ずつとづつはどっちが正しい?違いや使い方・使い分け・例文も
「1つずつ」と「1つづつ」、あなたはどっちが正しいかわかりますか?今回は、混同しやすい「ずつ」と「づつ」の違いや意味、使い分け方についてをご紹介します。ビジネス上や授業中、さらには日常的にも登場する「ずつ」と「づつ」についてしっかり理解しましょう!
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目次
ずつとづつの違いとは?
ずつとづつの違い①表記での違い
ずつとづつの違いや意味の1つ目は、表記での違いです。「ずつ」と「づつ」を声に出して読んでも、どっちも大した違いがわかりません。しかし、いざ文字にして書いてみたり、入力してみたりしたときに、表記のしかたによってどっちにも違いがはっきりとわかります。
ずつとづつの違い②使う場所での違い
ずつとづつの違いの2つ目は、使う場所での違いです。例えば、ビジネスや学校の授業、テストなどで使う場合はどっちを使うのかというと、これは「ずつ」を使います。しかし、和歌や古文などが登場するシーンでは、「づつ」を使うといった違いがあります。
ずつとづつの違い③辞書では「ずつ」がメインになっている
ずつとづつの違いの3つ目は、辞書では「ずつ」がメインになっていると言う点です。「ずつ」という言葉の意味を辞書ツールで調べていると、メインの言葉に挙がっているのは「ずつ」、そしてその補足表記として「づつ」が表記されています。
ずつとづつはどっちが正しい?
ずつとづつはどっちが正しいか①現代仮名遣いなら「ずつ」
ずつとづつはどっちが正しいかの1つ目は、現代仮名遣いなら「ずつ」です。現代仮名遣いとは、日常会話やビジネス上、さらには授業中などでも使われている使われる言葉のことです。この現代仮名遣いでは「づ」は「ず」にするとされていることから、「ずつ」と「づつ」のどっちを使うのかというと「ずつ」が正しい答えです。
ずつとづつはどっちが正しいか②歴史的仮名遣いなら「づつ」
ずつとづつはどっちが正しいかの2つ目は、歴史的仮名遣いなら「づつ」です。現代仮名遣いが登場する以前の日本では、歴史的仮名遣いが使われていました。そこでは、「ず」ではなく「づ」を使うのが正しいとされていたため、現代で使うためには歴史的仮名遣いを使うことが求められているシーンで使うのが一般的です。
ちなみに、歴史的仮名遣いを敢えて使うというシーンもあります。とくに身近なところで言うと、俳句などが有名です。「ずつ」ではなく、「づつ」を使うことで、また違った雰囲気が楽しめる俳句となるでしょう。俳句が好きな人は、次記事で夏の季語についても触れていますのでぜひ、併せて読んでみてください。
ずつとづつはどっちが正しいか③学校やビジネスで使うなら「ずつ」
ずつとづつはどっちが正しいかの3つ目は、学校やビジネスで使うなら「ずつ」です。学校やビジネスでは、歴史的仮名遣いを用います。もちろん、歴史的仮名遣いが求められる古文や和歌などを扱ったシーンでは別ですが、基本的な一般生活の中では「ずつ」を使うのが適格です。
ずつとづつの使い方4選
ずつとづつの使い方と意味①1個のものを複数に同じ分量で分けること
ずつとづつの使い方と意味の1つ目は、1個のものを複数に同じ分量で分けることです。わかりやすく具体的な表現で説明してみましょう。まず、そこにケーキが1ホールあるとします。これを、4人家族で分ける様が、まさに1個のものを複数に同じ分量で分けることなのです。
ここで紹介した具体例の中では、1つのケーキのことを「1ホール」という単位を用いてと表現しましたが、単数つまり、1つや1個のようなそこに1つしか存在しないものを、物理的にだいたい同じ量で分けて配る際には、「ずつ」や「づつ」を使用することができます。
ちなみに、物理的にだいたい同じ量と言うのは、目分量で測った時に、同じであると判断した量のことを指します。分ける物の中には、質量が同じく正しい量に分けることが難しいことがあります。そう言ったものを分ける際にだいたい同じ分量に分けたという大雑把なものであっても、同じケーキですので、「ずつ」が使えます。
ずつとづつの使い方と意味②複数のものを複数に同じ分量で分けること
