「となります」の意味と使い方|「になります」との違いと間違い例も
日本語では「なります」という表現を使う時に「となります」「になります」と、助詞がわずか一文字違うだけで意味が大きく変わってきます。ここではそれぞれの意味や使い方、そして敬語に関しても言及していきます。間違いに該当する使い方をしないために、今一度確認しておきましょう。
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目次
「となります」の意味は?
「となります」は作用の結果を表し「となる」の敬語表現を意味する
「となります」という表現は作用の結果を表します。何かアクションを起こしたことによってそのような結果になったことを表しているのです。例えば「豪雨のためイベントが中止となります」という言い回しは、豪雨の作用によってイベントが中止になったという作用の結果を表しています。
また、「となります」という表現は「となる」の敬語表現を意味する言葉です。例えば「豪雨のためイベントが中止となる」という表現は「豪雨のためイベントが中止となります」という言い方に置き換えることができます。とはいえ敬語と言っても丁寧語に該当する表現なので、ビジネスではより丁寧な表現が必要になります。
「になります」を「となります」に置き換えて使える場合は意外性を表す
「になります」を「となります」に置き換えて使える場合は意外性を表す場合があります。「になります」と「となります」という2つの表現は、どちらも使える場合が少なくありません。例えば「豪雨のためイベントが中止となります」という表現は「豪雨のためイベントが中止になります」と言い換えることもできます。
イベントに関しては基本的に中止になる前提はないので、やむを得ず中止になるという特殊な状況を加味して相手に伝えるため「豪雨のためイベントが中止となります」という表現になります。また一方で野外であれば豪雨だと当然中止になるので意外性を示さない「豪雨のためイベントが中止になります」という表現も可能です。
「となります」の使い方5選!
「となります」の使い方①第四日曜日のみ営業となります
「となります」の使い方の1つ目は「第四日曜日のみ休業となります」という表現です。この表現は、第四日曜日のみ休業となるイレギュラーを「になります」よりも強調した言い方になっています。毎週日曜日が休みであるという状況よりも、第四日曜日のみが休業だという状況では、休業日に気をつける必要があります。
そのため、意外性を強調して相手方に休業日を伝えるために「第四日曜日のみ休業となります」と伝えるのです。この表現は他にも「毎月第四日曜日が休業です」と伝えることもできます。「第四日曜日のみ休業になります」という使い方だと相手方に伝わりづらい可能性がありますのでこの場合は「となります」を使います。
「となります」の使い方②行政指導が入りトイレ内は完全禁煙となります
「となります」の使い方の2つ目は「行政指導が入りトイレ内は完全禁煙となります」という表現です。この表現は、以前はトイレ内でたばこを吸っている人がいたものの、今後は完全禁煙になることを強調している言い回しになります。ずっとトイレ内でたばこが吸えると思っている人にとっては青天の霹靂と言える出来事です。
また、この例文の場合だと相手方に対しての重大な変更の周知となりますので、「になります」という表現だとニュアンスに不足があります。そのため、ここでは「となります」という表現が適切です。このような大幅な変更をアナウンスする場合には、「となります」の使用を認識しておきましょう。
「となります」の使い方③予想外の人気で売り切れとなります
「となります」の使い方の3つ目は「予想外の人気で売り切れとなります」という表現です。この表現は予想外に人気が出てしまったという作用によって、売り切れという結果を招くことを示しています。例文のような状況だと時系列によっては「予想外の人気で売り切れとなっています」という表現も想定されます。
「となります」という表現は時系列によって「となります」「となっています」「となりました」といった形で活用できます。この場合はすでに売り切れになっていることを強調する場合には「予想外の人気ですでに売り切れとなりました」という言い換えることもできます。状況に応じて使い分けるようにしましょう。
「となります」の使い方④ただ今満席となります
「となります」の使い方の4つ目は「ただ今満席となります」という表現です。この表現は「ただ今満席になります」という表現もよく聞かれる表現ですが、「ただ今満席になります」という表現は間違った敬語表現であり、「ただ今満席となります」という表現が正しい敬語表現になります。
もちろん敬語表現にこだわらなければ「ただ今満席となります」「ただ今満席になります」のどちらも使えるのですが、敬語表現にこだわる場合には「ただ今満席でございます」という言い回しになります。「ただ今満席になります」という表現はこれから満席になるという解釈もできるので、使わない方がいい表現と言えます。
「となります」の使い方⑤以上となります
「となります」の使い方の5つ目は「以上となります」という表現です。この表現は職務経歴書やビジネス文書においてよく使われる表現になります。文章がこれ以上続かないことを意味しています。「以上になります」という表現と迷うかもしれませんが「以上となります」が正しい表現ですので覚えておきましょう。
ちなみに下記の関連記事は履歴書や職務経歴書の書き方をまとめたおすすめの関連記事です。「以上となります」という使い方も含めて一緒に読むと役に立つ内容になっています。特に就職活動中において履歴書や職務経歴書は細かい書き方の部分までチェックされますので、下記の内容も頭に入れておくといいでしょう。
「になります」の意味と使い方は?
