二律背反の意味とは?類語や使い方の例文10選!両立/葛藤/存在感

二律背反とはどんな意味かを紹介します。二律背反をもっと理解するための例文 や類語も合わせて紹介。嘘と本当が両立していても、どちらか一方しか選べない状況ってありますよね。そんな感情のジレンマや葛藤状態が「二律背反」といえるのです。

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二律背反の意味は?

二律背反の意味とは「二つの事柄が両立するものの片方しか選べない」状態

分岐を意味する立て札

日本語には難しい言葉がたくさんあり、その中でも「二律背反(にりつはいはん)」という言葉の意味を説明できる人は少ないでしょう。二律背反とは「ある命題において嘘と本当が両立しているのにも関わらず、どちらか一方しか成り立たない状況・内容」のことです。

例えば「この商品は100円で限定10個です。しかし売り上げは2000円欲しいです。」と、この文章は矛盾があります。2000円の売り上げを出したいのであれば1個200円にすれば良いのですが、決まりとしてこの価格が決定(本当)なので、こうした状況を二律背反と呼びます。

二律背反の意味を簡単に例えると「矛盾」「相違する」

分岐点

二律背反の意味を知っても、まだ完全理解までは程遠いですよね。そのため二律背反を簡単に言い換える言葉として「矛盾」があります。例えば「これは100円だ、しかし200円で売りたい」という文章は建前と本音が相違する内容です。

なら矛盾という言葉で表せば良いのですが、詳しく言えば矛盾と二律背反は違います。ただ似たような言葉で、簡単に表すのであれば「矛盾」や「相違する・している」という言葉がしっくりくるでしょう。

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二律背反は神の存在感の証明や時空の限界などカント説が有名

たくさんの選択

二律背反という言葉・考え方はカントという哲学者が有名です。カントは神の存在感の証明(存在しているか否か)や時空の限界について二律背反に行きつくと説いています。

二律背反は片方を選べばもう片方は成り立たない状態を意味しますし、どちらかを選ばなければいけないという人の葛藤にも関係しています。二律背反は難しい言葉ですが、「二つの事柄が両立しているのにも関わらず選択しなければいけない状態」といえるでしょう。

二律背反をもっと簡単に理解するためにも「存在感」を使って表現してみましょう。分かりやすい例として、体は小さい人がいます。しかしこの人の存在感は他の誰よりも大きいです。

二律背反の使い方は?

二律背反の使い方①どちらも「本当」のとき


どちらかを選ぼうとしている男性

二律背反の使い方1つ目は「どちらも本当のとき」です。二律背反は嘘と本当が両立すると紹介しましたが、もっと詳しく説明すれば「どちらも本当であるが、どちらか一方しか選べない」状況とも捉えられます。

例えばビジネスでいえば「ABという商品を高く売りたい。しかし長い目で見れば集客のためにABは安く売るべきだ」というのは、高く売りたい気持ちと現実的な問題が両立します。しかし実際には、どちらか一方しか選べないのです。

どちらも売り場・現場としては「本当の気持ち」です。高く売りたい気持ちも集客のために安く売りたい気持ちも同じなのです。しかし現実にはどちらか一方しか選べないため、こうした状況を二律背反といいます。

二律背反の使い方②どちらも「正当性」を持っているとき

明細について話し合うカップル

二律背反の使い方2つ目は「どちらも正当性を持っているとき」です。これも本当という意味では同じになりますが、どちらも正当性が成り立っているのに片方しか選べない状況を指します。

例えば上の例題もどちらも正当性を持っていますよね。高く売りたいというのは目先の利益に繋がりますし、安く売れば集客に繋がります。どちらも正当性がある理由ですが、結局は片方しか選べないので、答えを出すのは非常に難しいのです。

二律背反の使い方③両立できないジレンマや葛藤を表すとき

服を選んでいる女性

二律背反の使い方3つ目は「両立できないジレンマや葛藤を表すとき」です。人の感情だって常に二律背反といえるでしょう。例えば「これをしたいけど、今はできない」といった両立したいけどできないジレンマ(葛藤)があるはずです。これは二律背反だといえます。

