらった給与明細について間違いがない旨を示すために認め印を押す場合など様々なハンコを使うシーンがありますが、「押印」は幅広く使えるのです。

「押印」と「捺印」の意味の違い③「捺印」は法的効力を伴う押印を意味する

高そうな印鑑

「押印」と「捺印」の意味の違いの3つ目ですが、「捺印」は法的効力を伴う押印を意味します。「捺印」については「押印」と比べるとフォーマルな場合に使う言葉になります。そのため「押印」だとその意味を成さない場面もあるので、特にビジネス関連の書類や契約書を作る場合には注意が必要です。

「押印」なのか「捺印」なのか迷った場合にはまずは「捺印」を使っておけば間違いはないでしょう。何故なら、「捺印」を使っておけばその書類の形式や、使うハンコに関わらず相手に対して間違いがない案内ができるからです。ただし、「捺印」は正式な印象が強く、間違った場面だと相手を構えさせるので注意が必要です。

ちなみに「捺印」という言葉は契約書において使われることが多いのですが、契約書には下記の関連記事で紹介されている「甲乙丙丁」という文言がよく載ってきます。「押印」「捺印」の違いだけではなく、こういった言葉についても押さえておくとビジネスで役立ちますので参考にしてみてください。


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「押印」と「捺印」の使い分けの方法とポイントは?

「押印」と「捺印」の使い分けの方法①「記名押印」と「署名捺印」

本と男性

「押印」と「捺印」の使い分けの方法の1つ目は、「記名押印」と「署名捺印」という言葉について紹介します。この2つの言葉の使い分けは「押印」と「捺印」の使い分けにおいて、肝になる部分と言っても過言ではあります。単に「押印」「捺印」と使われることよりも「記名押印」「署名捺印」で使われることが多くなります。

「記名押印」の場合は、記名と押印が求められます。特に記名については、記名自体も角印でOKになります。例えば会社の名称と住所が彫られているハンコや、自身のフルネームが彫り込まれていて、黒インクで押すタイプのハンコを、名前を書く代わりに使うことができます。

それに対して「署名捺印」については、署名は本人や代表権のある人が自筆でサインをする必要があります。また、ハンコの種類についても厳密に定められている場合が多く、シャチハタはもちろん、印鑑証明のない認め印等は使えない場面もあります。そのため「署名捺印」が求められる場合には条件の確認が必要になります。

「押印」と「捺印」の使い分けの方法②押す印鑑の種類で使い分けることも可

笑顔の女性

「押印」と「捺印」の使い分けの方法の2つ目ですが、押す印鑑の種類で使い分けることも可能です。例えば「捺印」という言葉を使う場合にシャチハタは使えません。少なくとも朱肉を使って押すハンコが必要になります。

「押印」と「捺印」使い分けのポイント①フォーマルな場面では「捺印」優先

腕を組む男性腕

「押印」と「捺印」使い分けのポイントの1つ目は、フォーマルな場面では「捺印」優先になります。基本的にビジネスで使われる契約書等の書類については、どういったハンコが必要なのか、また誰の署名捺印が必要なのかという部分が厳密に定められている場合が多くなっています。


「押印」と「捺印」使い分けのポイント②相手に敬語で伝えるには「ご捺印」

眼鏡の男性

「押印」と「捺印」使い分けのポイントの2つ目は、相手に敬語で伝えるには「ご捺印」となります。「捺印」はフォーマルな言葉でありビジネスでも使われるので「ご捺印」という敬語表現がありますが、「ご押印」とは言いません。そのため、相手に対して敬語を要する場面では「捺印」に限り使われることになります。

「押印」を使った例文3選

「押印」を使った例文①書類は記名押印となります

2人での仕事

「押印」を使った例文の1つ目は「書類は記名押印となります」という表現について紹介します。例えば「社内備品の貸し出しについては貸出書の作成が必要ですが、この書類は記名押印となります」このといった形で使われます。社内のみで流通するような書類はビジネスの書類であっても記名押印の場合が多くなります。

「押印」を使った例文②三文判で結構ですので押印をお願いいたします

ミーティングの風景

「押印」を使った例文の2つ目は「三文判で結構ですので押印をお願いいたします」といった表現を紹介します。例えば「こちらの契約書は認め印でも問題のない書類でして、三文判で結構ですので押印をお願いいたします」といった形で使われます。契約書であっても認め印でいい場合、「押印」が使われることもあります。

