背に腹はかえられぬの意味は?語源や類語は?使い方に例文5選!腹が立つ
「背に腹はかえられぬ」には、どんなイメージがありますか。身長の話でしょうか、腹が立つことを表現しているのでしょうか。正しいものが気になるところです。語源や類語を調べながら、本当の意味を探っていきましょう。使い方と例文も完備していますよ。
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目次
背に腹はかえられぬの意味は?
背に腹はかえられぬの意味と語源①多少の犠牲を覚悟すること
背に腹はかえられぬの意味と語源の1つ目は、多少の犠牲を覚悟するということです。とくに、大切なものを守るために覚悟することを指して言います。こちらの語源には、刀を用いた戦いが関係していると言われています。
どの生き物にとっても、腹は急所の一つですね。筋肉や骨に守られておらず、生きるために必要な臓器が詰まっている場所となっています。腹を切られることは命取りですが、固い背中であれば、致命傷は避けられます。大切な命を守るために、背中を犠牲にしていたことが語源となりました。
背に腹はかえられぬの意味と語源②余計なことを顧みる余裕がないこと
背に腹はかえられぬの意味と語源の2つ目は、余計なことを顧みる余裕がないということです。犠牲を出さずに済むのであれば、誰だってそちらを選びますね。そのため、選ぶ余裕もないほど、切羽詰まっていることも意味します。無条件に背中を差し出すようほか、方法がない状態ですね。
余計なことを顧みる余裕がないという意味の場合、語源の「背」を他人として解釈します。また、語源の「腹」は、自分または身内となります。
「背」を使った表現は、この他にもたくさんあります。こちらの記事では、「二律背反」という、あまり聞かない表現を紹介しています。いろいろな言葉の意味や語源を知って、語彙を広げたい方におすすめです。
背に腹はかえられぬの使い方は?
背に腹はかえられぬの使い方①物を犠牲にして大切なものを守る
背に腹はかえられぬの使い方の1つ目は、物を犠牲にして大切なものを守る場合です。物理的に触れる物でも、抽象的な物でも構いません。物に対して、もったいないと思う気持ちや失いたくないという気持ちがあっても、いちばん大切なものを守るために犠牲にすることを決めたときに使います。
背に腹はかえられぬの使い方②心を犠牲にして大切なものを守る
背に腹はかえられぬの使い方の2つ目は、心を犠牲にして大切なものを守る場合です。犠牲にすることで、多少の心の苦痛を伴います。多少の苦痛を避けていては、それ以上の苦痛が待ち構えていることが分かっているため、犠牲にするしかない状態に陥ったときに使います。
背に腹はかえられぬの使い方③他者を犠牲にして自分または身内を守る
背に腹はかえられぬの使い方の3つ目は、他者を犠牲にして、自分または身内を守る場合です。自分または身内が安心して生活するためには、他者を切り捨てなければいけないときに使います。他者を陥れるのではなく、自分や身内のために、どうしても犠牲にするよりほかない状況でなければいけません。
背に腹はかえられぬの使い方例文5選
使い方例文①戦いのときの例文
背に腹はかえられぬの使い方例文の1つ目は、戦いのときのものです。語源の意味に、最も近い使い方となりますね。格闘技やスポーツなど、戦いで勝利を得るために、なんらかの犠牲をだす必要があるときの例文となります。
例えば、「ラフプレーでレッドカードとなるが、勝つためには背に腹はかえられない」のようなものですね。反則での退場と引き換えに、チームに勝利をもたらしたいという気持ちが窺われます。
使い方例文②痛い出費をしたときの例文
背に腹はかえられぬの使い方例文の2つ目は、痛い出費をしたときのものです。使い方としては、最もよく使われるものですね。どうしても叶えたい目的のために、懐が痛むほどのお金を使わなければいけないときの例文となります。
例えば、「こうなったら、背に腹はかえられない。莫大な治療費が必要となるが、手術を受けることにする」のようなものですね。命はお金よりも大切なので、痛い出費もやむを得ないことが伝わってきます。
痛い出費を、痛いものにしないためには、節約などをしてお金に余裕を作っておくのが一番です。効果的な節約術をチェックしたい方は、こちらの記事で、いろいろな方法をチェエックしてみましょう。
使い方例文③利益を優先するときの例文
背に腹はかえられぬの使い方例文の3つ目は、利益を優先するときのものです。こちらの場合は、お金が何よりも大切というニュアンスになりますね。利益を得るために、他のことを切り捨てなければいけないときの例文となります。
例えば、「利益拡大のためには、背に腹はかえられないので、多少倫理にもとることも辞さない」のようなものですね。なりふり構わず、利益を求めていることがわかります。
使い方例文④苦痛を感じるときの例文
背に腹はかえられぬの使い方例文の4つ目は、苦痛を感じるときのものです。何かを得るには、ときに自分の心を押し殺す必要があることもあります。精神的に苦痛を感じることをしてでも、優先させたい何かがあるときの例文となります。
例えば、「あいつの助けだけは借りたくなかったが、背に腹はかえられないため、手を組むことにした」のようなものですね。精神的に苦痛を感じるほど嫌いな相手であっても、助けを借りなければいけない状況となっています。
使い方例文⑤他者を犠牲にするときの例文
背に腹はかえられぬの使い方例文の5つ目は、他者を犠牲にするときのものです。自分や身内のために、他者を切り捨てなければいけないこともあります。人だけでなく、動物なども犠牲の対象として使うことができます。
例えば、「こんどのプロジェクトを成功させるためには、○○さんを降ろすしかない。申し訳ないが、背に腹はかえられないので、納得してもらうしかない」のようなものが考えられます。
動物を対象にするのであれば、「鹿やイノシシには気の毒だけど、背に腹はかえられないね。心を鬼にして駆除しなければ、農作物に甚大な被害が出てしまう」などが考えられます。どちらの例文も、犠牲となった人や動物がいることがわかりますね。
背に腹はかえられぬの類語は?