簡単にいえば「ダイエットしたい。けど食べたい」です。どちらも本当の気持ちであるにも関わらず、結局は食べるか食べないかを選ぶしかないのです。こうした使い方なら二律背反も日常で使えますね。

二律背反の使い方の例文10選

二律背反の例文①安く売る・高く売る

会議

二律背反の例文1つ目は「安く売る・高く売る」です。分かりやすくビジネスで例えれば、上の例題のように「この商品は安く売るべきだ。しかし実際には売り上げのために高く売りたい」です。

会社の将来性について集客も売り上げもどちらも必要不可欠です。しかし現場ではどちらか一方しか選べない。こうした状況はまさに二律背反といえるでしょう。


二律背反の例文②熱い・冷たい

紅茶を飲んでいる女性

二律背反の例文2つ目は「熱い・冷たい」です。ある女性が「あったかい飲み物が欲しい。けれど飲むときは冷たい飲み物のようにすんなりと飲み干したい」といいました。しかしこの発言は矛盾がありますし、そもそも内容がおかしいですよね。

暖かい飲み物は飲む際には舌を痺れさせるほど熱いものです。しかしこの女性は冷たい飲み物のようにごくごくと飲み干したいという要望があります。体を温めたいという気持ちはあれど、火傷したくないという気持ちも彼女の中ではどちらも本当なのです。しかし結局はどちらかしか選べないのです。

二律背反の例文③眠たい・寝れない

あくびをする人たち

二律背反の例文3つ目は「眠たい・寝れない」です。例えば「今は会議中で寝れない状況だ。しかし会議がつまらなくてとても眠たい」という文章で考えてみましょう。

会議だから眠れないという真実に対し、また寝たいという気持ちも真実ですよね。しかし現実にはどちらかしかできない状況ですから、こうした状況も一種の二律背反といえるでしょう。

二律背反の例文④父・夫

仲睦まじい家族

二律背反の例文4つ目は「父・夫」です。どんな病でも治す薬が1つだけあったとします。これを病気で寝込んでいる父と夫どちらに使う、という例題も二律背反です。

例えば父に投与すれば夫にとっては悪、夫に投与すれば父にとっては悪となります。どちらにとっても善にも悪にもなりうるこの状況はまさに二律背反なのです。

二律背反の例文⑤貧乏イケメン・金持ちブサイク

告白を拒否する女性

二律背反の例文5つ目は「貧乏イケメン・金持ちブサイク」です。ある女性が貧乏なイケメンと金持ちブサイクに告白されたとします。この女性の要望は「お金持ちになりたい。けれど彼氏はイケメンがいい」です。

もしこの女性がこの二人の男性どちらかを選ばないといけないとしたら、これも二律背反といえるでしょう。どちらも彼女の要望を叶えてはいるものの、完ぺきではありません。

二律背反の例文⑥機能性・おしゃれ


ガラスの靴を差し出す人

二律背反の例文6つ目は「機能性・おしゃれ」です。例えば女性なら、機能性を兼ね備えていて、おしゃれさも欲しいといった希望がありますよね。これを例文にすると「機能性を重視して歩きやすいヒールが欲しい。けれど高さがないものは嫌」です。

歩きやすさを重視するならヒールは低い方が良いですが、この女性はヒールの高さがないものは嫌といっています。これも機能性を取るか、おしゃれを取るかの二択になります。歩きやすさか見た目のおしゃれさか、どちらかしか選ぶことはできません。

二律背反の例文⑦お金が欲しい・働きたくない

お金を稼ぐ人と稼げない人

二律背反の例文7つ目は「お金が欲しい・働きたくない」です。例えば「お金が欲しいけれど働きたくない」という例文は、働きたくないけどお金は欲しい。しかしお金を手に入れるためには働くしかありませんよね。

