もしくはの意味・またはとの違いとは?使い方・例文や類語・英語も

「もしくは(若しくは)」には2つの意味があり、その意味に応じて使い方も2つ(文頭に置くor接続に使う)存在します。類語でもある「または(又は)」とよく混合されますが、多少の違いがあるため把握しておくと使用の際に役立つでしょう。例文や英語もご紹介していますので、参考にどうぞ。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。



もしくはの意味・またはとの違いは?

「もしくは(若しくは)」の意味

もしくは…

「もしくは(若しくは)」の意味は、「前の事柄と後の事柄のどちらかが選ばれる関係であることを表す」と「もしかしたら・ひょっとして」の2つです。後者の意味「もしかしたら・ひょっとして」の言葉は、「可能性は低いがそうかもしれない(仮定)」ということを表しています。

また、前者の意味は接続詞・後者の意味は副詞の扱いになります。「もしくは」の成り立ちは副詞「もし」+副詞語尾「く」と係助詞「は」であり、漢文訓読(漢文のかたちを出来る限り崩さずに日本語的文脈に直して読むこと)に由来する表現だと言われています。

「または(又は)」の意味と「もしくは」との違い

違いはなんだ?

「または」の意味は「2つ以上の事柄の中からどれを選んでも良いことを表す」で、「それでなければ」「あるいは」「もしくは」と同義になると考えられています。つまり「もしくは」と「または」は同じ意味である、ということです。

しかしながら、使い方には違いが見られます。特に法律文など、公的な文書では「もしくは」と「または」を使い分けるようにしています。その使い分け方法では、選択される語句に段落がある時は大きい段落や繋ぎには「または」を使い小さい段落や繋ぎには「もしくは」を使うことになっています。

たとえば「または」の場合は「A、B又はC」の使い方をされますが、「もしくは」の場合は「A又は(B若しくはC)」といった使い方をします。「もしくは」の方が主張や表現の度合いが薄い印象です。補足ですが、法律文では「または」も「もしくは」も漢字表記にします。平仮名表記にしないよう気を付けましょう。

もしくはの使い方・例文は?


文頭に置く使い方と接続の使い方がある

使い方を考える

「もしくは(若しくは)」の使い方には、「文頭に置く使い方」と「接続の位置に置く使い方」があります。意味の項目でも触れましたように「もしくは」には「接続詞」としての意味と「副詞」としての意味が存在するため、使い方もそれぞれのものとなります。

接続詞は文や文節を繋げる役割があるもので、接続詞「もしくは」であれば「トマトもしくはリンゴ」といった使い方をします。副詞は主に連用修飾語として用いられるもので、付く語の意味を詳しくしたり概念を限定するために使います。同じ副詞でも語によって状態副詞・程度副詞・陳述副詞に分類されます。

副詞「もしくは」は陳述副詞にあたりますが、陳述副詞と言っても色んな言葉があります。副詞としての「もしくは」は、陳述副詞の中でも「おそらく」などと同じ「推量(確かではないことを予想的に表す)」の意味を持つ語のくくりに属します。副詞「もしくは」は「もしくは蟻が犯人だな」といった使い方をします。

接続的に使う場合の例文

書く

「もしくは」を接続詞としての使う場合には「○○もしくは××」の形になりますが、その例文には「私のアイスクリームを食べたのは姉もしくは母だ」などがあります。「どちらか一方が選ばれる」ことを表す時の使い方なので、使えるシーンは幅広いでしょう。

そのため、例文はたくさん作ることができます。たとえば「このクイズの答えはAもしくはDだと思う」「これから雨が降りそうなので傘もしくはカッパを持って行く必要がある」「次に住むのは一戸建てもしくはマンション」など、接続詞としての「もしくは」はさまざまな場面で使用可能です。

文頭に置く場合の例文


書く

「もしくは」を文頭に置く使い方では「可能性は低いかもしれない中で仮定するさま」を表すことになるため、例文には「机に置いたクッキーを取ったのは誰だ?人か犬かと思ったのだが…もしくは蟻やもしれんがな」などがあります。

「駅のベンチに財布の置き忘れがある。もしくは神様からの贈り物かもしれないが、良心が咎める限り駅員に届ける他ない」「とても喜ばしい夢を見たが、これは吉兆かもしれない。もしくは周囲に感謝すべき心を神様が教えてくれた可能性もある」などの例文も作ることができます。

接続詞と副詞の大きな違いは、「選択する」のか「推測」なのかです。接続詞の場合は「○○もしくは××」といったように、「もしくは」の「前後にあるものの中からどれかを選択する状況」を表します。副詞の場合は「あるか分からないが」という「推測」であり、選択する意味はありません。

もしくはの類語は?

