さながらの意味とは?古語での意味と使い方・例文や類語の紹介も
「さながら」と言う言葉を聞いたことありますか?果たしてどのような意味なのでしょうか。古語での意味や、短文を使った使い方や例文、用法、類語までご紹介します!現代の日常会話ではあまり使うことがないかもしれないですが、目上の人との会話などいざという時に使えると一目置かれるかもしれませんよ!
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
さながらの意味・語源とは?
さながらの意味
「さながら」という言葉には、よく似ていること・そっくり・そのもの・そのまま・まるで・まったく・ひたすら・すべて、などの意味があります。他の何かと比較してとても似ているという状況を表現する時、いわゆる比喩時表現としてよく使われます。
また、「さながら」の後に打消しの言葉「ない」「あらず」がつく言葉をもってくる場合は、まったく・ひたすらという意味で使われます。この使い方も割と多いので、覚えておくといいでしょう。
なお、「さながら」という言葉は現代では日常的に使われることはあまりないので、使うタイミングや使い方がピンと来ない人が多いかもしれませんが、例えばビジネスシーンや結婚式のスピーチの時などのかしこまった時に使うといいでしょう。
さながらの語源・古語での使い方
「さながら」の語源は、副詞の「さ」に助詞の「ながら」が付いてできたものと言われています。副詞の「さ」は漢字で「然」と書き、そう・そのように、という意味があります。副詞の「ながら」は漢字で「乍ら」と書き、副詞に付けた場合、そろってそのまま、同じ状態にある、という意味があります。
古語での「さながら」の使い方については、宇治拾遺物語に「衣着ぬ妻子なども、さながら内にありけり」という原文があり、現代語に訳すると「衣服を身につけていない妻や子供なども、そのまま(家の)中にいた」という意味になります。
さながらの使い方・例文は?
さながらの短文を使った使い方・例文①昨日の雨はさながら滝のようだった
さながらの短文を使った使い方・例文・用法1つ目は、「昨日の雨はさながら滝のようだった」です。この例文の「さながら」の意味は、「まるで」という意味で使っています。昨日降った雨は、まるで滝のような雨だったということです。
「昨日はすごい雨だった」と言うよりも、雨の激しさが伝わる例文になっています。「滝のような雨」という表現にすることで、昨日建物の中にいて天気を知らなかった人にも、ものすごい雨だったということが分かりますね。
さながらを使わずに「昨日の雨は滝のようだった」と言うこともできますが、それだと単なる説明的なイメージになり、すごい雨だったということが伝わりにくいです。そこで「さながら」を付けることによって、滝のようにすごい雨だったんだなというように伝わります。
さながらの短文を使った使い方・例文・用法②モデルさながらの体型だ
さながらの短文を使った使い方・例文・用法2つ目は、「モデルさながらの体型だ」です。この例文の「さながら」の意味は、「そのもの」という意味で使っています。体型が本物のモデルそのものということです。
「モデルみたいな体型だ」と言うよりも、より本物のモデルに近いということが伝わる例文になっています。「モデルみたいな」という表現ではなく「モデルさながら」という表現にすることて、より一層、モデル体型のイメージが強く湧きますね。
さながらの短文を使った使い方・例文・用法③本番さながらの演技をする
さながらの短文を使った使い方・例文・用法3つ目は、「本番さながらの演技をする」です。この例文の「さながら」の意味は、「そのまま」という意味で使っています。本番ではないのにかかわらず、本番そのままの迫真の演技だったということです。
ただ「迫真の演技だった」と言うよりも、リハーサルとは思えない本番レベルの演技だったということが伝わる例文になっています。「本番さながら」という表現を使うことによって、リハーサルとはいえ本番と同じ演技力だったというイメージが伝わりますね。
さながらの使い方④あの人の言葉にはさながら心がこもっていない
さながらの短文を使った使い方・例文・用法4つ目は、「あの人の言葉にはさながら心がこもっていない」です。この例文の「さながら」の意味は、「まったく」という意味で使っています。あまり心がこもっていないのではなく、本当にまったくもって心がこもっていないということです。
ただ「心がこもっていない」と言うよりも、心がこもっていないレベルが高く伝わる例文になっています。「さながら心がこもってない」という表現をすることによって、軽いレベルで心がこもっていないのではなく、全然心がこもっていないというイメージが伝わりますね。
さながらの短文を使った使い方⑤昨日の台風で街はさながら瓦礫となった
さながらの短文を使った使い方・例文・用法5つ目は、「昨日の台風で街はさながら瓦礫となった」です。この例文の「さながら」の意味は、「すべて」という意味で使っています。街の一部だけではなく、街中すべてが瓦礫となったということです。
ただ「街は瓦礫となった」と言うよりも、瓦礫になったのは街全体ということが伝わる例文になっています。「街はさながら瓦礫となった」という表現をすることによって、すべてが瓦礫になったということが伝わるため、より一層深刻さが伝わりますね。
さながらの類語は?
