首記の意味・使い方とは?題記・標記・標題・掲題・主題との意味の違いも
首記は「首記の件について」や「首記の件につきまして」などの形で用いられることが多い言葉ですが、その意味をご存知でしょうか。掲題・題記・主題・標題・表記など、似た言葉との違いとは?首記の使い方と似た言葉たちとの使い分けを正しくできるよう、学んでおきましょう。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
首記の意味とは?
首記とは「冒頭に記されたもの」を意味する語
首記の意味は「文書や掲示の冒頭に記してあること」です。「首」は一般的に「体の部位(頭と胴体の間の部分)」の意味で用いられますが、二足歩行生物において最も上の位置にある頭と近い部位のために「長・かしら」や「物事の始め・最初・先・前・第一」などの意味もあります。
また、頭は昔から大事な部分であるという認識がありました。その頭を胴体と繋げて支えていることから「要」の意味もあります。首記の形になった場合には「首」は「物事の始め・最初・先・前・第一」の意味を持つため、「首に記す」=「最初に文章に書きつけたもの」ということになります。
首記の読み方は「しゅき」
首記の読み方は「しゅき」です。「首」と言えば「くび」ですが、首記の形になる際は「首相・首席・首尾」の時のように「しゅ」と読みます。「記」の方は一般的に、「しるす」よりも「記号・記帳・簿記」などの形で「き」の読みをすることが多いため首記の時にも読み間違いは少ないとされます。
首記の使い方・例文は?
首記の使い方・例文①首記の件でご回答願います
首記の使い方・例文1つ目は「首記の件でご回答願います」です。「件」は「あることに対する事項」を表し、「ご回答願います」は「答えてほしい」ことを表す表現なので、この使い方・例文の意味は「文書や掲示の最初に書かれていることについて答えてほしい」になります。
首記の使い方・例文②首記の件につきまして
首記の使い方・例文2つ目は「首記の件につきまして」です。「首記の件につきましてご相談があります」や「首記の件につきましてご確認の程よろしくお願い申し上げます」の文で用いられることがある使い方で、「つきまして」には「前の内容に基づき話題を次に運ぶ接続詞的な意味」があります。
首記の使い方・例文③首記のとおり
首記の使い方・例文3つ目は「首記のとおり」です。ここで言う「とおり」には「それと同じ状態や方法であること(前述のままであること)」の意味があるため、「首記のとおり」は「最初に書きつけた内容と同じである」ことを表しています。「首記のとおり進めてまいります」などの文で使います。
題記・標記・標題・掲題・主題の意味とは?
「題記」の意味
題記(だいき)の意味は「文書のタイトルや電子メールの件名など」で、それらを指す時に使います。しかし、文書のタイトルや電子メールの件名などを指す時には「首記」や「標記」などを使うこともあります。また、題記は辞書によっては記載されていない点から首記や標記よりも一般的ではない印象です。
ビジネスシーンなどで気を付けたい、メールの件名のマナーについて知りたい方は以下の記事をおすすめします。現代ではメールという残る形でやり取りをすることが基本のため、マナーについて学んでおくことはためになるでしょう。また、メールでは表情や口調のニュアンスが伝わりにくいので表現にはマナーと工夫を要します。
「標記」の意味
標記(ひょうき)の意味は「目印として記すこと、または記した目印」と「標題として書くこと、または書いた題」の2つです。「標」には「目印」の意味があるため、標記の漢字には「目印を記す」の意味があります。
前者の「目印として記す・記した目印」の意味は、そういった漢字が持つ意味に由来します。後者の意味「標題として書くこと」の「標題」は首記の類語としきて後ほど登場しますが、本のタイトルや講義・演説・演劇の題目を意味する言葉です。
つまり、後者の意味で用いられた標記が表すのは「本のタイトルや講義または演劇などの題目を書くこと」になります。「目印を記す」から「目立つ所に書く」連想が生じ、それが後者の意味になったと考えられます。
「表記」の意味
「表記(ひょうき)」の意味は「表に書き記すこと、または表に書き記した文字」と「文字や記号で書き記すこと」の2つです。前者の意味は言い換えれば「表書き・表書きした文字」で、表記の漢字そのままの意味とされます。
