「のっぴきならない」の意味とは?事情の理由や類語に使い方5選も
ビジネスシーンでもよく耳にすることがある「のっぴきならない」とはどのような意味の言葉なのでしょうか。方言のような一部地域のみで使われる言葉なのでしょうか?言葉の意味と事情の理由や類語を詳しく紹介いたします。例文も交えて覚えることで、使い方をマスターしましょう!
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目次
のっぴきならないの意味は?
のっぴきならないの意味とは「避けたり引き下がることができない状態」
ビジネスシーンでもよく耳にする「のっぴきならない」という言葉には、「避けたり引き下がることができない状態」または「どうしようもなく身動きができない状態」という意味があります。どちらの意味にも共通して言えることが、自分自身ではどうしようもない状況・状態に追い込まれているということです。
自分自身でどうにか解決できることや身動きがとれる状態では「のっぴきならない」という言葉を使うことができません。「自分自身でどうしようもない状況・状態であること」を相手に伝えるときのこの言葉を使いましょう。また、のっぴきならない事情や状態を伝えられた時には、責めることなくフォローできると良いですね。
「のっぴきならない」理由や事情で、どうしても都合がつかなくなってしまった場合に、相手に連絡をするときには、どのような伝え方をすると良いのでしょうか。「都合がつかない」の敬語やビジネスメールでの断り方を下記の記事で詳しく紹介しています。のっぴきならないの使い方とともに覚えておくと良いでしょう。
のっぴきならないは方言ではない!語源は「退き引き」という言葉
「のっぴきならない」という言葉は、「っ」や「ぴ」などの可愛らしい発音のイメージから方言や一部地域限定の言葉なのではないかと思われることが多いですが、実は日本全国のどの地域でも普通に使われてきた言葉です。一部地域限定で使わる方言ではありません。方言と間違われてしまう言葉としても知られています。
「退き引き」とは、周りを囲まれてしまって「前にも進めず、後ろにも下がれず、身動きが全く取れない状態」のことを言います。「のっぴきならない」と同じような意味です。「退き引き」という言葉が、発音しずらいことから徐々に変化していき「のっぴき」という方言と間違えられやすい発音になりました。
「のっぴき」に「ならない」という言葉が付いてたことで、元々の「退く引き」よりもさらに身動きが取れない状態を表す言葉として「のっぴきならない」が使われるようになりました。方言と思われる言葉ですが、さまざまな言葉が時代によって発音などが少しづつ変化して現在使われている発音になったのだと言われています。
のっぴきならないの漢字は?
のっぴきならないの漢字は「退っ引きならない」
「のっぴきならない」という言葉を漢字で表すときには「退っ引きならない」と表現します。この字は元々の「のっぴきならない」という言葉の語源である「退く引き」と同じ字が使われています。「退く引き」から発音がより伝わりやすい形に変化した「のっぴきならない」ですが、漢字で表現する際には元と同じ字を使います。
「退く引き」という漢字は「逃げる・避ける」という意味を持った漢字です。そのため「のっぴきならない」とひらがなで表記するよりも「退っ引きならない」と表記した方が相手にこの言葉が、どのような意味なのかが伝わりやすいかもしれませんね。しかし、多くの場合が「のっぴきならない」とひらがなで表記されています。
基本的には書き言葉として「ひらがな」で表現される
「のっぴきならない」という言葉は漢字で表記することも出来ますが、ほとんどの場合がひらがなで表記されています。「退っ引きならない」のほうが相手に自分がどのような状況に陥っているかが伝わりやすく感じます。ですが、この「退っ引き」という言葉が少し読みにくいとされているためひらがなで表現されます。
そのため一部の辞書を除いて「のっぴきならない」とひらがなで表記されています。この言葉は、話し言葉として使われることもありますが、多くの場合が文書などの書き言葉として使われています。ビジネスシーンではよく断りの言葉としてメールで使われている言葉です。
「のっぴきならない」という言葉を見かけることが多いビジネスメールですが、決められたルールやマナーがあることをご存知ですか?実はビジネスメールには「件名」から守って欲しいマナーが存在します。題名の書き方や社外宛てのタイトルについて下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。
のっぴきならないの使い方は?
