レトリック(rhetoric)の意味とは?修辞法の使い方・例文9選!
読んで楽しい文章はレトリックが関係しているのを知っていますか?レトリックとは修辞法のことを言い、表現技法の1つです。また詭弁という意味がよく似た言葉もあります。その違いをご存知でしょうか?修辞法の具体例や例文、英語表現もまとめていますので、ぜひ学んでみませんか?
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目次
レトリックとは?意味と英語表記は?
レトリックの意味とは①修辞法
レトリックの意味の1つ目は修辞法です。修辞法とは、表現を豊かにする技法のことで、文章表現やスピーチを上手く聞かせることができる方法です。ギリシアやローマ時代では学問として扱われており、その時の哲学者や政治家などが演説をして聴衆を説得するために活用されていました。現代では技術として伝わっています。
レトリックの意味とは②聞き心地の良いうわべの言葉
レトリックの意味の2つ目は聞き心地の良いうわべの言葉です。例えば「彼の言葉のレトリックがすごかった」という文章があります。彼の言葉は自分にとって都合が良く、聞き心地の良かった、という意味です。ただし表面的というニュアンスがあるので、心のこもった言葉ではないことを示しています。
修辞法の歴史は古代ギリシャ・ローマ時代から始まる
修辞法の大本である修辞学が生まれたのは古代ギリシャ時代です。雄弁家という職業が存在しており、文字通り人々に語りかけ、説得することが仕事でした。また演説作家と呼ばれる文字で説得することが生業の人もいました。その雄弁家や演説作家の中でも特に優れた人はアッティカ十大雄弁家として歴史に残っています。
修辞学はギリシャ時代ではまだ学問として成立していませんでした。本格的に理論立てて学問化したのはローマ時代からです。主にキケロ、クィンティリアヌスというローマ人が修辞技術の学問化に大きく貢献しました。近代に進むにつれて技法が細分化されていき、学び修めるものと言うより表現技術という扱いに変化しました。
レトリックを英語表記するとRhetoric
レトリックを英語表記するとRhetoricとなります。語源はギリシャ語の話し方という言葉から来ています。意味は日本語と同じで、修辞法、美辞麗句、誇張です。ちなみに修辞法関連する言葉として隠喩はmetaphor(メタファー)、擬人法はpersonification(パーソニフィケーション)といいます。
日本語のレトリック(rhetoric)の使い方とは?具体例・例文9選!
日本語のレトリック具体例・例文①比喩の使い方
日本語のレトリックの具体例・例文の1つ目は比喩の使い方です。比喩とはまるで…のようだという、文章の表現のことです。例えば「祖父のヒゲはサンタクロースのようだ」という文章では、サンタクロースのようだの部分が直喩です。具体的なイメージを人に伝えたいとき、別の物と比較すると分かりやすいですよね。
比喩表現にはもう一つ種類があり、隠喩と言います。隠喩はまるで…ようだという表現を使いません。例えば「祖父のヒゲはサンタクロースだ」という文章は隠喩表現です。直喩と隠喩はどのように表現するかが違うだけで、意味は一緒です。しかし、隠喩の方がより洗練されていてこなれた書き方だというイメージがあります。
日本語のレトリック具体例・例文②擬人法の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の2つ目は擬人法の使い方です。擬人法とは物を人のように例える方法です。例をあげると「私は布団に抱きしめられている」という文章では、布団に抱きしめられているという部分が擬人法になります。物を人の動作に例えることで、親しみを感じる表現になります。
擬人法のほかに擬物法という手法もあります。逆のパターンで、人を物で例える方法です。例をあげると「彼の心を例えるなら海だ」という文章では、海だという部分が擬物法です。彼の心を海で例えることでどれくらい広いかを表現しています。実体のないモノを物体で表すことで、具体的にイメージしやすくなります。
日本語のレトリック具体例・例文③誇張法の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の3つ目は誇張法の使い方です。誇張法とはおおげさに表現することです。例えば「天地がひっくり返ってもありえない」という言葉があります。天地がひっくり返ってもという部分が誇張法です。おおげさに伝えることで、実感を持った説得力のある表現になります。
日本語のレトリック具体例・例文④反語の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の4つ目は反語の使い方です。反語とは疑問形で断定する表現です。例えば「だれがこんな事態を想定しただろうか?」という文章では、だろうか?という部分が反語になっています。問いかけていますが、この事態は誰も想定できなかったね、という断定的なニュアンスを含んでいます。
日本語のレトリック具体例・例文⑤畳句法の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の5つ目は畳句法の使い方です。畳句法とは言葉を重ねて言う表現法です。例えば「彼女は良く遅れる。前も遅れた。そして今日も遅れた。きっと次も遅れる」という文章では、遅れるという言葉を何度も繰り返し使い、さんざん遅刻されていることを表現しています。
畳句は畳語法、畳音法とも呼ばれています。上記の例文はほんの一例であり、さまざまな言葉を重ねる表現があります。例えば「そうそう、それが必要だったのよ」「バラバラバラバラ…。目の前で破られた紙が宙を舞った」という表現もあります。
日本語のレトリック具体例・例文⑥冗語法の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の6つ目は冗語法の使い方です。冗語法とは、一つの物事を表現するためにくどいほど過剰に言葉を使うことです。例えば「確かに私はこの足でたどり着いた」という文章では、この足でという部分が冗語法です。言う必要のないことを、わざわざ表現することでより豊かな文章表現になります。