後者の意味には「表」の要素が無く、「ただ文字や記号を書き記す行為」を表します。どこに書くという要素が無いため、場所を問わず文字や記号を書き記した行為を表す時の意味です。同音語「標記」とは意味が異なるため、混同したり間違えて書いたりしないよう気を付けましょう。
「標題」の意味
「標題(ひょうだい)」の意味は、「本の表紙に書かれている本の名」「講義や演説などの題目」「演劇などの題目」の3つです。標題については標記の項目で少し触れましたが、意味は本・講義や演説(口頭で説明や意見を述べる行動)・演劇(脚本に従って表現する行動)の3つに分かれています。
表に書かれる本の名や講義・演劇などの題目は、はじめに示されるものです。使用する状況は異なる場合も多いとされますが、「はじめに示される」という点で首記と似た言葉だと言われています。
「掲題」の意味
「掲題(けいだい)」の意味は「題として掲げること、または掲げられた題」です。ここで言う「掲げる」というのは「示す(明らかに分かるように見せる)」の意味を持つため、掲題は「題を分かりやすく見せる・分かりやすく見せた題」を表す時に使います。
首記は「冒頭に記されたこと」を意味するので掲題とは使う場面が違うこともありますが、「掲げられた題」は「タイトル」のように基本的に「はじめに示されるもの」であります。そういったことから首記を掲題と言い換えたり、掲題を首記と言い換えられる場合もあります。意味は異なりますが、状況により似るということです。
「主題」の意味
「主題(しゅだい)」の意味は、「中心となる題目」「文章・談話・研究などで中心となる問題」「芸術作品において作者が表そうとする基本的な思想内容」「楽曲において中心になる楽想を端的に表現しながら全体の発展の基礎になる音楽的素材」の4つです。
意味が多い上に説明が長いものもあるため掴みにくい感じですが、英語に言い換えると少し分かりやすくなります。まず「中心となる題目」の意味は英語に言い換えると「タイトル」になりますが、他の3つの意味は「テーマ」という英語が当てられます。
タイトルは「表題や見出し」のことで、テーマは「創作や議論の根本的意図や題目や中心の課題」のことを言います。そのため、表に示す題を表す「中心となる題目」の意味は「タイトル」となり、中心となる問題を表す意味と創作の類である芸術作品や音楽の意味は「テーマ」になるのです。
首記と同じ意味で使える言葉は?
タイトルや件名を指す「題記」
文書のタイトルや電子メールの件名などを表すために首記を使う場合は、「題記」が同じ意味になります。首記は「冒頭に記されたこと」を表す言葉なのでタイトルや件名以外にも使えますが、題記は「文書のタイトルや電子メールの件名などを指す」言葉なのでうってつけとも言えます。
題に掲げるを意味する「掲題」
題を表すために首記を使う場合は、「題として掲げること」や「掲げられた題」を意味する「掲題」を同じように使うことができます。題ははじめに記すものなので、何かの題を「冒頭に記したもの(首記)」として表す時もあります。時と場合によって首記と掲題を使い分けましょう。
表題や主旨を意味する「主題」
はじめに示されることになる表題や主旨を表す時に首記を使う場合には、「主題」が同じ意味になります。主題には4つの意味があり、それらは「タイトル」と「テーマ」に分けることができました。首記と同じ意味で使う際、主題は「タイトル(中心となる題目の意味)」の意味になります。
最初の題目を意味する「首題」
首記と似た言葉に「首題(しゅだい)」というものがあり、これは「手紙や通達書などのはじめに書いてあること(最初の題目)」や「経典のはじめに書かれた文句」の意味を持ちます。前者の意味が首記や題記とよく似ています。
しかし首題は題記のように「タイトルや件名」だけではなく、「文書のタイトル・メールの件名・文中の冒頭に書いたもの」といった最初の方に書いた内容であれば何でも表せます。その点は首記と同じであり、これまでにご紹介した言葉の中で最も首記に近いものだと言えます。
似た意味の言葉と使い分けて首記を正しく使おう!
首記の意味は「冒頭に記されていること」であり、「首記の件について(はじめに記されていることについて)」の形でよく用いられます。題記・主題・標題など似た意味を持つ言葉もたくさんありますが、それぞれに違いがあります。
しかし場合によって首記と同じ意味で使える時があるため、その使い分けも意識してみると表現の幅が広がると共に伝えたい内容に適切な言葉選びができるようになります。時と場合に合わせて、首記と似た言葉たちを使い分けてみましょう。
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。