深謀遠慮の意味は?深慮遠謀との違いや類語や反対語・使い方や例文も
「深謀遠慮」の意味は「深く緻密な謀」ですが、正しい使い方をご存知ですか?類語には転ばぬ先の杖や用意周到などがあり、反対語は短慮軽率とされています。また、深慮遠謀や遠謀深慮といった同じ漢字で並びが違う言葉もあります。例文を含めた深謀遠慮の使い方と、意味や類似した言葉との違いをご紹介!
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深謀遠慮の意味は?深慮遠謀との違いや類語や反対語も
深謀遠慮の意味は「先見ある緻密な謀」
深謀遠慮(しんぼうえんりょ)の意味は「先々まで考えた深く緻密な謀(はかりごと)」、または「先々まで考えた深く緻密な謀を立てること」です。緻密な謀そのものを表すこともあれば、その謀を立てる行動状況を表すこともあります。
謀とは「事がうまく運ぶように前もって作り上げた計画や手段」のことで、特に悪事について言う言葉ですが、深謀遠慮に関しては悪事とは限りません。緻密は「細かいところまで行き届いている」ことを意味するため、深謀遠慮が表すことは「細かなところまで行き届いた先見性ある深い計画や手段」です。
深謀遠慮は「深謀」と「遠慮」で成り立ちます。深謀には「奥深い見通しある謀や考え」の意味、遠慮には「将来について考え巡らす・遠く先のことを慮る・よくよく考える」ことを意味します。奥深く見通しある謀や考え+将来や遠く先のことを考え巡らすで、深謀遠慮の意味が完成しています。
深謀遠慮と深慮遠謀の違いは特にない
深謀遠慮と混同される言葉に、深慮遠謀(しんりょえんぼう)というものがあります。しかしこれは深謀遠慮とは漢字の配置が異なるだけであり、意味や使い方などに違いはありません。
また、遠謀深慮(えんぼうしんりょ)という言葉も存在しています。遠慮と深謀の並びが逆になったものであり、深慮遠謀や深謀遠慮と意味も使い方も同じです。
深謀遠慮にも用いられている「遠慮」の言葉は、「遠慮のかたまり」という形で使うこともありやます。「遠慮のかたまりを使ったことがある!」という人もいれば、「遠慮のかたまりってなに?」となる人もいるような表現です。使った人がいた時に意味を捉えられるように、以下の記事で意味などを学んでみてはいかがでしょう。
類語は「転ばぬ先の杖」や「用意周到」など
深謀遠慮の類語には「転ばぬ先の杖」や「用意周到」、「百術千慮」があります。類語1つ目の転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)は、「事前に用心しておけば失敗はないこと」をたとえたことわざです。深謀遠慮は謀を立てる意味があるため表している内容に違いはありますが、用心=先を考える点は同じです。
類語2つ目の用意周到(よういしゅうとう)の意味は「用意が十分整った状態」や「手抜かりなく用意すること」で、「ちゃんと用意すること・しっかり用意できた状態」を表す時に使います。転ばぬ先の杖と似ているため深謀遠慮とは表現内容に違いがありますが、手抜かりなく=緻密として似た部分はあります。
類語3つ目の百術千慮(ひゃくじゅつせんりょ)には、「方法を色々と考えて思慮を巡らせること」の意味があります。転ばぬ先の杖や用意周到と同様に深謀遠慮とは意味に違いが見られますが、思慮を巡らせる=先々まで深く緻密に考える点は似ています。
深謀遠慮の反対語になるのは「短慮軽率」
深謀遠慮の反対語は「短慮軽率(たんりょけいそつ)」です。短慮軽率の意味は「浅はか考えと軽はずみな行動」で、浅い考え方をもとにした軽はずみな行動がある様子を表す時に使います。
しかしながら深謀遠慮の意味は「先々まで考えた深く緻密な謀」や「その謀を立てること」ですので、その反対語とすれば「先々まで考えていない浅く大雑把な謀」や「その謀を立てること」になります。短慮軽率は「浅い考え」と「軽い行動」を表す言葉であり、反対語としては正確な表現ではありません。
深謀遠慮は「謀」や「謀を立てること」、短慮軽率は「考え方」と「行動」を表すためです。また「先々を考える」という点でも、短慮軽率にはその意味合いが込められていません。それでも深謀遠慮の反対語には短慮軽率が挙がるため、正確な反対語ではないけれども対比する意味ではあると捉えましょう。
深謀遠慮の使い方・例文も
深謀遠慮の使い方
深謀遠慮は、意味の通り「先々まで考えた深く緻密な謀」や「先々まで考えた深く緻密な謀を立てること」を表す時に使います。「深く緻密な謀」と「先々まで考えた謀」のどちらかではなく、そのどちらも含まれる状況や状態を表す時に使うのが深謀遠慮の正しい使い方です。
