来られるの意味と来るの正しい敬語表現は?来られた/いらっしゃった
「来られる」という言葉の意味には敬語の意味とそうでない意味の2つがありますが、今では「来れる」というら抜き言葉の方が一般的であったりします。「いらっしゃる」というようなれっきとした敬語表現もあるわけで、そういった関連語も含めて使いこなしを見ていきたいと思います。
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来られるの意味は?
来られるの意味は来るの敬語表現
来られるの意味は来るの敬語表現です。来るという言葉の敬語表現は「来られる」に限らず様々な表現があります。どれも概ね同じ意味を表しているのですが、美しい日本語を意識するならば、できる限りその状況に合った「来る」の敬語を使い分けていきたいものです。「来る」の敬語には種類があるのでそれは後述します。
敬語表現に慣れていないとついつい「来ましたよ」「行きますね」といった丁寧語の表現に留めてしまいがちなのですが本来フォーマルなシーンで必要とされている敬語表現においては「来られましたよ」「伺いますね」というような言い回しを求められています。どちらの表現を使うかで相手方の心象が大きく変わって来るのです。
来られるは来ることができるという意味も表すが今では「来れる」が一般的
来られるは「来ることができる」という意味も表しますが今では「来れる」が一般的になっています。例えばパーティーに参加できるかを聞くときに「パーティーに来れますか?」と聞かれたら「行けます」「行けません」と即座に回答することができますが「パーティーに来られますか?」に違和感がある人もいるかもしれません。
「来れる」という言葉は今となっては「来られる」という表現よりも圧倒的に多く使われるようになっているかもしれません。本来であれば「来られる」の方が同じ意味合いであっても好ましい表現であると言われているのですが、日本語全体で考えると「来れる」という言葉の使用頻度の方が年々増加していると感じます。
来られるは敬語としては満点ではなく望ましい敬語表現はほかにもある
来られるは敬語としては満点ではなく、望ましい敬語表現はほかにもあります。「来られる」は敬語表現の1つではあるのですが、「来る」という言葉のその他の敬語に比べると敬語的なニュアンスが薄く、失礼に感じる人もいると言われています。そのためフォーマルな色が強い状況ほど他の言葉を選んだ方が無難でしょう。
例えば「来る」の敬語表現の一つに「お見えになる」という言い回しがありますが、こちらの方が一般的な「お~になる」という尊敬語の言い回しが使われているため、敬語のニュアンスが強くなっていると感じることでしょう。一般的にはこういった「来られる」以外の敬語表現を選ぶ方がベターなシーンが多くなっています。
来られるの過去形は来られたやいらっしゃったを使う
「来られる」の過去形は「来られた」や「いらっしゃった」を使います。現在形や未来形の場合は様々な敬語表現があるのですが、過去形の場合だと主にこの2種類が「来た」の敬語表現として使われるので覚えておきましょう。日本語には間違ってはいなくても違和感のある表現が存在しています。
そのため、どういう表現が一般的に使われていて、どういう表現が一般的に選ばれているかを常日頃から意識すると、よりよい日本語が使えるようになります。「来る」という言葉でどういった敬語表現を使うかで、日本語の美しさは変わってくることでしょう。これを機に、敬語の使い方を意識してみてはいかがでしょうか。
来れるは正しい敬語?
来れるは敬語としても日本語としても間違っている
「来れる」は敬語としても日本語としても間違っている表現になります。まず「来れる」という言い回し自体は単に「来ることができるか?」を問う意味合いしか示していないため、敬語的な要素はありません。敬語的な要素を持たせるためには「来られる」という言葉を使ったり、ほかの敬語表現を用いる必要があります。
とはいえ「来れる」という言葉を日本語として使うのを止めた方がいいということではありません。「来れる」という言葉が急に使えなくなったら日常のコミュニケーションにおいて支障をきたしてしまうことは間違いありません。日本語でコミュニケーションを取るうえで「来れる」は必要な言葉になっていると言えます。
来れるは許容されている誤用表現
本来であれば「来れる」は「ら抜き言葉」であり正しい日本語ではないのですが、あまりにも一般的に使われているために許容されている日本語になっています。とはいえ、フォーマルなシーンでこういった言葉を使うとそれを嫌う人もいますので「参加できますか?」「ご参加いただけますか?」という形で言い換えましょう。
許容されている間違った日本語というのは「来れる」といった「ら抜き言葉」以外でも「二重敬語」が有名です。例えば「お伺いいたします」は「伺う」という敬語表現に「いたします」という謙譲語を重ねて使っています。そのため本来は間違った日本語になります。
もちろん正確な日本語を意識して使う方が好ましいのですが、間違った日本語が許容されていることも意識しつつ、相手方が間違った日本語を使っているからと言って常に話の腰を折って修正を伝えるようなことは、現代においては野暮なことだと意識した方がいいのかもしれませんね。
来られる以外の来るの尊敬語と例文5選
来られる以外の来るの尊敬語と例文①いらっしゃる
来られる以外の来るの尊敬語と例文の1つ目として「いらっしゃる」を紹介します。「いらっしゃる」という言い回しは来られる以外の「来る」の敬語表現において最も使いやすい言葉であると言えるでしょう。
