起承転結のそれぞれの意味は?使い方やストーリーの書き方は?例文3選も
あなたは、文を考えるときによく使われる「起承転結」という言葉の意味や使い方をご存知ですか? この記事では、「起」「承」「転」「結」のそれぞれの意味や、「起承転結」を使ったストーリーの書き方や、使い方、例文などもお伝えしていきます。 ぜひ、文を作成するときの参考にしてみてください。
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起承転結の意味は?
起承転結の意味①もともとは漢詩の構成法のこと
この「起承転結」という言葉は、もともと中国の六朝時代(紀元200年~600年頃)に民衆の間で広まった4行からなる中国の漢詩(絶句)の構成法を表しています。古くは「起承転合」ともいいました。
1行目を「起句」2行目を「承句」3行目を「転句」4行目を「結句」と呼びます。日本では、作文などを書くときの基本の構成を意味する言葉として使われています。
起承転結の意味②物事の順序・組み立て
「起承転結」の2つ目の意味として、「物事の順序、組み立て」という意味があります。これは、1つ目の意味のである文の構成から転じて、順序や組み立てという意味になりました。四字熟語として使われるときは、主にこちらの意味で使われます。四字熟語としての使い方の例文は後に紹介しますので参考にしてみてください。
起承転結のそれぞれの意味は?
「起」の意味は「始まり」
「起承転結」の「起」は物事の始まりを意味します。物語であれば、これから書く文章の設定や状況を表現する部分です。どんな登場人物がいるのか、どのような時代背景や世界なのか、その物語はどのように始まっていくのかなどを紹介します。また、感想文や論文の場合は、文章のテーマを書く部分になります。
「起」は、読み手を文章の中に引き込んでいく大切な部分になります。ここで読み手に何を訴えたいのかをしっかり伝えることで、文章の続きを読んでもらえるのです。
「承」の意味は「出来事」
「起承転結」の「承」は「出来事」を意味します。「承」は「うけたまわる」とも読みます。言葉のとおり、前項の「起」の部分を承け、具体的な出来事を示す部分です。
物語ではストーリーの流れを作る部分で、きっかけとなる内容が書かれます。論文では自分の考えを具体例などを入れて述べる部分となります。
「転」の意味は「転換」
「起承転結」の「転」は「転換、転機」を意味しています。「承」からストーリーの流れが変わる出来事が描かれます。ここで重要なのは、あくまでも「承」を転換するものであるということです。「承」と「転」は表と裏の関係である必要があります。
物語では、ストーリーの核として一番盛り上がる部分であり、「承」で示されたきっかけを解決する内容が書かれます。論文では、「承」で述べた自分の見解とは反対の事例を提示し、自分の見解が正しいことを証明する部分になります。
「結」の意味は「結末」
「起承転結」の「結」の意味は、「結末、結論」意味しています。「起」と「結」は、文章で言うと主語「起」と述語「結」のような関係になります。「起」で掲げたテーマの答えとなる部分です。
「結」では一番伝えたいことを表現します。この部分が曖昧だと、結局何が言いたかったの?ということになってしまうので、話をするときや、文を書くときは気を付けなくてはいけません。
「起承転結」と「起」「承」「転」「結」それぞれの英語表現
「起承転結」をそれぞれ英語で表すと「起」は「introduction」、導入を意味します。「承」は「development」、発展を意味します。「転」は「turn」、転換を意味します。「結」は「conclusion」、結末を意味します。
「起承転結」という言葉を英語で表現する場合は、「introduction,development,turn and conclusion」もしくは、「four-part organization of Chinese poetry.」と表現されます。
また、「起承転結」日本独自の言葉として認識されているため、「Kishotenketsu」とそのまま表現することもあります。
起承転結の使い方は?例文3選
「起承転結」の例文①この漫画は起承転結がはっきりしていて読みやすい
「起承転結」の例文の1つ目は「この漫画は起承転結がはっきりしていて読みやすい。」です。「起承転結」は文章の構成法のことであることは先述しましたが、この例文の「起承転結」の使い方は四字熟語の意味である「順序・組み立て」として使っています。
文章を読んだ感想を聞かれたときなどには、ただ「面白かった」「つまらない」だけでなく、話の組み立てや展開についても答えることで、しっかり読んでから答えているという印象を与えられます。
「起承転結」の例文②人生は起承転結だが「転」がないことも多い
「起承転結」の例文の2つ目は「人生は起承転結だが「転」がないことも多い。」です。この例文での「起承転結」の使い方は、「起」「承」「転」「結」それぞれの意味を当てはめています。「転」がないとは、順調に平凡に、特に大きな事件などなく過ごしている人も多いということを表しています。
「起承転結」の例文③あなたの話は起承転結がないからわかりにくい
「起承転結」の3つ目の例文は、「あなたの話は起承転結がないからわかりにくい。」です。ここでの「起承転結」の使い方も、四字熟語の意味である「順序・組み立て」を示す言葉として使っています。
普段の何気ない会話でも、ビジネスシーンにおいても、こんな風に言われないように「起承転結」を意識しながら話をしてみてくださいね。
起承転結のストーリーの書き方は?