のっぴきならないの使い方①どうしようもない事情があるときに使う場合
のっぴきならないの使い方1つ目は「どうしようもない事情がある時に使う場合」です。「のっぴきならない」という言葉自体が、自分自身では解決できないことに使われる言葉です。そのためどうしようもない事情がある時にそれを相手に連絡するときに使う言葉として適しています。
「どうしようもない事情」を相手に詳しく説明したくないときにも「のっぴきならない」という言葉を使うことで、相手から事情を深く聞かれることを避けることもできます。説明を避けたいときや詳しく説明する必要性を感じないときにも使うことができる便利な言葉として覚えておいても良いでしょう。ただし乱用は禁物です。
のっぴきならないの使い方②用事があるときに理由として使う場合
のっぴきならないの使い方2つ目は「用事がある時に理由として使う場合」です。上記の「どうしようもない事情がある時に使う場合」と似ていますが、今回の場合は「どうしようもない事情」があるのではなく「用事」をこなすために理由をでっちあげるときなどの使い方になります。
「どうしようもない事情(のっぴきならない事情)」などの理由があるからこの言葉を使うのではなく、こなしたい「用事」があるから理由として「のっぴきならない」という言葉を使う場合がこの使い方です。理由があって行動を起こす上記の使い方とは異なり、行動したいから理由が必要な人が使う使い方です。
のっぴきならないの使い方③後に引くことができない立場のときに使う場合
のっぴきならないの使い方3つ目は「後に引くことができない立場のときに使う場合」です。現在の自分自身が置かれている状況が、どうしようもない状況な上に、自分の立場のせいで後に引くこともできないときにも、「のっぴきならない」という言葉を使って、状況を周囲の人に分かりやすく伝えることができます。
この使い方は、自分自身がどうにもならない立場の時に周囲にその状況を伝えるために使う場合と、どうにもならない立場に追い込まれていることに気が付いていない人に対してそれを気づかせるために使う場合があります。後者の場合、「のっぴきならない」という言葉を使うことで、気づいていない相手にも伝えやすいでしょう。
のっぴきならないの使い方例文5選
使い方例文│どうしようもない雑多な事情があるときに使う場合
使い方例文1つ目は「どうしようもない雑多な事情がある時に使う場合」です。自分自身では、どうしても解決できない事情がある時に、相手にそれを伝えるために「のっぴきならない」という言葉を使うことで、スムーズに分かりやすく伝えることができます。追求されたくない事情の時にも使える使い勝手の良い言葉です。
ゴタゴタとした雑多な事情を1から10まで相手に詳しく説明することができない状態を「のっぴきならない状態」と言い換えることも出来ます。自分自身でもどうしてよいのか分からないときに、他の人に説明することはとても難しいですよね。そういった時にとりあえず「のっぴきならない」と説明しておくのも良いでしょう。
のっぴきならない事情があるために彼は会社を後にした。
使い方例文│用事がある時に理由として使う場合2選
使い方例文2つ目は「用事がある時に理由として使う場合」です。用事をこなすための理由として「のっぴきならない」という言葉を使う使い方です。この使い方の多くはあまり良い印象のものではなく、相手に嘘をつくような悪い印象を与えてしまいます。乱用することで、相手からの信用を失うことが考えられます。
彼はのっぴきならない事情をでっちあげたうえで、行動を起こしたのだ。
あの人はいつも行動を起こすたびにのっぴきならない事情を後付けする。
例文のように、用事をこなすための理由として「のっぴきならない状態」を作り上げて、相手にはその「のっぴきならない事情」のせいで「用事」をこなさなければいけない。という言い訳や後付けのような使い方のため、このような使い方をしようと考えている方は、ぜひとも十分注意をして欲しいと思います。
使い方例文│後に引くことができない立場の時に使う場合2選
塚方例文3つ目は「後に引くことができない立場の時に使う場合」です。自分自身が追い込まれて、その責任を取らざるを得ない立場の時や、追い込まれている立場だと気が付いていない相手にそれを伝えるときの「のっぴきならない」の使い方です。追い込まれているときにも慌てずに、周囲に知らせることができると良いですね。
あの時のささいな一言がきっかけとなり、のっぴきならない立場に追い込まれてしまった。
彼は自分の行動が原因でのっぴきならない立場に置かれたことを今ようやく気付かされた。
後に引くことができない立場の人が、周りにその責任を押し付けて自らの保身を図ることを「責任転嫁」と言います。この言葉の正しい読み方と意味、語源を下記の記事で紹介しています。責任転嫁する人の特徴も知ることができるので、周囲にそういった人がいないか注意深くなることができそうです。ぜひご覧ください。
のっぴきならないの類語は?
