株式の配当金とは違う?投資信託の分配金の仕組みや税金を解説

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株式の配当金と投資信託の分配金。呼び方は似ていますが、実際には、その仕組みなどはかなり異なっています。投資信託の分配金について、株式の配当金との違いや仕組み、また課税・非課税に関することまで掘り下げて説明していきます。

株式の配当金との違い

株式の配当金の仕組み

株式会社に投資する人や企業、つまり株主は、その会社の事業活動によって得られた利益の一部を配当金として受け取ります。会社の利益は、他に内部留保、役員報酬などに分割され、利益を配当金に回す割合は、各会社によってまちまちです。 日本では、多くの会社が、年に1回か2回、配当を実施しています。配当金は株主が投資した金額に対するパーセンテージで計算されます。例えば1,000,000円投資して配当が2%なら20,000円となります。なお配当する率は、配当利回りと呼ばれています。

投資信託の分配金の仕組み

分配金は、投資信託の決算日ごとに運用成果を配分したもので、投資家に帰属する金額である純資産総額から支払われます。運用成果から分配金に出す金額は、あらかじめ運用者が決めた投資方針によります。 なお運用がうまくいかなければ、分配金が出ないこともあるので注意が必要です。分配金の支払方法は、毎年・毎月など定期的に収益分配を行う分配金支払型と、分配金を自動的に同じ投資信託に再投資する分配金再投資型があります。

投資信託は分配金で基準価額が下がる

投資信託には、基準価額という金額の単位があります。投資信託は口(くち)数単位で購入し、一口あたりの値段が基準価額となります。この基準価額は、純資産総額を投資信託の総口数で除した結果、算出された数字、つまり一口あたりの価額です。

投資信託の分配金は、純資産総額から支払われるため、投資家に分配金が支払われると、純資産総額が減ることになります。その結果、前述の計算にあてはめると、除される純資産総額が減るため、算出される基準価額は下がることになります。

投資信託の分配金は2種類ある?

普通分配金

投資信託の分配金のうち、普通分配金とは、投資信託の決算日ごとに運用成果である利益を投資家に分配するお金のことを言います。なお、この分配金は利益であるため、税金が差し引かれます。決算日の基準価額が個別元本(投資信託購入時の値段)を上回る場合は、収益分配金が全額、普通分配金になり、逆の場合は、次に説明する特別分配金の部分が生じます。

特別分配金

普通分配金に対し、課税されないお金のことで、元本払戻金とも呼ばれています。こちらは、元本の一部を投資家に返すものであるため、利益とは異なります。決算日の基準価額が個別元本を下回った場合、その差額部分の金額となります。特別分配金が発生した場合、収益分配金から特別分配金を引いた部分の金額が普通分配金です。

投資信託の分配金は必ずもらえるもの?

分配金は運用方針によって決定


投資信託の分配金は、あらかじめ運用者が決めた運用方針に基づき、その都度決められます。そのため、利益が出ても必ず分配されるとは限りません。先に説明したように、投資家に分配金を支払うと基準価額が下がってしまうので、あえて分配しない場合もあるのです。 投資信託の運用方針などは、販売会社より配布される投資信託説明書に記載されているので、受け取ったら必ず読むようにしましょう。この説明書は、投資信託ごとに作成される、いわば投資信託のマニュアルになります。

分配金出し方

分配金の出し方は、前述のとおり、運用者が決めた運用方針によってまちまちとなりますが、主なパターンについて説明します。 まず、毎回定額の分配金を出す投資信託。安定的に同じ金額の分配が行われるため、金額はやや低めに設定されています。 次に、運用成果によって分配金が大きく左右される投資信託。運用成果が良い時は多めに出されますが、悪い時は少なくなります。変動が大きいため、過去の分配金の動きもチェックする必要があります。 そして最後に、前述の2つの投資信託の性格をあわせ持ったものです。通常は定額の分配金を出し、その他に、年に1~2回、運用状況に応じて変動する売買益から分配金を出します。

投資信託の分配金は確定申告が必要?

投資信託で課税対象となるもの


投資信託の利益は3種類あり、譲渡(解約)益と分配金、償還益です。これらの利益について、それぞれ課税対象となるかどうか説明していきます。 譲渡(解約)益 譲渡(解約)益は、投資信託を売却した時に得られる利益で、通常は課税対象となりますが、公社債投資信託の譲渡益の場合のみ、課税はされません。しかし、その代わり特別控除額が差し引かれ、控除の率は解約益の税率と同じであるため、結局受け取る金額は同じです。 分配金 分配金については、先に述べたとおり、普通分配金は収益であるため課税され、特別分配金は利益ではないため課税されません。 償還金 償還益は、投資信託が満期となって投資家に返還される償還が、元本を上回った場合の差額のことを言います。利益となるため課税されます。

分配金は原則として確定申告不要

分配金については、前述したとおり、普通分配金の方は収益であるため課税され、特別分配金は、利益ではないため課税されません。課税される普通分配金について、確定申告は必要なのでしょうか。 分配金でも種類が分かれますが、公社債投資信託での普通分配金には利子所得、株式投資信託での普通分配金には配当所得としてそれぞれ税金がかかり、税率はどちらも20.315%です。これらの税金はいずれも、普通分配金を受け取る時にはすでに源泉徴収されています。そのため、あらためて確定申告をする必要はありません。

損失があるときは確定申告で損益通算

投資信託のうち株式投資信託の分配金は、2016年より、確定申告において申告分離課税を選択できるようになりました。このことにより、譲渡所得、特定公社債などの利子、償還益についても損益通算することができます。損益通算とは、簡単に言えば利益と損失の相殺のことであり、これにより税金を軽減させることができます。 例えば、複数のファンドに株式投資信託などを投資し、一方では50万円普通分配金を受け取り、一方では100万円の損失額が出たとします。この場合、双方を相殺した結果、損益はマイナスになります。そのため、確定申告することにより、源泉徴収されていた普通分配金の税金は返してもらえます。また、確定申告を行うことにより、このマイナス分を、翌年以降最長3年間繰り越して控除することもできます。

総合課税の方が有利なケースも

税金の返金を受ける方法として、例えば株式投資信託において、売却による損失はなく分配金を受け取った場合、確定申告の際に総合課税を選択し、配当控除を受ける方法もあります。ただ一定の条件があり、株式の組入が25%以上で外貨建て資産の組入が75%以下のファンドで、なおかつ課税所得金額が330万円以下に限ります。 また、総合課税を選択した場合の注意点があります。給与等の他の所得と合計され、合計所得が大きいほど税率が上がる累進税率が適用されるため、かえって不利になることもある点です。

NISA口座なら分配金は非課税

NISAとは、小額投資非課税制度のことを指し、投資信託の投資に対してその売却益や配当金を年間につき120万円まで非課税にするという制度です。この制度を受けるには、金融機関において通常の口座とは別でNISA口座を開設する必要があります。 NISAの非課税期間としては最長5年間で、非課税の投資枠は最大600万円となっています。この制度をうまく活用しない手はないでしょう。

まとめ

投資信託は株式とは異なり、投資家から集めた資金により運用され、その運用方針はまちまちです。分配金が出ても、基準価額が下がってしまったり課税されてしまったりもします。税金の負担を軽くする方法やNISAのような非課税制度を活用することは、資産を増やすために覚えておいて損はないと言えます。

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