捨象の意味や使い方例文5選!類義語や対義語は?現象/要素/考える
捨象の意味を知っていますか?ビジネスシーンなどでは「捨象する」というように表現されていますが、日常的な言葉ではないためわからない人が多いと言われています。今回は、そんな捨象について紹介します。類語や類義語についてチェックしましょう!
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捨象の意味は?
捨象の意味は「概念を抽象化して考える時に他の要素を捨てる」こと
この言葉の意味は、物事に含まれる概念や要素、性質といったものを抽象化する際に、それとは関係ない要素等を切り離して考えることを表します。
簡単に言えば、一つの物事が持っている複数の要素や性質の中から、必要なものを抜き取って後は捨てることを言います。たとえ的に表現すると、果物のみかんが持っている部分から食べられるところだけ抜き出す場合、必要なのは果肉なのでそれだけを集めて、いらない部分である皮や種は捨てることを言います。
捨象の読み方は「しゃしょう」
捨象の漢字の読み方は「しゃしょう」です。「捨」と「象」をそれぞれ音読みにしたものとなります。この漢字を知らない場合、手放す意味を持つ「捨てる」と動物の一種を表す「象」が組み合わさっていることから「すてぞう」や「しゃぞう」と勘違いする可能性がありますが、実際には違うので気をつけましょう。
捨象を英語で表現すると「abstract」
捨象を英語で表現する場合は「abstract」と表記します。「捨象」だけでなく、「難しい」や「観念的な」という意味も含まれていますが、実は対義語関係にあたる「抽象的な」も含まれています。
その理由は、英語としては「抽象」と「捨象」を使い分ける表現がない・区別する必要がないと考えられているのと、二つの言葉は表裏一体の言葉だからというのが挙げられます。ちなみに、行為として抽象する状態を表す場合は「abstruction」と表現します。
捨象の使い方は?
捨象の使い方①物事や現象の一部を捨てて理解しやすくする
捨象の使い方1つ目は、物事や現象の一部を捨てて理解しやすくすることです。難解な物事や現象が持っている要素を切り捨てることで、頭が柔らかくない人や知識や認識が不足している人でも理解できるようになります。
人は複雑な物事や現象をそのまま把握した上でそれを言語化したり伝えたりすることはできないとされているため、それらを理解するためには一部を抽象化しなければなりません。そのため、理解するための行為として捨象が行われているのです。
捨象の使い方②物事や現象の本質を考えやすくする
捨象の使い方2つ目は、物事や現象の本質を考えやすくすることです。難解な物事や現象をそのままにして考えてしまうと、それが持っている本質を見抜けないまま逸れてしまい、全く別の考えに至ります。そのため、無駄な要素を捨てて本質を見定められるようにする必要があります。
捨象の使い方例文5選
捨象の使い方例文①文章に含まれている不必要な単語を省く場合
捨象の使い方例文1つ目は、文章に含まれている不必要な単語を省く場合です。一つの文章を簡潔にまとめる場合、重要な要素以外の形容詞や動詞といった単語を省かなければなりません。
例えば、「この場に一つの小さくて熟していないリンゴが存在する」という文章を「リンゴがそこに存在する」という形で捨象する場合、「一つの小さくて熟していない」という文章を切り捨てなければなりません。これによって「この場にリンゴが存在する」となるので、捨象化されたと表現できます。
捨象の使い方例文②本質的な取捨選択をする時の表現として扱う場合
捨象の使い方例文2つ目は、本質的な取捨選択をする時の表現として扱う場合です。情報理論や社会学の中では、重要な情報である「シグナル」を大切にして、重要ではない情報の「ノイズ」を捨てるという「ノイズ理論」が存在します。
このノイズを捨てるという部分は、捨象の要素と一致しているため、場合によっては「ノイズを捨象する」と表現されます。この表現は情報理論や社会学の域を超えて様々なところで使われています。
- ・インコという概念を定めるには個別に存在する具体的なノイズを捨象しなければならない。
- ・この事柄の本質を見抜くためにはノイズを捨象しなければならない。
- ・問題に取り掛かる前にまずはノイズを捨象しよう。
本質的な取捨選択をする時の表現として扱う場合の使い方例文
捨象の使い方例文③物事の本質に注目する場合
捨象の使い方例文3つ目は、物事の本質に注目する場合です。一つの物事に存在する本質的な要素のみを注目する時の表現として「具体的特徴の捨象」という言葉があります。
実際に何かを捨象する場合、複数の物事や現象に共通する特徴のみ注目される傾向があり、それ以外の情報は取り除かれます。この「複数の物事や現象に共通する特徴」こそが具体的特徴の捨象に当てはまるのです。
- ・ライオンの概念を抽出するためには各種の具体的特徴を捨象しなければならない。
- ・「リンゴがある」という簡潔な文章にするためには「赤い」などの具体的特徴を捨象しなければならない。
