必死の意味と必至との違いとは?読み方や類語と使われる場面や例文も
「必死」と「必至」という言葉は同じ読み方をしますが、それぞれまったく違った使い方をします。「必至で頑張る」「売り切れ必至」というような形で使われますし、また似た言葉に「必須」もあります。これらの言葉を類語も含めて分かりやすくその使い分けを紹介します。
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必死の意味とは?
必死の意味①命を落とすかの瀬戸際だという危機感を持っていること
必死の意味の1つ目として、命を落とすかの瀬戸際だという危機感を持っていることが挙げられます。「必死」は必ず死ぬと書きます。「必死」という状況の中では、下手をすると命を落としかねないけれども、命を落とす覚悟で何かをやり抜くことになります。「必死」という言葉はそのような状況の中で使われることがあります。
単純に「彼は必死だ」という表現をする場合には頑張っている状況も表しますが、その瀬戸際の状況から抜け出したいという気持ちも同時に持ち合わせていることが少なくありません。そこは文脈から判断をすることになりますが「必死」という言葉には、危機感を表す意味を含みますのでまずはこの点を押さえておきましょう。
必死の意味②全力を尽くすこと
必死の意味の2つ目として、全力を尽くすことが挙げられます。必死の意味として何かに全力を尽くすことは、この言葉の一般的な意味で知られています。「必死でやる」という言葉に代表されるように、その物事に対する全力の姿勢をこの言葉で表すのです。「必死の形相」という言い回しもこの意味合いが含まれます。
必死の意味③最後のチャンスと決めて勝負を賭けること
必死の意味の3つ目として、最後のチャンスと決めて勝負を賭けることが挙げられます。「必死の勝負」という言葉が示すのはこれが崖っぷちであり最後のチャンスだと決め込んで一世一代の勝負に賭ける意味合いもありますし、その勝負にベストを尽くす意味合いもあります。
また「必死の覚悟」という言葉に関しては「背水の陣」という言葉が表すような追い詰められた状態での覚悟を示すこともありますし、全力を尽くす覚悟を表す場合もあります。どちらを意味しているのかは、この意味合いに関しても文脈から読み取っていく必要があります。
必死と必至の違いは?使われる場面は?
必死と必至の違い①必至とは必ずそうなるという意味
必死と必至の違いの1つ目として、必至とは必ずそうなるという意味であることが挙げられます。ここまで「必死」という言葉の使い方やその意味を説明してきましたが、ここからは必至の意味を説明していきます。
必至とは「必ず至る」と書きますので、将来的にその状況になることを示す言葉です。例えば「このプロジェクトは成功必至だ」と言えば、このプロジェクトは必ず成功するという意味合いを示しています。
必死と必至の違い②読み方は同じだが意味と使うシーンは違う言葉
必死と必至の違いの2つ目として、読み方は同じですが意味と使うシーンは違う言葉を表します。両方とも「必ず」という言葉を使っている言葉で発音は同じなのですが、「必死」は全力を尽くす状況、追い詰められた状況、そして勝負を賭ける状況を表すのに対して「必至」は必ずそうなることを表します。
そのため「必至の形相で追いかけてくる」「あんな泳ぎ方をしていたら溺れるのは必死だ」という使い方は、それぞれ間違った言葉の使い方になります。正しくは「必死の形相で追いかけてくる」「あんな泳ぎ方をしていたら溺れるのは必至だ」となります。入れ替えて使うとまったく意味が通じなくなってしまいます。
必死と必至が使われる場面①必死は正念場や危機的状況で使われる
必死と必至が使われる場面の1つ目として、「必死」は正念場や危機的状況で使われることが挙げられます。ビジネスにおいて普段上司から「必死でやれ」と言われているような状況では、頑張りが足りないと思われてることがあるかもしれませんが、基本的に「必死」という言葉が使われるシーンは限られています。
それは誰かが追い詰められている時や全力を出している時です。これから全力を出すことや、追い詰められていることを示すのが「必死」という言葉になります。言葉の意味合いを押さえるのももちろん大切ですが、言葉が使われるシーンを押さえておくことも同じくらい大切になります。
必死と必至が使われる場面②必至はその状況が強く予測される場合に使われる
必死と必至が使われる場面の2つ目として、「必至」という表現はその状況が強く予測される場合に使われます。意味合いとしては「必ず至る」とされる「必至」なのですが、人間は誰しもが未来に起こることを100%予測することはできません。そのため「必至」という言葉は、その状況がほぼほぼ見込まれる状態で使われます。
例えば「売り切れ必至です」と言って売り切れなくてもその人は嘘をついたことにはなりません。何故なら「必至」という言葉を使ったその表現はあくまでもその時点の予測に過ぎないからです。
そのため「必至」という言葉が「かならずその状態に至る」ことを表す場合もありますし、「そうなることが高確率で予測される」という意味合いを表すこともあります。文脈によっては両方が推測される場合もあります。ここをしっかり押さえておくことで「必至」という言葉が使いこなせるようになることでしょう。
必死と必至の類語は?