「いらっしゃる」という表現は「来る」の敬語表現以外でも「その状態にある」という意味合いの敬語表現である状況も考えられますので、どちらの意味合いで「いらっしゃる」を使っているのかを判断する必要がある点はしっかり認識をしておく必要があるでしょう。
ちなみに敬語表現の使い方は、自分が使ったことのない表現に当たったらひとつひとつしっかり勉強していく必要があります。下記の関連記事にも、ビジネスパーソンがよく使う敬語表現が紹介されていますので、時間がある時に読んでみてください。
高橋様がいらっしゃいましたが、応接室へお通ししてもよろしいでしょうか。
来られる以外の来るの尊敬語と例文②来社される
来られる以外の来るの尊敬語と例文の2つ目として「来社される」を紹介します。来社という表現に関しては「会社に来る」という意味合いで使われますが、頭に「来」を付ける敬語表現は「来庁」「来園」などのバリエーションが存在します。来る場所がどこになるかで敬語表現が変わってくることになります。
来社のような表現は非常にビジネス感が強い表現となり、ビジネス以外のシーンでは中々使われることはないものの、ビジネスパーソンとしては欠かせない言い回しになりますのでしっかり覚えておきましょう。
高橋様は午後に来社されるようですが、応接室を押さえておいた方がよろしいでしょうか。
来られる以外の来るの尊敬語と例文③お越しになる
来られる以外の来るの尊敬語と例文の3つ目として「お越しになる」を紹介します。「お越しになる」という表現は非常に改まった表現になります。敬語としては満点の言い回しではあるのですが、この言い回しを使うと堅過ぎる印象を与える場合もありますので、ほかの表現と使い分けられるとベターです。
高橋様が来週お越しになるようです。ご来社までには資料は完成しますが一度内容についてご確認いただいた方がよろしいでしょうか。
来られる以外の来るの尊敬語と例文④お見えになる
来られる以外の来るの尊敬語と例文の4つ目として「お見えになる」を紹介します。「お見えになる」という表現は「来られる」という敬語表現よりも一段階敬語の度合いが強い表現と言えます。
「お越しになる」と比較すると「お見えになる」という表現の方が「少し顔を出す」ような状況にも使われます。そのため腰を据えた訪問の場合は「お越しになる」を使い、それ以外の場合は「お見えになる」を使うとどのような訪問なのかそのニュアンスがある程度その言葉尻から伝わることでしょう。
来週高橋様が新しい担当の方のご挨拶でお見えになるようです。お二人で来られるようなので準備の方をお願いいたします。
来られる以外の来るの尊敬語と例文⑤ご訪問される
来られる以外の来るの尊敬語と例文の5つ目として「ご訪問される」を紹介します。この表現はほかの敬語表現と違って、こちら側に来るという意味合いの敬語表現ではなくどこか違う場所へ向かう場合に使われる敬語表現になります。
高橋様は来週弊社へいらっしゃるのですが、その足で仙台にご訪問されるようです。
来るの謙譲語と例文は?
来るの謙譲語と例文①伺う
来るの謙譲語と例文の1つ目として「伺う」を紹介します。謙譲語表現の場合は遜って相手に伝える表現になりますので「伺う」のようにこちら側から相手側へ向かうといった意味合いの表現になります。「伺う」という表現を使うことで、ビジネス感の強い、非常に丁寧さを感じる表現になることでしょう。
また「伺う」という表現は「来る」の謙譲語表現以外でも「質問をする」という意味合いの敬語表現の意味合いも含んでいますので、状況によってどちらの意味合いを示しているのかを考えながら言葉を使う必要がありますので注意しましょう。
お忙しい中ご連絡いただきましてありがとうございます。明日の午後にお伺いして直接お話ができましたらありがたく存じます。午後でしたらお時間の調整が可能ですので、ご都合のいい時間帯をご指定いただけましたら幸いでございます。
来るの謙譲語と例文②参る
来るの謙譲語と例文の2つ目として「参る」を紹介します。「伺う」同様に「来る」の謙譲語として「参る」という表現を使うことができます。どちらも同じ意味合いを表すのですが「参る」という表現には「して参ります」といった表現もあり、これは何かアクションを起こす際の謙譲語として幅広く使われています。
基本的に「来る」の謙譲語表現なのか、アクションに対する謙譲語表現なのかは日本語の文脈から分かりますので「伺う」でも「参る」でも、どちらを使っても間違いや失礼には当たりませんので、状況に合わせて使いやすい方を選んで使うと良いでしょう。
例えばその文章の中で「努力して参ります」「作成して参ります」と「参る」という言葉を他で多用している状況であれば「伺う」を使った方がいいでしょうし、「伺う」を「質問する」の意味合いで使っている場合は「参る」を使うと文章全体が分かりやすくなることでしょう。
高橋は只今参りますので少々お待ちくださいませ。近くにおりますが、渋滞しているようでしてもう少々お時間をいただくことになりそうです。お待たせしてしまい、大変申し訳ありません。
来られると関連語をしっかり使いこなして美しい日本語を話そう!
「来られる」という言葉には「いらっしゃる」等の様々な類語表現があり、それらと併せて使い分けて表現をすることであなたの使う日本語が美しいものになっていくことでしょう
「〇〇様がいらっしゃる」「〇〇様が来られた」といった形で現在形か過去形かでも、美しく響く日本語は違ってきますので、周囲の人々がどういった敬語表現を使っているのかを常日頃から意識するといいかもしれませんね。ここで紹介したことがあなたの語彙力向上の一助になればうれしいです!
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