のっぴきならないの類語①袋小路状態
のっぴきならないの類語1つ目は「袋小路状態」です。「袋小路状態」とは「行き止まりになって通り抜けができない小路を袋小路といい、それが転じて物事がどうしようもなく身動きできない・行き詰った状態になること」という意味があります。行き詰って先に進むことができない状態を表す言葉としてよく使われています。
「袋小路状態」と「のっぴきならない」は、どちらも「自分自身ではどうしようもできない状態」を表している類語です。そのため日常会話で使われるよりも、ビジネスシーンで使われることの方が多くみられます。書き言葉で使われるのっぴきならないとは異なり、袋小路状態は話し言葉としても使われるので覚えておきましょう。
大人数が集まって好き勝手に発言しているため、会議は袋小路状態のまま停滞している。
のっぴきならないの類語②引っ込みがつかない
のっぴきならないの類語2つ目は「引っ込みがつかない」です。「引っ込みがつかない」とは「始めてしまったことを、行きがかり上途中で身を引くことができないこと。または、やりかけたことをやめられない状態になること」という意味があります。物事をやり始めてた結果、中途半端で終わらせられない状態を表します。
自ら言いだしたことを、取り消したいと思っても取り消すことができない状態を表す言葉として、日常会話でもよく使われています。元々は演劇の世界から生まれたこの言葉は「退場シーンが上手くいかなかったとき」に使われていました。それが転じて現在の「引っ込みがつかない」という意味として使われるようになりました。
この「中途半端に辞めることができない状態」がのっぴきならないの「後に引くことができない」という意味と似ていることから、類語として扱われることも多いので意味をしっかりと理解したうえで覚えておくと良いでしょう。本来は避けたいこのような状態でも、言葉を正しく使うことができれば助けてもらえるかもしれません。
思い付きで言った提案に周りが乗り気になってしまい引っ込みがつかない。
のっぴきならないの類語③手詰まり状態
のっぴきならないの類語3つ目は「手詰まり状態」です。「手詰まり状態」とは「金銭のやりくりが上手くいかずに苦しいこと」と「打つべき手段や方法をすべて試しても解決せずに困り果てること」という意味があります。どうにかしたいと思ってはいてもどうにもできない状態を表す言葉として使われています。
自分自身がやれることをすべてやりつくしたうえで、解決できない状態を表しているため、「自分自身では身動きが取れない状態」を表すのっぴきならないと同じように使われることで類語と言われています。どちらもなすすべない・解決策のない状態を表しているので、それをいち早く周囲に伝えて協力を仰ぐことが大切です。
1から10まで思いつく限りのすべて試したがもう手詰まり状態である。
のっぴきならないいう言葉の意味を正しく知ろう!
「のっぴきならない」とは「避けたり、引き下がることができない状態」を表す言葉です。日常会話などの話し言葉よりも、ビジネスメールなどビジネスシーンでの書き言葉としてよく見られます。「っ」や「ぴ」などの発音が可愛らしいイメージのことから、一部の地域で使われる方言だと思われますが、方言ではありません。
「退く引く」という言葉が発音しやすいように、時代に合わせて変化してきた言葉が「のっぴきならない」という言葉です。日本全国、さまざまな地方でこの言葉が使われてきました。どうしようもないときや追い込まれてしまった時などに使うことができる言葉です。深く説明したくない理由があるときにも使うことができます。
類語の「袋小路状態」や「引っ込みがつかない」、「手詰まり状態」とともに「のっぴきならない状態」は、できれば避けたいところですが、そういった状況になったときには周囲に連絡・説明をして助けを求めると良いかもしれません。そのときにこの言葉の意味を正しく知ることで、相手にも分かりやすく伝えることができます。
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