「会社様」の使い方や敬称は?殿や御中に企業名の領収書の宛名は?
取引先の会社に敬称をつけるとき、ついつい全部に「様」をつけてしまう人もいますよね。しかし実際には使用するルールなどが決まっています。今回は、会社での「様」の使い方や敬称をご紹介します。メールを送るときや領収書の宛名の書き方や、学位につける敬称、「殿」の使い方などもご紹介しますので併せて覚えましょう!
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
目次
会社宛に「様」の使い方のルールは?
会社名の「様」の使い方のルール①他の敬称との併用はできない
会社名の「様」の使い方のルール1つ目は、他の敬称との併用をしてはいけないことです。宛名で使う敬称は、「様」以外にも役職や御中、殿といった様々な敬称が存在します。これらを併用すると二重敬語になってしまうので、併用するのはマナー違反となります。
部長・社長・取締役などの役職名は敬称なので、「様」をつけないのが正しい使い方になります。名前がわかっている場合は「○○株式会社××社長」になりますが、「○○株式会社 社長 ××様」と役職と名前を入れ替えて最後に様をつけるのが一般的なルールとなっています。
会社名の「様」の使い方のルール②相手が特定できなくても企業名+様はNG
会社名の「様」の使い方のルール2つ目は、相手が特定できなくても企業名に「様」はつけないことです。「様」は、個人を特定して使う敬称です。そのため、会社名の後ろに「様」をつけるのは失礼になります。ひらがなやカタカナで「さま」「サマ」と書くこともありますが、砕けた表現になるのでビジネスでは避けましょう。
郵送など担当者へ送りたいけれど名前がわからない場合は、「ご担当者様」と記載しましょう。ご担当者「様」とすでに敬称がついているので、御中などの敬称を併用する必要はないので気をつけましょう。
会社名の「様」の使い方のルール③領収書は企業名+様が正しい
会社名の「様」の使い方のルール3つ目は、領収書は企業名に「様」が正式であることです。郵送の場合は会社の中の誰かに宛てる意味で御中を使いますが、領収書の場合は個人もしくはその企業に対して発行するものなので、会社そのものを特定しています。
相手を特定するときは「様」を使うので、領収書の宛名は「○○株式会社様」と表現するのが正しいとされています。一般的には「様」が印刷された領収書を使用しているので、誤って「御中」に書き直すなどしないように気をつけましょう。
会社宛に「様」と「御中」の使い分けは?
御中は相手が特定できない場合に使う宛名の敬称
「御中」は、書類を郵送するときなどに相手が特定できない場合のみしようする敬称です。その会社や部署の皆様という意味になります。「会社・部署に所属するどなたかに読んでもらいたい」ときに、御中を使用するのが適切です。ダイレクトメールや挨拶状などの場合は、御中を使うのがおすすめです。
御中は、返信用封筒やハガキに書かれた「行」という字を消さなくても良いようにという配慮から、「御」という字を使った表現をするようになったと言われています。ただし、現在では書き足しは失礼に当たるとされ、「行」を二重線で消して「御中」と書き直すのがマナーです。
会社宛の「様」と「御中」の使い方①会社・部署への団体宛の場合
会社宛の「様」と「御中」の使い方1つ目は、会社や部署への団体に宛てたときの使い方です。会社や部署などの団体に宛てた場合は、必ず「御中」を使用しましょう。例外として、文書内に企業名を入れる場合は社名のみではなく「○○株式会社様」と記載できますが、できるだけ御社などの表現をするのが良いでしょう。
- ・①会社へ宛てたときの正しい表現・誤った表現
- ・良い例:××株式会社 御中
- ・悪い例:○○株式会社 様
- ・②部署へ宛てたときの正しい表現・誤った表現
- ・良い例:××株式会社 △△課 御中
- ・悪い例:○○株式会社 △△課 様
会社や部署への団体に宛てたときの使い方
会社宛の「様」と「御中」の使い方②会社・部署の中の個人宛の場合
会社宛の「様」と「御中」の使い方2つ目は、会社や部署の中の個人に宛てたときの使い方です。郵送やメールを送るときに個人が特定されている場合は、「様」を使いましょう。御中を併用して二重敬語にならないよう注意が必要です。また、担当者が2人いて連名で送る場合は、それぞれに「様」をつけるのがマナーです。