深慮遠謀や遠謀深慮といった漢字を並び替えただけの言葉もありますが、表したい内容によって使い分けると良いでしょう。しかし意味も意味合いも変わりないため、深い謀と遠くを慮るのか?深く慮り遠くまでの謀を立てるのか?といったことを考えると使い分けがしやすいです。
また、時と場合によっては転ばぬ先の杖・用意周到・百術千慮といった類語にした方が適切な場合もあります。転ばぬ先の杖は「事前の用心があれば失敗しないこと」用意周到は「しっかり用意できた状態」百術千慮は「思慮を巡らせ方法を色々考えること」といったように、各自意味に違いがあるためです。
例文「深謀遠慮の目論見」
例文その1「深慮遠謀の目論見(もくろみ)」の形が表すことは、「先々まで深く考えた緻密な計画」です。目論見は「計画・考え・企て」を意味するため、状況に合わせて「計画」「企て」「考え」のいずれかの言葉と同じ意味だと捉えましょう。
「深慮遠謀の目論見」を用いた例文には、「深慮遠謀の目論見は成功率が高い」「あの人は深慮遠謀の目論見を立てる人だから信用がおける」「この話し合いは深慮遠謀の目論見を立てるためだ」「深慮遠謀の目論見を立てないからこんなところで失敗したと思う」などがあります。
目論見を「計画」ではなく「企て」として使う場合は、どちらかと言えば悪い意味になります。先々まで深く緻密に考える理由が、悪事や悪徳的なものであるということです。目論見を「考え」の意味で使う時には、立てる(物事を成り立たせる)と言うよりは「発想(思い付いた)段階」と言えます。
例文「深謀遠慮を巡らす」
例文その2「深謀遠慮を巡らす」の形が表すことは、「先々まで深く考えた緻密な計画を立てるために種々の方向から考える様子」です。巡らすには「周りを囲むように」や「回転させる」などの意味もありますが、この形になる場合は「種々の方向から考える(思案する)」の意味で扱います。
「深謀遠慮を巡らす」を用いた例文には、「失敗がないよう深謀遠慮を巡らす」「彼は何かするにあたり必ず深謀遠慮を巡らす癖がある」「深謀遠慮を巡らすことなく事を済ませられるのが本望だよ」「全員が個々に深謀遠慮を巡らすようじゃまとまるはずもない」などがあります。
深謀遠慮は「先々まで深く細かく考える」こと、巡らすは「種々の方向から考える」ことですので、「考える」という行動に対してかなり頭を回転させている状態と言えます。ビジネスシーンではミスを極力減らすために深謀遠慮を巡らすべき状況がありますので、この形を使った表現を使う時もあるでしょう。
例文「深謀遠慮から出た」
例文その3「深謀遠慮から出た」の形が表すことは、「先々まで深く考えた緻密な計画からある事情や現象が発生した状況」です。簡単に言えば、「先々まで深く考えた緻密な計画から何かが生じた」ということです。
「深謀遠慮から出た」を用いた例文には、「遠謀深慮から出た善政になる」「深謀遠慮から出るのが何の役に立つのかを考えた方が良い、さすれば良い案が生まれるだろう」などがあります。現代でも使われる使い方という印象はあまりなく、昔の使い方として登場することが多い形です。
「深謀遠慮から出た」の形に使いにくさを感じる場合は、「深謀遠慮から生まれた」や「深謀遠慮から生じた」などの形に言い換えても問題ありません。表す内容によっては、「深謀遠慮は〜を生む」などの形にしても良いでしょう。出来る限り伝わりやすいよう、使う言葉を工夫することも大事です。
深謀遠慮は先を考えた深く緻密な謀を表す言葉!
深謀遠慮(しんぼうえんりょ)は、「先々まで考えた深く緻密な謀」や「そのような謀を立てること」を意味する言葉です。深慮遠謀や遠慮深謀といった漢字や言葉の位置を替えたバリエーションも存在しますが、これらは全て同じ意味となります。
使い分けたい場合は、深く慮る・深い謀・遠く慮る・遠い謀といった部分を意識してみましょう。深謀遠慮には転ばぬ先の杖・用意周到・百術千慮という類語も存在していますが、これら類語と深謀遠慮の意味は異なる部分があります。そのため、時と場合に合わせて類語も活用してください。
使い方については「深謀遠慮の目論見」「深謀遠慮を巡らす」「深謀遠慮から出た」がありますが、現代でよく使うのは前者2つの形です。目論見の部分は「計画・企て・考え」などに言い換えても良いため、表す内容に合わせた言葉を使ってみましょう。
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