「苦渋の決断」の意味は?使い方・類語・反対語|苦渋の思いとは

苦渋の決断という言葉はよく耳にする言葉です。では、その正しい意味や使い方はご存知でしょうか?今回は、意外と間違った場面で使ってしまうことも多い言葉である苦渋の決断についてご紹介します。苦悩の選択や断腸の思いなどの類語やたやすいなどの反対語の覚えておくといい言葉も併せて解説します。

「苦渋の決断」の意味は?

苦渋の決断の意味①苦渋とは悩み苦しむつらい様子

つらい様子

苦渋の決断の意味1つ目は、苦渋という言葉の意味です。まずは、苦渋と決断2つに分けて考えてみましょう。苦渋の意味のひとつめは、読んで字のごとく「苦くて渋い(にがくてしぶい)」という意味です。しかしながら、苦くて渋いという表現で「苦渋」が使われることはとても少ないといえます。

続いては、「自分の考えている通りにはならず思い悩み、つらく苦しい状況・またはそのような苦しくつらい様子」という意味です。考えても考えてもどうにもできない事柄がある場合に使う言葉です。そしてよく使われるのは後者の意味で、苦渋の前後に言葉を足して文章にします。

苦渋の決断の意味②決断とは悩んだ末に決めたことを実行に移すこと

決断の掛け声

苦渋の決断の意味2つ目は、決断という言葉の意味です。決断とは、分かりやすく言えば「物事を決めること」です。しかし、簡単に決めることではなく、考え抜いた末に物事を潔くきっぱりと決めるというような意味を持ちます。ですから、重要な場面・人生を左右するような場面で使う言葉です。

そして、もうひとつの意味は物事の良し悪しをジャッジし決めるという意味です。前者後者どちらも、深く考えて何かを決めるときに使う言葉と言えますね。

苦渋の決断の意味③本意ではないが他に打つ手が見つからないときの表現

苦渋の決断をしている様子

苦渋の決断の意味3つ目は、「苦渋」と「決断」を合わせた言葉の意味です。先ほどご紹介した悩み苦しむつらい様子を表す「苦渋」と潔くきっぱりと決める様子である「決断」を合わせると、「自分の本意ではないが他に打つ手がなく悩み苦しみながら出した答え」というようのが、苦渋の決断の意味になります。

「苦渋の決断」使い方は?

苦渋の決断の使い方①気楽な思いや簡単に決められることには使わない

簡単に決める

苦渋の決断の使い方1つ目は、簡単に決められる事柄には使わないということです。簡単に決められる事柄というのは、例えば「この色とこの色どちらにしようか」や「今日はどのおかずを食べようか」など、その時は選べなくてもいずれまた選んで決めることができるようなことを指します。

悩んで決めた事だからと、ついつい使ってしまいそうになりますが、簡単に決められる事柄に対して苦渋の決断という言葉を使うのは、間違った使い方になります。

苦渋の決断の使い方②人生において重要な決断を迫られている場合に使う

重要な決断に悩まされる

苦渋の決断の使い方2つ目は、重要な決断を迫られている場合に使う言葉だということです。苦渋とは、「苦い・渋い」と書きます。苦いものや渋いものを口にしたときのゆがむ顔を思い浮かべてみてください。そんなゆがんだ表情が出るほどひどく悩み、さらに苦しい決断を下さなければならないときに「苦渋の決断」を使います。

人生においてそんな苦しい決断を迫られる場面はそうそうやってきませんが、苦渋の決断は重要な場面でのみ使える言葉だということを覚えておくといいでしょう。

「苦渋」を使った例文5選

苦渋を使った例文①苦渋の決断

生活が立ち行かない

苦渋を使った例文1つ目は、タイトルにもある「苦渋の決断」を使った例文です。人生の岐路に立たされたような場面で使う言葉です。例文は「実家の生活が立ち行かなくなったため、苦渋の決断で大学をやめることにしました」や「あなたの下した苦渋の決断のおかげでこの苦境を乗り越えることができました」などです。

