「倣う」の読み方・意味とは?使い方・例文・類語・「習う」との違いも

「倣う」という言葉、ビジネスシーンや日常の中で耳にすることが多くあります。普段なんとなく使っていますが、実はいいをよく知らないという方も多いのではないでしょうか?「例に倣って」など「倣う」の使い方とはどういったものがあるのか確認していきましょう!「習う」との違いや類語についてもご紹介します。

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「倣う」の意味・「習う」との違いとは?

「倣う」の読み方と意味

「倣う」の読み方と意味

『倣う』は『ならう』と読みます。意味は「先にあった事柄を真似し、その通りにする」という意味と「慣れ親しむ」「習慣にする」という意味があります。

しかし、「慣れ親しむ」「習慣にする」という意味は確かに持っていますが、近年ではあまり用いられることはありません。そのため、ここでは「先の真似をする」という意味について主に解説していきます。

「習う」の意味

「習う」の意味

「倣う」と読み方が同じ「習う」の意味は、「物事・知識・技術を繰り返し行い、覚え身に付けること」です。そのほかに、単純に「おそわる」「教えを受ける」という意味もあります。

使い方としては「ピアノを習う」「先生から習った通りにする」「習うは一生」などがあります。学習・勉強関連に使用することが多いと言えるでしょう。

「倣う」と「習う」の違いとは

「倣う」と「習う」の違いとは

では、気になる「倣う」と「習う」の違いですが「倣う=ある事柄を手本にし、真似をすること」で「習う=ある事柄を学習し、繰り返すことで身に付けること」です。「習う」には学ぶというニュアンスがありますが「倣う」にそのニュアンスはありません。

「他者が先にやっていた事柄・方法を真似する」倣うと「人から教えてもらい学習を繰り返す」習うでははっきりと意味が違ってきます。両方の意味をしっかりと捉え、ビジネスシーンなどで間違った使い方をしないように注意していきましょう!

「倣う」の使い方・例文は?

「倣う」の使い方


「倣う」の使い方

気になる倣うの使い方ですが、『真似をする』という意味をしっかりと文章の中で意識して使わねばなりません。「倣う」を使用するときは、対象になる事柄が存在し、それに近づこうとする動きを表す必要があります。さらに、慣用句ではへりくだった表現をするときにも使用します。

『手順通りに』や『同じように』『取り入れる』『引き継ぐ』といった意味で使われることが多くあるのです。では、「倣う」を使用した例文を見ていきましょう!

「倣う」の例文①例に倣って

「倣う」の例文①例に倣って

「倣う」の例文1つ目は、『例に倣って』です。例に倣ってという使い方は様々なものに使うことが可能です。基本的に『〜の例に倣って…した(する)』という使い方が正しい使い方となります。会話の中では次のようなものがあります。

    例文|例に倣って

  • この例に倣って問題をといてください。
  • マニュアルの例に倣って組み立てなさい。

「倣う」の例文②顰みに倣って

「倣う」の例文②顰みに倣う

「倣う」の例文2つ目は、『顰に倣って』です。こちらは『ひそみにならって』と読み、慣用句として使われています。中国の書物「荘子」の『病気で顔しかめた美女を見た、容姿の醜い女性が自分も顔をしかめれば美しくなるのでは?と思い真似をした』といった内容が語源となっており、相手にへりくだる時などにも使用します。

    例文|顰に倣って

  • 顰みに倣うばかりでは、何も身につかない。
  • 先輩の顰みに倣ったことで、営業スキルが上がった。
  • 社長の顰に倣っていきたいと思います。

1つ目の「顰みに倣うばかりでは、何も身につかない。」という例には『良し悪しを考えずに真似をしても身につかない、意味はない。』という意味となり、2つ目の「先輩の顰みに倣ったことで、営業スキルが上がった。」は『先輩の真似をしたおかげでスキルが上がった。』という意味となります。

3つ目の「社長の顰に倣っていきたいと思います。」は『社長には到底及びませんが、真似していきたいともいます。』と意味です。顰に倣っては、なかなか使う機会がないと思いますが、会話の中で使う方もいるかもしれません。そんな時意味がわからないと会話が成り立たない場合があるため、覚えておくと良いでしょう。

「倣う」の例文③対象に倣って


「倣う」の例文対象に倣って

「倣う」の例文3つ目は『対象に倣って』です。こちらは対人に対して使う場合での使い方をご紹介します。人を対象に使うことで「倣う」の意味に重みが出てきます。物に対して使い時よりも、深く理解し真似をする努力が必要だと思わせる言葉となっていきます。

    例文|対象に倣って

  • 営業部の上司Aさんに倣って、取引先との関係の築き方を見直しましょう。
  • Bさんに倣って態度を改めなさい!
  • Cさんに倣って業務を進めるようにしてください。

1つ目の「営業部の上司Aさんに倣って、取引先との関係の築き方を見直しましょう。」は『Aさんのように、取引先との関係を上手に築けるように真似をしてましょう。』といった意味になり、2つ目「Bさんに倣って態度を改めなさい!」は『Bさんを見て真似をして、態度を改めなさい。』といった意味となります。

「倣う」の例文④方法に倣って

「倣う」の例文④方法に倣って

「倣う」の例文4つ目は、『方法に倣って』です。こちらはある対象(事柄)の方法をお手本として真似するといった意味を持っています。その方法は、お手本になるものですので高く評価されているものが対象となるでしょう。

    例文|方法に倣って

  • 関連会社のマーケティング方法に倣って、我が社も販路拡大をしていこう。
  • Aプロジェクトに倣ってBプロジェクトの企画書を仕上げてください。
  • D社の戦略に倣って我が社も方向転換しましょう。

1つ目の「関連会社のマーケティング方法に倣って、我が社も販路拡大をしていこう。」は『マーケティング方法と同じように、それを真似て取り入れていこう。』といった解釈となり、2つ目の「Aプロジェクトに倣ってBプロジェクトの企画書を仕上げてください。」は『Aの方法を参考にしてBを仕上げる』といった意味です。

「倣う」の類語・英語表現は?