また、この場合「三文判」という言葉が使われていますが、これはシャチハタでなく、本人の名前が記載されているハンコであれば問題がないことを示している表現となります。ビジネスでもよく使われる表現になりますので、意味合いを覚えておくようにしましょう。

「押印」を使った例文③角印の押印をお願いいたします

2人での仕事

「押印」を使った例文の3つ目は「角印の押印をお願いいたします」という表現を紹介します。例えば「こちらは記名で結構ですので、角印の押印をお願いいたします」といった形になります。基本的にビジネスで角印が使われる場合は「押印」を伴うことになりますので、この組み合わせは覚えておくようにしましょう。

「捺印」を使った例文3選

「捺印」を使った例文①契約書に署名捺印をお願いいたします

真面目な男性

「捺印」を使った例文の1つ目は「契約書に署名捺印をお願いいたします」という表現を紹介します。例えば「内容をご確認の上、契約書に署名捺印をお願いいたします」といった形で使われます。一般的には契約書の場合は「署名捺印」が必要になり「記名押印」でいいものは契約書の効力が薄いものになります。

「捺印」を使った例文②こちらの欄に実印のご捺印をお願いいたします

サインする風景

「捺印」を使った例文の2つ目は「こちらの欄に実印のご捺印をお願いいたします」という表現を紹介します。例えば「契約書には今回ご希望の条件を記載しておりますが、ご確認の上こちらの欄に実印のご捺印をお願いいたします」という言い回しになります。

基本的に実印が必要な場面で「押印」は使われず一律で「捺印」が使われることとなりますので、間違わないように、この点はしっかり覚えておくようにしましょう。

「捺印」を使った例文③ご捺印いただいた契約書に印鑑証明も添えてください

商談の風景

「捺印」を使った例文の3つ目は「ご捺印いただいた契約書に印鑑証明も添えてください」という表現を紹介します。例えば「本契約書につきましては実印のみが有効となりますので、ご捺印いただいた契約書に印鑑証明も添えてください」といった形で使われます。

フォーマルな書類の中には印鑑証明を添える必要がある場合も存在しますので、契約書に捺印をする場合には条件の確認は徹底する必要があります。特にビジネスの場面では、この確認は必須です。

「押印」「捺印」以外で契約書を作る時に使い分けが必要な言葉3選

印鑑を使い契約書を作る時によく使われる言葉①「記名」と「署名」

ミーティングの風景

印鑑を使い契約書を作る時によく使われる言葉の1つ目は「記名」と「署名」です。「記名」については必ずしも自署でなくてもいいので、先に紹介した通り角印でもOKですし、例外はありますが代理でサインをすることもOKになります。それに対して「署名」はサインが必須であり、かつ自署である必要があります。

印鑑を使い契約書を作る時によく使われる言葉②「随時」と「常時」

笑顔の男性

印鑑を使い契約書を作る時によく使われる言葉の2つ目は「随時」と「常時」です。「随時」は「その都度」という意味であり、必要に応じたタイミングを意味する言葉であり、「常時」は「いつも」という意味であり、「随時」とは逆の意味になります。契約書で多い言葉なので覚えておきましょう。

印鑑を使い契約書を作る時によく使われる言葉③「利子」と「利息」

4人の握手

印鑑を使い契約書を作る時によく使われる言葉の3つ目は「利子」と「利息」です。「利子」も「利息」も借金に対して割り増しをして返さなければならない上乗せ分になりますが、「利子」が借りた時に上乗せするものに対して「利息」は貸した時に上乗せで返ってくる金額分を指します。混同しがちな言葉なので注意が必要です。

「押印」と「捺印」の使い分けをマスターしてビジネスに役立てよう!

「押印」と「捺印」の違いをしっかり説明しろと急に言われても難しいものですが、この記事を読み切ったあなたは今、明確にこの2つの言葉の違いを説明できるはずです。

「押印」と「捺印」の言葉の意味や、それに伴う「記名」「署名」の違いもしっかり押さえておくことで、遠からずビジネスのシーンで役立つ時が来るでしょう。その時にここで紹介した内容が役に立てばうれしいです!


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