考察の書き方とは?レポートや論文の例文とまとめとの違いも

レポートや論文に書かねばならない「考察」。実験の結果を評価し、自分の考えをまとめるとはいっても書き方が分からないという人も。この記事では、その考察の書き方の例文を紹介するとともに「考察」と「まとめ」との違いも説明します。是非、レポートや論文の書き方がわからないという時に参考にしてください。

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考察とは?結果や結論やまとめや感想との違いは?

考察とは自分で分析した結果を述べること

調査

考察の書き方ときいて、結果を書けばいいのかと思う人も多いでしょう。しかし、ただ結果を書けば良いということではないのです。たとえば、自分で実験やアンケートの結果をみて考えたことを書くのは「考察」になります。以下の記事で挙げる書き方の例文も参考にしてください。

一方、実験やアンケートの「結果」を書くというのは「考察」ではありません。大切なのは自分が分析した結果の考えや、自分なりの研究の分析を書くというのが「考察」になります。ただ、結果だけを述べるのは「考察」にはなりません。書き方と例文を踏まえた考察を考えてみましょう。

卒論やレポートを上手に書くために参考にできるような記事があるので、是非以下リンクについても併せて参考にしてみてください。

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考察と結果の違い

ビジネス

結果というのは、自分の考察も含めて、主に、実験結果を踏まえてどうだったのかということを学問的に分析して客観的にみてどのようになるかということをまとめるものになります。つまり、「考察」の書き方とは別物ということがわかります。

「考察」の書き方とは、あくまでも個人的な分析結果や、考えたことをまとめる部分になります。多くの人がどう思っているかということではなく、自分がどう考えたかということをまとめることになるので、自分の意見や主張をはっきりさせるという必要もあるでしょう。

考察と結論・まとめの違い

気持ち

まとめと結論は同じような意味です。総括ともいえるでしょう。そのレポートや論文を通して、一体何がわかったのか、何が考えられるのかということを自分なりにまとめてそこに特化して書くのが「考察」になります。まとめは結論と同様に考察も含めて総合的にどのようなことがわかったかということをまとめるという項目です。

考察と感想の違い

考察

「考察」の書き方と感想は似て非なるものです。「考察」の書き方は自分の考えをまとめますが、感想というのは、自分が思ったことをまとめるということになります。考察は非常に論理的な思考を使いますが、感想というのは感情的な思考だとも言えるでしょう。

感想は主に、感情的なことを書くことが多いでしょう。たとえば、実験のこういうところが楽しかったということや、驚いたといった、自分が思ったことを書くのが感想です。考察にはそうした感情的なことは含めず、学術的にどう考えるかということを自分なりに分析することになります。


考察の書き方とは?学生のレポートの例文とは?

授業や文献などを参考にして調査・実験を行った評価をまとめる書き方

実験

学生のレポートの場合は材料が備わっていることが多いです。例えば授業中に配られたレジュメであったり、教授が見せたスライドや参考資料などを自分なりに調べてみると良いでしょう。そして、それらを踏まえて実験をしたり、アンケートを作成したりして、調査を進めます。

考察はそれらの実験結果やアンケート結果を踏まえて、自分がどのようなことを感じるかということや、実験からみられる傾向などをまとめるということになります。個人的な感想は入れず、その実験やアンケートから考えられることをまとめて評価し、深めていくということがポイントとなります。

レポートの書き方

レポート

はじめに自分がどうしてこの研究をしようと思ったのか、研究目的を書きます。そこにはその背景や、実情など、自分がどのような問題意識でそのレポートを書くのかということを明らかにする必要があります。中盤では、その問題意識を踏まえた問題提起を行い、実験やアンケート調査等を行います。

その後、その実験やアンケートをまとめて、結果を書きます。このときにはまだどのようなことが考えられるかということを書かなくて良いでしょう。結果を書いたあとは「考察」になります。考察では自分がその結果から評価し、分析することを深めて書いていきます。

レポートの例文

朝食

私は朝食のメニューと学力の関係について研究しようと思いました。今日の日本では朝食を食べないという人が多くいます。また、朝食とはいってもご飯だけという人や味噌汁だけという人もいるでしょう。この違いによってどのような傾向があるのかということをアンケートを使って実験します。

この実験結果から朝食を食べることによって集中力が上がるということがわかった。これは○○という物質が脳内にエネルギーを送るということが理由だと考えられる。朝食に炭水化物をとった人のほうが学力が高いということは○○という傾向だと考えられる一方、△△という可能性もあるため、更に実験することにしたい。

以上のように考察は考えられることと傾向を自分なりに専門分野を踏まえながら分析して考えるという項目になります。実験結果だけの報告ではなく、自分の考えを書くようにしましょう。是非、参考にしてみてください。

考察の書き方とは?社会人のレポートの例文とは?

