寸志とボーナスの違いや共通点は?意味から金額の相場まで分かりやすく紹介!
求人情報欄には寸志やボーナスの記載がありますが、違う制度なのか同じ制度なのか、気になりますよね。今回は寸志とボーナスそれぞれの意味について分かりやすく解説します。寸志でもらえる金額の気になる相場についてもご紹介しますので、比較の参考にして下さい。
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目次
寸志の意味とは?
気持ちの表現方法の1つ
寸志は日頃の感謝の気持ちを、現金や物品などの目に見える形で示すことを意味します。寸志ではなく「餅代」や「心付け」と呼ぶ場合もあり、その呼び名通り、大きな金額を指すことはありません。
しかし時には、金額の程度に拘わらずへりくだった気持ちを表現するために、寸志という名称を使用する場合もあります。慶事や葬儀の手伝いを行った時には、感謝の気持ちを意味する目的で、主催者から寸志として金品を渡すこともあります。
また懇親会や歓送迎会といった宴席の場で、上司など立場が上の人から「飲み代の足しに」といって寸志が渡されることもあります。参加費に数千円上乗せして支払う場合も、寸志の一種と呼べます。
目上の人から渡す物
寸志とは本来、立場が目上の人から下の立場の人に対して渡される物を意味します。寸志を会社で渡す場合は、オーナーや社長から社員に、また上司から部下に対し出ます。
そのため、いつもお世話になっているからといって、目上の方や取引先の相手に対して寸志を渡すのはマナー違反です。感謝の気持ちを意味する品物を贈る場合は、「御挨拶」や「感謝」といった言葉を添えるようにしましょう。
ボーナスの意味とは?
規定に則り支給される賞与
ボーナスは各会社の規定に従い、あらかじめ決められた時期に出る賞与です。時期や回数に共通の決まりはなく、企業が独自に定めます。多くの企業では、年に2回、夏と冬です。企業によっては決算月の前後に決算賞与を設定しています。
月給とは違い、ボーナスは特別手当に分類されます。ボーナスを出さない会社の中には、毎月の給与にその分が上乗せして計算した金額が出ていることもあります。
支給基準を満たす必要がある
ボーナスを出す会社は就業規則の中でボーナスに関する規定があり、査定を経て金額の程度を算出します。そのため、同じ企業に勤めている人間であっても、条件を満たしているかどうかによって金額に差が出たり、年度によって金額が違います。
算出基準は企業ごとに違います。会社の業績と個人の勤務状況の評価・査定により算出されるのが基本です。また正社員やパート・アルバイトなどの従業員区分によっても、ボーナスの金額は変わります。さらに正社員であっても、新卒や中途採用者はボーナスが出ない企業があります。
寸志とボーナスの違いとは?
①金額
ボーナスよりも少額の賞与を、寸志と呼んでいます。法律上に寸志とボーナスの明確な線引きはありません。慣習に従い金額の多い少ないによって名称を使い分けている状態です。
また企業によっては、ボーナスと呼んでもいい金額を寸志という名目で渡すことがあります。これは会社側の「本来であればもっと大きな金額を渡したいが、この程度で申し訳ない」という謙遜の気持ちによるものです。
さらにボーナスがある企業であっても、寸志を渡すこともあります。新卒新入社員や中途採用者など、就業日数がボーナス受給の基準に達しない人たちが対象です。中には新卒や中途採用者の勤務1年目はボーナスも寸志も設定しない、とする就業規則もあります。
②支給の基準
渡す側の厚意によって決定される寸志と違い、ボーナスは就業規則の中で定めた算出基準に基達するともらえます。もし就業規則の中で「業績の悪化によっては、ボーナスを出さない」と明言していれば、業績次第でボーナスを渡さないことも可能です。
ボーナスの支給条件を見てみると、まず「支給算定期間」と定める期間、会社に在籍することが条件です。次に業績に合わせて金額が決定されます。他にも、業績に対する個人の貢献度や、ボーナスの支給日に会社に在籍しているかどうかなど会社によって条件が違います。
雇用主の考えに寸志は左右されますが、就業規則で渡すのは寸志としている会社もあります。この場合、就業規則に応じて寸志が発生します。さらに就業規則にあるのにも拘わらず寸志が出ない場合は、通常の寸志と違い、雇用主側に渡すよう交渉することも可能です。
寸志とボーナスの共通点とは?
①労働法の対象外
寸志もボーナスも、労働法やその他の法令には存在しない決まりという共通点があります。ただし寸志やボーナスを渡すと就業規則で規定する場合は、支払い義務があるのも共通点です。
労働基準法では、就業規則を企業が遵守することを求めています。就業規則は従業員が10人以上いる職場では必ず設けなくてはいけません。新卒でも中途採用であっても、企業の就業規則をよく確認してから就職することが重要です。
②賞与として渡される物
寸志もボーナスも雇用主から従業員へと渡される賞与です。さらにどちらも、立場が上の人から下の人に対して渡す物という共通点があります。
賞与として渡される以外にも、寸志は飲み会などに登場します。この場合も、目上の人から目下の人として渡される物を指すという共通点があります。企業における賞与の意味については、こちらの記事を参考にご覧下さい。
③所得税の対象
寸志という名称でもらっても、ボーナスという名称でもらっても、賞与は所得税の対象なのが共通点です。どちらも税金分は源泉徴収となりますので、額面通りの金額を受け取れるわけではありません。
ただし寸志の場合、金額が数万円と少額であれば、寸志を渡された月の給与にその分の金額を含めて所得税を計算します。そのため寸志そのものは満額で支給され、その月の給与が所得税分だけ変動します。
寸志の金額の相場とは?
