割愛の意味とは?語源や省略との使い分け・類語や英語での言い方も

割愛するという言葉は何かを省略する意味合いで使われます。ここではビジネスにおいて「割愛」という言葉が使いこなせるように、その類語との使い分けや語源、そして英語での使い方まで幅広く紹介していきます。こういった表現を使いこなせると表現力の向上が見込めますので、知っている人も再確認しておきましょう。

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割愛の意味とは?

割愛の意味とは①相手への気遣いを表す過程での省略

自転車に乗る2人

割愛の意味の1つ目は、相手への気遣いを表す過程での省略です。割愛とは、まず相手の気遣いが含まれていることが前提となります。今では事務的に使われるシーンも少なくないのですが、本来の意味としては「愛」という言葉が含まれているように、相手への気遣いの意味合いがあるのです。

省略した方が相手方にとってプラスになる、という前提において「割愛」という言葉が使われるのです。今では省略することが、そのまま「割愛」だと思われている節がありますが、もしもそうであればわざわざ割愛を使わずに「省略」という言葉を使えば良いことになります。

ちなみにビジネスにおいて気遣いは非常に大事な要素ですが、行き過ぎると支障をきたすこともあります。下記の関連記事は適度な優しさや気遣いを理解するのと、行き過ぎた優しさやお人好しな性格を改善するのにうってつけの記事です。こちらも併せて確認してみてください。

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割愛の意味とは②何かを特定の意思を持って省略すること

勉強中の女性

割愛の意味の2つ目は、何かを特定の意思を持って省略することです。単に省略する場合にはもちろん「省略」という言葉を使えば良いのですが、例えば後から同じ内容を詳細に説明をする場合など、その省略に意味ある場合には「割愛」という言葉を使います。このような使い方をするケースがビジネスにおいて多くなっています。

割愛という言葉をビジネスで使う場合には、割愛を使う理由を添えるのが一般的です。理由を添えずに「割愛いたします」と使うこともNGではないのですが、そのような使い方をすると相手が不親切に感じることも少なくありません。そのため、割愛を使う場合には割愛の背景や理由の説明を忘れずに付けるようにしましょう。

割愛の語源とは?

割愛の語源とは①仏教用語とする説

寺の風景

割愛の語源の1つ目は、仏教用語とする説です。鎌倉時代に出版された仏教説話集「沙石集」に割愛という文字が登場しています。ここで割愛という言葉は出家を語る上で使われています。出家というのは俗世や家族への愛を断ち切ることを意味し、愛するものを自分から断つ(割く)ことを「割愛」と表現しました。

割愛の語源としては、物事に対する愛情や愛着はあるものの、自分の意思でそれを断ち切ることを「割愛」と言い、それが仏教に限らず広く使われるようになったとされる説が、一つの有力な説になっています。ただし割愛の語源には諸説あり、この説が必ずしも絶対的な語源ではないとされています。

割愛の語源とは②養蚕用語とする説

はさみと瓶

割愛の語源の2つ目は、養蚕用語とする説です。蚕とは虫であり、蚕から絹を取ることができます。養蚕をするにあたり、蚕の雄と雌が交尾をする場面を目にするのですが、その際に無理やり蚕の雄と雌を引き離すことが必要になる場面があります。それを「割愛」と呼んだことが語源になっている説があるとも言われています。

蚕の雄と雌は交尾のために固く結びつくのですがその結びつきが固すぎて雌が衰弱して死んでしまうこともあるのです。雌が死んでしまうと絹採取の効率が落ちてしまうために、時には交尾中の雄と雌を引き剥がす必要があるのです。仏教用語と養蚕用語のいずれかが割愛の語源だと言われていますが、諸説あり確定はしていません。

割愛の類語5選

割愛の類語①省略

3人の会社員

割愛の類語の1つ目は「省略」です。「省略」という言葉は一部を除外したり飛ばしたりする意味合いで使われる言葉です。割愛という言葉も省略という言葉の一部だと言えます。省略という言葉は、自分が意図していなくても一部を除外し飛ばす場合にも使われます。一方で割愛をする場合には何かしらの意図があります。

そのため、ある文章を作る時に物事を飛ばすことに対して「省略」という言葉を選ぶのか、あるいは「割愛」という言葉を選ぶのかで意味合いは大きく変わってきます。「省略」という言葉を選ぶことで、最悪の場合は相手の怒りを買ったり、商談がストップすることすらありえます。ビジネスでは割愛を選んだ方がいいでしょう。

割愛の類語②飛ばす

パソコンでの作業中

割愛の類語の2つ目は「飛ばす」という表現です。「飛ばす」という言葉は、何かしらの手順を省略する場合に使う、割愛の類語表現になります。割愛という言葉はビジネスには非常に適した言葉ですが、それ以外の場面でも多用すると堅苦しく感じたり、こちらの言いたいことが相手方に伝わらない場合もあります。

そのため「割愛」という言葉を使いたい場合でも、相手に分かりやすく伝えるために「飛ばす」という類語表現を使う場合もあります。「割愛」と「飛ばす」という表現の両方が使いこなせるようになると、相手に対して何か手順を省略する際の、こちら側の思いやそのニュアンスが伝わりやすくなります。

割愛の類語③中略

勉強中の女性

割愛の類語の3つ目は「中略」という表現です。この表現は(中略)などといった形で、記号と同じ感覚で使われる表現になります。「中略」「中略いたします」などという使い方がされることもありますが、基本的には文章の記載において、伝えたい部分を端的に示すために無関係の部分を割愛する際に使われます。

