IHクッキングヒーターはお得?電気代とガス代のコスト診断方法

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ガスコンロからIHクッキングヒーターに買い替えを検討する場合、電気代がどのくらいかかるのか、ガスに比べて得なのかが気になります。ここではそのほかのメリット・注意点を含め、解説していきます。キッチンのリフォームを考える時など、IHクッキングヒーターを選ぶ機会の参考にしてください。

IHクッキングヒーターとは?

そもそもIHクッキングヒーターとはどのようなものなのでしょうか。IHとは電磁誘導加熱(Induction Heating)の略で、コイルから発生する磁力線が上に置いた鍋の底を通る時に電流となり、その電気抵抗で鍋自体が発熱する仕組みになっています。ガスコンロと違って火が一切出ないので、小さな子供のいる家庭に人気があります。

IHクッキングヒーターの火力

IHクッキングヒーターは炎が出ないことから、火力が弱いのではないか、という声を聞きます。けれども、火力は十分です。例えば、1リットルのお湯を沸かすには、3kWのハイパワータイプなら2分16秒で完了します(パナソニック調べ)。熱効率が優れているため、無駄なく素早く加熱することができるのです。

使い方とお手入れ法

スライド式や回転ダイヤル式で火力調整することが多いガスコンロに対し、IHクッキングヒーターの方が使い方がわかりやすい傾向にあります。点火や温度調整はスイッチに軽くタッチするだけという形が主流です。また音声ガイド、LEDが点いて次の操作に導いてくれる光ガイドのついた機種もあり、使いやすさも魅力の一つです。 トッププレートがフラットであることから、お手入れは比較的簡単です。ふだんは絞った布巾でサッと拭くだけ、油汚れがついた場合でも薄めた中性洗剤をしみこませた布巾で拭くという方法で済ませられます。 グリル部分も、ガスレンジに比べると汚れがつきにくく、掃除もしやすい構造になっているものが多いようです。

使える調理器具

IHクッキングヒーターにする際、覚えておかなくてはならないのは、使える調理器具、使えない調理器具があることです。IHは鍋などの底面に電流を流して発熱させるものですから、電導性のない、あるいは極めて低い材質のもの、たとえば土鍋や耐熱ガラス鍋などは使えません。稀にこうした材質でも「IH使用可」表示のあるものもありますが、火力が落ちる、故障の原因になるなどの理由でメーカーは勧めていないケースもあります。 使えるのは、電導性の高い金属製の調理器具です。通常タイプのIHヒーターなら鉄・ステンレス製のほとんどの鍋、オールメタル対応タイプなら、銅やアルミの鍋も使えるものが多くなります。選ぶ際には、製品安全(SG)マークとともに表示されているIHマークを確かめるようにしましょう。

IHクッキングヒーターの電気代

1時間あたりの電気代

IHクッキングヒーターを1時間使うとどのくらいの電気代がかかるのでしょうか。1400Wの高出力で使う場合、電気代を1kWhあたり27円で計算すると、約38円ということになります。(電力目安料金は全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価」より)

1ヶ月あたりの電気代の目安

では1ヶ月にすると電気代はどうなるでしょうか。実際の電気代は献立による使用電力量や使用時間帯によって変わってきます。標準的な4名家族世帯にて、朝・昼・夕食時に標準的なメニューでIHクッキングヒーターを使用した場合の1ヵ月の電気代は約1,020円(税込)となります。(JEMA・IH調理器技術委員会調べ。電力料金は上記と同じ27円.kWhで算出)

IHとガスコンロはどちらが安い?