5万円以下は寸志
寸志は「気持ちばかりの金額」を意味し、明確な金額の基準はありません。慣習として、5万円前後を寸志と呼ぶのが相場です。飲み会や冠婚葬祭で渡す寸志は、5000円から10000円程度です。
ボーナスではなく寸志を渡す場合、10万円以下が相場です。求人情報に「新卒採用者の1年目のボーナス支給はなし、寸志程度」や「中途採用者の勤務1年目、賞与は寸志」とある場合、あまり金額は期待できない程度なのが共通点といえます。
ボーナス代わりに新入社員が受け取る相場は5万円
新入社員に渡される寸志の相場は、約5万円前後です。新卒の新入社員はボーナスの支給日までに支給算定期間が満たないため、ボーナスはゼロという事になります。その代替として、「寸志」という形で金銭が渡されるため、金額は大きくありません。会社によっては全くないので、「あるだけまし」という程度です。
新卒ではなく中途採用の場合も、入社した時期とボーナス支給月までの期間が査定基準以下の勤務日数になると、ボーナスが支給されません。新卒と同じく、中途採用者もボーナス代わりに寸志が出る事がありますが、やはり相場は5万円以下です。
契約社員・パートに支給されることもある
契約社員やパートの場合、正社員へのボーナスのタイミングで寸志が渡されることがあります。相場は千円から1万円程度までです。医療や介護関係の職場では特に、契約社員やパートに対して寸志があります。医療や介護関係の職場での寸志の相場は10万円以下で数万円程度です。
最近では働き方改革の影響を受け、契約社員やパートに対してもボーナスとはいかずとも、寸志を渡す企業が増えています。寸志を渡すかどうか、いくら程度にするかは、ボーナスと同様に事業主の考え方や企業の業績に左右されます。
ボーナスの金額の相場とは?
正社員は38万円前後
ボーナスの金額の相場は、月給の1~3ヶ月分です。企業によって査定の条件などが異なるため、同業種でのボーナスの額を比較する必要があります。また同業種であっても、業績によって左右されます。収益が減収した年などは、例年と比べて大幅に金額がダウンするという共通点もあります。
新入社員の場合、新卒かつ大卒であっても10万円以下が相場です。これは、ボーナスの算出基準である在職期間が影響しています。多くの企業では在職180日以上をボーナス支給の対象とし、4月に入社した新入社員は7月支給のボーナスの査定対象から外れてしまうためです。
正社員であっても中途採用の社員も、入社時期によっては条件を満たせずボーナスが満額支給されません。中途採用者の場合、本来のボーナスの総額から日割りや月割り計算によって算出された金額が渡されます。
契約社員は30万円前後
契約社員へのボーナスの相場は約30万円です。ただし契約社員にはボーナスが存在しない企業も多く、ボーナス代わりの寸志もありません。契約条項の中にボーナスについて規定がなければ、ボーナスは出ないです。
ただし年俸制の契約社員の場合、正社員がボーナスを渡される月の給与だけ金額が多いケースもあります。年俸を12等分ではなく14等分する場合、12ヶ月では分散できなかった2ヶ月分の給与をボーナス月に上乗せして算出するためです。
寸志の渡し方
①封筒やのし紙を用意する
寸志を現金で渡すときには封筒やのし袋に入れ、品物を渡す場合はのし紙をつけます。のし袋は会社では白封筒を使用するのが基本です。慶事や葬儀などでのし袋を用意する場合は、それぞれに相応しいのし袋を準備します。
封筒やのし紙の表書きは、「寸志」です。寸志のためにのし袋を選ぶ時の基準やマナーについて、くわしくはこちらの記事を参考にご覧下さい。
②お礼の言葉を添える
寸志は感謝の気持ちを表すものなので、寸志を相手に渡す際には、立場に関係なくお礼を添えましょう。「いつもありがとうございます。」や「お世話になっています。」など、長くなくても心のこもった言葉を選びます。
また寸志は相手を尊重するために使用する言葉です。寸志を渡す際には、さり気なく渡します。冠婚葬祭や飲み会で渡す場合は、行事が始まる前に目立たないように渡すのがマナーです。
寸志を受け取った側のマナー
飲食代として受け取った寸志は参加者に紹介
飲み会など宴席に目上の方から寸志を頂いた場合、参加者が揃った席で寸志を受け取ったことを紹介します。金額だけではなく、日頃の感謝の気持ちが込められているからです。
ただし注意したいのが、「○○部長より寸志を頂きました」と紹介しないことです。寸志には「金額が少ない」という意味もあります。そのため、「○○部長よりごご芳志を頂戴しております」と言い換えるようにしましょう。寸志を「ご厚意」や「お心遣い」と言い換えることもできます。
寸志には目に見える形で感謝を示す
寸志にお返しは不要です。ただし宴席で寸志を頂いたことを幹事が紹介した時には、本人にその場で各個人が「ありがとうございます」とお礼の言葉を伝えます。
当日その場に居ないときは、できるだけ早く後日お礼を言うのがマナーです。この時も、「この間は寸志をありがとうございました。」とは言わないようにします。「歓迎会でのご厚意、ありがとうございました」と伝えましょう。
会社で寸志が支給された場合も、目録を受け取る際にはお礼の言葉を伝えましょう。寸志には経営者側からの気持ちが反映されているので、「支給されて当然」と考えるのではなく、気配りに感謝します。
寸志とボーナスの違いを知って支給条件をチェックしよう
寸志とボーナスには、金額や支給基準に違いがあります。ただし法律に規定されていない賞与など、共通点もあります。求人情報を確認する際には、寸志の持つ意味に注意しながら会社を選ぶといいでしょう。
また寸志もボーナスも、相手の働きに感謝する気持ちが込められています。それぞれの言葉に込められた経営者側の気持ちを汲み取って、受け取る側も感謝して受け取るようにしましょう。
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