所得税が高いのは税率の区分のせい?派遣も「扶養控除申告書」を提出

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給与明細を見ると様々な保険料とともに所得税も天引きされていますが、正しく控除されているのか疑問を持つ人もいるでしょう。この記事では、控除される所得税はどのようにして決まるのかといった点や、アルバイトや派遣が低い税率を適用させるにはどうすればいいのか、などを紹介します。

源泉徴収される税率には種類がある?

甲欄は主たる給与の支払先

会社から受け取る給与からは所得税が控除されていますが、控除する額は「給与所得の源泉徴収税額表」を用いて計算されています。計算にあたっては甲欄と乙欄があり、甲欄とは主たる給与の支払先である場合に適用されるものです。給与の受取先が一つの会社だけであれば甲欄が使用されることから、会社員の多くは甲欄の該当者となります。

乙欄は従たる給与の支払先

甲欄に対して乙欄が適用されるのは、従たる給与の支払先である場合となります。パートやアルバイトなどで副業をしていて複数の会社から給与を得ているときや、役員として複数の会社から報酬を受け取っている場合は、一つの会社でしか甲欄を適用することはできません。そのため、甲欄が適用されない他のすべての会社では乙欄を使用します。

甲欄と乙欄の税率の違い

甲欄と乙欄とでは、課税される税率が異なる点が大きな違いです。例えば、扶養親族がいない人で、その月の給与から社会保険料等を控除した額が88,000円の場合、甲欄であれば税額は130円ですが、乙欄では3,200円になります。また、社会保険料控除後の額が30万円では、甲欄は税額が8,420円であるのに対し、乙欄は52,900円がかかることになり、総じて甲欄よりも乙欄の方が税額は高くなっています。

甲欄の適用には書類の提出が必要

年末調整のときや入社したときに、会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出すれば甲欄が適用されることになるため、税額が低くなります。ただし、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出できるのは1箇所のみです。そのため、複数の会社から給与を得ている場合は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していない残りの会社については、自動的に乙欄が適用されることになります。

給与所得者の扶養控除等申告書の役割

「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出すれば毎月の所得税の計算において甲欄が適用されますが、同時に扶養親族を記入することにより、その人数が多ければ多いほど、控除される税額が低くなる仕組みとなっています。したがって、年の途中で扶養親族が減った場合は、できるだけ早く会社に申告をして毎月の給与計算に反映させた方が、年末調整のときに所得税の不足額が生じる可能性が低くなるといえます。

所得税が高い場合は乙欄の可能性大

「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しているにもかかわらず、控除されている所得税が高い場合は、誤って乙欄が適用されている可能性があります。特に従業員数の多い会社では、給与システムを利用して給与計算をしていることが多く、甲欄で登録すべきところを乙欄で登録されたままになっているかもしれませんので、念のため会社の担当者に確認をすると良いでしょう。

払い過ぎている所得税は取り戻せる?

甲欄のみ年末調整が行なわれる

給与から天引きされている所得税は概算額であるため、一年間の所得額をもとに税の再計算をしなければなりません。甲欄が適用されている人については、会社が行う年末調整において一年間の所得税が確定し、過不足の調整がなされます。毎年11月頃に会社から配布される「給与所得者の扶養控除等申告書」に必要事項を記入して提出すればよく、原則として従業員が別途手続きをする必要はありません。

乙欄は確定申告が必要

乙欄が適用されている人については、会社での年末調整の対象にはならないので、確定申告をして払い過ぎている所得税があれば還付を受けることになります。確定申告は例年2月16日から3月15日が申請期限となっていますが、還付申告は2月15日以前から受け付けています。確定申告をするに際しては給与を得ているすべての会社の源泉徴収票が必要となりますので、忘れずに会社から受け取るようにして下さい。

バイトや派遣も提出しておくべき

バイトや派遣は提出してないことがある

アルバイトや派遣の場合、アルバイト先や派遣元が「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出を求めてこないことがあります。これは、アルバイトや派遣をしている人の中には掛け持ちで働いていて、すでに他の会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している可能性があるためです。重複を避けるために一律に全員未提出の取り扱いとしています。

バイト先や派遣元に提出しよう

「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出せずに乙欄になると、高い税率が適用されます。確定申告をすれば払い過ぎた税金を取り戻すことはできますが、確定申告の書類作成には時間と手間がかかってしまいます。アルバイトや派遣が主たる給与である場合は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出すれば甲欄が適用され、確定申告をする手間を省くこともできるので、アルバイト先や派遣元に相談をしてください。

まとめ

所得税の区分には甲欄と乙欄があり、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出するかどうかで適用される税率が変わってきます。乙欄のままだと税率が高いので、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出して甲欄にするか、確定申告をして還付を受けるか、いずれかを選択するようにしてください。

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