多くの人間が思うような例文ですが、これも二律背反といえるでしょう。どちらも自分にとって正当性のある理由を持ちますが、お金が欲しいという気持ちと働きたくないという気持ちを両立し実現させるのは限りなく難しいのです。

二律背反の例文⑧一人がいい・独りぼっちは嫌

一人で考え込む男性

二律背反の例分8つ目は「一人がいい・独りぼっちは嫌」です。誰だって一人でいたい時はありますが、それでも独りぼっちになるのは嫌ですよね。この相反する気持ちも、いわば二律背反だといえます。

一人でいたいという気持ちはあれど、本当に独りになるのは嫌。どちらも自分にとって本当の気持ちであっても、この気持ちは両立できないため、一人か独りどちらかを選ばなければいけません。

二律背反の例文⑨柔らかさ・硬さ

車に寄り掛かり朝日を見る女性

二律背反の例文9つ目は「柔らかさ・硬さ」です。例えば車のタイヤに対し「柔らかさがあれば地面を滑らかに走るが消耗が激しい。硬さがあれば消耗しないが、地面からの衝撃が激しい」とどちらも正当と言える理由があります。

柔らかさを追い求めれば消耗が激しい、しかし消耗を減らすには硬さが必要だ。やはりどちらかしか選べない状況ですよね。開発が進むのを待てばよいのですが、それは将来のこと。現在を考えればどちらかしか選べないのです。

二律背反の例文⑩嘘と本当

夕焼けに佇む女性

二律背反の例文10個目は「嘘と本当」です。次は人の発言内容を例文として考えてみましょう。有名な発言ですが「私は嘘をついています」という言葉も、二律背反といえます。

この発言が本当であれ嘘であれ、どっちにしろ矛盾が生まれます。この発言が本当ならそのままの意味で捉えられますが、この発言が嘘ならそもそも発言自体が間違っているからです。

二律背反の類語は?

二律背反の類語①つじつまが合わない

喧嘩するカップル

二律背反の類語1つ目は「つじつまが合わない」です。つじつまが合わないとは物事の道理・真理性があっていないということです。二つの事柄が同じ意味、または通ずるものがなければいけないのに、それが合っていない状態を表します。

つまり物事に矛盾が生まれていることになり、二律背反と似た状態・似た言葉(類語)といえます。逆につじつまが合うとは、物事の道理・真理性に何も問題(矛盾)がなく、二つの事柄が見事に一致していることを指すでしょう。

二律背反の類語②板挟みになる

2人の女性から板挟みになっている男性

二律背反の類語2つ目は「板挟みになる」です。板挟みとは二つの事柄に対し、自分がどちらにも行けず挟まれている状態のことです。例えば一人の男性が二人の女性から告白されていても、はっきりとしない状態ですね。

二律背反も「二つの真理または嘘に対し、どちらかしか選べない状況」なので、板挟みと似たような状態です。結局二つを同時に選ぶことはできないという点において、この言葉も類語といえるでしょう。

二律背反の類語③ちぐはぐ

考える女性

二律背反の類語3つ目は「ちぐはぐ」です。ちぐはぐとは、例えば物事と発言が食い違っているさまを表す言葉です。つまりこれも矛盾が関係しているので、二律背反の類語といえます。

もっと簡単に表せば、人がやっていることと言っていることが食い違っているさまです。あなたのやっていることは言っていることと違う、というのは「矛盾」が生まれているため二律背反と似た状態になっているということです。

日常にある二律背反を探してみよう!

二律背反とは日本人でもあまり聞きなれない言葉ですし、こうして意味や例文を見てもしっくりとこない人もいるでしょう。自分なりに二律背反のイメージをつかみ取るには、やはり日常に潜む二律背反を探すのが一番でしょう。

日常の中で「これは二律背反な状態じゃないだろうか」「二律背反に陥ってはいないだろうか」と自問自答すると、自分なりにかみ砕いてより完ぺきな理解へと繋がりますよ。


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