不条理の意味とは?使い方や道理に合わない意味の類語と理不尽との違いも

「世の中不条理だ」などと不条理という言葉が使われることがあります。誰でも口にしたり耳にしたりしたことはあるはずです。ここでは不条理の道理に合わない・道理に反するという正しい意味を解説していきます。意外と知られていない不条理と理不尽の違いや、不条理の類語も併せて解説します。

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不条理の意味とは?哲学的な意味は?

不条理の意味とは「道理に反する・道理に合わないようなこと」

人の道

不条理の意味とは「道理に反する・道理に合わないようなこと」です。聞き慣れない人もいるかもしれませんが、そもそも不条理の条理とは、物事の道筋や道理という意味があります。条理に「不」をつけて否定しているので、『道筋から外れている・道理に反する』という意味になります。

道筋や道理とは、人としての正しい道や筋が通っているという意味です。つまり不条理は、人としての正しい道や物事の正しい順序ではないということを意味しています。

不条理の哲学的な意味とは「この世に意義を見出せない絶望的な状況」

哲学書を読む女性

不条理の哲学的な意味とは「この世に意義を見出せない絶望的な状況」です。この世に存在する無意味や非合理と、人間のこの世を明らかにしようとする欲求の対立から生まれたとされる言葉です。世の中にある無意味・非合理なことに意味や意義を見出そうとしても、その努力は失敗に終わるということです。少し難しいですね。

哲学では人間の現実的存在を説く実存主義の用語として不条理が使われます。フランスの哲学者カミュが「シーシュポスの神話」「異邦人」の中で説いた不条理が広く知られるようになりました。カミュの著作によると、不条理とは自分の理想との間で生まれる対立や葛藤や分裂としています。

不条理と理不尽との違いは?使い分け方は?

理不尽の意味とは「道理に合わないこと」

納得できない女性

理不尽の意味とは「道理に合わないこと」です。不尽には漢字の通り『尽きない・十分に尽くさない』という意味があります。つまり理不尽とは理を十分に尽くさないということです。理とは道理を指す言葉なので、理不尽は『道理が十分に足りないから道理に合わない』という意味になります。

不条理と理不尽の違いは「絶望的かどうか」

思い悩む人

不条理と理不尽の違いは「絶望的かどうか」です。絶望的なのは不条理、そこまで絶望的ではないのが理不尽です。二つの言葉の違いはここにあります。不条理は道理に反することに納得がいかないという感情を持ちつつも、為す術がなく絶望的という状態を表しています。

理不尽は道理に合わなくて納得はできないものの、何かしらの対応ができる状況を指します。『理不尽に残業を押しつけられた』という場合、仕事を押しつけられたことに納得できなくても、そこまで絶望的とは感じませんよね。絶望を感じないのは、何かしらの対応策や自分の得になることが少なからずあるからでしょう。

理不尽には対処法がありますが、不条理には対処法がない故に絶望感を感じるのです。また理不尽は回避することができますが、不条理は回避できないというのも違いと言えます。上司に仕事を押しつけられることも回避しようと思えば回避できますよね。だから理不尽なのです。

不条理と理不尽は「道理に反するのは何かで使い分ける」

上司に頭を抱える人

不条理と理不尽は「道理に反するのは何か」で使い分けます。道理に反するのが人なら理不尽、道理に反するのが人以外の時は不条理です。理不尽は道理に合わないことを『誰か』にされた時に使います。たとえば「上司から理不尽な仕打ちを受けた」という場合は、道理に合わないことをした『上司』の存在がありますね。

逆に不条理は対象の『誰か』がいない時に使います。たとえば大雨で家が倒壊してしまった時の不条理さには、大雨を降らせたり家を倒壊させた『誰か』がいませんよね。そのため、不条理を使う時は、自分では不条理を防ぐ術がなく、誰かに何かされたわけでもない時になります。

不条理と理不尽のように、似ているけど違いがある言葉がありますよね。下の記事では保証と保障の違いを説明しています。保証と保障、さらに補償との違いや使い分けに不安がある人はぜひこちらの記事も併せて読んでみてください。

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不条理の使い方や例文は?

不条理の使い方|世の中の道理に合わないことに直面した時

自然の驚異

不条理の使い方は「世の中の道理に合わないことに直面した時」です。世の中には道理に合わない・道理に反することに直面することが多くありますよね。そういった時に不条理を使うことができます。ただ使う際には、理不尽との使い分けでも説明しましたが人の力ではどうしようもない状況の時です。

災害や不運としか言いようがない運命などは、人の力ではどうしようもないことですよね。こういう状況に直面した時に、道理に合わないことを嘆く意味で使われるのが不条理です。


不条理の例文①世の中不条理な事ばかりだ

不条理を嘆く人

不条理の例文1つ目は「世の中不条理な事ばかりだ」です。実際、世の中道理に合わない不条理な事は多々ありますよね。そういった世の中の不条理を嘆いた例文です。不条理な災害や事故・事件などが起きると、例文のようなフレーズを口走ってしまう人も多いですね。