調査結果や実験の評価をまとめる書き方

調査

調査結果や実験結果をまとめるのは「結果」になりますが、「考察」では、その評価を下します。「考察」に大切なのは、どのようなことが考えられるのかということを様々な視野で考える必要があるということです。つまり、知識や学術的な思考がなければまとめ評価することができないということになります。

自分の得意な分野や専門的な分野となれば、自分なりにまとめ、評価することもできるでしょう。自分の興味がどこにあるのかということも論文やレポートをまとめる際には大切なポイントになります。自分の考察をより良いものにするために、自分の得意な分野、苦手な分野を把握しておくと良いでしょう。

また、自分の考察を深めるにあたって、同じような研究をしている人の考察も参考にすると尚のことよいでしょう。○○氏はこのように考察しているが、自分はそうは思わない。といったような考察も良いです。相手の考察を踏まえることにより、自分の論文に説得力が出るという場合も多いのです。

レポートや論文の例文

論文

社会人になってから求められるのもは主に論文になります。何かの結果をまとめて発表したりするということは会社ではよくあることです。調査を踏まえた資料は説得力があり、その考察も適切であれば商品開発や営業にとても参考になることでしょう。以下の例文のように考察を述べることができると説得力があります。

前回のアンケートから商品パッケージをみて購入するという人が大変多いということがわかります。例えば○○という商品がこちらです。これは△△よりも買いたいという人が多かったのですが中身は同じです。

ここから考えられることは、パッケージを視覚的にみたときに、手に取りやすく、表示が見やすいなど、消費者にとって優しい商品だということ考えられます。その証拠として次のグラフを御覧ください。

考察の書き方とは?文系の論文の例文とは?

アンケートなどの調査や実験結果を評価してまとめる

アンケート

文系だと実験というとアンケートが主になることが多いでしょう。また、文献調査や、取材などの場合もあることでしょう。大切なのはそれを踏まえて自分がどのように考え、評価したのかということです。相手に自分の論を伝える鍵になります。わかりやすく、どのようにまとめるのかということを考える必要があります。

大学の論文の書き方で大切なのは自分の専門分野などで絞ったものを書くということです。例えば、「世界の文化について」という論文だと、あまりにも対象範囲が広すぎて論を展開できないということが考えられます。「○○市の△△という文化について」という論文だととても書きやすく、考察も深めやすくなります。

文系の場合の書き方は、取材や文献調査になるとどうしても偏りのある論調になりやすくなります。様々な視野の材料を準備して備える必要があります。考察に重要なのは広い視野です。そして専門性です。自分がどのように論を展開していくのかということを考えることがとても大切です。例文を参考にしてみてください。

論文・レポートの例文

例文

「ミュンヘンと北海道の関係」はじめにこの論文を書こうと思った理由は北海道のミュンヘン市に参加した際に、北海道とミュンヘンにどのような関係性があるのかと疑問に思ったからだ。それらを調べるためにまず、ミュンヘン市に参加している人に取材を行い、どうしてこのイベントが有るのかということを取材した。


考察はミュンヘンと北海道には○○という関係性があり、それは○年続いていると言われているがこれはお互いの地域や気候が似ているということだけではなく△△という理由だと■■氏は述べている。しかし、私は※※という理由もあるのではないかと考える。

以上のような書き方の例文だと、展開するとわかりやすい論文になるでしょう。テーマも重要ですが、もっと大切なのはどのようなテーマを選んだとしても、中身でどのように勝負するのかということです。例文を参考に考察で自分の考え方を相手に伝えるというのは社会に出てからもとても需要なスキルとなります。

考察の書き方とは?理系の論文の例文とは?

