お手を煩わせるの意味は?類語や英語・メールでの敬語の使い方も
「お手を煩わせる」の意味は「苦労すること相手にかける」すなわち「相手に面倒や手間をかけること」ですが、「気を煩わせる」や「手間を取らせる」といった類語表現が豊富に存在します。敬語としてビジネスメールでも見かけるため、正しい使い方を学んでおきましょう。英語表現もご紹介!
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お手を煩わせるの意味や類語
お手を煩わせるの意味は「煩う(苦労する)」が由来
「お手を煩わせる」は「手を煩わせる」に丁寧な接頭辞「お」を付けた表現なので敬語の類になりますが、意味を知らないことには使えませんのでご紹介します。敬語表現「お手を煩わせる」のもとになる「手を煩わせる」の意味は、「煩う」という言葉が由来になっています。
「煩う」には「あれこれ心をいためる(思い悩む・心配する・憂う)」と「〜しかねる・なかなか〜できない」の意味、そして「うまくいかず苦労する(苦しむ)」の意味があります。「手を煩わせる」の形で使う時には「苦労する」の意味が用いられますが、「煩わせる」なので「相手に苦労をさせる」意味になります。
「手」の方は「手を使うこと」=「行うこと」を表すため、「手を煩わせる」の意味は「相手に苦労を行わせる」ということになります。しかし、実際の意味では「行うことに苦労がある」を「手間や面倒をさせる」と連想しているため「相手に面倒や手間をかけさせる」意味で使います。
お手を煩わせるの類語①「お手間を取らせる」
「お手間を取らせる」の意味は「労力や時間を費やさせる」ですが、「手間を取らせる」の「手間」に丁寧の接頭辞「お」を付けた敬語なので、ニュアンスは意味よりも柔らかい感じになります。
「手間」には「手間をかける」の表現もありますが、「手間をかける」は「自分が手間をかけた」意味です。「相手が手間をかけてくれた」場合は「取らせる」にします。
お手を煩わせるの類語②「お手数をかける」
「お手数をかける」の意味は「面倒をかけたり手間を取らせる」であり、「手(行うこと・動くこと)が多い」というイメージから生まれた言葉だと言われています。言いやすいこともあって、ビジネスシーンでもよく用いられます。
お手を煩わせるの類語③「お手を焼かせる」
「お手を焼かせる」の意味は、「扱いや処理に関した苦労をさせる」です。「お手を煩わせる」とは表していることが少し違うように思えますが、「行動に際した苦労をさせる」点で類語に挙がります。
お手を煩わせるの類語④「ご面倒をかける」
「面倒をかける」の意味は「労力や時間を費やすことをしてもらう」で、言い換えれば「世話になる」ことを表します。敬語にすべき時は「面倒」に「ご」を付けて、文末を丁寧語表現にした「ご面倒をかけます」などの形で用います。ちなみに接頭辞「お」と「ご」は同じ言葉(御)であり、意味的な違いはありません。
お手を煩わせるの類語⑤「ご迷惑をかける」
「ご迷惑をかける」の意味は「迷惑な思いをさせる」であり、「相手が困ったり手間を取ったりするような負担を強いること」を表す時に使います。特徴は「強いる」ニュアンスがあるという点で、比較的に「相手が仕方なくそれをしなければならない意味合いが含まれている」ようです。
お手を煩わせるの類語⑥「骨を折らせる」
「骨を折らせる」の意味は「苦労をさせる・力を尽くさせる」で、「使い過ぎて骨が折れるくらい労力を費やさせる」ニュアンスがあります。ただし、あくまでニュアンスです。本当に骨が折れることを表しているわけではありません。
「骨を折る」には「嫌がらないで人の世話をする」の意味もありますが、「嫌がらず行動しているのか分かるのは当人だけ」なので「苦労や尽力をさせる側」が使える意味ではありません。相手に「骨を折らせる」場合は、「苦労をさせる・力を尽くさせる」意味で使います。
お手を煩わせるの類語⑦「気を煩わせる」
「気を煩わせる」は「お手を煩わせる」とよく似ていますが、「手」ではなく「気」なので「心配させる」意味を表す表現だと言われています。「お手を煩わせる」は「手(行動面)」についてのことを表すため意味としては違いが見られますが、「気を煩わせる」が類語に挙げられることもあります。
お手を煩わせるを使うときのポイント
ポイント①落ち度による迷惑や頼み事がある時に使う
「お手を煩わせる」は「相手に面倒(かける労力)や手間(費やす労力や時間)をかけさせる」意味で使う言葉だとご紹介しましたが、そのような言葉的な意味だけでなく、どのような時に用いるのか?も確認しておきましょう。
相手に面倒や手間をかけさせる状況といっても色々ありますが、「お手を煩わせる」を用いるのは「自分の落ち度による迷惑をかけてしまった時」や「頼み事をする時」です。前者の状況では「面倒や手間をかけた後」に、「自分のミスを補うために誰かが労力や時間を費やしてくれた」時に「お詫び」の意味合いで使います。
後者の状況では「面倒や手間をかける前」に、「労力や時間を費やすことなので申し訳ないけど頼みたい」ことを表す時に「気が引ける」意味合いを込めた「クッション(印象を柔らかくする表現)」の役割で使います。「お手を煩わせる」は「よろしくお願いします」と共に使うことも多いため、以下の記事も参考になるでしょう。
ポイント②目上にも使える敬語だが語末部分の敬語化も忘れずに
「お手を煩わせる」は丁寧語表現なので敬語の類として目上に対しても使うことは出来ますが、ビジネスシーンや目上の相手に使う際には「煩わせる」の語末部分を敬語表現にする必要があります。しかし、「お手を煩わせます」などの使い方はあまりしません。印象的にも、遠慮がない感じを与えてしまいます。