不条理の例文②我が家に雷が落ちるなんて不条理だ

家の建築を考える人

不条理の例文2つ目は「我が家に雷が落ちるなんて不条理だ」です。落雷によって家が崩壊してしまった時の気持ちを不条理で表している例文です。落雷はある程度予測できたとしても、雷を止めたりすることは不可能ですよね。他の家ではなく自分の家に落ちたというのも、まさに不運としか言いようがありません。

不条理の例文③幼い子供を遺して亡くなった彼女を思うと不条理を感じる

泣く女性

不条理の例文3つ目は「幼い子供を遺して亡くなった彼女を思うと不条理を感じる」です。人の生き死にも人の力ではどうしようもできません。生きたくても生きられなかった運命は、まさに不条理ですね。

不条理の例文④不条理な世の中で活路を見出したい

学ぶ人

不条理の例文4つ目は「不条理な世の中で活路を見出したい」です。不条理を嘆くばかりではなく不条理の中で生きていく方法を見つけようとしている例文です。ここまで紹介した不条理の例文の中では、比較的前向きな使い方です。道理に合わないことを嘆くばかりではない哲学的な印象を受けますね。

不条理の類語・対義語は?

不条理の類語①矛盾


頭を抱える人

不条理の類語1つ目は「矛盾」です。物事のつじつまが合わないことを意味する矛盾は、不条理の類語の一つです。物事のつじつまが合わないということは、道理が一貫していないということですよね。道理が合わないという意味で、不条理の類語になります。

不条理の類語②不合理

携帯をチェックする人

不条理の類語2つ目は「不合理」です。不合理には、道理に合わない・矛盾しているという意味があります。不条理の意味と重なるところが多いですね。意味合いは似ていますが、不合理は組織や制度の道理に合わない・矛盾しているところを非難する時に使います。人の力が及ばない不条理とは使い方が異なるので注意しましょう。

不条理の類語③非合理

ケンカする二人

不条理の類語3つ目は「非合理」です。非合理には、論理や道理に合わないという意味と論理や理性では明確にできないという意味があります。道理に反する神秘的、情緒的、信念的なものを指す時に使われます。

不条理の対義語①条理

仕事を進める人たち

不条理の対義語1つ目は「条理」です。不条理は条理を否定している言葉なので、条理が対義語になるのは当たり前ですね。最初にも説明しましたが、物事の道筋や道理を意味するのが条理です。『条理が整っている』など道筋や道理が合っている時に使ったり、『条理に合わない』という形で不条理を伝えることもできます。

不条理の対義語②道理

道筋を示す人

不条理の対義語2つ目は「道理」です。物事の正しい道筋を意味する道理も不条理の対義語です。不条理自体が道理に合わないという意味なので、道理が対義語になるのは当然と言えます。『物事の道理を理解している』というように道理は使われます。『道理に反する行為をしている』と、道理を否定する形で使うこともできます。

不条理の対義語③理(ことわり)

会議で発言する人

不条理の対義語3つ目は「理」です。ことわりと読みます。理は、物事の道筋や道理を意味する言葉です。理不尽の「理」の意味と同じと考えてください。『彼女の言うことにも多少の理がある』というように使われます。ことわりとは読みませんが『理にかなう』という言葉にも、道理が合っているという意味があります。

思わずびっくりな不条理エピソードは?

不条理エピソード①親切心が不審者登録された

親切に拾ってあげる人

不条理エピソード1つ目は「親切にしたら不審者登録された」です。落とし物を探している子供に親切心で一緒に探してあげていたら、周囲の人に子供をターゲットにした不審者として通報された、必死に無実を訴えても信じてもらえず、不審者として地域住民に周知されてしまったという思わずびっくりなエピソードです。

不条理エピソード②出産した子供への舅の発言

赤ちゃん

不条理エピソード2つ目は「出産した子供への舅の発言」です。二人目の娘を出産し、退院後旦那の実家に娘を連れて行った時、姑は『可愛い』とデレデレになっていたものの、舅は娘の顔を見た途端に『また女か』と言い放って去って行ったというエピソードです。

一人目の娘は目に入れても痛くないほど可愛がっていたにも関わらず、二人目の娘にはとんでもない差別的な発言をした舅に、驚きのあまり口が開いてしまい、心の中では『男か女かなんて産み分けれるわけがない』と感じたそうです。

出産は産むという漢字が使われていますが、赤ちゃんを「生む」「産む」のはどちらが正しい使い方か知っているでしょうか。下の記事では生むと産むの違いと使い分けについて説明しています。意外と間違われやすい漢字ですので、ぜひ下の記事を読んで正しい使い方を覚えてください。

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正しい使い方で不条理を使おう

「世の中は不条理なことばかりだ」などと、不条理という言葉が使われることが多くあります。もちろん正しく使われている場合もありますが、ただ道理に合わないという意味だけで使われていることもあります。正しい使い方で不条理を使いましょう。意味と使い方をマスターすれば、他の言葉も使いこなせるようになりますよ。


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