- ・共通認識を捉えるために具体的特徴を捨象した。
物事の本質に注目する場合の使い方例文
捨象の使い方例文④弱者的存在が見放されているのを表現する場合
捨象の使い方例文4つ目は、弱者的存在が見放されているのを表現する場合です。この言葉は他の要素を度外視するという意味が含まれているため、社会における弱者的存在が排他されている様子を指す場合に使われています。
- ・都市にはスーパーやクリニックといった施設が充実しているが、田舎に住んでいる人たちは気軽に行けないため、見ようによっては田舎に住んでいる人は捨象されている。
- ・この都市は娯楽の消費が良い傾向にあるが、貧困者などは低い傾向にあるため彼らが捨象されている。
- ・政府は国民を企業労働に駆り立てようとしているが、実際には心身の病気や過去の経験で苦しんでいる人たちが捨象されている。
弱者的存在が見放されているのを表現する場合の使い方例文
捨象の使い方例文⑤ビジネスシーンで使う場合
捨象の使い方例文5つ目は、ビジネスシーンで使う場合です。この言葉はビジネスにおいて、仕事中に発生した問題の本質を見抜く時や、新事業における必要ではない情報を切り落とすための表現として扱われています。この時、「〜を捨象する」というように使われます。
- ・昨日発生したトラブルの本質を見抜くためにもいらない情報を捨象した。
- ・新商品の開発にあたって、ターケットである10代女子以外の情報を捨象した。
- ・新プロジェクトを開始するにはまず昔の情報を捨象しなければならない。
ビジネスシーンで使う場合の使い方や例文
捨象の類義語は?
捨象の類義語・類語①無視
捨象の類義語・類語1つ目は、無視です。存在価値を認めないことを表す言葉で、主にそこにあるものをないとみなす場合に使われています。どちらも物事や現象に含まれる要素の一部を必要ない・関係ないものとして扱うため、お互いに類義語・類語関係にあると言えます。
こちらの記事では、無視する人の心理について男女別でまとめられています。こちらから話しかけても一向に反応してくれない人は、コミュニケーションが下手というコンプレックスを持ってる可能性もあります。周囲に自分の話を無視してくる人がいるときはこちらの記事を読んで、無視された時の対処法を学びましょう。
捨象の類義語・類語②選別
捨象の類義語・類語2つ目は、選別です。物事を選び分けることを意味するこの言葉は、主に種類別に分ける際に使われています。どちらも要素などに注目し、そこから種類別に選んで分けるという意味を持っているので、お互いに類義語・類語関係にあると言えます。
捨象の類義語・類語③排除
捨象の類義語・類語3つ目は、排除です。そこに存在するものを押しのけてなくすことを意味する言葉で、主に現在そこに置かれている物体を取り除く際に使われています。どちらも不必要なので撤去するという意味を持つので、お互いに類義語・類語関係にあると言えます。
捨象の対義語は?
捨象の対義語:抽象
捨象の対義語は、抽象です。物事や表象が持っている要素や性質を抜き出して把握・概念化することを指す言葉で、具体性がなくて大雑把なイメージが含まれています。捨象は物事や現象が持っている要素の中から必要ないものを捨てるのに対して、抽象はそれらが持っている要素を抜き出して概念化することを指しています。
捨象は物事や現象が持っている要素の中から必要ないものを捨てるのに対して、抽象はそれらが持っている要素を抜き出して概念化することを指しているため、お互いに対義語関係にあると言えます。
こちらの記事では、抽象的の意味についてまとめられています。ビジネスシーンでも使われているこの言葉は、複雑な事柄を簡潔にまとめ上げる際に使われていますが、どういったもの抽象的と呼ぶのか把握していない人がほとんどだと言われています。人に説明するためにもこちらの記事を読んで、抽象的を理解しましょう。
捨象の対義語である「抽象」はお互いに切り離せない関係にある
捨象の対義語である抽象は、お互いに別の意味を持ちながらも同時進行して行われる行為でもあります。物事や現象が持っている要素を抽象化するということは、それらが持っている共通する要素に含まれているものが捨象されることでもあります。つまり二つの言葉は対義語でありながらも実際には一緒に進行しているのです。
捨象と抽象は表裏一体の関係!
物事や表象に含まれる要素を概念化するときにその他の要素を切り捨てることを意味する捨象は、主に本質を見抜く際に使われています。しかし、「別々の物事に含まれる共通の要素を集めて概念としてまとめたもの」を意味する「抽象」と表裏一体の関係にあります。難しいことではありますが、セットで覚えておきましょう。
こちらの記事では、韜晦の意味についてまとめられています。捨象と同じく日常的に聞きなれない言葉である韜晦は、「自分の本心や能力を隠す」ことを表します。周囲に「自身が持っている考えや能力を隠しているな」と感じる人がいるならこちらの記事を読んで、韜晦の意味を学んでしている人のことを考えてみましょう。
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