必死の類語①全身全霊
必死の類語の1つ目として、「全身全霊」が挙げられます。「全身全霊」という表現も、何かに対して全力を尽くすことを表します。「全身全霊」という言葉には「全力を出す」という意味合いに加えて、「すべてを出し切る」というニュアンスも追加されることになります。
また「必死でやります」という言葉には、何かに追い詰められて全力を出すようなニュアンスも含まれますが、「全身全霊」という言葉については自発的に全力を尽くす意味合いが込められていますので、状況に応じて使い分けるようにしましょう。
必死の類語②乾坤一擲
必死の類語の2つ目として「乾坤一擲」が挙げられます。「乾坤一擲」とは、すべてを賭けた一大勝負を意味します。「必死」という状況においても「乾坤一擲」に近い状況が想定されるためこの2つは類語であると言えます。
必至の類語①必然
必至の類語の1つ目は「必然」です。「売り切れ必至」ということは「この商品は売り切れることが必然でしょう」という言い回しに置き換えることができます。「必然」という言葉も必ずそうなることを表している言葉です。「必至」と「必然」は同義であるものの、「必然」の方が強い意味を持っています。
例えば売り切れることが濃厚な場合には「売り切れ必至」とは言うものの「売り切れ必然」とは言いませんし、「この商品は売り切れること必至だ」という言葉は「この商品は売り切れることが必然だ」と言ってしまうと、あまりに確定的な表現になってしまいます。
必至の類語②必須
必至の類語の2つ目として「必須」が挙げられます。「必須」という言葉は何かが必ず必要であることを表している言葉です。「登山には雨具が必須だ」というような形で使われます。また「必須」については物だけでなく「今回のビジネスは日本国外で行われるのが必須条件だ」というような使い方もできる言い回しです。
「必ず必要になる」という意味を表す「必須」は、「必ずそうなる」という意味の「必至」と類語になります。ここまで「必」という文字が含まれた言葉をいくつか紹介していますが、これを機にそれぞれの意味を押さえつつしっかり使いこなせるようにしておきましょう。
必死と必至の使い方と例文は?
必死と必至の使い方と例文①売り切れ必至
必死と必至の使い方と例文の1つ目は「売り切れ必至」という表現です。「売り切れ必至」という表現は、商売においてよく使われます。人気があるため、または品数が少ないために早めに売り切れることが高い可能性で予測されるようなシチュエーションで使われる言い回しになります。一度は耳にしたことがある表現でしょう。
「売り切れ必至」という表現は例文のように、購買をあおる場合に使われる表現です。「絶対に売り切れます」といった、カジュアルな言い回しでは伝わらない、今購入しないと売り切れてしまうといった逼迫した状況をしっかりと伝えることができる表現になります。
新商品に関しては今までの数倍ハイスペックな仕様になっているため売り切れ必至です。ご検討の際にはお早めにお買い求めくださいませ!
必死と必至の使い方と例文②必死の努力
必死と必至の使い方と例文の2つ目は「必死の努力」という表現です。「必死の努力」という表現については、日常生活でもよく使われます。この表現は中々まねできないような、並々ならぬ努力を称えて使う表現になります。また自分が一生懸命に頑張る際にも「必死の努力」という言葉を使うことができます。
ただし「必死の努力」という表現についてはあまり自分の行動については使わない方がいいでしょう。何故なら自分では必死で頑張っていたつもりでも、他人からそう見えない場合には他人の反感を買うからです。必死で頑張っていれば自分でアピールせずとも周囲から自然に「必至の努力」をしていると言われることでしょう。
彼は必至の努力を続けて社長まで上り詰めた。学歴のない彼がそこまで上り詰めた背景には血のにじむような努力があったに違いない。
必死と必至の使い方と例文③株価暴落必至
必死と必至の使い方と例文の3つ目は「株価暴落必至」という表現です。何かが起きる可能性が濃厚である場合に、このような言い回しが使われます。例文では大統領辞任における株価暴落が避けられないということを説明しています。アメリカの情勢は世界の株価に大きな影響を与えるためにこのような言い回しをしています。
下記の例文では「株価暴落必至」とは言わず「株価の暴落は必至」と言っていますが、この状況では「株価の暴落は必至」と伝えた方が親切です。もちろん状況によっては「株価暴落必至」という表現も使えますので、シチュエーションに応じた使い分けを心がけましょう。
アメリカで大統領が辞任を発表しました。誰もが予測できていませんでした。この状況では株価の暴落は必至でしょう。至急対策が必要になります。ご指示をお願いします。
必死と必至の使い方と例文④必死の追い込み
必死と必至の使い方と例文の4つ目は「必死の追い込み」という表現です。「必死の追い込み」という表現については例文のように「全力で追い込む」ことを伝えています。「必死で」「必死の」という表現に関しては「全力で」という意味合いが強く含まれており、それを色濃く伝えるのがこの表現になります。
今月は目標達成まであと少しです。必死の追い込みをかければ達成できるところまで来ています。全員が一丸となり、部署目標を絶対に達成させましょう!
必死と必至の使い方を学び語彙を増やしていこう!
必死と必至という、発音が同じで意味が異なる言葉をしっかり使い分けていくことで、表現力の向上が期待できることでしょう。必死と必至という言葉に限らず、文章を読んでいて意味が分からない言葉が出てきたら興味を持って調べるようにしていくことで、表現力は自然と上がっていくことでしょう。
必死と必至では、この2つを間違えるシーンはそうそう起こらないかもしれませんが、中には間違えやすい言葉や言い回しもあり、そういった一つの言い回しの間違いが相手からの信用失墜に繋がってしまうようなシーンもあることでしょう。より良いコミュニケーションを意識する上でも言葉はしっかり勉強していきましょう!
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