一番よく使われるのは長い文章を引用する際です。長文を引用する際にすべてを掲載すると相手に対して分かりづらくなる可能性があります。文章の書き出しを紹介し(中略)と表記し関係のある部分だけを示すことでどの文章の、どの部分を抜粋したのかが分かりやすくなります。「中略」は、こういった状況で使われる表現です。

割愛の類語④削る

お金を口に付ける

割愛の類語の4つ目は「削る」という表現です。「削る」という表現は「割愛」に比べて砕けた表現であり、長い文章や、資料のページを削除する際に使われる表現になります。「削る」は、「このページを削ろう」「この部分は削った方がいい」「この部分を削る理由を教えてください」といった形で使われる表現になります。

ビジネスでの使い分けとしては、気の置ける上司が入っているような社内のセクション会議等では、相手に意味が伝わりやすい「削る」という言い回しを使います。取引先が入っているフォーマルな場合には「割愛」という表現を使います。このように同じ意味合いでも状況により使い分けるとコミュニケーションが円滑になります。

割愛の類語⑤カットする

プレゼントとはさみ

割愛の類語の5つ目は「カットする」です。「カットする」という言葉は非常に砕けた表現になります。「カット」は英語では「切る」という意味ですが、この場合は飛ばしたり削ったりすることを意味しています。社内で使うのは許されるかもしれませんが、フォーマルな場では極力控えた方がいい表現になります。


「割愛する」という表現と「カットする」という表現は、カジュアルな表現とフォーマルな表現の両極と言えます。そのため、使い分けを間違えると相手への印象値を下げてしまう表現なので注意が必要です。ただし映画関連の話等「カット」という言葉が正式な表現である場合は、ここで紹介した限りではありません。

割愛と省略の使い分け方とは?

割愛と省略の使い分け方①割愛は省略することにメリットがある場合に使う

笑顔の会社員

割愛と省略の使い分け方の1つ目として割愛は省略することにメリットがある場合に使うことが挙げられます。割愛という言葉においては、単に「割愛します」「割愛いたします」と伝える場合にも、暗に相手へのメリットがある内容を含んでいます。それは単に相手に対しての面倒な説明を省略することを意味する場合もあります。

「割愛」という言葉は本来、意味があって省略することを表しています。「何故割愛するのか」とわざわざ聞かれる場面は少ないものの、その意図についてはしっかりと明示しておくと、相手も「割愛」という言葉を受け入れやすくなります。

割愛と省略の使い分け方②省略はシンプルに物事の手順を飛ばす場合に使う

真面目な女性

割愛と省略の使い分け方の2つ目として、省略はシンプルに物事の手順を飛ばす場合に使うことが挙げられます。省略という言葉は物事の手順を飛ばす場合に多く使われますが、物事の一部を削る場合にも使われます。どのような場合にも「省略」という言葉を使う場合には、省略をする理由や意味は問われません。

そのため、ビジネスにおいて「省略します」と伝えることは相手方に対して一方的に聞こえたり、自分の方の都合を優先しているように聞こえます。もしもビジネスで「省略」という言葉を使う場合には、自分の表現が相手方にとってどのような印象なのかを意識する必要があります。

割愛と省略の使い分け方③相手方に失礼のない使い方は「割愛いたします」

女性社員が電話

割愛と省略の使い分け方の3つ目として、相手方に失礼のない使い方は「割愛いたします」という表現であることが挙げられます。ビジネスでは省略することを「割愛いたします」という言い回しで表すことが多くなっています。これは定例文にもなっている表現ですので、ビジネスでは文句のない表現と言えます。

ただしどんな表現も、相手に対しての気遣いやリスペクトがなければ失礼に感じられる可能性が0ではありません。そのため、「割愛」という言葉がビジネスに適した言い回しだからと言って安心することなく、相手方が笑顔で納得できるように考えて、言葉を選ぶ必要があります。

割愛の英語での使い方は?

割愛の英語での使い方①omitを使った表現

アメリカ国旗とブロック

割愛の英語での使い方の1つ目は、omitを使った表現です。omitという単語は「省略する」という意味合いの英単語です。状況に応じてこれを「割愛する」と翻訳することができます。下記の例文のように、何故省略するのかを添えておくと、相手に対して親切な説明になります。この点を心がけましょう。

omitを使った表現

We will omit these parts this time because we will explain the detail next time.(私たちは次回その詳細を説明するため、今回はこれらのパートを割愛します)

割愛の英語での使い方②leaveを使った表現

タワーが見える風景

割愛の英語での使い方の2つ目は、leaveを使った表現です。例文のようにleave|outという表現を使うことで、割愛するという表現になります。ただしこの表現には「除外する」という意味合いのほかに「忘れる」という意味合いもありますので、状況に応じて使い分けて翻訳をする必要があります。

leaveを使った表現

It is better to leave out this matter.(この事案は割愛した方がいい)

割愛という言葉を学んで表現力向上を図ろう!

割愛という言葉を上手に活用することで、ビジネスにおいての無駄を省き、相手に対しての気遣いを示すことができます。ここで紹介した割愛に対する使い方の知識は、すぐにビジネスで役立てることができるでしょう。そして、割愛という言葉を使う時にはその由来になっている出来事も思い出して欲しいです。

2つの由来を思い出すことで、相手に対しての思いやりを持って、割愛という言葉を使うことができるでしょう。言葉も大事ですが、気持ちはもっと大切です。ここで紹介した割愛の知識が、あなたのコミュニケーションを円滑にするきっかけになればうれしいです!


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