本当はつらい選択だけれども、そうせざる負えない状況に立たされ泣く泣く決断したというシュチュエーションですね。これからの人生を左右するような重大な問題がふりかかったときの心情が伝わってきます。また苦渋の決断のおかげで事態が好転した場合などでも使えます。

苦渋を使った例文②苦渋の選択

天秤に掛けている様子

苦渋を使った例文2つ目は、「苦渋の選択」です。先述の苦渋の決断とよく似ていますが、苦渋の選択は、深く悩みつらい状況の中で選択するということです。例文は「父と母が離婚したことでどちらと暮らすのか苦渋の選択をせまられた」などです。

どちらも困難な事柄を前にして、悩みに悩むという意味があります。しかし、前述の苦渋の決断は、悩みながらも思い切って物事を決めるという意味だったのに比べ、苦渋の選択は悩んでいることの中から選択するという意味を含みます。少しだけニュアンスの違いがありますね。

苦渋を使った例文③苦渋の表情を浮かべる

苦渋の表情

苦渋を使った例文3つ目は、「苦渋の表情を浮かべる」です。苦渋とは、先ほども解説したとおり思うようにことが運ばず、悩んでいる様子や辛い様子を表しています。そして、あとにつづく「表情を浮かべる」には、感情を表に出すという意味があります。

そのような事から苦渋の表情を浮かべるという言葉は、不機嫌な様子を周囲に見せるという意味としても使われます。よく険しい顔をしている人に対して、苦虫をかみつぶすという表現をしますが、それと似ていますね。例文は「上司は先ほどから苦渋の表情を浮かべながら書類とにらめっこをしている」といったものになります。

苦渋使った例文④苦渋を味わう

つらい体験をした様子

苦渋使った例文4つ目は、苦渋を味わうです。苦渋を味わうとは、つらく苦しい経験をするといったような意味です。例文は、「今回の選挙では苦渋を味わった」などの表現になります。

また、苦渋と同じ読み方をする苦汁は、「味わう」ではなく「なめる」という表現をします。苦渋は自分が感じている心情を表す言葉に対して、苦汁は過去の経験についてを表すときに使う言葉です。よく似ていますので、使うときには注意が必要ですね。

苦渋使った例文⑤苦渋に揉まれる

社会に揉まれる

苦渋を使った例文5つ目は、苦渋に揉まれるです。揉まれるという言葉には、人や社会の中でたくさんの経験を積むことによって人間的に成長するといったような意味があります。ですから苦渋と揉まれるが合わさると、つらく困難な状況を経験することでひとつ成長するという意味になります。

例文は、「社会の苦渋に揉まれ、奮闘する中で一皮むけた自分になれた」などです。つらい経験だったけれど結果的には自分のためになったという場面で使える言葉ですね。

「苦渋の決断」の類語は?

苦渋の決断の類語①苦悩の選択

苦悩する様子

苦渋の決断の類語1つ目は、苦悩の選択です。苦悩とは、悩み苦しむ様子を指す言葉です。ですから、苦悩の選択では悩み苦しみ選ぶという意味になります。苦悩の日々といった表現をされることもあることから、悩みが続いていくという意味の言葉としても使われます。

苦渋の決断をするときも、簡単な悩みではないので悩みを抱える時間が長いです。そのようなことから、苦渋と苦悩は、近しい意味を持った類語であると言えますね。

苦渋の決断の類語②苦悶する

落ち込んでいる様子

苦渋の決断の類語2つ目は、苦悶するです。苦悶するとは、苦しみ悶える事です。この言葉は、身体的・精神的どちらの苦痛も表現することができます。身体的には痛みや苦しみに耐え切れず、もがきのたうちまわるといった壮絶な様子を表現するときに使います。

精神的には、神経をすり減らし気持ちをかき乱され悶々と思い悩む様子を表す言葉となります。暗く落ち込んだ様子のことを苦悶の表情を浮かべるという言い方で表現したりしますよね。