類語:または(又は)

または…

「もしくは」の類語、1つ目は「または(又は)」です。「または」の意味・使い方・もしくはとの違いについては冒頭の方でお伝えした通りですのでここでは省きますが、違いは何か?を考える人が多いように「または」は「もしくは」の類語になります。

類語:あるいは(或いは)

勉強

「もしくは」の類語、2つ目は「あるいは(或いは)」です。「あるいは」には、「もしくは」と同じように「接続詞の意味」と「副詞の意味」が存在します。まず、接続としての意味からご紹介します。接続詞では「そのうちのどちらかという関係にある2つの語を繋ぐ」の意味を持ち、「○○あるいは××」の使い方をします。

続いて副詞ですが、副詞には意味が2つあります。1つは「その推測も完全には否定できない気持ちを表す」意味で、「あるいはそうかもしれない」といった使い方をします。副詞「もしくは」は「可能性は低いかもと仮定した推測」を意味するため、「推測を完全否定できない」を表す副詞「あるいは」とは使い方が異なります。

副詞「あるいは」が持つもう1つの意味は「似た事柄を1つ1つ並べて様々な動作が行われたさまを表す」意味で、「旅行の楽しみは人それぞれだ。あるいは景色を嗜み、あるいは食を楽しむ者がいる」などの使い方をします。これは「あるいは」特有の使い方です。

類語:ないし(乃至)

打つ

「もしくは」の類語、3つ目は「ないし(乃至)」です。「ないし」の意味は「数量・位置などの限界や範囲を述べてその間を省略する意を表す」と「または・あるいは」の2つで、後者の意味が「もしくは」の類語にあたります。使い方は「○○ないし××」であり、接続詞としての「もしくは・または・あるいは」と同じです。

もしくはの英語は?

英語:or

話す場

「もしくは」を英語にすると「or(オア)」になります。「or」には「選択肢や可能性を示す意味を含めて」の「〜または〜」「〜あるいは〜」「〜か〜」の意味があります。選択肢が3つ以上になる場合は、通常なら「A, B or C」といったように「最後の要素の前にorを置く」使い方をします。

選択肢が2つであれば「A or B」、選択肢が3つであれば「A, B or C」、選択肢が4つ以上であれば「A, B, C or D」といった使い方になるということです。

選択を「どちらを選択するか?」という疑問形で表す場合には「どちら」を意味する「which」を加えた場合は「Which do you like, A or B?」や「A or B, which do you Like?」の例文のように使うこともありますが、無くても通じることから省かれることも多いです。

英語:either

仕事

「もしくは」と意味が似る英語には「either(イーザー)」もあります。この英語の代名詞は「どちら」ですが、接続詞としては「または」や「〜か〜」の意味、副詞としては「〜も〜しない」の意味になります。

接続詞の意味は「もしくは」と近いため、英語に訳す際には「or」の他「either」になることもあります。ただし、実際に「どちらか一方を選択する意味」を表す場合には「or」と一緒に使うことが多いです。

たとえば「either A or B」といった形になり、これは「AかBのどちら一方が」の意味になります。また、選択の表現で「either」が付くのは「二者選択」の時のみです。「or」のように3つ以上の際は使いません。ビジネスシーンで「もしくは」を使う場合は、以下の記事も参考にしてください。

Small thumb shutterstock 1191928219
上司や目上の人のビジネスメールの書き方!書き出しと報告やお礼例文は?

上司や目上の人にビジネスメールを送る場合の正しい書き方はご存知でしょうか。ビジネスメールを書く上で新人の人が特に悩むのが、メールの書き出しではないでしょう...

違いを理解して「もしくは」と類語を使い分けよう!

「もしくは(若しくは)」の意味は接続詞と副詞に分かれ、接続詞では「前の事柄と後の事柄のどちらかが選ばれる関係であることを表す」の意味で使い、副詞では「もしかしたら・ひょっとして」の意味で使います。

混合されやすい「または(又は)」は「2つ以上の事柄の中からどれを選んでも良いことを表す」で接続詞としての「もしくは」の意味とよく似ますが、「もしくは」=「二者選択」「または」=「2つ以上」ということで選択の数に違いがあります。

そのため、法律文などでは「A又は(B若しくはC)」のように大きい段落や繋ぎでは「または」小さい段落や繋ぎでは「もしくは」を使うようにしています。類語には他にも「あるいは」や「ないし」といった語もありますので、それぞれの意味合いと違いを把握して状況や表現方法に応じた使い分けをしましょう。


商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。