他山の石の意味とは?由来や類語・使い方の例文や誤用されがちな例も

他山の石という言葉には反面教師という意味合いがありますが、その言葉の由来も含めて紹介していきます。他山の石という言葉を使えるようになることで表現力が豊かになることでしょう。ここでは例文をまじえて、類語の使い方も含めて紹介していきます。

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他山の石の意味とは?

他山の石の意味①反面教師としてその物事を自分の改善に役立てること

積み重ねた本

他山の石の意味の1つ目として、反面教師としてその物事を自分の改善に役立てることが挙げられます。他山の石という言葉は、その物事を反面教師に見立てて使うことが多い言葉であり、これが基本の意味合いになります。他の人や組織の悪い物事を見習わないように悪い見本として認識することが他山の石の意味となります。

だからといって他山の石という言葉がネガティブな要素を表す言葉とは言い切れません。何故なら、何か悪いことが起きた時にただ単にそれをネガティブにとらえるのではなく、それを改善の材料にしようとするのが他山の石という言葉だからです。そのためそういった意味ではポジティブな言葉であるとも言えるのです。

他山の石の意味②悪い見本として認知すること

図書館の本棚

他山の石の意味の2つ目として、悪い見本として認知することが挙げられます。他山の石の使い方は基本的に反面教師として悪い見本を改善に役立てることなのですが、状況によっては単に悪い見本であることを示す際にも使われる言葉になります。ただし基本的には改善とセットになっているのが他山の石の本来の意味になります。

ちなみに改善をする際には組織の事例であれ個人の事例であれ、その案を具体的に練ってしっかり実践していく必要があります。そのために下記の関連記事は業務改善提案について詳しく書かれているおすすめの記事になります。こちらも是非時間がある時に目を通してみてください!

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他山の石の由来は?

他山の石は中国の「詩経」に由来する

勉強する女性

他山の石は中国の「詩経」に由来します。他山の石の由来になっている「詩経」については中国最古の詩編だと言われています。伝承によると孔子という偉大な儒教家が彼の門人(弟子)の教育のために編纂したものと伝えられています。「詩経」は他山の石の由来だけではなく、様々な故事成語の元になっていると言われています。

他山の石の由来となる文は「他山の石以て玉を攻むべし」


風船を持つ女性

他山の石の由来となる文は「他山の石以て玉を攻むべし」です。この言葉の意味は、他人の山の石は何の役にも立たないと思われるかもしれないが、自分の石を宝石に磨き上げるのには役に立つということを示した文章です。つまり他人の山から出た役に立たない、むしろネガティブなものも役立てようという意志が示されています。

つまり他山の石の由来となっている文章の「他山の石以て玉を攻むべし」には、役に立たないものが自分たちを磨くこと、つまり改善していくことに役立てようというメッセージがダイレクトに入っているのです。そのため、基本的に他山の石には悪い出来事を示すだけではなく改善の意志もセットで含まれているのです。

他山の石の類語5選

他山の石の類語とその例文①人の振り見て我が振り直せ

3人の会社員

他山の石の類語とその例文の1つ目として「人の振り見て我が振り直せ」という言い回しが挙げられます。この言葉は人の悪いところは自分にもある可能性があるので、人ごとだと思わずに自分を見つめなおした方が良い、というメッセージが込められています。

この類語に関しては「彼は部下の身だしなみを注意しているが、彼自身が乱れている。指導をする前に人の振り見て我が振り直せということになるね」といった形で使われます。「人の振り見て我が振り直せという言葉がある」「人の振り見て我が振り直せということだ」という使われ方が多い言い回しになります。

他山の石の類語とその例文②反面教師

ミーティングの風景

他山の石の類語とその例文の2つ目として「反面教師」という言い回しが挙げられます。「反面教師」という言葉は、悪い見本として自分に役立てることを示す言葉になります。「教師」はその教えに従って自分の知識や技術を向上させる存在ですが「反面教師」はまさにその逆の存在であると言えます。

「彼の行いに腹を立てているかもしれないが、反面教師として自分の成長の材料にしていくくらいの気持ちで向き合った方がいいだろう」といった使い方をします。「反面教師」は他山の石の類語として非常によく使われる言葉になりますので、その使い方はしっかり押さえておくようにしましょう。

他山の石の類語とその例文③明日は我が身

電話する女性

他山の石の類語とその例文の3つ目として「明日は我が身」という言い回しが挙げられます。「明日は我が身」という言葉は、他人に起こったことが自分に対しても同じように起こるかもしれないので、油断せず注意を払うように呼び掛ける意味合いで使われることが多い表現になります。

ちなみに「明日は我が身」という言葉は基本的にポジティブな事象には使われず、ネガティブな事案メインで使われる言い回しになります。「株の暴落で彼は破産したが明日は我が身だ。油断していると大損をするリスクは株を持ち続けるなら誰にでも起こる可能性がある」といった使い方をします。

他山の石の類語とその例文④人こそ人の鏡

鏡を見る女性

他山の石の類語とその例文の4つ目として「人こそ人の鏡」という言い回しが挙げられます。この言葉は他人が自分を写す鏡のような存在なので、人を見て自分を見たり直す参考にすることを示す表現です。「人こそ人の鏡とも言うので、他人事だと思わずに仲間に関心を持つようにしよう」という形で使われます。

他山の石の類語とその例文⑤前車の覆るは後車の戒め

自転車に乗る2人

他山の石の類語とその例文の5つ目として「前車の覆るは後車の戒め」という言い回しが挙げられます。この言葉は、前の人の失敗を後に続く人が役立てることを示す言葉になります。「前車の覆るは後車の戒めとも言うので、その出来事をスルーせずにしっかり分析して臨もう」という使い方をします。