苦渋の決断の類語③やむをえない決断

どうしようもない様子

苦渋の決断の類語3つ目は、「やむをえない決断」です。やむをえないとは、本当は望んでいない、または好ましくないが他に方法がないという意味を持っています。漢字では「已むを得ず」「止むを得ず」などと書きます。

やむをえずの意味をもう少し噛み砕いてみましょう。まず「已む」「止む」には、止まる・終わる・おさまるなどの意味があります。そして「得ず」は、することができない・得ることができないという意味を持ちます。

その2つの言葉が合わさり、終わることができない・止めることができないという意味の慣用句である「やむをえない」という言葉になりました。他に手段がなくそのようにするしかない様子は、苦渋の決断と同じような意味を持つ類語ですね。

苦渋の決断の類語④断腸の思い

断腸の思い

苦渋の決断の類語4つ目は、断腸の思いです。聞いたことのある言葉かもしれませんが、断腸の思いという言葉には、何ともつらく悲しいお話が由来しています。その由来とは、中国のお話の中にあります。

どのような話かというと、ある武将の部下が、母猿から子猿を引き離し船に連れてきてしまいます。子猿を連れ戻そうと母猿は、必死に追いかけやっとの思いで船に飛び乗ります。しかし、母猿はその直後にもがき苦しみ死んでしまいます。

死んでしまった原因を探るためにお腹を切ると、母猿は子猿を奪われた悲しみで腸が引きちぎられたようになっていたというお話があります。そんな由来から、腸が引きちぎられるほどの悲しくつらい気持ちを表す慣用句が生まれました。つらく困難な状況を示す苦渋とも通ずるところがありますね。

苦渋の決断の類語⑤清水の舞台から飛び降りる

覚悟を決める

苦渋の決断の類語5つ目は、清水の舞台から飛び降りるです。これは、京都に実際にある清水寺のせり出した舞台に由来したことわざです。この清水寺の舞台では、一世一代の覚悟を決めて思いが成就することを願い飛び降りる人が多かったことから、覚悟を決めて物事を成し遂げるという意味で使われます。

「腹をくくり決断しそれを貫き通す様」は、苦渋の決断という言葉にも清水の舞台から飛び降りるという言葉にも共通して込められていますね。

「苦渋の決断」の反対語は?

苦渋の決断の反対語①たやすい

たやすくできる様子

苦渋の決断の反対語1つ目は、たやすい決断です。たやすいとは簡単・訳もないという意味です。使い方としては「彼は周囲が困難と感じることも、いともたやすく決断できる才覚のある人だ」といったような使い方をします。

苦渋が辛く困難な様子を表しているのとは逆に、悩むこともなく簡単に決断できる様子を指す、「たやすい決断」は反対語と言えますね。

苦渋の決断の反対語②気楽

お気楽な人

苦渋の決断の反対語2つ目は、気楽です。気楽というのは文字通り、困難な状況ではないこと・心配なことがないことといった気持ちが楽な状態を意味する言葉です。使い方は「そんなことが悩みなんて、本当に気楽な人だね」などとなります。

困難な問題にぶつかり、つらく苦しい様子で決断をせまられることを表す苦渋の決断とはまったく真逆の意味として使われる反対語です。

苦渋の決断の反対語③造作ない

簡単に操作する様子

苦渋の決断の反対語3つ目は、造作もないです。造作とは、それほど手間や時間を掛けることなくやってのけるといった意味があります。使い方は「パソコンの設定など私にとっては造作のないことです」というようになります。

苦渋の決断は、時間をかけて悩み抜いて決めるような場面で使われる言葉ですから、簡単に決められるような事柄を指すときは、造作ないが反対語と言えますね。

苦渋は使う場面を考えて使おう

岐路に立つ

苦渋という言葉の意味や使い方、類語や反対語などについてもご紹介しました。中でも苦渋の決断という言葉は、人生においてとても重要な選択をする場面で使うのが正しい使い方だということが分かりましたね。ぜひこちらの記事を参考にしながら正しい意味や使い方を身に着けてくださいね。

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