「次第です」の意味は?類語や英語・メールでの使い方の例文も
「次第です」という言葉はビジネスのシーンでよく使われ、社会人としてはその使い方をマスターしておきたい言葉です。ここでは類語や英語の表現をまじえて紹介しつつ、会話やメールといったシーン別での例文まで分かりやすく説明をしていきます。
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目次
「次第です」の意味は?分類的には敬語?
「次第です」の意味は「そのような事情です」という経緯の説明に使われる
「次第です」の意味は「そのような事情です」という経緯の説明に使われます。「次第です」という言い方を使うと、何かの事情を説明する際に丁寧で改まった印象を与えます。「次第です」という表現は会話でも使えますし、ビジネスメールのような文章の中で使うこともできます。非常に汎用性の高い言い回しだと言えます。
例えば「今回は日帰りのため懇親会まではご一緒できない次第です。こちらに来られた際には一席ご用意いたしますので、是非お声がけください」といった形で使います。例文からは日帰りでその日中に帰らなければいけない事情を説明しています。このような言い回しができるとビジネスパーソンとして及第点の表現力と言えます。
「次第です」という言葉には相手に任せる意味合いを示す場合もある
「次第です」という言葉には相手に任せる意味合いを示す場合もあります。例えば「今日帰るか、宿泊して明日現場を視察するかはあなた次第です。その決裁権もあるのだから自分で判断してください」といった形で使います。例文では、現場を翌日に視察するかの判断を任せる意味合いを伝えています。
例文は少し突き放したような言い方になっていますが、相手に一任するニュアンスを伝えるのに適した言葉であると言えます。このような使い方も、事情を説明する使い方同様に多く使われます。「次第です」という表現には多様な使い方があることを認識しておきましょう。
「次第です」は目上の人にしたことや思ったことの説明で使う敬語表現
「次第です」は目上の人にしたことや思ったことの説明で使う敬語表現です。「次第です」という言葉は敬語として使える表現であり、他の敬語表現と一緒に組み合わせて使うことで、相手に対しての敬意を示し、相手方に対して非常に丁寧な印象を与えることができる表現と言えます。
ちなみに事情を説明する際に使う敬語表現としては「次第です」の他に「しております」という表現もあります。下記の関連記事は「しております」という表現について分かりやすくまとめたおすすめの内容になっています。こちらも併せて参考にして、より丁寧な敬語表現を実現させましょう!
「次第です」の類語3選
「次第です」の類語①所存です
「次第です」の類語の1つ目は「所存です」という言い回しです。「所存です」という言い回しは、自分が考えていることを表現する「次第です」の類語表現になります。例えば「これからは毎日朝30分以上前倒しで出勤する次第です」という表現は、そのまま「所存です」に置き換えることができます。
特に自分が考えていることを表現する場合には「次第です」という表現も使えますし間違いではないのですが、「所存です」という表現の方が一般的に使われています。連続する文章の中で使う場合には最初の分では「次第です」を使い、次の文では「所存です」を使うと、文章がスマートでまとまっている印象になります。
「次第です」の類語②というわけです
「次第です」の類語の2つ目は「というわけです」という言い回しです。この類語表現については事情を説明する場合に使います。「渋滞で遅れてしまったというわけです」という例文については、「渋滞で遅れてしまった次第です」とそのまま言い換えることができます。「次第です」の方が丁寧な言い回しとなります。
しかし、「次第です」という言葉を使うと相手を恐縮させるようなシチュエーションも想定され、そのような場合には「というわけです」と使った方がいいでしょう。ただし「というわけです」を、ネガティブなシチュエーションの説明に使う場合には謝罪の言葉を添えるなど、相手が失礼に感じない工夫は必要です。
「次第です」の類語③という経緯です
「次第です」の類語の3つ目は「という経緯です」という言い回しです。この類語は「今回は事故を迂回するために一般道に一度降り、そこでも渋滞に遭遇してしまったために大幅に遅れたという経緯です」という形で使えます。どちらかというとメールなどのテキストよりは会話で使う類語表現です。
もしもメールなどを使って経緯を説明する場合にはこのような類語表現は使わずに「次第です」を使った方がいいでしょう。メールは形に残りますし、普段話し言葉で使うような表現をそのまま使うとビジネスマナーに欠けると判断されることも少なくありません。ビジネスメールでは少し丁寧過ぎると感じるくらいがいいでしょう。
「次第です」の英語での表現方法は?
「次第です」の英語での表現方法①dependを使った表現
「次第です」の英語での表現方法の1つ目はdependを使った表現です。「次第です」の表現は下記ポイントに記載しているようにdependという単語を使います。dependという単語は「頼りにする」という意味があります。ポイントの波線部分には「you」を始めとした代名詞が入ります。
そのため「その物事に対しては(あなたに)を頼りにしています」という直訳になり、それが「あなた次第です」「彼の行動次第です」といった意味合いで使う場合の「次第です」の訳となるのです。よく使う英語の熟語表現になりますので、しっかり覚えておくようにしましょう。
ちなみに「次第です」という表現は経緯や事情を説明する場合の使い方だと、その状況に合わせて主語+動詞を使った表現になります。そのため、この表現を使えば「次第です」という英語表現になる、といった単語や熟語はありません。それぞれの動詞の過去形を使うことで「次第です」と訳せる英語訳ができる表現になります。
It(that) depends on ~.(~次第です)
「次第です」の英語での表現方法②upを使った表現
「次第です」の英語での表現方法の2つ目はupを使った表現です。dependの場合は「on」という前置詞を使いますが、upの場合は「to」という前置詞を使います。「to」の後に代名詞を置くことで「あなた次第です」「彼女次第です」を意味する英語表現になります。
It is up to ~.(~次第です)
「次第です」の使い方例文3選|ビジネスメールでの使い方は?