「になります」は変化の結果や推移の結果を表す日本語
「になります」は、変化の結果や推移の結果を表す日本語です。「になります」という表現は「となります」と使い分ける際に、どちらを使っても間違いではないシーンも決して少なくはありません。しかし、この2つの違いがしっかり使い分けられるようになることで、表現力の幅が広がります。
「になります」という言葉は徐々に変化していくものや、推移していっているものに対する現状の結果や状態を表す表現になります。そのため「となります」という表現に比べると、故意的であるという要素が薄い表現です。偶発的な要素よりは、自然とその状況に変化していっている状態を表す際に多く使われます。
そのため「になります」という言葉を使うと相手にとって他人事だと言われていると感じる場合がありますので注意が必要です。また、自然にそうなるというニュアンスから、その結果が自分の責任ではないと責任転嫁をしていると感じる場合もありますので、相手に意図しないネガティブな要素が伝わらないよう注意が必要です。
「になります」は「になる」の敬語表現
「になります」は「になる」の敬語表現を表しています。「になる」という言葉は2つの意味合いがありますが、ここで紹介しているのは変化の結果や推移の結果を意味する言い回しになります。「大きくなったら花嫁になる」という言い回しは将来の希望を意味が強い言い回しになりますので、ここで紹介する意味とは異なります。
「になります」と「となります」という言葉の使い分けは「になる」という敬語表現ではない、元の表現に置き換えると分かりやすくなる場合があります。「になります」と「となります」は両方が使える場合も片方しか使えない場面もありますので、間違った表現にならないよう敬語表現を抜いた言い回しでも比較してみましょう。
「になります」の使い方①変化を表す使い方
「になります」の使い方の使い方の1つ目は、変化を表す使い方を紹介します。例えば「オタマジャクシが成長するとカエルになります」という言い回しをします。オタマジャクシは普通に成長すればカエルになります。これは何らかの作用が影響するのではなく、成長という自然の現象がこの変化をもたらしています。
そのため「オタマジャクシが成長するとカエルとなります」という言い方はしません。また「雨の時期にパンを放置しておくとカビだらけになります」という表現では、パンは湿気の多い場所に放置しておけば当然カビだらけになります。そのため「雨の時期にパンを放置しておくとカビだらけとなります」とは言いません。
こういった例を思い浮かべると「になります」と「となります」の使い分けが分かりやすいと思います。ここまで、「になります」と「となります」の使い分けを理屈でも説明してきていますが、実際の例文において間違った使い方が分かるようになるまで、いくつかの例を見ていくと使い分けることができるようになります。
「になります」の使い方②推移を表す使い方
「になります」の使い方の2つ目は、推移を表す使い方を紹介します。「時間が経てば朝から昼、そして夜になります」という言い回しができます。普通過ぎてこのような言い回しをすることはないかもしれませんが、この例文を覚えておくと他のものと比べた時に「になります」が適当で「となります」は間違いと判断できます。
また「去年は高校生でしたが、この春からは専門学校生になります」という表現は、意味合いからすると「となります」も使えます。何故なら専門学校生になるのが試験というものの作用の結果と考えることもできるからです。しかし「この春から専門学校生となります」という言い方はあまり聞きません。
何故なら専門学校生になるということは「高校を卒業した次の時系列」といった、推移を表す要素の方が強いからです。決して時間が経って成長すれば必ずしも次の学校に入るということではありませんが、高校生の次の専門学校生は大学生や社会人と並んで、想定内の水位の範疇にあるため「になります」という表現が使われます。
「となります」「になります」の使い分けは?間違いの使い方は?
「となります」「になります」の使い分け①意外性の表現は「となります」
「となります」「になります」の使い分けの1つ目として、意外性の表現は「となります」を使うことが挙げられます。「となります」「になります」という言葉を比較すると「となります」という言い回しには作用の結果だという意味合いがあります。変化や推移よりも作用の方が先を予想しづらい傾向にあります。
そのため、何か意外性がある内容を表す場合には「となります」という表現を進んで使うことになります。例えば「日頃より皆様からのご愛顧に感謝申し上げます。残念ながら当店は来月で閉店となります」という形で使われます。日頃のご愛顧から継続をしたいものの、閉店という意外性のある選択肢を選ぶことを意味します。
この表現は「あのお店は一回も客が入っているのを見たことがありませんでしたが、ついに明日で閉店になります」という言い回しと比較すると分かりやすくなります。この例文は閉店になる必然性を感じる言い回しです。一方で先の例文は閉店という言葉には意外性があります。そのため「となります」を使うのです。
「となります」「になります」の使い分け②蓋然性の表現は「になります」
「となります」「になります」の使い分けの2つ目として、蓋然性を持つ表現には「になります」を使うことが挙げられます。「になります」という言い回しには「当然そうなる」「必然的にそうなる」というニュアンスが含まれます。そのため、流れとして招いた結果に対しては「になります」という表現を使います。
「会場は3階になります」は間違いで正しくは「会場は3階でございます」
「会場は3階になります」という表現は間違いで、「会場は3階でございます」という日本語が正しい表現です。日本語表現として「会場は3階になります」という言い回しに違和感のない人も少なくないのですが、正しい日本語は「会場は3階でございます」なのです。
間違った日本語でも慣れてしまうとそれが間違いだと気付かないことも少なくありません。この表現は会場が3階であることが、変化や推移の結果ではないので間違いの表現だと言えます。「会場は3階です」が正しい日本で、その敬語表現になるので「会場は3階でございます」と表現するのです。
「となります」「になります」の使い方をマスターして表現力を向上させよう
「となります」「になります」の2つの使い分けは日本語表現において非常に難易度が高いと言えます。そのため、この2つがしっかり使い分けられるようになることで、日本語における表現力の大幅な向上が期待できることでしょう。ここで紹介したことを、それぞれが使い分けられるようになるまで何度も読み返してみましょう。
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