- ・①会社の中の個人へ宛てたときの正しい表現・誤った表現
- ・良い例:××株式会社 ○○ 様
- ・悪い例:○○株式会社 御中 ×× 様
- ・②部署の中の個人へ宛てたときの正しい表現・誤った表現
- ・良い例:××株式会社 △△課 ○○ 様
- ・悪い例:○○株式会社 △△課 御中 ×× 様
会社や部署の中の個人に宛てたときの使い方
会社宛の「様」と「御中」の使い方③会社・部署の中の役職宛の場合
会社宛の「様」と「御中」の使い方3つ目は、会社や部署の中の役職に宛てたときの使い方です。役職は敬称扱いになるので、役職の後ろに「様」をつけると「様様」という意味になってしまうので重ねないようにしましょう。役職名だけで送っても間違いではありませんが、不快に感じる人もいるので注意が必要です。
- ・会社の中の個人へ宛てたときの正しい表現・誤った表現
- ・良い例:××株式会社 部長 ○○ 様
- ・悪い例:○○株式会社 ××部長 様
- ・ ○○株式会社 ×× 部長(正しい使い方ですが、使用する相手に気をつける必要があります。)
会社や部署の中の役職に宛てたときの使い方
会社宛の「様」と「御中」の使い方④会社・部署の担当者宛の場合
会社宛の「様」と「御中」の使い方4つ目は、会社や部署の担当者に宛てたときの使い方です。担当者の名前がわからないけれど、担当者の人に特定して郵送やメールを送りたいときは、「ご担当者様」を使いましょう。部署に御中で送ってしまうと担当ではない人が見ても良い文書になってしまうので注意が必要です。
- ・会社の中の個人へ宛てたときの正しい表現・誤った表現
- ・良い例:××株式会社 ○○ご担当者 様
- ・悪い例:○○株式会社 ××ご担当者 御中
- ・ ○○株式会社 御中 ××ご担当者 様
会社や部署の中の担当者に宛てたときの使い方
ここに御中の使い方を特集した関連記事があるので、参考にしてみてください。正しいと思っていたことが違っていたり、時の流れに沿って変わることもあるので見直してみましょう。
会社宛に「様」と「殿」の使い分けは?
殿は目下に使う敬称として社内・社外どちらも目上の人には使わない
「殿」は、部下や後輩など目下の人に使う敬称とされていて、上司や先輩など目上の人に使用することは失礼に当たるとされています。そのため、取引先やお客様に対して殿を使うことは控えるのがマナーです。
昔、官公庁からの送付物は「殿」で送られてきていましたが、「市民を下に見ている」と苦情が発生したため、現在では多くの官公庁が「様」で送付するようになってきています。
会社宛の「様」と「殿」の使い分け方①メールを送るとき
会社宛の「様」と「殿」の使い分け方1つ目は、メールを送るときの使い分け方です。自社内の部下などの目下の相手に対して「殿」を使うことができます。逆に目上の人や取引先、お客様には必ず「様」を使うようにしましょう。現代では、使い分けを間違えないよう「様」に統一する会社も多いようです。
- ・部下や後輩など:△△課 ○○ 殿
- ・上司や取引先など:××株式会社 ○○ 様
メールを送るときの使い分け方
会社宛の「様」と「殿」の使い分け方②役職のあとに敬称をつけるとき
会社宛の「様」と「殿」の使い分け方2つ目は、役職のあとに敬称をつけるときの使い分け方です。「様」と「御中」の使い方でもご紹介したとおり、役職の後ろに「様」をつけることはできません。どうしても役職の後ろに敬称を使いたいときは、「殿」を使いましょう。正式な文書では、「殿」を用いる場合が多いそうです。
- ・「殿」を使う場合:△△課 ○○営業部長 殿
- ・「様」を使う場合:△△課 営業部長 ○○ 様
役職のあとに敬称をつけるときの使い分け方
会社宛の「様」と「殿」の使い分け方③男性と女性と性別で分けるとき
会社宛の「様」と「殿」の使い分け方3つ目は、性別での使い分け方です。「殿」という言葉は、古くから女性から男性に向けて使用する言葉として考えられています。目下の人に使う言葉ともされているので、女性に対して使用すると「見下されている」と勘違いされてしまうかもしれません。女性への使用は控えましょう。
- ・男性の部下・後輩へ使用する場合:△△課 ○○ 殿
- ・男性の上司・先輩へ使用する場合:△△課 ○○ 様
- ・女性へ使用する場合:△△課 ○○ 様
性別での使い分け方
会社宛の敬称のマナーとは?