ずつとづつの使い方と意味の2つ目は、複数のものを複数に同じ分量で分けることです。わかりやすく具体的な表現で説明してみましょう。まず、そこにチョコレートが3個あるとします。これを3人の子供たちで分ける様が、まさに複数のものを複数に同じ分量で分けることなのです。
単数つまり、1つや1個のようなものを配る際は、だいたい同じ量で分けること言いましたが、複数の場合はあらかじめ数が定まっているため、配るものの数は、数えたときに同量でなくては「ずつ」や「づつ」は使用することができません。
なぜなら、Aさんには2個、Bさんには3個と、バラバラの個数では「2個ずつ」も「3個ずつ」も、どちらの表現にもこの様子が該当しないからです。個数が目で見て数えられるものは、同じ量で配った場合にのみ「ずつ」や「づつ」は使用することができます。
ずつとづつの使い方と意味③法則に則って配ること
ずつとづつの使い方と意味の3つ目は、法則に則って配ることです。例えば、先ほど紹介した1個のものを複数に同じ分量で分けることも、複数のものを複数に同じ分量で分けることも、分割して同じ量で配るという点においては同じです。
しかし「ずつ」と「づつ」を使うためには、ランダム性があっては成り立ちません。例えば、AさんとBさん、Cさんにあるものを配ります。しかし、配るもの、個数、順番などがバラバラであっては、それぞれに均等に配ることは不可能です。
そのため、「ずつ」や「づつ」を使うのにふさわしく、的確な状況を作るためには、1個のものを複数に同じ分量で分けることや、複数のものを複数に同じ分量で分けることのように、法則に則って均等に分けることが必要となります。
ずつとづつの使い方と意味④毎(ごと)の類語として使う
ずつとづつの使い方と意味の4つ目は、毎(ごと)の類語として使うことです。毎は「まい」とも読みますが、1月毎(ひとつきごと)のように、単位の後につける場合は、「ごと」と読むのが正解です。毎(ごと)はまさに、「ずつ」や「づつ」と同じ使い方ができるうえ、同じ意味を持つ言葉、つまり類語でもあるのです。
例えば、先ほど紹介した1月毎(ひとつきごと)は1月ずつや1月づつと言い換えて表現することができます。毎(ごと)は、〇〇の度(たび)という意味がある言葉で、まさに「ずつ」や「づつ」もこの意味と同様の意味になります。
ずつとづつの使い分けとは?
ずつとづつの使い分け①ビジネス上で使うなら「ずつ」
ずつとづつの使い分けの1つ目は、ビジネス上で使うなら「ずつ」です。ビジネスでは、現代仮名遣いを使うのが一般的ですので、「ずつ」を使用するのが的確です。ビジネスメールや文書など、「ずつ」を使う機会も多いものですが、「づつ」ではなく「ずつ」を使うように気を付けましょう。
ずつとづつの使い分け②現代国語の授業で使うなら「ずつ」
ずつとづつの使い分けの2つ目は、現代国語の授業で使うなら「ずつ」です。現代国語の場合もまた、そこで使われているのは現代仮名遣いですので、基本的に使われるのは「づつ」ではなく、「ずつ」となります。テストなどでも「づつ」を使った場合は誤りと判断されることがあるので気を付けましょう。
ずつとづつの使い分け③古文の授業で使うなら「づつ」
ずつとづつの使い分けの3つ目は、古文の授業で使うなら「づつ」です。古文では現代仮名遣いではなく、歴史的仮名遣いの勉強することになるため、その場に限っては「ずつ」ではなく「づつ」を使うのが正しいと言えます。
ずつとづつの使い分け④私文で使うならどちらでもOK
ずつとづつの使い分けの4つ目は、私文で使うならどちらでもOKと言う点です。私文、つまり公的なものではなく、あくまでもプライベートの範疇の文書や文章においては、どちらを使っても構わないということです。ただし、誰かに宛てて書いた場合は、1つの文書内でバラバラに使うのではなく、統一するのが好ましいです。
ずつとづつのを使った例文6つ
ずつとづつを使った例文①「キャンディを1つずつ配る」
ずつとづつを使った例文の1つ目は「キャンディを1つずつ配る」です。複数のキャンディがあり、それを1つずつと言う均等に分ける様を表現した例文です。この時、キャンディの色、形、サイズが仮にバラバラであったとしても、1個であることには変わりないため、「ずつ」を使用することができます。