「赤ずきんちゃん」を例文にした「起承転結」のストーリーの書き方
ここまで、「起承転結」の意味や使い方を説明してきましたが、実際ストーリーを書くときにはどのように書くとよいでしょうか。わかりやすく、「赤ずきんちゃん」のお話を例文に「起」「承」「転」「結」それぞれにパーツわけして書き方を紹介していきます。
- ・「起」…赤ずきんちゃんは赤いずきんが好きな女の子です。離れて住んでいるおばあさんが病気になったので、寄り道することなくお見舞いを持っていくようにお母さんに頼まれます。
- ・「承」…赤ずきんちゃんが道中でお母さんの言いつけを守らずに遊んでいるとオオカミに出会い、おばあさんの家に行くこと話してしまいます。先回りしたオオカミは、おばあさんを食べてしまいます。
- ・「転」…おばあさんがオオカミに食べられたことを知らない赤ずきんちゃんも、おばあさんに化けたオオカミに食べられてしまいます。
- ・「結」…通りすがりの猟師が、おばあさんの家でオオカミが寝ていることに気がついて、オオカミを殺し、おばあさんと赤ずきんちゃんを助け出します。助かった赤ずきんちゃんは、お母さんの言いつけを守らなかったことを反省します。
「赤ずきんちゃん」の「起承転結」
「起」の書き方
「起」は物語の始まりです。物語の世界観や時代背景などを描きます。また、主人公や、その他の主な人物などが登場し、その日常や関係性などを表していくことが多いです。
「赤ずきんちゃん」の場合、赤いずきんが好きな女の子であるという主人公の紹介や、病気になってしまったおばあさん、そして、これからのストーリーのきっかけになる、おばあさんのお見舞いへ行くことが描かれています。
「承」の書き方
「承」はストーリーがどんどん進んでいく部分です。物語の中で、最も長くなることが多い部分です。ここでの書き方のポイントは、後に続く「転」へ向けて物語をしっかり膨らませ進めていくことです。
「赤ずきんちゃん」では、「起」でお見舞いに行くときには寄り道をせずに行くように言われていたにも関わらず、「承」で、その言いつけを破ったことでオオカミと出会い、そのオオカミが、先回りしておばあさんを食べてしまうという展開になっています。
「転」の書き方
「転」はストーリーが変化していきます。書き方のポイントは、読み手を驚かせるような展開を描いていくことです。物語の中で重要な部分なので、意外性があればあるほど物語が面白くなります。
「赤ずきんちゃん」の「転」では、赤ずきんちゃんがオオカミに食べられてしまうという意外性が描かれています。主人公が食べられることで、読み手は「この後どうなるんだろう?」と読み進めたくなるのです。
「結」の書き方
物語の最後の部分である「結」は、「転」で起こった出来事を解決し、その物語で一番言いたかったことを描く部分です。「結」がまとまっておらず、だらだらとしていると物語全体が締まらず、読み手は不完全燃焼で「結局何が言いたいの?」と物語がつまらないという印象になってしまいます。
「赤ずきんちゃん」の「結」は「転」でオオカミに食べられた主人公はしっかりと助けられ、結果だけ見ればおばあさんも赤ずきんちゃんも助かり、オオカミは死ぬのでめでたしめでたしです。さらに、お母さんの言いつけ(寄り道をしない)を守らなかったことで危険な目にあったことを反省することが描かれています。
この部分が、「起」でお母さんが言った寄り道をしないことが物語のポイントであることがわかり、「結」につながっていることがわかります。
起承転結の使い方のコツは?
「起承転結」の使い方のコツ①「起」「承」「転」「結」それぞれの配分
「起承転結」のストーリーの書き方には、コツがあります。まずは、「起承転結」を使うことが一番多い物語の場合を紹介していきます。
「起承転結」の割合は均等ではありません。文章のバランスを考えると、「承」と「転」が文章が進む核となる部分ですので割合を大きくするとよいでしょう。それぞれの目安となる配分を以下に紹介します。
- ・起・・・約10%
- ・承・・・約40%
- ・転・・・約40%
- ・結・・・約10%
起承転結の配分
以上のような配分を目安にストーリーを考えていくと、バランスが良いと言われています。それぞれの配分をきっちりと守る必要はありませんが、ちょっとしたコツとして頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
「起承転結」の使い方のコツ②書く順番
物語をはじめ、文章を書くときにはついつい最初から「起」「承」「転」「結」の順番に考え書き進めていきがちです。長い文章になればなるほど、まとまりがなくなったり、伝えたいことがぼやけてしまうことがあります。
そこで、伝えたいことや、話の核となる「転」や「結」を先に考えてみましょう。それから、「転」「結」に向かうための「起」「承」を考えていくと、展開や結末がすっきりとしたわかりやすいものになります。
「起承転結」を使いこなそう
この記事では、「起」「承」「転」「結」のそれぞれの意味や、四字熟語としての使い方、「起承転結」を使ったストーリーの書き方や、例文などをお伝えしてきました。
いろいろな文章の構成方法がありますが、なかでも基本的な「起承転結」をうまく使うことで、メリハリのある読みやすい文章になります。書く場合だけでなく会話でも、聞き手を引き込み、伝えたいことを相手にしっかり伝えられるように「起承転結」を意識して話してみましょう。
また、文章の内容によっては「起承転結」の構成が向かないことがあります。レポートや論文には「転」の部分が必要ないことがあるためです。以下に、レポートや論文を書く場合の問題提起や考察の意味や書き方や例文の記事をご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。
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