会社宛の敬称のマナー①相手を特定せず複数の人に送る場合は「各位」
会社宛の敬称のマナー1つ目は、相手を特定せずに複数の人に書類やメールを送る場合は「各位」を使うことです。「各位」は2人以上の人に対して敬意を示す敬称で、皆様方という意味があります。社員全員など同じ書類を複数の人に宛てて書く場合は、「社員各位」で「社員の皆様へ」と同じ意味になります。
各位は、大人数でも1人1人に対しての敬称になるので「様」や「御中」などの敬称を重ねて使用することはできません。唯一例外として「お客様各位」という使い方は、現在でも友好的に使用されています。
- ・①お客様各位:お客様全般に向けた書面に使います。
- ・②お取引先各位:取引先全般に向けた書面に使います。
- ・③会員各位:会員の方全般に向けた書面に使います。
- ・④従業員各位:従業員全般に向けた社内文書に使います。
- ・⑤担当者各位:関係する担当者全般に向けた書面に使います。
よく使われる「各位」を使った表現一覧
会社宛の敬称のマナー②自社の社員は上司でも敬称をつけない
会社宛の敬称のマナー2つ目は、社外に対して社内の人間には敬称をつけないことです。社内で上司や先輩を呼ぶときは「○○部長」や「××さん」など役職やさん付けで呼びます。しかし、取引先でお話しているときや電話を受けたときなど社外の人と話すときは「部長の○○」や「担当の××」など呼び捨てにするのが原則です。
先輩や上司に対して呼び捨てにするのはマナー違反のように見えますが、実は社外の人に対してさん付けや役職で呼ぶことがマナー違反となります。間違えないように気をつけましょう。
- ・①上司や先輩宛ての電話で相手に外出していることを伝えるとき
- ・○:ただいま部長の○○は外出しております。
- ・×:ただいま○○部長は外出しております。
- ・②取引先の人に上司や先輩を紹介するとき
- ・○:私どもの部長の○○でございます。
- ・×:私どもの○○部長でございます。
社外の人に社内の人の名前を告げるときの例
会社宛の敬称のマナー③学位+様は二重敬語になるので使わない
会社宛の敬称のマナー2つ目は、学位は敬称の1つなので「様」などの敬称を重ねないことです。日本にある学位は、大学卒業した人が持っている学士と短大卒業した人が持っている短期大学士、大学院過程を修了した人が持つ修士・博士、専門職大学院を修了した人が持つ専門職学位の5つがあります。
学位は全て敬称に当たるので、「様」や「殿」など重ねて使うと二重敬語となってしまいます。「様」などの敬称を用いるときは、役職と同じように「博士 ○○様」など名前の前に学位を書きましょう。他にも学校や病院の「先生」も学位として敬称として扱われるので、ほかの敬称を重ねないように気をつける必要があります。
会社で使う様や御中などの正しい敬称を学びましょう!
会社での「様」の使い方やその他の敬称をいくつかご紹介しましたが、いかがでしたか?郵送なのか領収書なのかでも使い方に違いがあったり、学位や役職があるだけで敬称の使い方が異なるなど、細かいルールがたくさんあります。書類やメールは仕事をする上で欠かせないものなので、正しい敬称の使い方を身に付けましょう!
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。