類語①仕方ない
類語の1つ目は、「仕方ない」です。理不尽な出来事や、避けられない出来事を受け入れるしかない状況に陥ったときに使用する慣用句ですね。避けられない犠牲が必要な点が共通している類語となります。
ただし「仕方ない」は、一方的に受け入れるだけで、代わりとなるプラスの出来事は存在しません。何かを失いながらも何かを得ることはできる、「背に腹は~」とは、この点が異なります。
類語②止むを得ない
類語の2つ目は、「止むを得ない」です。切羽詰まり、他に打つ手がなくなったときに使用するものです。余裕がないという点が共通する類語となります。ただし「止むを得ない」は、選択肢がないという点が異なります。「背に腹は~」は、最悪よりも一歩手前の状態なので、選択肢に幅があります。
類語③負うた子より抱いた子
類語の3つ目は、「負うた子より抱いた子」です。「負うた子」は背中に背負った子どものことで、「抱いた子」は胸に抱いた子のことを意味します。顔が見えない場所にいる子どもよりも、見える子どものほうに情がわくことを表す言葉です。
転じて、離れている人よりも身近な人、関係のないことよりも身近なことを優先させることを意味します。自分や身内を優先して、他者を顧みないという点で共通する類語ですね。
背に腹はかえられぬの対義語は?
対義語①渇しても盗泉の水を飲まず
対義語の1つ目は、「渇しても盗泉の水を飲まず」です。孔子は喉の渇きをおぼえても、「盗泉」という名前を嫌って、決して泉の水を飲もうとしなかったという故事に由来する言葉です。転じて、どんなに困ったことになっても悪いことには手を出さない様子を表す言葉となりました。
「背に腹はかえられぬ」では、犠牲が必要なので、正しい行いとは言えませんね。悪いことに手を出さないという点が、反対の意味となっています。
対義語②本末転倒
対義語の1つ目は、「本末転倒」です。「本」は大事なことや重要なこと、「末」は些末事を意味します。「本」と「末」が転倒してしまうということで、大事なことと、どうでも良いことを取り違えてしまうことを表します。
つまり、大切なものを守るために犠牲を出すどころか、どうでも良いことのために大切なものをダメするということですね。大切なものを取り違えている点が、反対の意味となります。
対義語③腹が立つなら親を思い出せ・腹が立つなら一足あがれ
対義語の3つ目は、「腹が立つなら親を思い出せ」または「腹が立つなら一足あがれ」です。「親を思い出せ」は心配をかけたくない親のことを思い出すこと、「一足あがれ」は神様の気持ちになることです。
腹が立つことがあっても、親を顧みたり、神様の心を顧みたりすることで穏やかな気持ちになることを意味します。腹が立つようなことがあっても、顧みるだけの余裕があるという点が、反対の意味となっています。
背に腹はかえられぬの使い方の注意点は?
使い方の注意点①漢字は「変える」ではなく「代える・替える」
使い方の注意点の1つ目は、使用する漢字は、「変える」ではなく「代える・替える」となることです。「変える」を使ってしまうと、「背」という部位は、「腹」に変身しないという意味を含んでしまうので、注意が必要です。「代える・替える」を使うのが適当です。
使い方の注意点②「背を腹に」という助詞は誤用
使い方の注意点の2つ目は、「背を腹にかえられぬ」という誤用があることです。助詞を間違えて表現にしてしまうと、「背」という部位は、「腹」とは交換できないというニュアンスになってしまうので注意が必要です。ほんのちょっとした助詞の違いですが、気をつけて使いましょう。
日本語には、「腹が立つ」など「腹」を用いた表現もたくさんあります。こちらの記事では、「腹黒い」という言葉について詳しくまとめられています。見分け方まで紹介しているので便利ですよ。
背に腹はかえられぬの正しい意味と使い方を押さえよう
背に腹はかえられぬは、身長のことでも、腹が立つことでもありませんでしたね。大切なものを守るために、多少の犠牲を覚悟したり、周囲を顧みたりする余裕がないことを意味する言葉です。
また、使い方では、「変える」という漢字の誤用や、「背を腹に」という助詞の誤用に注意が必要です。正しい意味と使い方を押さえて、使いこなしてみましょう。
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