そこで、敬語表現と組み合わせる工夫をします。「お手を煩わせる」をビジネスシーンや目上に対して使う時には、「お手を煩わせる」に「かもしれませんが」や「かと思いますが」を付けたり、「お手を煩わせて」の形にして「申し訳ありません」や「しまうのは承知の上でお願いしておりますが」などを付けたりします。
面倒や手間=労力や時間を費やしてくれた・費やしてもらうわけですから、ちゃんと気遣いや感謝の気持ちが伝わるように表現した方が良いでしょう。特に目上に対しては社会的な問題もあるため、ちゃんと伝わるように「お手を煩わせる」に工夫を施した使い方をした方が良いです。
ポイント③メールでは「手間を取らせる・気を煩わせる」など言い換えも大事
「お手を煩わせる」はビジネスメールの中でも使用可能な表現ですが、場合によっては「気を煩わせる」「手間を取らせる」「お手数をかける」「お手を焼かせる」「面倒をかける」「ご迷惑をかける」「骨を折らせる」「気を煩わせる」といった類語の中から言い換えを選んだ方が良いこともあります。
メールは基本的に文章だけのものであり、表情や口調が無い分言葉の意味をダイレクトに受け取られる可能性が高くなります。「お手を煩わせる」でももちろん問題はありませんが、メールや手紙では一々意味合いの説明を細かくできないこともあるため、伝えたいことが伝わりやすいように使う言葉を選ぶことも大事です。
「お手数をおかけいたします」「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」「お手を焼かせることのないよう以後気を付けます」「〇〇様のお手間を取らせるほどのことではありません」「お気を煩わせることのないよう努力いたします」など、伝えたい内容や状況よっては「お手を煩わせる」以外が適することもあります。
お手を煩わせるの使い方
使い方①お手を煩わせて申し訳ありません
「お手を煩わせて申し訳ありません」は、目上に対する使い方をご紹介した中で登場した表現です。「申し訳ありません」は「謝る気持ち」を表しているため、「お手を煩わせて申し訳ありません」の意味は「面倒や手間をかけさせて済まない」になります。
迷惑という名の面倒や手間をかけさせた後に使うことが多い表現ですが、「お手を煩わせて申し訳ありませんが○○についての資料作成をお願いできませんか?」などのように「お手を煩わせて申し訳ありませんが」の形にすることで頼み事をする時にも使えます。
使い方②お手を煩わせるわけにはいきません
「お手を煩わせるわけにはいきません」は、「あなたに面倒や手間をかけさせることはできない・かけさせたくない」の意味で使います。使い方には、「行わなくて良いことをやんわりと事前に伝える時」と「手助けなどの申し出を断る時」があります。
前者の使い方は「お忙しい中お手を煩わせるわけにはいきませんので、ご返信は不要でございます。」などがあり、これは主にメールで用いられます。後者の使い方は「○○様のお手を煩わせるわけにはいきませんので、私にお任せください。」などがあります。
使い方③お手を煩わせることになるかもしれませんが
「お手を煩わせることになるかもしれませんが」は、「あなたに面倒や手間をかけることになる可能性がある」ことを意味する表現です。「今ではなく後に面倒や手間をかける可能性も考えておいて」と事前に伝えておく、気遣いの表現とされます。
ビジネスシーンでは「弊社のものがお手を煩わせることになるかもしれませんが、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。」といった使い方をされることが多いです。実際には相手に面倒や手間をかけない場合もありますが、その可能性が考えられる時に気遣いの意味を込めて使います。
お手を煩わせるの英語は
英語①bother
「お手を煩わせる」を英語で表現したい時には、「困らせる・邪魔をする」といった意味を持つ「bother(バァザー)」を使うことが多いと言われています。「give somebody bother(ギブ・サムボディー・トラブル、バァザー)」と言う英語表現にすることで、「お手を煩わせる」の意味になります。
英語②trouble
「trouble(トラブル)」は「いざこざ」などを意味し、日本語の中でもよく用いられる英語です。「お手を煩わせる」を表したい時は、botherのように「give somebody trouble(ギブ・サムボディー・トラブル)」の英語文で表現できます。
また、「I'm sorry to cause you trouble(アイム・ソーリー・トゥ・コーズ・ユー・トラブル)」にすると「迷惑をかけてすみません」の意味になります。「お手を煩わせて申し訳ありません」を英語にする際は、こちらの表現が敵すると言えます。
英語③mishap
「mishap(ミスハップ)」は「不幸な出来事・不運」などを表す英語です。「I'm sorry for the mishap(アイム・ソーリー・フォー・ザ・ミスハップ)」の形で、「自分の落ち度によって相手に迷惑をかけたこと」に対する「お手を煩わせて申し訳ありません」を表す時に使います。
類語との違いを意識して「お手を煩わせる」を使ってみよう!
「お手を煩わせる」の意味は「相手に面倒や手間をかけさせる・相手に苦労をかける」であり、「お手を煩わせます」などの形にすることで文頭〜文末まで丁寧語になっている表現としてビジネスシーンでも使用できます。
「手間を取らせる」や「気を煩わせる」など類語が豊富なため、それらの表現と「お手を煩わせる」が持つ意味やニュアンスの違いを考えて使い分けましょう。同じような意味でも「手」と「手間・手数・迷惑・面倒」などとは与える印象・伝わり方が異なるため、その辺も考えて使うと思うことが伝わりやすくなります。
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