他山の石の使い方の例文5選

他山の石の使い方の例文①反面教師としての使い方

勉強中の女性

他山の石の使い方の例文の1つ目として、反面教師としての使い方を紹介していきます。「A社のプロジェクト頓挫の経緯を調べて大至急報告してほしい。当社としては他山の石とすべきだろう」という使い方をします。改善に役立てるために、上司が失敗例の調査を命じている場面が想定されます。

「他山の石とすべき」という言い回しは、悪い教訓をしっかり改善まで繋げていく使い方をします。そのため、例文のように改善に向けたアクションを示唆しつつ使うことで、他山の石という使い方における王道の使い方ができるようになるのです。

他山の石の使い方の例文②悪い見本としての使い方


集団で勉強中

他山の石の使い方の例文の2つ目として、悪い見本としての使い方が挙げられます。例えば「A社の事例を他山の石として、弊社で進行中のプロジェクトに関してもリスク事項と進捗の報告を明日までに挙げてくるように」といった使い方をします。「他山の石として」という使い方をする場合は他山の石が悪い出来事を意味します。

ただしこういった使い方をする場合には、改善を示唆する言葉を盛り込む必要があります。それを看過するような表現を盛り込んでしまうと、他山の石の本来の意味合いからずれてしまうリスクがあるので注意が必要です。

他山の石の使い方の例文③具体的な改善策を盛り込んだ使い方

資料の確認中

他山の石の使い方の例文の3つ目として、具体的な改善策を盛り込んだ使い方を紹介していきます。例えば「あの出来事を他山の石として、同様の事例を弊社で起こさないように各社にマニュアルの再周知と抜き打ち検査を行っていくように」といった使い方をします。

他山の石は改善を示唆するような使い方だけではなく、例文のように具体的な改善策を盛り込んだ使い方も可能です。状況に応じて使い分けていくようにしましょう。

他山の石の使い方の例文④改善策の方向性を盛り込んだ使い方

4人での握手

他山の石の使い方の例文の4つ目として、改善策の方向性を盛り込んだ使い方を紹介していきます。「A社の出来事を他山の石として、販売業務の縮小と製造業務の拡大を検討していきたい」といった使い方をします。具体的な改善策ではなく、あくまでも改善の方向性のみを示すような使い方もできます。

例文のように方向性だけを示す状況もありますし、具体的な改善策の提示まで必要な場合もあります。また方向性や改善策が決まっていない場合は改善の意向を示唆するに留める必要があります。状況に応じた表現を使い分けていくようにしましょう。

他山の石の使い方の例文⑤同じ過ちは絶対に繰り返さないと決意した使い方

5人でのミーティング

他山の石の使い方の例文の5つ目として、同じ過ちは絶対に繰り返さないと決意した使い方を紹介していきます。例えば「A社の事例を他山の石とすべきだと認識している。会社の存続を脅かす大事件なので弊社にそのリスクがないかの確認と、そのリスクがある場合には早急に対策を打つ」といった使い方をします。

他山の石はその言葉の由来を考えると改善を示唆する要素が含まれることは前提なのですが、同じことを繰り返さない意思表示には改善が前提として含まれているので例文のような使い方も可能となります。

「他山の石とすべき」といった言い回しや「他山の石とする」といった言い回しがメインになりますが、前後の表現によってそのニュアンスを状況によって変えていくことができますので、一つ一つの例文をしっかり押さえていくようにしましょう。

他山の石の誤用されがちな使い方例は?

他山の石の誤用されがちな使い方例①対岸の火事という言葉との混同

うなだれる女性

他山の石の誤用されがちな使い方例の1つ目として「対岸の火事」という言葉との混同が挙げられます。「対岸の火事」という言葉は他の人に起きた悪いことという意味では他山の石と同じなのです。しかしながら他山の石はそのことを自分たちの改善に役立てようとする意志があるのに対して「対岸の火事」にはそれがありません。

「対岸の火事」という言い回しについては起きたことに対して一切の苦痛がないという意味合いを含んでいます。つまり他山の石が「出来事を反面教師として改善に役立てよう」とするのに対して「対岸の火事」という言い回しは「自分たちと関係のないところで悪いことが起きて助かった」という意味合いに留まります。

他山の石の誤用されがちな使い方例②単なる悪い見本だけを意味する使い方

手錠をかけられた男性

他山の石の誤用されがちな使い方例の2つ目として、単なる悪い見本だけを意味する使い方が挙げられます。他山の石には「他山の石として将来に備える」という言い方の場合は改善の意志が含まれているので問題がないのですが「あれは他山の石として傍観する」などといった使い方になると改善の意志が見て取れません。

「あれは他山の石として傍観する」のような、悪い出来事を見過ごすような使い方になると本来の他山の石の使い方とは大きく外れてしまいます。他山の石という言い回しを使う場合には、その一連の言い回しに対して改善の意志を含める必要があるので、その点を認識して文章を組み立てるように心がけましょう。

他山の石という言葉の由来や意味を理解して使いこなせるようになろう!

他山の石という言葉は知らないところからスタートすると使い方までしっかり理解するのに少し時間がかかる表現であるかもしれません。使いこなせるようになるとビジネスをはじめとした様々なシーンにおいて、非常に説得力が増す言い回しですので、ここで紹介したことをまずはしっかりマスターしましょう!


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