「倣う」の類語①真似る

「倣う」の類語

「倣う」の類語1つ目は、『真似る』です。真似る(まねる)は「ある人や物と同じ行動や仕草をする」といった意味があります。倣うとほぼ同じ意味ではありますが、『真似る』倣うよりも気軽に使える言葉と言えるでしょう!

「倣う」の類語②則る


「倣う」の類語②則る

「倣う」の類語2つ目は、『則る』です。『則る』には、規則などの決まりごとに従うといった意味があります。「倣う」が話し言葉として用いられることが多いとすれば、『則る』は文書や契約書などで使用されることが多い類語と言えるでしょう。

「倣う」の類語③準ずる

「倣う」の類語③準ずる

「倣う」の類語3つ目は、『準ずる』です。『準ずる』は「〜と同じ・同等に扱う」といった意味があります。「倣う」と大変似ているように思いますが、『準ずる』真似するという意味はなく、全く意味の違う言葉だと思ってください。

「倣う」の英語表現

「倣う」の英語表現

「倣う」の英語表現には、3種類あります。『emulate(尊敬するもの、立派なものを見習う)』と『follow(人の行動や規則に従う)』、さらには『imitate(真似る)』が倣うを英語で表現するときによく使用する単語です。

    「倣う」の英語表現

  • I emulate what my mother used to do for my family.
  • He followed the bylaw of his company.
  • This is Chinese goods made in imitation of Japanese.

1つ目の「I emulate what my mother used to do for my family.」の訳は『私は、かつて母が家族のためにしてくれたことを倣って行動します。』といった意味となります。まさに「倣う」と同じ意味を持つ単語と言っていいでしょう。

2つ目の例文の訳は『彼は、会社の規約に従った』といった意味があり、日本語で言う「則る」が正しい訳と言えます。3つ目の訳は『これは日本の商品に倣ってつくられた中国の品物だ』という意味となり、どちらかというと日本語の「真似る」が直訳といっていいでしょう。

「倣」の字を使った熟語

「倣」の字を使った熟語①模倣

「倣」の字を使った熟語①模倣

「倣」の字を使った熟語1つ目は、『模倣』です。模倣(もほう)は「模倣芸術」や「模倣説」などといった言葉に使われる熟度で、言葉の意味は次のようになります。

[名](スル)他のものをまねること。似せること。「人の作品を―する」
引用元: goo辞書

他のものを真似することを意味しており「倣う」と同じ意味合いを持っています。しかし、「模倣犯」や「模倣説」といった言葉を文章で使う場合、マイナスな意味で捉えてしまうようなニュアンスを含んでいます。

特に「〜の犯人は〇〇事件の模倣犯だ。」といったような使い方をされることが多く、文章自体にくらい意味が含まれてしまいます。会話の中で使う「倣う」の中には、相手や物事に対する尊敬が少しでも含まれる場合が多くありますが、『模倣』という熟語が使われる場合、そういった意味あいが少ない場合があります。

「倣」の字を使った熟語②右に倣え

倣」の字を使った熟語②右に倣う

「倣」の字を使った熟語2つ目は、『右に倣え』です。よく聞く言葉ではありますが、こちらも話し言葉の中で使用すると、マイナスイメージを持たれやすい言葉です。

「君はいつでも右へ倣えばかりだ」「右へ倣えというだけの戦略ではだめだ」
引用元: TRANS.Biz

「右に倣え」はこのような使い方をされることが多く、「主体性を欠き個性のない人が、他者に追随している」といった意味に解釈されやすいです。さらに「手本を真似て改善していく」といった意味よりも、ただただ何も考えず真似をするといったニュアンスがあります。

先に紹介した良いニュアンスの「倣う」の例に対して、『追随』といった意味が含まれてしまうため、十分に意味を理解して使用しなくてはなりません。

「倣う」と「習う」を使いこなそう!

「倣う」と「習う」を使いこなそう!

「倣う」と「習う」の違いには明確なものがあり、この意味がわかっただけで会話に広がりが出てきます。今後ビジネスシーンなどで、活躍する場面があるかもしれません。今回の例文をぜひ参考にしてみてください。熟語になると、また意味のニュアンスが変わってくるところもこの言葉の面白いところです。

基本的に『物事を真似る』といった意味がありますが、実際に使う場面では、ただ真似るだけでない深みのある言葉であるため、真似るではなく「倣う」を使うだけであなたの言葉にも重みが生まれるでしょう!類語との違いに注意しながらも「倣う」の広い意味を理解し、普段から使い分けてみてください。

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