ビジネスメールでの「次第です」の使い方例文①経緯を説明する場合
ビジネスメールでの「次第です」の使い方例文の1つ目は経緯を説明する場合です。例えば「裏口から搬入した後はエレベーターを使わず、階段を使って運んだ次第です。エレベーターが一つしかなく、10階まで上がるお客様に迷惑をおかけするからです。2階への搬入なので階段で問題ありませんでした」といった形で使います。
後から階段で運んでも問題がなかった理由が追加で説明されていますが、ここでは「次第です」という表現を使って荷物を階段で運んだ経緯を説明しています。「次第です」という言葉を使って何か経緯を説明する場合には、例文のような形で説明をすると、そうした経緯になった理由まで説明し、相手の理解を得ることができます。
ただし経緯を説明する場合に「次第です」という表現を使う場合には、そういう経緯になったと強調したい部分に限定して使うことが大切です。何故なら「次第です」という言葉を連続した文章で使うと、話の要点が分からなくなってしまうからです。話をわかりやすくするために「次第です」を使うことをしっかり意識しましょう。
ビジネスメールでの「次第です」の使い方例文②事情を説明する場合
ビジネスメールでの「次第です」の使い方例文の2つ目は、事情を説明する場合です。例えば「荷物搬入の際に地震が起きたためにエレベーターが止まり、荷物の搬入時間が大幅に押してしまった次第です。当日中には搬入を終えておりますが、従業員には残業が発生しております」といった形で使います。
この例文では「次第です」という言葉を、荷物の搬入時間が大幅に押してしまった事情を説明するために使っています。「次第です」という表現はこの使い方と経緯を説明する使い方が多くなっています。「荷物の搬入時間が大幅に押してしまいました」と説明するよりもビジネス感があり、堂々とした印象を相手に与えます。
ただしこの表現は、相手に対してこちらに否がある場合には謝罪の言葉とセットで使う必要があります。何故なら、他の表現よりも堂々とした言い切りの表現になるので、謝罪をせずに言い切ってしまうと相手に対して反省の意がないと、怒りを買ってしまう可能性があるからです。この点は注意して使いたい表現です。
ビジネスメールでの「次第です」の使い方例文③何かを依頼する場合
ビジネスメールでの「次第です」の使い方例文の3つ目は、何かを依頼する場合です。この場合の表現の例文としては「エレベーターが止まり搬入時間が押してしまっているために開始時間の変更が余儀なくされている次第でございます。変更後の開始時間をご教示いただけましたらありがたく存じます」といった形で使います。
この例文では直接お願いをする表現に言い換えることができるのですが、時間の変更をお願いし、変更時間のアナウンスもお願いする形だと、同じような表現が2つの文章で連続するので、「次第です」を使い、開始時間の変更を依頼する要素を出すと、非常にまとまりのあるスマートな表現になります。
「次第です」という言葉については「余儀なくされています」という形で婉曲な言い回しで依頼を表現することもできますし、「ご依頼している次第でございます」といった形で「依頼」「お願い」という、直接的な表現を使うことで依頼を表すこともできます。状況に応じて使い分けましょう。
「次第です」の使い方例文3選|目上の方への手紙での使い方は?
目上の方への手紙での使い方例文①次第でございます
目上の方への手紙での使い方例文の1つ目は「次第でございます」という表現を紹介します。「次第でございます」という表現は「先日はご多忙の中ご指導いただきまして誠にありがとうございました。〇〇様が当該技術の第一人者ということでご指導を依頼した次第でございます」という形で使えます。
特に目上の相手に対しては「次第です」という丁寧語表現よりも「次第でございます」という謙譲語表現の方が、より丁寧なニュアンスで伝わりますのでおすすめです。「次第です」と「次第でございます」は状況により使い分けることができると、ビジネスにおける的確な表現が期待できることでしょう。
目上の方への手紙での使い方例文②形式に添った丁寧な書き方
目上の方への手紙での使い方例文の2つ目は、形式に添った丁寧な書き方を紹介します。丁寧な書き方としては「拝啓貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。この度はお願いごとがありお手紙をお送りした次第です(次第でございます)」といった形で使えます。「拝啓」を使っているので、文末は「敬具」で締めます。
このように形式に添った、非常にフォーマルな色の濃い文章の中でも「次第です」あるいは「次第でございます」という言葉は生かせる表現となります。「次第です」という言葉は、フォーマルな文章には欠かせない表現であると言っても過言ではないので、例文も含め使い方をしっかり押さえておきましょう。
目上の方への手紙での使い方例文③今後の流れを示唆する使い方
目上の方への手紙での使い方例文の3つ目は、今後の流れを示唆する使い方を紹介します。今後の流れを示唆する例文としては「先月はご対応誠にありがとうございました。現在ご指示の内容で制作中であり、試作品が完成しましたら私の方でお持ちする次第です」といった形で使えます。
「次第です」という言葉は過去の出来事における流れも説明できますし、例文のように今後の流れを示唆する使い方もできます。どちらにしても「次第です」という言葉を使うことで、目上の人にふさわしい、非常に丁寧な印象のある文章をもって相手に伝えることができます。
「次第です」という言葉を使いこなそう!
「次第です」という言葉はメールや手紙で使うと、より丁寧な印象を与えることができる表現です。ここで紹介した例文の使い方、そして英語や類語での使い方も含め、実践で早速使ってみると、より早く「次第です」という表現が自分のものになることでしょう。
「次第です」という言葉をメール等で使ったことをきっかけに、相手からの信頼が得られ、よりよいコミュニケーションが実現する場面をいち早く体験できるといいですね!
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