これはどういうことか、具体的に説明すると「Aには赤いキャンディを、Bには青いキャンディを、Cには黄色いキャンディを1つずつ配る」と、キャンディの補足情報としてそれぞれバラバラの色について述べたとしても、「ずつ」を使う上ではなんら問題がないということです。もちろんこれは、形やサイズであっても同様です。
ずつとづつを使った例文②「10人を2組ずつに分ける」
ずつとづつを使った例文の2つ目は、「10人を2組ずつに分ける」です。これは、学校や習い事などのクラスなどに、10人いる人数を2組、つまり2人ずつに分けたときにこう表現することができます。10人を2組ずつに分けるわけですから、10人÷2組、つまり2組が5つできるわけです。
もちろんここで紹介している「ずつ」を使った例文は、人に対してでなくてもあてはめて使うことができます。「10個のチョコレートを2種類に分ける」のように、食べ物や物、動物などであっても応用して使うことができる例です。
ずつとづつを使った例文③「ケーキを1種類ずつ買う」
ずつとづつを使った例文の3つ目は、「ケーキを1種類ずつ買う」です。ピースでケーキを売っているお店では、ケーキの種類がいくつも存在します。それをすべての種類につき1個買うことを表現しているのがこちらの例文です。
この例文は、初めに紹介した「キャンディを1つずつ配る」の応用バージョンの例文で、配るのではなく手に入れる側、つまり受け手側から見た例文でもあります。「ずつ」は、配る方、配られる方関係なく、どの立ち位置にいても使用することが可能です。
ずつとづつを使った例文④「各色1種類ずつある」
ずつとづつを使った例文の4つ目は、「各色1種類ずつある」です。服を買ったり、物を買ったりする時、バリエーションと言う言葉を耳にすることがあります。このバリエーションとは、色や、サイズ、タイプなど、同じものでも仕様が異なるものに対して使われる言葉です。
「ずつ」と言う言葉は、バリエーションを表現する際にも使うことができます。例えば、この例を応用してみると、1つの服でも、赤・青・黄色と、3つの色の服がそれぞれ1着ある場合、「この服は赤・青・黄、それぞれ1着ずつ在庫があります」と表現できます。
ずつとづつを使った例文⑤「鳥の子を十づつ十は重ぬとも」
ずつとづつを使った例文の5つ目は「鳥の子を十づつ十は重ぬとも」です。これは、伊勢物語の一説で、鳥の卵を100個重ねるという意味です。これをわかりやすく解釈すると、不可能な事が仮にできたとしてもという意味になります。
伊勢物語の中では、この「鳥の子を十づつ十は重ぬとも」と言う言葉を用いて、不可能なことが仮にできたとしても、あなたに好意を抱くことはないだろうという、男女の仲に言及した話が展開されています。このように、昔から「ずつ(づつ)」と言う言葉は割身近に存在した言葉であることがわかります。
ずつとづつを使った例文⑥「夕づつの星とは見れど」
ずつとづつを使った例文の6つ目は「夕づつの星とは見れど」です。これは、平安時代に存在したの歌人、壬生忠岑が残した「日暮るれば山のは出づる夕づつの星とは見れどはるけきやなぞ」という歌からの抜粋の文です。今までの例から見てみると、「夕づつ」は何となく夕方が続いている様のことかな?と思われることでしょう。
しかし、実はそれは間違いです。ここで言う「夕づつ」とは実は金星のことなのです。現代仮名遣いに直すと「夕ずつ」となり、固有名詞となります。つまり、今までの例とは少し違うイレギュラーな例なのです。ちなみに、同様に「竹筒(たけづつ)」、「頭突き(ずつき)」もまた、趣旨とは違ったイレギュラーな例となります。
ずつとづつを正しく理解して使おう!
「ずつ」や「づつ」は、声に出して読む分には、まったくもって同じものであると判断できます。しかし、いざ文字に書いてみた時、「づつ」を使った場合、人によってはミスであると判断されたり、学校のテストによっては誤りであると判断されます。
普段の生活の中では、「ずつ」を使うことを意識し、歴史的仮名遣いと言う昔使われていた日本語を使うシーンでは「づつ」を使うのが好ましいです。ぜひみなさんも、「ずつ」と「づつ」が混在している理由や背景、使い分け方を正しく理解して使ってみましょう!
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