実験に基づいた評価を入れた考察の書き方の例文

評価

理系の書き方の場合、実験を行った結果をまとめて、分析して評価して考察を書くというパターンが非常に多いでしょう。まず、実験に時間がかかるということもあるでしょうし、考察にそこまで時間をかけていられないということもあります。

理系の場合一日だけで調査が終わるということも少なく、何日もかけたり、下手をすれば一年も時間をかけて実験をするということもあり、研究室にこもりっぱなしということもありえます。そのため、文系よりも苦労が多いといえます。

論文自体は早く仕上げることはできるかもしれませんが、いかんせん、考察を書くためには実験をしなければならず、実験が長引けば長引くほど、考察を書く時間も短くなってしまいます。少なくとも締切2ヶ月前には実験は終わらせたいところです。

論文・レポートの例文

例文

論文の書き方で大切なのは順序立てと構成です。ここでは、その書き方の構成と順序立てについて紹介していき、その例について挙げていきます。以下のような書き方の例文と順序立て、構成を予めしておくと、実験が終わったあとにどのように組み立てたら良いのかということを考える必要がなくなります。

以下理系の場合の考察の例文です。Aの実験から、食物繊維が大根よりも多いことがわかった。これは、△△という物質が、大根の成長を促しているということからもわかるように、食物繊維が大根よりもAの実験で使った野菜のほうが食物繊維が多いと考えられる。一方、これは■■という物質による働きも無視できない。

なぜなら、食物繊維が多くなる理由としてペクチンの量が関係してくるからである。このことに関しては※氏が『○○』という論文で発表している。これらのことから、次のように考えられるのではないかと思い、更に実験Bを行うこととした。

    論文構成

  1. 1研究目的
  2. 2研究方法
  3. 3研究結果
  4. 4考察
  5. 5結論

理系の論文の考察の意味

卒論

このように、理系の論文は、理論立てして、実験結果とさらなる分析を重ねて、実験の実験をおこなったり、実験結果の他のパターンを模索したりするというのが考察の書き方になります。専門的な言葉や、数字などを取り上げながら、自分の考えを学術的にまとめ上げていく必要があります。

時間があれば、是非考察を踏まえた上でのさらなる研究をしてみてほしいです。というのも、理系の教授が注目しているのは一つの実験で終わらず、そこで生じた新たな疑問や問題をどのように解決するのかということなのです。

考察では、教授からの助言も踏まえた上で評価し、論を展開する必要があります。理系の考察は論を自分なりに展開するという意味の他に、考えられたこととして論文に残しておけば、その論文を目にした誰かが続きの実験を行うことができるという意味もあります。

論文の書き方のポイントや注意点とは?

論文の書き方のポイント①順序立てと構成「起」

文章

順序立てと構成は論文にはとても大切な意味があります。書き方のポイントは、起承転結でまとめるか、はじめ・中・終わりという順番で書くというのが最もわかりやすいと言えるでしょう。はじめの部分はすなわち「起」の部分になりますが、なぜこの研究をすることにしたのかという経緯などを説明することになります。

論文の書き方のポイント②順序立てと構成「承・転」

悩む

中は「承・転」になりますが、レポートや論文の場合には実験の説明や、アンケートについての説明など、どのような調査を行ったのかということをまとめて書くという項目になります。「転」の部分では、主にレポートであれば、逆説的な考え方や、反対意見など、論の中身に偏りが無いように対抗する意見も述べるとよいです。

論文の書き方の注意点①論文の要である「転・結」の書き方

書き方

論文の「転」に当たる部分では、主に実験の結果を踏まえて、新たな実験をしたり、新しい視野を持ってなにか別な方法で考え方を深めていくという部分になります。レポートや論文に大切なのはこの「転」の部分でどれだけ論を深められるかということにあります。

論文のかなめとなるのは「転・結」の部分です。この部分で、考察も深めていきますが、この際に、ただ、考えを深めることなく、ただ実験結果のみをまとめるような論文の書き方をすると深みのない内容になりますので注意しましょう。

考察の意味を理解して論文やレポートに役立てよう

考える

考察というと、つい感想をかいてしまったり、実験の結果を繰り返しで書いてしまうだけになることもありますが、実際には自分がどのように考えたのかということを書くための「考察」です。自分が何を考えたのかということを吟味して、わかりやすく解説する必要があります。上記で紹介した書き方と例文を参考にしてください。

自分の考えたことを相手に伝えるというのは容易なことではありません。しかし、この思考が社会人になって会社に努めたときだけではなく、人とコミュニケーションを取るためにもとても大切なものとなります。是非、考察を甘くみることなく、自分の意見を相手に伝えるという練習をしてみてはいかがでしょうか。


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