さて、気になるのはこの電気代がガス代より高いのか安いのかです。

ガスの種類で変わるガス料金

IHクッキングヒーターとガスコンロの経済性を比べる場合、ガスの種別についても考えに入れなくてはなりません。家庭で使っているガスには都市ガスとプロパンガスの2種があります。多くの市街地では都市ガスが整備されていますが、プロパンガス仕様の住宅もまだまだあります。 料金でみると、都市ガスは政府の認可が必要な公共料金なので比較的安価に抑えられ、安定しています。これに対しプロパンガスは、業者との私的契約になるため料金は高めで、一般に都市ガスの1.5~2倍前後になっています。

ガスコンロとIHのコスト比較

IHとガスコンロのコスト比較に入ります。同じ火力を基準にして比較するために熱効率を指標に入れ使用エネルギー量を計算します。IHクッキングヒーターの1ヶ月の電気代が1,020円(税込)になる1ヶ月あたりの使用電力(エネルギー)量は、1,020円÷27円/kWh=約37.78kWhです。 これをガスコンロのエネルギー量に換算します。ガスコンロの熱効率を46%、IHの熱効率をパナソニック実測値の90%で計算します。そうすると、ガスコンロの1ヶ月あたりの使用エネルギー量は、37.78kWh×90%÷46%=約73.92kWhとなります。 都市ガスは1kW=約0.078㎥の使用量とし、ガス料金を1㎥あたり119.24円(東京ガスH30年1月検針分料金・20~80㎥使用の場合)として計算します。1ヶ月のガスコンロのガス代は、73.92kW×0.078㎥/kW×119.24円/㎥≒688円(税込)となります。 プロパンガスは地域や業者によって料金がまちまちなので平均をとることは難しいのですが、仮に低めに都市ガスの1.5倍と考えても、プロパンガスのガス代は688円×1.5=1,032円(税込)となり、IHクッキングヒーターの電気代を上回る計算になります。 このことから、IHクッキングヒーターの電気代は、プロパンガスより安く、都市ガスよりは高い、ということが言えそうです。各社のIHの広告に、プロの料理人がユーザー兼推奨者として出ているのは、火力の点でもプロパンガスに引けを取らず、経済性もまずまず、ということからとも考えられます。

IHクッキングヒーター電気代節約術

IHクッキングヒーターを使いながら、電気代を節約する方法について考えてみましょう。

電気料金プランとは

電力自由化によって、電気料金は千差万別になりましたが、従来の大手電力会社と契約し続ける場合でも、地域によって料金は違います。また、同じ電力会社の中でも、契約アンペア数(10A~60Aなど)、主な使用時間帯(昼間か夜間か)によって選んだ料金プランによって違ってきます。基本的には、(契約アンペアによる基本料金)+(使用量(kWh))×(従量単価)の合計額が、その月の電気料金ということになります。

電気の契約プランを見直す

電気料金は、基本的に昼間は高く夜間は安い設定になっています。昼間は不在にしがちで夜間に使うことが多いなら、夜中心の料金プランに変えることで節約に繋がると言えます。また、IHを導入する際には契約アンペア数の拡大を奨められることがあります。そこで、オール電化の家庭を想定した契約になっていると、アンペア数が過大で基本料金が高くなっている場合もあります。実際の電気の使い方と照らし合わせて、電気の契約プランを見直すことも一つの節約法と言えるかもしれません。

お得な料金プランの選び方

IHクッキングヒーターを使うと、以前に比べて電気代が上がるのは、ある程度しかたがありません。ガスコンロが無くなったぶん、ガス代は下がっているはずだからです。それでも電気代を節約したい場合には、電気プランの診断をしてくれるサイトなどで、より安い電力会社や料金プランをシミュレーションしてみてはどうでしょうか。

電力プランのメリットを生かそう

先にも書いたように、夜間の電気料金は昼間より安く設定されています。深夜の最も安い時間帯と昼間の最も高い時間帯では、単価に約4倍もの開きがあるほどです。昼間の調理はできるだけ避けて、煮込みなどの調理時間の長い料理や作り置きは、料金の安い夜遅めに行うようにするだけでも、電気代は安くなる可能性があります。

まとめ

IHクッキングヒーターに交換するメリット、料金の比較などについて説明してきました。実はIHには一つだけ気づきにくいリスクがあります。それは停電すると使えなくなり、調理ができないことです。ただし最近は停電の頻度も減り、大災害の場合にはガスも止まってしまうことを考えれば同じとも言えます。安全性の大きなメリットを考えれば、IHクッキングヒーターは十分検討する価値があるはずです。

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