さながらの類語①「あたかも」
さながらの類語1つ目は、「あたかも」です。あたかもの意味は、まるで・ちょうど・さながらという意味があります。「さながら」と意味が相互関係にあるので、類語として同じ意味で使われやすいです。
あたかもは、漢字では「恰も」「宛も」と書きますが、実際日常的にはひらがなの「あたかも」が使われています。あたかもは「ように」「ようだ」という言葉とセットで使われることが多く、「さながら」同様に、比喩的表現で使うことが多いです。
あたかもを使った例文を見てみましょう。「あの人はあたかも自分で目撃しかたのように事件のことを話している」この例文は、実際は自分は目撃していないのに、まるで自分で目撃したかのように話しているということです。あたかもを使うことにより、どんな風に話しているのかが伝わりやすくなりますね。
さながらの類語②「まるで」
さながらの類語2つ目は、「まるで」です。まるでの意味は、あたかも・さながら・まるっきり・すっかり・全然という意味があります。「あたかも」同様、「まるで」も「さながら」と意味が相互関係にあるので、類語として同じ意味で使われやすいです。
まるでは、漢字では「丸で」と書きますが、「あたかも」や「さながら」同様、日常的にはひらがなの「まるで」が使われています。まるでも、比喩的表現で使うことが多いですが、否定的な言葉を続けることでまさしくその状態であることを示す意味もあります。
まるでを使った例文①「まるで夢のような時間だ」この例文の場合は、夢ではないのに夢みたいな時間という比喩表現の方の使い方です。例文②「今日のテストはまるでだめだった」この例文の場合は、だめだったという状態を強調する使い方です。
さながらの類語③「例えるなら」
さながらの類語3つ目は、「例えるならば」です。例えるならばというのは、あるものを表現する際に別のもので喩えるさま、という意味があります。元々比喩的表現をする時に使う表現のため、「さながら」と同じ使い方ができます。
例えるならを使った例文を見てみましょう。「あの女性を花に例えるならバラだ」この例文は、ある女性の雰囲気や魅力を花に例えて伝えています。
話し相手が知っている物や他の人物に例えることで、その人が知らない物や人物についてイメージが湧きやすくなります。比喩表現することは、相手によって比喩の対象を変えることができ、非常に分かりやすく伝えられます。
さながらの英語は?
さながらの英語表記
さながらの英語表記は「Just like」です。本番さながらというのは「just like a real stage」と言います。また、「like」だけで表現することもあり、モデルさながらの体型だというのは、「It's like a model」と言います。
さながらの英語例文
昨日の雨はさながら滝のようだったというのは、「Yesterday 's rain was like a waterfall」と言います。
本番さながらの迫真の演技だったというのは、「It was a true acting just like the actual performance」と言います。
「さながら」は伝えたい内容を強調できる
「さながら」を使った表現は、基本的には比喩的表現で使われることが多いですが、伝えたい内容を、正しく且つ強調して伝えることができます。伝えたい内容を知らない人に、より正しく伝わるためには大事な部分を強調する必要がありますが、そういう時に「さながら」を上手に使いましょう。
他の何かに例えることによって分かりやすくなり、「さながら」を使わない表現よりもより一層強い表現になりますが、「さながら」には類語が多くあり、「さながら」以外でも同じように伝えることができます。
他の類語と差が出るのは、言葉を使う場面です。「さながら」は目上の人との会話やかしこまった状況で使うのに適しています。ビジネスシーンや結婚式のスピーチなどで使うといいでしょう。また、他の現代では珍しい言葉「さもありなん」についての記事もあるので、合わせてご覧ください。
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。