冗語法の使い方はほかにもあり「まさか、本当に、マジで」という文章も冗語になります。3語ともすべて文章上では同じような意味ですが、わざわざ同じ表現を言うことで、信じられないことがより伝わる文章表現となっています。ほかにも「あのチームが勝った?あのチームが?」という文章も冗語です。
日本語のレトリック具体例・例文⑦同語反復の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の7つ目は同御反復の使い方です。同語反復とは、同じ言葉を二度繰り返して内容を強調する表現です。例えば「君は君、僕は僕だ」という文章では君と僕という言葉を二度繰り返しています。君と僕は違う価値観の人間だ、という主張を言葉の反復で表現しています。
同語反復はトートロジーとも呼ばれます。ほかの例をあげると「それはそれ、これはこれ」「契約は契約であり、契約以外の何物でもない」という表現もあります。後者の表現は、つまり契約なのだ、ということしか言っていませんが、言葉遊びとも解釈できます。
日本語のレトリック具体例・例文⑧呼びかけ法の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の8つ目は呼びかけ法の使い方です。呼びかけ法とはそのままの意味で、…よ!という呼びかけの表現です。例えば「神よ、どうか教えてください」という文章では、神よと言う部分が呼びかけ法です。この手法が使えるのは呼びかける対象がいない時です。いる場合は呼んでいるだけになります。
呼びかけ法でもっとも有名なものは「おお、ロミオ、ロミオ、なぜあなたはロミオなの?」というシェイクスピアのロミオとジュリエットではないでしょうか。小説などでよく見られて分かりやすいレトリックですね。
日本語のレトリック具体例・例文⑨倒置法の使い方
日本語のレトリック具体例・例文の9つ目は倒置法の使い方です。倒置法とは、目的語を最後に配置する表現です。例えば「私は淹れた、コーヒーを」という文章ではコーヒーをという部分が倒置法です。普通は私はコーヒーを淹れたと目的語が最後になりますが、逆転して配置することで、最後の単語を強調することができます。
英語のレトリック(rhetoric)の使い方や具体例・例文とは?
英語のレトリック具体例・例文①直喩の使い方
as black as coal
引用元: 英語で悩むあなたのために
英語のレトリック具体例・例文の1つ目は直喩の使い方です。上記の例文のas black as coalは直訳でまるで石炭のように黒いという意味になります。as…as…は同じぐらいという同格の表現で広く知られていますが、直喩の場合でもas…as…という表現を使うことができます。
英語のレトリック具体例・例文②隠喩の使い方
it is raining cats and dogs.
引用元: EF English Live
英語のレトリック具体例・例文の2つ目は隠喩の使い方です。上記の例文をそのまま解釈すると、雨が降っていることと、猫と犬という意味になります。一見訳が分かりませんが英語の隠喩表現で、土砂降りの雨という意味になります。
日本語でも時は金なりという言葉があるように、英語の隠喩表現がそのまま日常の言葉として定着してしまっているものもあります。
レトリックと似た言葉の意味とは?rhetoricとの違いは?
詭弁というレトリックとよく似た言葉がある
詭弁という言葉を知っていますか?レトリックとよく似た意味を持つ言葉です。詭弁が生まれた時期もレトリックが発達しだした古代ギリシャ時代の頃だと言われています。雄弁家という弁の立つ演説家が増える一方で、口の上手さを悪用する詭弁家と呼ばれる人達も同じように増えたとされています。
レトリックと詭弁の違いは説得で相手をわざと騙す意図があるか
レトリックと詭弁、雄弁家と詭弁家の違いは一体何だったのでしょうか。それは説得により相手を意図的に騙すのかどうかです。詭弁とは、実は間違っていることをさも論理的に正しいように聞かせて騙すことを指します。騙す意図に気付くような気もしますが、人間の心理現象を上手くついているので意外と聞き手は気づきません。
レトリックは英語でrhetoricだが詭弁はsophismという
レトリックの英語はそのままrhetoricですが、詭弁はsophistryと言います。詭弁がsophistryと言われるようになった歴史を踏まえた理由があります。雄弁家が増える一方、詭弁家も増えた古代ギリシャ時代ですが、その詭弁家にはソフィストと呼ばれる人たちが多くいました。
もともとソフィストは教育者や徳を教えるという立場の人達でした。しかし、弁が立つことを逆手に取り、徳を知らないのに徳を人に説いたり、誠実な議論の方法ではなく無理やり論理を通す詭弁を教えるなどの噂が立ち、民衆のソフィストに対するイメージは悪化しました。
そういった経緯で、ソフィストは詭弁家であるという悪いイメージが定着し、詭弁のことをsophismと呼ぶようになり今日に至ります。詭弁の英単語であるsophismの語源はソフィストから来ています。
レトリックを使いこなせば読んで楽しい文章表現になる
以上がレトリックの意味と、修辞法の使い方、詭弁との違いなどでした。英語にも修辞法を使った表現があり、日本語の感覚では思いつかない表現も多いので、調べてみると面白いです。修辞法も様々な技法があり、ほかにも紹介しきれなかったものがあります。もし興味があれば調べてみてはいかがでしょうか。
レトリックを使いこなすと生き生きとした表現が身に付き、読み手が楽しく読める文章に変わります。伝える文章に自信がなければ、修辞法を参考にするのも一つの方法です。ほかにも文章力を向上させる方法について書いた記事もありますので、興味があれば是非ご覧ください。
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